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異世界で少女とまったりするために頑張る  作者: レモン彗星
第5章…魔術コンクール
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365.レッツダンス…&マジック!

メイカ「え~っと……マーガレットちゃん……?」

メリー「……なんでダンス……?」


シエルに続きメイカさんとメリー…というか他の全員にも「どうして……?」という顔で見られた俺は、説明をさぼったのをちょっとだけ反省しつつみんなに説明を始める。


コウスケ「空を飛ぶって言っても、羽を生やしてそれで飛ぶってわけじゃないじゃないですか」

ユーリ「そうだねぇ……?」

フルール「まぁ、羽で飛ぶにしても技術が必要だからね」

コウスケ「となると、グリムさんみたくこう…ふわふわ〜っと、浮く感じになるじゃないですか?」

マグ(ですねぇ)

リオ「そうだな。オレもそれで考えてたし」

メリー「……わたしも」

シエル「そう…ね……アタシもそのイメージだったわ」


俺が説明を始めたことでちょっと気が紛れたのか、シエルが少しだけ立ち直ってくれた。


それを横目で確認しつつ説明に戻る。


コウスケ「ほいでまぁ浮いたとしても、空中には掴まれるようなところがないわけじゃないですか」

ディッグ「まぁそうだな」

ケラン「あっ、もしかして空中でバランスが取れるかどうかってこと?」

コウスケ「そうですそうです」


さすがケランさん。隠れた頭脳キャラ。


普段は大人に相談と言ったら話の内容とかも相まって、メイカさんやフルールさんに相談する方が多いから忘れがちだけど、ケランさんも頭の切れる人。

今回も俺の説明の意図を察してくれたようだ。


メイカ「え〜っと…どういうこと?」

ケラン「マーガレットちゃんは、今後本格的に空を飛ぶ練習をするときに困らないように、今のうちから体幹をしっかり鍛えておいた方がいいと考えているんです」

ユーリ「なるほど!それでダンスなんだね!」


イグザクトリー。

ダンスは体幹がものをいうと何かで見た気がするから、鍛えるにはもってこい。

それにウチにはユーリさんがいるので習うのも容易いこと。


そしてなにより、ダンスもケガなどはあれど空を飛ぶのと比べれば安全性も高い。

というかケガの理由が予想しやすいだけでもだいぶ安心感がある。


メイカ「う〜ん…まぁ……確かにそれなら私たちも止めはしないけど……ねぇ……?」

フルール「そうねぇ……でも今は飛行魔法を練習するための布石も大事だけど、それ以上に目の前の魔術コンクールの方が大事なんでしょ?そっちはどうするつもりなの?」

コウスケ「そこもダンスでどうにかならないかなと」

シエル「う〜ん…どういうこと?」


だいぶ興味を持ってくれたのか、シエルは俺の言葉の真意を突き止めようとうんうん唸りながら熱心に考え込んでいる。


よしよし、結構立ち直ってきたな。

いいぞ〜。


と、それはいいとして理由だったな。

だが答えは至極単純だ。


俺はユーリさんの方を見ながらこう言った。


コウスケ「ユーリさんのダンスを思い浮かべてくれると早いかな」

ユーリ「私の?」

シエル「ユーリさんのダンス……あっ!」

リオ「そうか、炎!」


ヒントによってシエルとリオが同時に気付き声を上げた。


コウスケ「その通り!その炎を風に変えれば、ユーリさんみたいなキレイで可憐なマジカルダンサーになれる!はず!」

リオ「そこは言い切らないんだな……」

コウスケ「さすがにそこまでの度胸はありません」

マグ(さすが、配慮していきますねぇコウスケさん)


ダンスが簡単じゃないのは学校の運動会のために散々練習させられた程度のダンス歴しかない俺でも分かってるから下手なことは言えません。


ましてや本職の前でそんなビッグマウスは叩けません。


そんな本職ことユーリさんは…


ユーリ「……///」


俺がキレイとか可憐とか言ったからか静かに照れていた。


ユーリさん……そんな低耐久でダンサー出来るの……?

もっと大勢に褒められるんだよ……?


メイカ「でも確かにそれなら、ゼリオラくんとの勝負にも勝てそうね」

ディッグ「ユーリ嬢ちゃんの踊りは良いもんだからな。それを再現か、そうでなくても近いものができりゃあ確かに勝ちはきまったよう決まったようなもんだ」

ユーリ「そ、そうですかねぇ……///」


メイカさんとディッグさんからも追加のお褒めの言葉をいただいたユーリさんはさらに照れる照れる。


メイカ「きゃぁぁん♪照れちゃって可愛いんだからもう!」

ユーリ「ひゃっ!?」


コウスケ・マグ((あっ、捕まった))


そらぁそんな可愛らしい反応してたら捕まるよ。

まぁ捕まっちゃったもんはしょうがないので放っておこう。


フルール「でもさすがにダンスの部分は評価対象外でしょうから、ちゃんと魔法に重点を置いたものにしないといけないでしょうね」

コウスケ「そうですね。でもそれならこれまでの練習も活かせますから、あとは踊りをなんとかすればいいだけですから、今からでもまだギリギリ間に合うはずです」

フルール「そうね。ウチには専門家がいるし、相談しつつ決めていけば安全面も大丈夫そうね」

コウスケ「やった!」


フルールさんの許可が降りたなら可決は近いぞ!


ユーリさん…は今ちょっと大変だけど、でも止めるつもりなら無理矢理にでも割って入ってくるはずだから多分OKと見て問題ない。


あとは…


コウスケ「というのが私の案なんだけど…どうかな?シエル」

シエル「……」


1番大事な、本人の意思を確認するだけだ。

もしこれでダメならまた別の案を捻り出さなければならないが……果たして……?


ドキドキしながらシエルの返答を待っていると、少し考えてからシエルが口を開いた。


シエル「そうね…たしかにそれならコンクールもいけるし空を飛ぶ練習にも繋げられる。アタシの希望が詰まった素敵な案だわ。でもひとつだけ、問題があるわ……」

コウスケ「も、問題……?」

マグ(えぇ…そんな……)


バカな……結構完璧な案だと自信を持っていたのに……。


コウスケ「そ、それはいったい……?」

シエル「それはね……」

コウスケ・マグ「(ごくり……)」

シエル「…アタシが、運動が苦手だということよ……」

コウスケ・マグ「(……)」


重々しくそう言い放ったシエルに対し、俺は静かに顔を上に向けて言った。


コウスケ・マグ「(忘れてた……)」


と。


そうだ。

シエルは毎日歩いて体力は人並みにはあるものの、それ以外の運動をほとんどせず、勉強や練習もほぼ動かないものばかりだからか、運動神経がからっきしなんだった……。


いつも枕投げで投げる・受け止めるときのフォームが若干ぎこちないし。

回数を重ねるごとに精錬されてはいるけど。


だから最初はどうであれ、練習すれば形に出来るはずではあるんだ。

しかし今回は練習に割ける時間が少ない。


魔法の練習も続けながら踊りの特訓も加え、さらにその2つを上手いこと掛け合わさなければならない……。


……自分でイケる!って提案しといてなんだが、これやっぱり無理な気がしてきたぞ……?


それは俺と同じく、シエルとガッツリ遊んだことのある子どもたちも思ったようだ。


マグ(……もしかしてあんまりなのでは……?)

リオ「…他の案を考えてみるか……?」

メリー「……そのほうがいいんじゃない……?」

シエル「……(しゅーん)」


ここまで言われても当の本人がまったく反論せずただただ落ち込んでいるあたり、どれほどの問題かが想像つくだろう。


しかしそうなると他の方法を模索しないと……う〜ん……。


俺が再び条件に合うものを考え始めたところで、シエルが口を開いた。


シエル「…いえ…でも、やるわ…!」

コウスケ・マグ「(えっ?)」

シエル「飛行魔法に比べれば踊りを覚えることなんて簡単…だと思うし……多分……」


徐々に声が小さくなったのは、いまいち自信が無いからなのか、ユーリさんに遠慮してなのか。


「そ、それに!」と気を取り直すように言ってからシエルは続ける。


シエル「せっかくマーガレットが考えてくれた素敵な案だもの、形に残したい!」

コウスケ・マグ「(シエル……)」


健気やなぁ……。


いやまぁ、他に良い案が出ないだけだからかもしれないが…そんなことを考えるのは無粋というものだろう。


コウスケ「…うん。それじゃあ楽しみにしちゃおっかな♪」

シエル「!…ふふん♪アッと驚かせてあげるわ♪」


コウスケ(おっ、いつもの調子が出てきたね)

シエル(ですね♪やっぱりシエルはこうでなくっちゃ♪)


うんうん。

シエルにはこの謎の自信に満ちた笑みが似合ってるよ。

……悪い意味じゃないよ?


リオ「そうか……そこまで言うならオレたちも止めないさ」

メリー「……うん。がんばって。わたしもみたいから♪」

シエル「えぇ!みんなにもとびっきりの風魔法のダンスを見せてあげる!」

フルール「あらあら、大きく出たわね」

メイカ「うふふ♪その方がシエルちゃんらしくて良いじゃない♪」

ディッグ「その意気だぞ、シエル嬢ちゃん!」

ケラン「僕たちにも手伝えることがあったら遠慮なく言ってね」

シエル「はい!ありがとうございます!」


俺に続き、みんなもシエルのことを応援する言葉を投げかけてくれている。


ユーリ「シエルちゃん?教えるのはいいけど、私は厳しいよ〜?」

シエル「が、頑張ります!」

ユーリ「うん♪その意気その意気♪」


ちょっとユーリさ〜ん?

冗談とはいえあんまり脅さないであげて〜?


…冗談だよね?


ま、まぁともかく決まってよかったよかった!


ユーリ「じゃあ早速明日から練習する?」

シエル「いいんですか?」

ユーリ「うん。さっきも言ったけど、ここに住まわせてもらってるおかげでお金にも食べ物にも困ってないからね。ディッグさん、大丈夫ですか?」

ディッグ「あぁ、問題ないさ。依頼や装備の補充や整備と、やることには事欠かないしな」

ケラン「ですね。なんなら僕たちも久しぶりに実戦以外で汗かきますか?」

ディッグ「おっ、いいな。久々にいっちょ揉んでやるよ!」


なぬっ。

ディッグさんとケランさんのバトルとな?

それはぜひとも見てみたい……!


メイカ「暑苦しいわね〜……私はフルールとメリーちゃんと一緒にシエルちゃんの応援するからパスね♪」

フルール「あら。汗かいてきてもいいのよ?」

メイカ「やだー!野郎と汗かいても楽しくないの!可愛い子と汗かくなら全然アリだけどね♡」

フルール「はいはい、相変わらずね」

メイカ「あと汗かいてるかわい子ちゃんをひたすらのんびり眺めるのもありありのアリよ」

フルール「聞いてないし通報するからやめてね」

メイカ「んもぅ、冗談…待って?通報()()って言ったの?されるじゃなくて?」

フルール「私に恥をかかさないでね?身内が変態で通報したなんてご近所さんに笑われちゃうわ」

メイカ「フルール?冗談よね?目が笑ってない気がするんだけど?冗談なんでしょ?ね?ねっ?」

フルール「うふふふふ」


メイカさん……。

お(か)しい人を失うな……。


ユーリ「じゃあまずは基本から教えるからね」

シエル「はい!よろしくお願いします!」

メリー「……たのしみだね♪」

コウスケ「そうだね♪」

マグ(うんうん、楽しみ楽しみ♪)


まぁいいか♪


ともあれ、シエルの魔術コンクールで披露する魔法及び、勝負する魔法は、風魔法を軸にしたダンスとなった。

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