393.鍛治少女…初めての作品
翌朝。
早々に支度を済ませて冒険者ギルドへ向かうモニカちゃんとサフィールちゃんを見送り、それぞれの日課をこなしながら待つこと数十分。
無事に伝えてこれたと帰ってきた二人を労いながら朝ご飯を食べる。
そしてその時間で今日のそれぞれの動きを決めた。
俺とリオは昨日の続きで神装具作り。
他の子たちも引き続き情報集め。
ディッグさんたちも魔石を追加で取ってくるというわけで、動き的にはほぼ同じ。
違う点はショコラちゃんとパメラちゃん、そしておじいさん。
ショコラちゃんとパメラちゃんはナバロさんからはもう有益な情報は無いだろうと思って別のことをしたいと言っていたのだ。
…どちらかと言うともう聞きたくないと言った方が正しいだろうが、それはまぁ言わぬが花。
聞いてる感じ、もう光の神セインディアの話にほとんどシフトしてるっぽいし……。
そんなわけで二人には昨日話題に上がった魔石を砕いて作る特殊な糸、魔力糸の加工を頼める相手を商業ギルドにいるはずのミュイファさんに相談してもらおうとお願いしたのだ。
ただ、ミュイファさんも忙しい身だと思うので、もし難しいようなら魔力糸の加工をしようと思っているということだけ伝えてもらう手筈になった。
おじいさんは、俺たちの朝ご飯が終わったタイミングで訪問し、今日は隠密ギルドに捕らえられている里の人たちの説得に向かうと言ったのだ。
正直望みは薄いが、それでもやれることはやっておきたいということで、特に止める理由もないため承諾した。
そうしてそれぞれ行動に移り、俺とリオが鍛治ギルドに着くと、そこには見知った二人の猫人族が待っていた。
シャール「ん、来たね」
エスト「待ってたよ〜!」
リオ「エストさん!シャールさん!」
エスト「ララ姉から話は聞いたよ!」
シャール「ん。私たちもユーリとまだ話したいことがある。だから協力する」
エスト「そうそう!エストもまたユーリと腕比べしたいもん!まだ決着もついてないんだから、このままいなくなられちゃ困るんだよ!」
エストさんがだいぶ好戦的な理由だったが、それでもユーリさんのことを思ってくれているのはよく伝わってくる。
コウスケ「エストさん、シャールさん。ありがとうございます!」
マグ・リオ(「ありがとうございます!」)
エスト「どういたしまして!」
シャール「ん。それで私たちは何をすればいい?」
リオ「えっと、実はまだ必要な装備が作れてなくて、作戦を実行するのはまだ…」
コウスケ「あっ、じゃあ二人にも魔石を取ってきてもらおうよ」
シャール「ん、魔石ね。わかった」
エスト「そういえば強いのがいっぱいいるんだっけ。よし、じゃあ早速…」
シャール「待った。メイカたちと合流した方が効率がいいかも。狩れる魔物の強さも上げられるだろうから、魔石ももっと良いものが取れるはず」
エスト「そっか!じゃあそうしよう!」
シャール「ん。じゃあ行ってくる」
リオ「えっ、あっ、はい!ありがとうございます!」
コウスケ「お気をつけてー!」
なんて言う時にはすでに二人はギルドの外。
リオ「すんげぇトントン拍子に決まったな……」
コウスケ「んね。まぁでも断られなくてよかったね」
リオ「そうだな。これであとはオレ次第か……」
コウスケ「頑張ろうねリオ」
リオ「あ、あぁ……」
コウスケ「私もいつでも手とか胸とか膝とか貸すからさ!」
リオ「そ…うか……じゃあ頑張らないとな…!」
そう言って深呼吸を始めたリオを見てマグがポツリとこぼす。
マグ(ほんと、二人きりの時のリオは遠慮しなくなりましたねぇ)
コウスケ(それだけ心を許してくれてるんだねぇ。嬉しい限りよ♪まぁ昨日は限界超えちゃってなりふり構わずって感じだったけど……)
マグ(あれもあれで、みんなならまぁいいかって感じなんでしょうね。実際みんなもやりますし)
コウスケ(あれも信頼の形なんだねぇ……)
その分俺の仕事が増えるわけだが、俺は俺でマグにずっと支えられているので問題なし。
オートリジェネ状態、便利。
マグ(…まっ、リオもシエルとかサフィールちゃんとかも、心を許してるからってだけじゃないと思いますけどね)
コウスケ(えっ?)
マグ(なんでもないで〜す)
リオ「よし!始めよう!マーガレット、手伝ってくれ!」
コウスケ「ん、あぁ、わかった」
マグの呟きが拾えなかったが、リオがちょうど話しかけてきたので聞くタイミングを逃してしまった。
まぁとりあえず今はこっちに集中しないとだしいいか。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
準備を終え、いよいよ製作に取り掛かる。
で、何を作るかなのだが…
コウスケ「まずは腕輪?」
リオ「あぁ。有力候補の1つだし、完成図が一番想像しやすい。それに装飾にこだわらなければそこまで難しいもんでもないからな。最初に作るにはちょうどいいはずだ」
コウスケ・マグ「(なるほど)」
というわけで腕輪から製作するようだ。
と、その前にリオは作業着に着替える。
さすがに普段着で鍛治は出来ないからな。
なのでリオは作業着に着替えます。
この場で。
今までも実はここでサクッと着替えてお昼ご飯とかに行ってたので今さらではあるし、俺ももう慣れたものではあるのだが、やっぱり他に誰も来ないからって無防備すぎる気がする。
今は部屋の隅で着替えているものの、最初の頃は扉についてる小窓から見える位置で平然と着替えてたし……。
しかもそれ指摘したら「オレの下着なんか見ても喜ぶやついないから平気平気!」とか言って笑ってたし……。
さすがにまずいのでどうにか説得してせめて小窓から見えない部屋の隅で着替えてくれるようになったものの……もう少し注意した方がいいだろうか……?
とはいえ「凹凸のないザ・幼児体型に興奮する変態はいるんだよ?」なんて真正面からバカ正直に言うのも気が引ける。
ってかその変態の一人が俺なわけだし……。
みんなにくっつかれても平常心でいられるようにはなったが、毎夜毎夜マグにピッタリくっつかれて愛を囁かれ、キスの雨を降らされればそりゃそうなる。
ここ二日間はフォバがいるから真面目に話してあまりイチャついてないが……。
……すでにちょっと物足りないと思ってる時点で俺はもうだいぶ手遅れなんだろうなぁ…と思うわけで……。
そんなだけども、ちゃんとちょっと罪悪感が残っているのでしっかり生着替えからは目を逸らしていくスタイル。
ここを譲ったら本格的に終わりな気がするの。
一緒に風呂入ってるから全ては今さらとか言わないでください。
リオ「終わったぞ〜」
コウスケ「は〜い」
なんて地味な葛藤をしている間にリオが着替え終わったようなので、早速作業に取り掛かる…
リオ「別に裸も見せ合った仲なんだし、着替えくらい大丈夫って言ってんのに律儀だよな〜」
コウスケ「いやまぁね…?やっぱその辺りのラインはしっかり敷いときたいなと……」
リオ「真面目だな〜マーガレットは」
コウスケ「そうかなぁ……?」
う〜ん……確かに洗いっこまでした仲なのに線を引くのはちょっとよそよそしいか?
気にしてる理由も俺が男であるという理由が大きいし、それだとこちらが一方的に引いているわけだから、みんなには遠慮とか思われてるのかも。
むぅ……。
この付き合いも4ヶ月だというのに、未だに女の子の適切な距離感というものがわからない……。
リオ「むしろ見てもいいんだぞ?今着けてるのはチェルシーとシエルが選んだ可愛らしい下着なんだし。そうじゃないとオレなんかに着られてるコイツが可哀想だろ?」
コウスケ「凄い理屈だなぁ……でもリオだって美少女の分類に入るんだから、そんな卑下しなくてもいいのに」
リオ「そういうのはマーガレットやモニカとかに任せるよ」
コウスケ「え〜……」
マグ(もったいな〜い……)
リオもリオで未だに自分が可愛い自覚が無いし……。
リオみたいな女の子が可愛い下着着てるって事実だけで興奮する変態がいるって教え…たところでリオの自信には繋がらんな…うん……。
さすがに外でそういうことは言わない分別はちゃんとあるし……これはまたおいおいかなぁ……。
リオ「さっ、それより早く取り掛かろうぜ」
コウスケ「ん……そうだね」
そうだ、今はもっと大事なことがあるんだった。
いやまぁ友だちの危機管理も身を守るという点においては正直同じくらい重要な気がするんだが、それはまたおいおいということにしたのでね……。
とりあえず一旦忘れよう……。
コウスケ「それで、私は何をすればいいの?」
リオ「いつも通りでいいよ。オレがケガしないように魔法で守ったり、時間を教えてくれたりさ。とにかくオレの側にいてくれたらそれでいい」
コウスケ「そう?わかった」
リオのやることのレベルは上がっても、俺のやることは特に変化はないようだ。
マグ(お〜…なんか…今のセリフってなんか……!)
マグが何かに反応してるが、リオの話がまだ続いているのでとりあえずスルー。
リオ「ただ、腕輪はまだ楽な方とはいえ前までよりは長くなると思うから、集中力とか魔力の残りとかキツくなったら言ってくれよ?」
コウスケ「わかってるよ。私がダウンしたらリオも危ないもんね」
リオ「それもあるし、オレのせいでって申し訳ない気持ちもある。でも何よりマーガレットも体を大事にして欲しいからさ。何かと無茶するし……今回だってあんな強い人がいる里に殴り込みだなんて……」
コウスケ「ふふ、ありがと。でも、私が必要だって言うからさ。それに私自身、あの時動けなかったのもあってユーリさんをこの手で直接助けたかったしね」
リオ「その気持ちはわかるけど……いや、そうだな。どうせこの作戦に乗った時点でオレも似たようなもんだ。もう何も言わねぇよ」
でも…と付け足し、リオはこちらに拳を出してこう続けた。
リオ「オレは最高の仕事を約束する。だから、マーガレットも最高の仕事をしてくれよな」
コウスケ「うん、もちろん!」
俺はそう答えながら、出された拳に自分の拳をコツンと当てた。
リオ「頼んだぜ?」
コウスケ「そっちこそね♪」
リオ「はははっ、任せろって!昨日突然任された時は驚いたけど、オレだって毎日リハビリ頑張ってたんだ。今はもうやる気に満ち溢れてるよ!」
コウスケ・マグ「(おぉ、頼もしい!)」
俺たちがそう言うと、リオは自信たっぷりに自分の胸を叩いて言った。
リオ「だろ?大船に乗ったつもりでドーンと任せてくれよな!」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
リオ「マ、マーガレットぉ……」
コウスケ「大丈夫、後ろにいるよ〜」
リオ「うぅぅ……怖い……頭を撫でてくれぇ……」
コウスケ「頭は危ないってば……今は背中で我慢しておくれ。後でいっぱい褒めたげるから」
リオ「うん……がんばる……」
マグ(あんな自信に溢れてたのに……)
コウスケ(結局いつも通りやんね……)
リハビリの時、リオがまたケガをしないように魔法でアーマーを貼っているのだが、やはりケガをした元凶である金槌を振るうところではまだまだトラウマが勝つようで、こうして俺がメンタルのケアもしながらでないと振るえないのだ。
しかもここが唯一リハビリが終わっていない箇所でもある。
そこそこ前に金槌を握れるようになったものの、それ以降が難しかったのだ。
これでもだいぶ進歩した方なのだが……これを少なくともあと数回はやる予定を立てているわけで。
そうなるとリオのメンタルがとても心配。
そしてそのケアをずっとすることになる俺の手にこの作戦の命運がかかっていしまったというプレッシャーがヤバい。
ヤバいのだが…基本的にやることは何も変わらないのでちょっと気は楽。
とはいえリオのメンタルが潰れないようにしっかり毎日全回復させる気持ちでケアしてあげねばならず、そうなると甘やかし方のマンネリ化が気になってくるわけで……。
いつものでもリオは満足げなのだが、もしも慣れられてしまった場合に備える意味でも新しいワザが欲しいところ。
しかしいったい何をすれば……。
頭撫で撫ではもはや日常。
ハグもも日常。
抱っこや膝枕も割としている。
お風呂も毎日一緒だし洗いっこも毎回してる。
夜寝るときももちろん一緒。
多分その辺のカップルよりバカップルしてる。
う〜む……どうしたものか……。
こういう時はとりあえず相談しよう。
俺には頼りになるあの方がおられるのだから。
コウスケ(というわけでマグさん。何か良い案ありませんか?)
マグ(そうですねぇ……たしかに一通りやっちゃってる感がありますから難しいですねぇ……)
コウスケ(だよねぇ……)
マグでもむずいかぁ……。
いやまぁマグのが子どもなんだから当然っちゃ当然だとは思うが。
マグ(あっ)
コウスケ(おっ?)
と思ってたら何か閃いたようだ。
マグ(ほっぺにちゅーとかどうですか?)
コウスケ(それは…甘やかしなのか……?)
というかハードル高すぎるべそれは……。
マグ(じゃあお腹なでなでとか)
コウスケ(リオは喜ぶのかな……?)
ショコラちゃんなら大喜びするけど……。
マグ(う〜ん…それなら、あーんとか?)
コウスケ(ふむ…まぁそれくらいなら……)
でも割とやることあるから目新しさには欠けるかな?
しかし毎日やってるわけじゃないからとりあえず採用。
あとは……あっ。
コウスケ(マッサージとかは?)
マグ(あっ、いいじゃないですか!体力仕事ですしきっと喜んでくれますよ)
コウスケ(そう?よしよし…)
ならばこれも採用。
あと何かあったりするかな〜……
リオ「マ、マーガレットぉ……!」
コウスケ「ん!」
しまった。
リオのメンタルケアのためにリオのメンタルをおろそかにしてた。
コウスケ「大丈夫、いるいる」
そう言いながら背中をぽんぽん軽く叩く。
とにもかくにも、今は俺もこっちに集中しないとだな。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
リオ「ふぅ〜……」
リオが汗だくの顔を腕で拭う。
そんな彼女の前には鉄で出来た腕輪が1つ。
リオは無事にやり遂げてくれたのだ。
リハビリ段階では金槌を振るうのも難しかったリオが、今回で完成まで一気に漕ぎ着けたのだ。
しかしまだ喜ばない。
正直今にでも飛びついてリオを抱え上げたいのだが、それにはまだ早い。
マグもわかっているようで何も言わない。
でも二人とも完璧に抑え込めないため、俺たちはとてもワクワクしながらリオの次の言葉を待った。
リオはそんな俺の姿を見てクスッと笑ってから…
リオ「出来たよ、マーガレット。オレにも鍛治、出来たんだ…!」
コウスケ・マグ「(〜〜〜〜〜っ!)」
当事者であるリオの口から成功を伝えられた俺とマグは喜びが爆発し…
コウスケ・マグ「(やったーーーっ!!!)」
リオ「うぉっ!?」
思いっきりリオに抱きついた。
持ち上げた。
コウスケ・マグ「(すごいすごーい!)」
リオ「わわっ!はははっ♪」
回った。
ちゃんと安全には配慮しました。
最後に逆回転して目が回らないように少し対策してからリオを下ろす。
そして両肩に手を置く。
コウスケ「やったねリオ!成功だよ!リハビリ達成だよ!」
リオ「大げさだって……腕輪程度じゃリハビリ達成とは言えねぇよ」
コウスケ「でも金槌も振るえてたじゃん!」
リオ「型に蓋するときに数回と、外すときに数回だぞ?それだけじゃ大げさすぎるってば」
コウスケ・マグ((その数回すらぐずぐずになってたじゃん))
マグとシンクロしたその言葉をグッと飲み込んで、俺はひたすらリオを褒めた。
大したことないと言ってはいるものの、リオの口元は俺が彼女を回している時からずっと緩みっぱなしで、内心では喜んでいるということが丸わかりである。
リオ「でもまだ完成じゃあないぞ?」
コウスケ・マグ「(えっ、そうなの?)」
リオ「魔石を使ってないだろ?」
コウスケ・マグ「(あっ、そっか)」
そういえば使ってないや。
リオ「まったく……だから喜びすぎだって言ったろ?」
やれやれ、というジェスチャー付きでそう言ったリオは、机に置いといた魔石の中からBランクのものをいくつか持ってきた。
リオ「これを腕輪のくぼみに嵌めないとな」
コウスケ「Bランクなの?」
リオ「まぁさすが最初はな。ここからどんどん作っていくんだから、もっと上達したものを作れそうだろ?そっちにAランクの魔石を使いたいんだ」
コウスケ「なるほどね」
気持ちはわかる。
最初はお試しも兼ねてちょっと遠慮しちゃうよね。
コウスケ「でもリオ。その腕輪のくぼみに魔石って入るの?ちょっと魔石に対してくぼみが小さい気がするけど……」
リオ「そりゃピッタリ同じじゃ取れやすいからな。大丈夫、見てなって」
そう言ってリオは適当な魔石を選んでくぼみに押し込んだ。
それはもう力いっぱいに。
コウスケ(思ったより力技だった……)
マグ(道具も無しなんですねぇ……)
それ魔石壊れるのでは……?
若干心配になったものの、リオはカチャカチャとちょっと回してみたり角度を付けてみたりしながらぐいぐい押し込み続け……
パチッ
リオ「おっ、いった」
コウスケ・マグ「(いけるんだ……)」
本当に魔石を嵌め込んでしまった。
そうして他のくぼみにも魔石を嵌め込んでいき、全てのくぼみを埋めたところで腕輪を掲げて得意げに言う。
リオ「どうだ?サマになってるだろ?」
コウスケ「うん、まぁ…そうだね」
確かに魔石の嵌め込まれた腕輪はちょっとカッコいいが、いかんせんさっきまでのを見ているのでなんとも言えない感じがある。
もうちょっとスマートさが欲しかった。
リオ「安心しろ。これは一番簡単な方法だからな。もっとちゃんとした方法もあるし、土台を作る段階で組み込むやり方もある。言ったろ?この程度でリハビリ達成にはならないって。こんなのまだまだ序の口も序の口なんだよ」
コウスケ・マグ「(ほぇ〜……)」
なるほどな〜……。
でもよかった。別の方法があって。
コレじゃない感が凄かったもの……。
コウスケ「ところで…それ、取り出せるの?」
リオ「一応取り出せるぞ?外側を壊せば」
コウスケ「実質無理ってことね……」
リオ「ハハハー。まぁまぁとりあえずこれで完成だから、この調子で次行こうぜ!」
コウスケ「あーうん、そうだね」
まぁ完成は完成だからヨシってことで。
ん〜、時間にして大体…1時間くらい?
鍛治ってなんかもっとじっくり腰を据えてやるイメージだったんだけど…こんなものなのかな?
それとも簡単なやつだから?
まぁこれだけ早いなら数用意出来そうだ。
でも……その短い時間でもメンタルぐらぐらだったのに本当に大丈夫なんかな……?
リオ「マーガレット?どうしたんだ?」
コウスケ「ううん、なんでもないよ」
いささか不安はあれど、とにかく今は作戦が一歩前進したことと、友だちの進歩に喜んでおこう。
俺はそう思いながらリオの手伝いに戻った。




