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異世界で少女とまったりするために頑張る  作者: レモン彗星
第1章…迷宮都市での基盤づくり
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39.適性検査…お話の場へ

騒動は収まり、集まっていた人たちも散って行った。


リンゼさんをどうにか仕事に戻した俺は、一応、ウルフを狩りに行った冒険者たちにちょっかいを出さないように釘を刺してからカウンター裏に戻った。


…なんでかみんな引き立った笑みを浮かべ、必死に首を振っていた。

何をそんなに怯えているのか。


「ただいま戻りました」

「おかえり、マギーちゃん」

「お、おおおかえりママギーちゃん…」

「…チェルシー……?」

「ぴっ!?」


…声をかけただけなのに、ララさんの後ろに隠れられてしまった……。

ショック……。


「貴方は怒ると怖いタイプなのね」

「…ララさんに言われたくないのですが……」

「え?」

「あっすいません何でもないです」

「聞き返しただけだよっ!?」


ララさんに怒ると怖いとか言われるとは……いや、まさか…そこまでではなかったはずだ。マグの体だし。


昨日夢の中で見たマグは「ぷく〜」っとほっぺたを膨らませていてすごく可愛かった。

多分怒ると、「ぷんぷん」という擬音が見えるんじゃないかな。


だから怖いよりかわいいと思うんだけど。


「やぁ、お疲れ様」

「あ、ハルキさん。ギルドマスターにダニエルさんも、お疲れ様です」

「お、おぅ…」

「おつかれお嬢、見てたぞぉ?おっかなかったなぁ」


階段からハルキご一行が降りてきた。

というか見てたのか?どこから?

あとギルマスは何でそんなぎこちないの?


「そんな怖くなかったでしょう、こんな愛らしい見た目なんですよ?」

「分かった。おっかないのはお前さん自身だわ」

「えー……」


納得いかねぇ〜……。


「まぁいいです。ハルキさん、どこまで話したんですか?」

「僕が知ってることはあらかたね。だから大丈夫だよ、コウスケ」

「そう?まぁ、ハルキが信頼してるってんなら、俺から言うことは特に無いけどさ」

「…本当にパッと変わるんだなぁ、あんた」


ダニエルさんもギルマスもそんな疲れた目で見ないでくれる?


「目上の人に敬語を使うのは当たり前ですし、あとはちょっと気をつければいいだけじゃないですか」

「そのちょっとがむずいんだろうが……なぁダイン、お嬢ウチにくれねぇか?」

「バカヤロウ、ダメに決まってんだろ。ララもリンゼも褒めるほど仕事が早いんだぞ?そんなやつを手放すかよ」

「んだよ、ケチクセェなぁ……」


俺の意見を聞けや、アンタら。

いやまぁ異動する気はないけど。


(コウスケさん、コウスケさん)

(ん、マグどうしたの?)

(コウスケさん、また魔法の適性検査のこと忘れてませんか?)

(あ、やっべぇ忘れてた。ありがとマグ)

(いえ、私もさっき思い出したので)


「あー…ギルドマスター、そういえば私、魔法の適性を調べてないので、今調べてもらってもいいですか?」

「うん?あー…色々あったもんな…分かった、ララ」

「はい、こっちよマギーちゃん」

「僕は待合室でフルールたちと待ってるよ」

「オレはギルドに戻るわ。じゃあなお嬢」

「はい、分かりました。お疲れ様です、ダニエルさん」


そうして、話していたカウンター裏の一番奥から、ララさんに着いて行きたどり着いたのは1番迷宮に近い位置のカウンター。


先ほどの騒動が起きたカウンターだ。


「ナタリアさん、適性検査のオーブを取ってくれる?」

「ララさん?はい、分かりまし…はわっ!?」


そこにいた絡まれていた先輩…ナタリアさんはなぜか俺を見て奇声を上げた。

怖っ。


「あの…何か?」

「マ、マーガレットちゃん……」

「え、あ、はい、そうですけど……」

「さっきはありがとうっ!!」

「うぐぅ!?」


急に抱きつかれ、軽く吹っ飛ぶ俺。

…何でみんな飛びつくの?


「ナタリアさん、マギーちゃん苦しそうよ」

「えっ!?ご、ごめーん!!」

「い、いえ、だいじょうゴフッです……」

「大丈夫じゃないっ!?ごめんマーガレットちゃーん!!」


ナタリアさん、つい先々週にギルドに入ったらしい新人さんで俺の先輩。

ベージュのショートヘアーに少しつり目がちながら、人懐っこい性格の女性だ。


昨日軽く挨拶をした時も、「先輩にいっぱい頼ってね!」と言ってカウンターに向かい、ちょっとしたミスをしていた。


あまりノラせてはいけないタイプだと思う。


「まったくもう…ほら、マギーちゃん、回復するよ」


あ〜…あったけぇんじゃ〜……。


「ありがとうございます、ララさん」

「うん、どういたしまして。ほら、ナタリアさん、準備して」

「はい…ごめんね、マーガレットちゃん…」

「次から気をつけてくださいね」

「マーガレットちゃん…優しい……」


いいからはよ、準備して?


「はい!お待たせしました!」


ナタリアさんがカウンターの下から小さめの水晶…うーん…バレーボールぐらい?

そのぐらいの大きさの透明な水晶をカウンターの上に乗せた。


「ありがとう、ナタリアさん。マギーちゃん、これに触れてみて」

「はい、えーっと…こうですか?」


ララさんに言われるまま、水晶に手をかざし、触れてみる。


すると水晶が輝き始めた。


「おおぉぉぉ!」

(わぁー!きれーい!)


俺とマグが光に見惚れている間に、水晶の輝きは薄れていく。


「これは触れた相手の魔力の色を映す魔道具なの。この光が収まる頃に水晶の色が変わり始めて、火なら赤色、水なら青色、風なら緑色、土なら暗めの黄色、雷ならマギーちゃんの髪と同じような鮮やかな黄色、氷なら水色、光なら白で闇なら紫色、無属性なら透明になるの」

「これって使い捨てなんですか?」

「ううん、色が定まってから3分ぐらいはそのままなんだけど、そのあとまた最初の状態に戻るから心配しないで」

「無属性の場合はどうやって確認するんですか?」

「普通の状態だと魔力を発してないけど、色が付いてる間は少しだけ魔力を纏っているの。それで判断するんだよ」

「へぇ〜、よく出来てるんですねぇ…」


あれ?待てよ?


「あの、知り合いに光が適性で、火と水を少々って人がいるんですけど、そう言う場合ってどうなるんですか?」

「その場合は1番適性にあった色になるね。だから、適性が分かっても全属性の初級魔法を試す人は結構いるんだよ」

「なるほど…」


そんなケランさんに驚かれたってことは、やっぱり全属性使える人は少ないってことだろうな。


そんな話をしている間に水晶に色が付いてきた。


お、これは……


「雷…ですね」

「うん、鮮やかな黄色、間違い無いね」

「うわぁ!マーガレットちゃんの髪と同じ綺麗な色だね!」

「ふふ、ありがとうございます。ナタリアさんの髪も綺麗ですよ?」

「えっ!?も、もう…マーガレットちゃんは上手いなぁ……♫」


とかやってる間に光が収まった。


「うん、もう離していいよ」

「私の適性は雷…っと、良いですねぇ雷。カッコいいですね」


でも俺が最初に出した雷…青なんだよな……。


「じゃあナタリアさん、これしまってくれる?」

「はーい!」

「じゃ、マギーちゃん、仕事に戻ろっか」

「はい、ありがとうございました、ナタリアさん」

「ううん!私こそありがとうっ!じゃあね!」


ナタリアさんが手を振ってくれたので俺も振り返し、俺は通常営業に戻った。


…チェルシー、俺もう怒ってないよ?

というか君ほぼほぼ関係ないよね?


だからそろそろ俺を見ながらビクつくのやめて?

私、すごく悲しいわ。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


「マーガレットちゃーん!メイカさんたちが来たよぉ〜!」

「はーい、ただいまぁ〜!」


ララさんの手も借り、どうにかチェルシーと仲直り出来た俺は、そのあと昨日と同じようにララさんに教えてもらいながら仕事をこなしていた。


何でかスタッフには、尊敬か畏怖かのどちらかの視線を送られたが。

なんでや。


兎にも角にも、そうしているうちにメイカさんたちが帰ってくる時間になっていたようで、ナタリアさんにメイカさんたちの帰りを告げられたのだった。


ちなみにハンターウルフを倒しに行った彼らはまだ帰ってきていない。

釘は差しておいたので無茶なことはしないと思うが、心配だ。


帰りがけにナタリアさんに伝えとこうかな。


「メイカさん、ディッグさん、ケランさん、おかえりなさい!」

「ただいまマーガレットちゃん♡」

「おう嬢ちゃん、ただいま」

「ただいま、マーガレットちゃん」

「皆さん怪我とかはありませんか?」

「大丈夫だよぉ〜、心配性だねぇ〜」


まぁケランさんがピンピンしてるし、大丈夫だということは分かってたけどさ。

聞いておきたいじゃん?心情的にさ。


さて、メイカさんたちの安全を確認したところで、大事な話があるので上に来て欲しいと伝える。


そして待合室の前まで来た俺は、ドアをノックする。


「フルールさん、マーガレットです。第3寮舎の人たちも一緒にいます。入っても大丈夫ですか?」

「マーガレット?うん、どうぞ」

「失礼しまーす」


ガチャっとなっと。

うわっ!


「びっくりした…メリーちゃんなんで扉の前にいるの?」

「…………待ってた」

「……私を?」

「……うん」

「そっか…ごめんね、遅くなっちゃって」

「……大丈夫」

「ありがと」

「…………ん」


今日は色々とあったから、いつもよりも忙しくなってしまった。

でもそれを理由として言うのはなんか、ダメだと思ったので言わなかった。


「…マーガレットちゃん」

「はい、どうしました?メイカさん」

「どうしました?じゃないよ、マーガレットちゃん!こ、ここ、この可愛い子は!?そして向こうの美人さんは!?」

「メイカさん落ち着いて?とりあえず私を揺らすのをやめて?」


なんですぐ揺らしにかかるん?


「あー…こほん。メイカさん、ディッグさん、ケランさん。こちらの美人さんはフルールさん。こっちのかわゆき者はメリーちゃんです。フルールさん、こちらがメイカさん、こちらの戦士がディッグさんで、こちらの僧侶がケランさんです」

「初めまして、フルールよ」

「あ、あぁ…初めまして、ディッグだ…」

「ケランです…ど、どうぞよろしく」


フルールさん、ディッグさん、ケランさんが挨拶を交わす。


あらら…声がうわずってるよ?

フルールさん綺麗だもんね。

緊張するよね。


俺はそれどころじゃなかったからなんか慣れちゃってたけど。


メリーちゃんは俺の服の裾をチョンとつまんでいる。かわいい。


で、メイカさんは……


「か、かわいい子が可愛い子に懐かれている……尊い……(スゥー…)」


死にそうだった。

あらー……。またなのかー……。


「……ねぇ?そんな遠い目で見てないで早く連れ戻さないとじゃないの?」

「あっ」


危うくそのまま昇天しそうなメイカさんを連れ戻さねば。


おい、ハルキ。

笑ってないで手伝え。


…俺が詳しい話をするのはまだ先のようだった。

4話あたりで出した魔法適性が39話で分かった……。


…………長かった……。

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