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異世界で少女とまったりするために頑張る  作者: レモン彗星
第1章…迷宮都市での基盤づくり
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65.隠密ギルドへ…ふにふに

俺は昨日のお礼を、ユーリさんは隠密ギルドのカードの受け取りのためにやってきました!

隠密ギルドっ!


相変わらず、地図無しじゃキツい所に建ってやがるぜっ!


「ユーリさんも地図もらったらどうですか?」

「うーん…自分の所属している場所に、地図が無いと行けないって…なんか負けた気がしない?」

「気持ちは分かりますけど、迷って迷惑かけるよりは遥かにマシでしょう?」

「うっ…その通りです……」


そんな会話をしながら隠密ギルドへ入る。

すると、いろんな人が声をかけてくれた。


「おっ!お嬢!早速遊びに来たのか?」

「なにっ!?お嬢が来たっ!?よーし、ならば昨日買ったこのお菓子を…」

「あっ!お嬢!どうしたの?何か忘れ物?」

「お嬢!」

「お嬢っ!」


…なんで全員お嬢呼びになってんだ……?

まぁいいや…用件を話そう。


「皆さん、おはようございます。昨日いろいろ貰ったので、改めてお礼をと。ダニエルさんはおりますか?」

「呼んだかぁ?」

「にゃあっ!?」

(ひゃっ!?)

「きゃあっ!?」


俺が挨拶と用件を伝えると、またダニエルさんが真後ろに突然現れた。


なんなん?

俺の背中にビーコンでも付けたん?

そっから生まれてるん?


「にゃあって……!くくく…猫かよ…可愛らしいなぁ、おい」


このやろう、笑ってやがる。

しょうがないじゃん、なんか出ちゃったんだから!


「ダニエルさん…おはようございますこのやろう」

「おう、おはよう!お嬢!」

「…いい笑顔で……」


腹立つわぁ……!


「キツネっ娘も昨日ぶりだな」

「は、はいっ!昨日ぶりですっ!」


ユーリさんはまだ慣れんのか……。


「ユーリさん…相手はギルドマスターとはいえダニエルさんですよ?そんなに緊張してたらセクハラされますよ?」

「しねぇよ。変なこと吹き込むなよ、お嬢」

「だ、だだだだってぇ……!」


昨日その件は許されたし、そんな震えることないと思うけど……。


そう思っていたら、ユーリさんの口から、今朝聞いた単語が出てきた。


「ダニエル…さんって、あの《断罪》のダニエルさんだよっ!?緊張するよぉ……!」

「《断罪》」

「……」


今朝メイカさんたちも言ってたけど、そんなに有名だったんだ。ダニエルさん。


なんか本人、ちょっと難しそうな顔してるけど。

どったん?


そんなダニエルさんに気づかず、ユーリさんは《断罪》のことを語り出す。


「あらゆる仕事をこなす最強の隠密……そんな生ける伝説みたいな人が目の前にいるんだよっ!?」

「すごいですねぇ」

「分かってないねっ!?」

「あー…もうやめろキツネっ娘。お嬢に聞かせるような話じゃねぇ」

「!?…………(コクコク)」


ありゃ、ユーリさん黙って頷いちゃった。


うーん…人の二つ名はいじるくせに、自分のは駄目なのか……あーでもなぁ…《断罪》って付けられるってことは……まぁ何か物騒なことやったんだろうなぁ……。


それなら子供に聞かせることじゃないか。

この話は切り上げよう。


「まぁダニエルさんが《断罪》だか《男性》だかはさておいて」

「さておけないこと聞こえたぞ?オレは紛うことなき男性だぞ?」

「ハハッ」

「なんで笑ったっ!?」


なんとなく。


「昨日貰ったこれのお礼に来たんですよ」

「さらっと話を続けるな……で?これのお礼なら、別に要らないぞ?昨日いろいろと迷惑をかけちまったんだからな」

「そりゃ私だって、そう言われると思って最初はありがたく貰おうと思いましたよ。でも中身とバッグ自体のレア度が高すぎてお礼言わなくちゃ、って思ったんですよ」


16万ゴル入ってただけでも驚いたのに、バッグ自体が100万はするって言われたら当然の帰結だろうに。


なんで不思議そうな顔するかね?


「重労働に落とし穴で怖がらせちまったからこのぐらいは当然だろう?」

「怖いですよ…こんな高価な物持ってるってだけで萎縮しますよ……?」

「そうかぁ…お嬢は結構肝が小さいんだな」

「酷い言われようだ。金銭感覚とち狂ってるとしか思えない……」

「お嬢のが酷くないか……?」


そんなばぁかな。


「とにかく、お金と本と護符だけでもありがたいのに、なんか服まで入ってたし、バッグ自体は高級品だし、貰い過ぎだと思うんですっ!」

「うーん…そうは言ってもなぁ……ていうか服なんて誰が入れたんだ?」

「私」

「(わぁっ!?)」

「きゃあっ!?」


また後ろから奇襲を受けたので振り返ると、そこにはココさんが立っていた。


五感の鋭いユーリさんも驚いている……。

隠密ギルドの職業病……なんて恐ろしいっ!


「ココが?」

「そう」

「なぁんで言わない?」

「照れくさいから」

「真顔で言うことじゃねぇ…」


すげぇや、表情筋がピクリとも動かねぇ。

この人照れるとかあるんか?


「というか、この服ココさんが選んでくれたんですね。すごく落ち着きます。ありがとうございます」

「ん」


白、黒、灰色というバリアタイプまっしぐらなカラーリングはココさんのチョイスだったんだなぁ。


なんか納得。


あ、でも…


「えっと…じゃあ下着も?」

「うん、私」


あのピンクドットもココさんなのかっ!?


外側全部モノトーン配色だったのに、中はキュートに決めてくるとか!


やりおるなっ!


ていうかそうかー…ココさんなら下着のサイズ知っててもおかしくないなぁ……。


普通おかしいのに、おかしくないと思わせるココさんの力量、その一端を昨日見たし感じたからなぁ。


五感が鋭いユーリさんですら気づかないほどだもんなぁ。


やっぱりココさん凄いなぁ……。


「そっかぁ、あれも可愛くて好きですよ」

「そう、よかった」

「はい!ありがとうございます」

「ん」


ん…?

なんか少し笑ってるような……?


「んー…それは良かったが…そうかバッグかぁ……」

「そうでした。このバッグ、せめてもう少し下のランクのものは無いんですか?こんなランクのもの私持ってませんし」


一応バッグのランクをぼかして言う。

100万するCランクのバッグなんて表で言いたくない。


今のところCランクの物は持ってないし、いまいちどれがCランク相当なのかも理解してないので、完全に宝の持ち腐れだ。


「ふ〜む…言いたいことは分かったが…代わりのものを用意するには時間がかかるぞ?そのバッグにはちゃんと防犯機能も付いてるし、そのままでいけないか?」

「防犯機能?」

「ん?言ってなかったか?」

「聞いてないですね」


手紙にも書いてなかったし。


「そうか、じゃあ言っとくか。そのバッグには魔力認識の魔法が、そのバッグの(ひも)には盗難防止の魔法がかかってんだよ」

「え?このヒモにも魔法が?」


魔力認識の方は、第3寮舎(うち)と同じようなものだと思うけど、ヒモの方にも防犯機能が?


「その紐には「固定」の魔法がかけられていてな。魔力を流すと、その流した本人の魔力をもう一度流さない限り、ガッチガチに固められるっつー魔法だ」

「へぇ〜、とてもシンプルながら効果的な魔法ですね」


「固定」って…分かりやすいけどさ。

あぁでも、こっちのマジックバッグも収納魔法がかけられてる物だし、もしかしたらこっちも「収納」って魔法かもしれないな。


うん…下手に横文字使われるよりは分かりやすい。

カッコいいかどうかは……うん。


「お嬢は自力でガッチガチにしてるが、そこまでしなくても良かったってわけだ。すまん、説明不足だったな」

「あはは…まぁ確かに…これ解くのはかなり骨ですけど……」


何周固結びしたと思う?

俺もうろ覚え。


「私がやろうか?」

「ココさんが?えっと…ものっそ固めましたよ?」

「問題無い」

「おぉ…頼もしい……。じゃあお願いしていいですか?」

「ん」


お願いすると、早速ココさんは俺の腰に付けられたマジックバッグの紐を解く作業に入った。


とはいえ…ココさんが凄いのは知ってるし、こういうのも隠密ギルドの仕事っぽいとは思わなくも無いけど……


「出来た」

(え?)


さすがに忘れた回数の固結びは……え?


「……もう終わったんですか?」

「うん、はい」

「あっありがとうございます」


ココさんから腰に付けていたマジックバッグを受け取る。


わぁ〜!紐も綺麗に残ってるぅ〜!


「スゴっ!」

(すごいっ!)


マグもそう思うよな!?


ただでさえ固結びしちゃうと解けなくてイラっと来ることあるのに。

それを何周かしたのに。


5秒足らずで解いたのっ!?

ヤバくないっ!?


「マーガレット、早速結んで魔力を流してみたら?」

「ん、そうですね。ではでは……」


ユーリさんに促され、俺は元の位置にマジックバッグをくくり付ける。

今度は軽めに蝶結びっと。


それで?これに魔力を流す……。


…これで良いかな?


「ほいで………わっ!すごいっ!固いっ!」


結んだので早速引っ張ってみるが……


すげぇっ!

本当に動かねぇ!


「へぇ〜…ねぇ、引っ張ってみても良い?」

「どうぞどうぞ」


興味が湧いたらしいユーリさんがマジックバッグを四方に引っ張る。


「わっ!本当だ!全然解けないよ!?」

「ね!すごいですよね!」

「うん!凄い!こんな魔法あったんだね!」


凄いぞ「固定」魔法。

これがあれば、紙にイラストを描くときや定規で線引くときなんかも安心だぞ!


便利ぃ〜!


「あ、おいっキツネっ娘!そんな引っ張ったら……」

「え?」


ユーリさんがマジックバッグをぐいぐいと上に下に引っ張ったていたら、俺のスカートごと下にいってしまった。


「(…………)」

「…………」


ユーリさんと目を合わせながら思考が止まる俺たち。

時が止まるギルド内。

「あちゃー」と頭を押さえるダニエルさん。

なんとなく困った顔をしている気がするココさん。


(き……)


「きゃああああぁぁぁぁぁ!!!」


マグが衝撃で表に!?


「ユ、ユユユユーリさんっ!早っ!早く戻してくださいっ!!!」

「えっあっご、ごめんっ!マーガレット!!」


(落ち着けマグゥ。自分であげた方が早いぞぉ〜)


「はっ!ユーリさんやっぱり自分で…」

「わわっ!?今引っ張ったら…」

「「きゃあぁ!」」


俺の言葉で慌ててユーリさんが持ってる部分を引ったくろうとするマグ。


ユーリさんもしゃがんだ状態でバランスはよろしくなかったため、急な力の介入にバランスを崩し2人して倒れ込んでしまう。


「うぅ…あ、ごめんマーガレット!大丈夫!?」

「は、はい…なんとか………!」


怪我は無さそうでとりあえず安心だが、ユーリさんに覆いかぶさられているこの状況。


ユーリさんの豊満な2つのふにふにがマグの胸に押し付けられているこの状況。


…なるほど、確かにほんのりと感じる。


昨日何度か押し付けられたあの感触と…なんだろう…こう…生で見る花火とテレビで見る花火ぐらい迫力が違う。


いや今回迫力じゃないけど。


とにかくそれぐらい違う気がする、なんとなく。


さてマグよ…お主はどうだ……?


「……やわらかい…」

「え?」

「い、いえ!なんでもっ!」


(……直接感じるのってこんなに違うんですね……)

(うん、俺も今知った。…それはそうといつまでそうしてるつもりだい?)

(え?…あっ!)


ふふふ…マグもお胸の魅力を感じてしまったのだな……。


大人になったな……マグ。

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