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異世界で少女とまったりするために頑張る  作者: レモン彗星
第1章…迷宮都市での基盤づくり
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53.洞窟部屋からの脱出…現状の解析

「マーガレット、下ろすよ」

「はい」


目隠しの状態でココさんに試験用の部屋に連れてきてもらった。


「段取りは?」

「大丈夫です。合図で目隠しを取って、手を抜かずに本気で行く、ですよね?」

「うん、よろしく」


なんとなくココさんが笑っているような気がするのは気のせいだろう。


ここまで1度も彼女の笑顔を見たことが無いから、見てみたいなという願望が出てきてしまっているのだろう。


別にココさんは感情が無いわけじゃない。


俺とダニエルさんが話しているときには、心配そうな顔をしていたし、驚いたりもしていた。

…なんとなくだが……。


うーん…やっぱり距離があるよなぁ……。

出会ったばかりだから当然っちゃ当然だけど。


「マーガレット、そろそろ」

「はい」


と、いかんいかん。

集中しないと……。


(よし…マグ、準備は良い?)

(大丈夫ですけど…本当に安全なんでしょうか……?)

(大丈夫ダニエルさんのことだから、多分そこも考えてるよ)

(身体能力は考えなかったのに……?)


あっれー?さっき決着ついたと思ったんだけどなぁ〜?


いや、これ多分、ネタだ。

この子定期的にこのネタを出す気だ。


…それなら良いか。

弱みを握るのは常套手段だからな。


『お嬢、こっちは準備出来たぜ』

「こちらも、いつでもどうぞ」


どこかからダニエルさんの声が聞こえる。

不測の事態に対応出来るように部屋に置いてあるテレフォンオーブだろう。


『よし、それじゃあいくぞ!3、2、1、始めっ!』


ダニエルさんの合図とともに、俺は目隠しを外す。


すると、俺の視界には洞窟の壁と、生活感のある家具が多数入ってきた。


(さて、まずは安全確認かな…)

(安全確認?)


俺は部屋の真ん中にある、背の低いテーブルの上に置いてあるテレフォンオーブを起動する。


「ダニエルさん」

『どうした?お嬢』

「この部屋、ちゃんと空気穴とか空いてますよね?」

『当たりめぇだろ!さっきギルドの連中にも頼んで数人がかりで調整したわ!』

「はーい、わかりました、ありがとうございます」


はい、停止。


(まぁ大丈夫だったね)

(さすがにそこまでうっかりしてはいないですよ……多分)

(ほら、マグだって)

(あはは…さ、さぁ!とにかく、私たちも謎解きを始めましょ!)


あ、誤魔化した。

まぁ良いけどね。


(うーん…じゃあまずは部屋を散策してみるか)

(はい、そうしましょう)


この部屋は見たところ、8畳ぐらいの広さ部屋の中央にテレフォンオーブの置いてあるテーブル、その先の壁には知らない女性の絵画が飾られており、その右側にはベッドが、左側には勉強机と椅子がある。


そのまま左に首を向けると、部屋の角にクローゼットが、そのまま後ろを向けば鉄で補強された木製の扉があり、その扉には鍵穴がある。


この扉の鍵を見つければ良いんだな。


そのまま左に視線を向ければ、植木鉢と頑張れば子供が入れそうな大きさの宝箱が置いてあった。


そしてその宝箱とベッドの間の壁にはスペードの形をした型に入った時計がかけられている。


…時計の針が3時5分から動いてない。

これも何かに関係があるんだろう。


しかしすごいなアレ。


6時の位置にスペードの下の棒が刺さってるように見えるぞ。


天井には、この街の知っている限りの建物全てに共通して付いている、円形の蛍光灯…吊り下げるタイプではなく嵌め込むタイプのやーつがついている。


(ふむ…まぁスタート地点(ここから)見える範囲の物はこれで全部かな?)

(それじゃあまずはどうしますか?近くにあるクローゼットから調べてみます?)

(んー…いや、無駄だとは思うけど、一回宝箱を調べてみよう。もしかしたら説明書とか入ってるかもしれないし)

(このサイズでっ!?)


ワンチャンあると思うの。

ほら、同人ゲームとかのチートアイテムとかデバフアイテムとか入ってる宝箱みたいなやつ。


というわけで…


「オープン!」


ガチャッ!


「まぁ開かないよね」

(大きなかぎ穴見えてるじゃないですか……)

(ブラフかなって思って……)


そうか〜、駄目か〜。


(それじゃあ大人しくクローゼットから開けてみよっか)

(はい)


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


(さてと…ある程度確認したけど……)

(謎が増えましたねぇ……)


今ベッドの上にはこの部屋で見つけた戦利品が並べられている。


テレフォンオーブの置いてある机は、オーブが転がらないように固定されてるのだが、その固定具は持ち運べるのぐらいの物なので、うっかりぶつけて落とすとかしないように机の中央に置き、念には念を入れてベッドの上で検品作業をしている。


そして、俺はベッドに腰掛け、ひとつひとつ確認する。


見つけた物はこちら。


クローゼットの中から薄いカギ付きの箱が1つ、勉強机の全4つの引き出しからは、右側の2番目からヘビの絵と4本の線、その線の終わりに数字が書かれた紙が出てきた。

その上とタイムマシンの位置はカギがかかっていて開けられなかった。


下のデカイ部分に関しては、4桁の数字を入れられる場所の上に、さっきの紙と同じヘビの絵が描かれていた。


多分この紙で開けられるのはここだろう。


次に絵画を外してみた。

案の定裏から金庫が出てきて、5桁の数字を入れられる仕様だった。

お約束やな。


そしてベッド。枕の下、布団の中、ベッドの下を散策した結果、枕の下からつづらを、ベッドの下から「魅惑のボディ 冒険者編」というグラビア雑誌を手に入れた。


(…この世界にもこういう本ってあるんだな……)

(な、な、なんですかこの本はっ!?なんで下着姿の女性が表紙に大きく描かれてるんですかっ!?)


動揺するマグに、グラビア雑誌のことを教えつつ植木鉢を確認。


めぼしいものは見当たらず、下に何かあるかもと持ち上げてみようとしたがびくともしなかった。


さてと…


(とりあえずこのつづらを開けてみようか)

(何が入ってるんでしょうね……)


マグとワクワクしながらつづらを開ける。


すると中から何かが飛び出してきた!


(ひゃあっ!)

「あいたっ!」


その何かが俺の額に直撃してしまった。


(うぅぅ…コウスケさん…それは……?)

「……ヘビのおもちゃ……」


…まさかこんなトラップがあるとは……。


(まぁこれぐらいなら可愛いものよな)

(…まぁ、そうですね。ちょっと驚くだけですし……)

(しかしヘビ…か……)


確かさっきの紙にもヘビが描かれてたよな?


(あ!コウスケさん、このヘビの模様!)

「ん?…4色…紙と同じ色が4色……?」


これはどういうことだ?

無関係ではないと思うんだけど……。


んー…紙にはヘビの絵とその下に4色の直線……他にヒントは無さそうだけど……。


……?

このヘビ…伸ばしたらちょうどこの絵と同じぐらいじゃないか?


ふむ……


(分かったかも…)

(えっ!本当ですか!?)

(うん…このヘビをこの絵と合わせて……)

(わっ!ピッタリです!)

(そしてヘビを転がせば……うん、あみだくじになった)

(わっ!わっ!すごいっ!)


うーん…マグが喜んでくれるから思わずにやけてしまう……。


いかんぞ〜…俺。

我慢我慢。


この部屋の映像、見られてるんだから。


(ということは、このあみだくじを解けば……!)

(そこの引き出しが開けられる!)


俺はペンを取り出し、マグと協力してあみだくじの解析に取りかかった。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


〔ダニエル視点〕


「ひゅうー♩さすがお嬢、あっさりヘビの謎を解いちまったなぁ」

「まぁあれはまだ簡単ですからね。どちらかといえば、線の書き込みの方が時間がかかると思いますよ?」

「ま、そうだな。クックック…それにしても、お嬢の驚く顔はやっぱおもしれぇなぁ」

「程々にしてくださいね。お嬢のあんな怖い顔、もう見たくないですよ?」

「わーかってるよ。俺もちょっと怖いからな……」


お嬢、怒ると顔は笑顔なのに目が死んでいるを通り越して、深淵の闇なんだよなぁ……。


あのハーレム男(ハルキ)の話じゃ、コウスケはまだ20歳らしいが……。


その歳で、魔物や魔法が無い世界でどう生きればあんな顔が出来る様になるんだ?


恐ろしいなぁ…異世界……。


ヘンリエッタと話しているところにココが戻ってきた。


「よう、ココ。遅かったな」

「歩いてきたから」

「なんでまた?」

「考え事」

「ふ〜ん?」


ココが考え事ねぇ……。

ま、深くは聞かないがな。


それよりも…


「あのキツネっ娘…厄介なのに付き纏われてんな」

「えぇ…今までも無かったわけではないですが……」

「気持ち悪い」


ココがズバッと言った。


「…一応知ってはいたんだがな、俺たちが今手を出すのは駄目だ。まぁ、アイツは問答無用で不合格だがな」


あのキツネっ娘には悪いが、試験中はよっぽどの事がなければこっちから手を出すことはしない。


あくまで個人間の問題だからだ。


そこに俺たちが割り込めば、そいつにも、他の冒険者たちにも不信感が生まれてしまう。


不信感の強い組織に頼ろうとする人はそうそういない。

いたとしても何か訳ありの連中だ。

そのほとんどがロクな理由じゃない。


そんなわけでここで手を出すわけにはいかない。

()()()()()()


さて、それはいいとして……。


俺はもうひとつの映像を見る。


そこには必死に謎を解いている受験者たちの姿があった。

謎解き作るのって大変……。


世の脱出ゲーム作った人ってすごいよね。


脱出ゲームっていうか、ゲーム全般

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