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異世界で少女とまったりするために頑張る  作者: レモン彗星
第4章…ウサギと姫と聖歌隊
321/434

316.清々しい朝…悲しみの朝

翌朝。


サフィール「あっ、起きちゃいました」

モニカ「起きちゃったね〜」


目を開けるとすぐそばに美少女2人の顔があった。


朝から眼福眼福と。


コウスケ「んぁ…ふたりともおはよ〜…」

サフィール「おはようございます」

モニカ「おはよう、マーガレットちゃん♪」


いつも通り柔らかな微笑みを浮かべてくれるサフィールちゃんと、いつもよりなんとなく元気というか、肌艶が良い感じがするモニカちゃん。


で、モニカちゃんは……ん〜…この感じだと、モニカちゃんは昨晩の記憶はないかな?


それならそれでいいか。

覚えてて変に距離を取られる…とかベタなイベントが起きないわけだし。


さてさて。

モニカちゃんが大丈夫なら、次は初めてのお泊まりであるミハクちゃんの様子を…


ミハク「あ〜、マーガレットちゃん起きた〜」


確認するまでもなく元気そうな声が廊下側から聞こえてきた。


リオ「うん?お〜、起きたかマーガレット」

ショコラ「あっ、マグ起きた〜!おはようマグ〜♪」

ミハク「マーガレットちゃんおはよ〜♪」


リオ、ショコラちゃん、そしてミハクちゃんだ。


コウスケ「うん、おはよう。ミハクちゃん早いねぇ」

ミハク「朝はお祈りがあるの〜」

コウスケ「あぁ、なるほど」


教会関係者だもんね。


リオ「びっくりしたぜ。朝起きたらミハクがもう祈ってたんだから」

サフィール「私たちよりも早かったですよね」

コウスケ「え?そうなの?」


2人よりも早いって相当だよ?


ミハク「あはは、あの時間に起きるのに慣れちゃって〜」

モニカ「習慣付いちゃったんだね。私もそうだからわかるな〜」

リオ「別に急ぐ必要がないって分かってても起きちゃうよな」

サフィール「お休みの日とかでも早く起きちゃいますからね。なんだか少し損をしたような気分になることもあります」

ミハク「わかる〜」


早起き習慣持ちたちがトークを、こちらに寄ってきたショコラちゃんの頭を撫でながら聞く。


俺もこっちに来てから早起きをするようになってちょっと経つけど、確かに大体決まった時間に起きるな〜。


最近はド深夜に起きることも多いけど。

しかも毎回誰かの問題を解決してるような……。


まぁ解決してあげられてるのはいいことなんだけどさ。


っと…とりあえず俺も顔洗ってくるかな〜。


コウスケ「ショコラ。私も顔洗ってくるからちょっと待っててね」

ショコラ「あっ、じゃあショコラも行く〜♪」

コウスケ「もう洗ったんじゃないの?」

ショコラ「洗ったけどマグともう一回行く〜♪」

コウスケ「はいはい、しょうがないな〜」


まったく可愛いやつめ。


リオ「今日のマーガレット、ちょっと機嫌良さそうだな?」

モニカ「そうだねぇ…何か良いことあったのかな?」


良いこと……うん、まぁ……罪悪感に押しつぶされそうだったけど、結果的には良いこと…だったね……。


というかこれで確信した。

ガチで覚えてないわこれ。


んじゃまぁこれでほんとに一安心ってことで。


安心したところで脱衣所へ到達。

洗面台のところには先客でパメラちゃんがおり、今ちょうどタオルで顔を拭いてるところだった。


パメラ「ふぅ……あっ、マグ。おはよう」

コウスケ「うん、おはよう」


拭き終わったところで目が合ったので挨拶を交わす。


そして、俺の後ろからぴょこっと現れたショコラちゃんに気付いて疑問を投げかけた。


パメラ「って、あれ?ショコラ?さっき顔洗ったでしょ?」

ショコラ「マグともう一回洗うの!」

パメラ「え?なんで?」


ほんとにね。

顔洗うだけだから別に何かするわけでもないのにね。


ショコラ「マグと一緒がいいから!」


わぉ、シンプル〜。


パメラ「むぅ…じゃあ私も一緒に洗う!」


そうだ、こういう子たちだった。


ショコラ「パメラは今拭いたばっかりでしょ〜?」

パメラ「ショコラだってさっき出てったばっかじゃん!」

コウスケ「はいはいケンカしないの。みんなで洗お?ね?」

ショコラ・パメラ「「は〜い♪」」


あっ、ハメられたかもしんない。

五十歩百歩なケンカしてると思ったらすぐに切り替えて楽しそうな声出しやがった。


おのれ策士め。

どこで覚えたのそんなこと。


まぁガチゲンカじゃないからよかったと思おう。


そうして俺たちは顔を洗い、俺はショコラちゃんとパメラちゃんのことを拭くことになった。


これが狙いだったか。

嬉しそうな顔しやがって…こうしてやるぞ、こうしてやるぞ!(ぐしゃぐしゃ)


パメラ「きゃぁ〜♪」

ショコラ「あっ、いいな、いいな!ショコラもショコラも〜!」

コウスケ「よ〜し…こうじゃ!」

ショコラ「きゃぁ〜♪」


なんて楽しく顔を洗った後、軽くうがいも済ませて口の中をスッキリさせてからリビングへ戻る。


そこではモニカちゃんとサフィールちゃん、そしてミハクちゃんがシエルの寝顔を覗き込んでいた。


リオはそれをちょっと苦笑しつつ見守っている。


コウスケ「何やってんの?」

ミハク「あっ、マーガレットちゃんおかえり〜」

サフィール「ミハクさんが、寝顔を見れるのは早起きした人の特権だ〜、とおっしゃったので…」

モニカ「私たちも見ることにしたの♪」

コウスケ「なるほど…それで私も見られてたってわけね」

モニカ・サフィール「「えへへ♪」」


はい許す。

いやまぁ別に怒ってたわけでもないけど。


…ん?


コウスケ「そういえばミハクちゃん」

ミハク「なぁに〜?」

コウスケ「いっちゃん最初に起きてたんだよね?」

ミハク「うん〜、そうだよ〜」

コウスケ「その割には、さっき洗面所から帰ってきた感じだったけど…もしかして?」

ミハク「えへへ〜♪お祈りしたあとにみんなの寝顔を眺めてたの〜♪」

コウスケ「やっぱり」

サフィール「その途中で私が起きて…」

モニカ「そのあとに私が起きたの〜」

リオ「で、ふたりが顔を洗いに行ってる間にオレとショコラが起きたんだ」

コウスケ「なるほどね」


じゃあパメラちゃんはそのあとすぐに起きた感じかな?

ほいで俺らが目覚める前に寝顔を堪能していたと。


恥っず。


さすがに恥ずかしいからやめてほしい。

そう思っていた時期が俺にもありました。


ミハク「ほら見てマーガレットちゃん〜♪チェルシーちゃんの寝顔、可愛いよ〜?」

コウスケ「あっ、ほんとだ」


可愛いものにめっぽう弱い俺は秒で陥落し、寝顔見守り隊に加入した。


う〜ん、チェルシー。

年相応の少女の顔で可愛いね〜♪


昨夜はあんなに……これ以上はセンシティブゾーンだからやめとこう。

せっかく《発散》出来たんだから、もっとこの期間を大事にしたい。


サフィール「あら、シエルさん…よだれが垂れてしまってます」

コウスケ「うん?あら〜、熟睡やんね〜♪」


いつも勝気な顔をしているシエルも、寝てるときはこんなに無防備に……。


あっ、サフィールちゃんがタオルで拭いてあげてる。


シエル「んにゃ……んふ……♪」


シエルは起きるどころかより一層穏やかな顔になり眠り続けている。


…あっ、また口開いてる。

これじゃあまたよだれが垂れちゃうな。

そうなったら今度は俺に拭かせてもらお。


…でも口開きっぱなしだと中が乾燥しちゃって風邪菌とかが入りやすいとか聞いたような……。


う〜む…ここはシエルの健康のために口を閉じとくか。


スッ…


……。


ぱかっ。


開いちゃった。

可愛いね。(語彙力が著しく低下中)


モニカ「あっ、こっち見て〜♪メリーちゃんが親指ちゅぱちゅぱしてる〜♪」

コウスケ「えっ?ぎゃっ!かわいっ!」

リオ「お前今日テンション高いな」


苦しみ(えてぃてぃ欲)から解放されたおかげでめっちゃハイだぜ。


そんなことより指を咥えてるメリーが可愛すぎるんだが?


あどけない顔で眠りながら親指をはむはむちゅぱちゅぱ……。

控えめに言って最高ですね。

動画に撮っときたい。


そんな不埒なことを考えたのが伝わったのだろうか。

メリーの目がうっすらと開き、バッチリ俺と目があった。


ミハク「起きちゃった〜」

コウスケ「おはようメリ〜♪」

メリー「…………」


メリーの脳はまだ起動中らしい。

ただただ俺の目をじーっと見つめ、そのまぶたを手で擦った。


そして起動が完了したのか再び俺の顔を見て…ぽむっと顔を赤らめた。


メリー「…ぁ…ぅ……!」

コウスケ「?」

メリー「……ひゃぁぁぁ…!」


そして素早く布団から出ると一目散に部屋から出ていった。


これにはみんな呆然。

俺、大ショック。


ショコラ「逃げちゃったね……」

コウスケ「え…?私何かやった……?」

リオ「いや…昨日寝る前まで変わらなかったよな?」

サフィール「はい……今だってマーガレットさんが起きてからずっと何かをしたわけでもないですし……」

ミハク「寝顔を見られたのが恥ずかしかったとか〜?」

モニカ「それか起きたらマーガレットちゃんのお顔が目の前にあって恥ずかしくなっちゃったとか?」

パメラ「あ〜、ありそう」

リオ「それならメリーが戻ってきたら謝った方がいいだろうな」

ミハク「だね〜」

コウスケ「寝顔見てたのは他のみんなだって同じなのに……」

ショコラ「でも起きたときに目の前にいたのはマグだし」

コウスケ「うぐっ……」

パメラ「1番興奮してたのもマグだし」

コウスケ「ぐふっ……」


それを言われちゃグゥの音もでねぇ……。


うぅ……はしゃぎ過ぎたツケが回ってきたか……いや早すぎん……?

まだ数分よ?


もうちょっとはしゃがせて……。


しかしこうなっちゃったもんはもうしょうがない。

諦めて謝るとしよう……。


そう思ったのだが…


コウスケ「あっメリー、おかえ…」

メリー「ぴゃっ…!(シュッ)」

コウスケ「……(ガーン)」


朝食。


コウスケ「メリー、そろそろご飯…」

メリー「っ!(ササッ)」

コウスケ「……(ガガーン)」


食後。


メリー「…ごちそうさま!(サササッ)」

コウスケ「……(ズガガン)」


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


コウスケ「どうして」

ユーリ「げ、元気出してマーガレット〜……!」

マグ(コウスケさんが自分から甘えに行くほど弱ってる……)


メリーが足早にリビングを去り、全員が食事を終えたあと、俺は心配しにきてくれたユーリさんに膝枕してもらって嘆いていた。


目の前に褐色ふにふにお山が2つあるがそれどころじゃない。


こんな状況でムラムラしてる場合じゃあないと脳も体も理解してくれているんだろう。

節操なしってわけじゃないね、やったね!(ヤケクソ)


ユーリ「何かメリーちゃんに避けられる原因に心当たりとかないの?」


ユーリさんが心配そうに俺に尋ねてきた。

顔見えないけど多分心配してる表情もしているだろう。

周りの子たちと同じように。


リオ「昨晩まではいつも通りだったよな?」

シエル「えぇ……別に変なことしたわけでもないし……」

ミハク「私が起きたときはふたりともぐっすりだったよ〜?」

パメラ「そうだよねぇ……う〜ん…じゃあ夜中のうちに何かあったとか?」


ぎくっ。

としたものの、別にメリーに対して何かアクションしたわけでもないからなぁ……。


モニカ「う〜ん……夜中だと起きてないからわかんないねぇ……」


いやいや、アナタはそれはもう大変なことをしでかしてましたよ?

覚えてなくて幸いです。


しかし心当たりねぇ……。


コウスケ「やっぱり寝顔を観察してるのがバレたことかなぁ……?」

ユーリ「あ〜、それは確かに恥ずかしいね〜」

ショコラ「でもそれだけであそこまで逃げるかなぁ?」

サフィール「わりといつものことといえばいつものことですしねぇ……」

コウスケ「えっ?でも私そんなまじまじと寝顔を観察したことなんて……」

サフィール「……あっ」


サフィールちゃんは「しまった…」と言わんばかりに口を押さえそっぽを向いた。


ん〜……?


マグ(サフィールちゃん……)

コウスケ「もしかして……?」

サフィール「とにかく、寝顔を見ていたことではないと思います!」

シエル「あっ、誤魔化した」


誤魔化せてないよサフィールちゃん。

答え言ったようなもんだよサフィールちゃん。


しかしまぁ、今は追求してないでメリーに避けられている原因を考える方が先決。

ここは乗ってやろうではないかサフィールちゃん。


いつか現行犯で捕まえてからかってやっからな。


そんな大人気ないことを考えているバカの近くで、何かに気付いた少女がひとり。


チェルシー「ん〜……この感じ…もしかして……?」


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


ミハク「それじゃあね、みんな。マーガレットちゃん、メリーちゃんと仲直りできるといいね」

コウスケ「うん、ありがとう……またね、ミハクちゃん…」


出勤時間に合わせて家を出た俺たちは、ミハクちゃんに聞いていたスケジュールを頼りに聖歌隊のいる場所へ向かい、そこで別れた。


ミハクちゃんの言葉から分かる通り、未だに理由も分からずメリーに避けられている状態。


それでもミハクちゃんの見送りには着いてきたのだが、ずっと俺から1番離れている誰かの影に隠れてこちらを窺っており、目が合うとササッと引っ込んでしまう。


ワタシ、トテモ、カナシイ。


みんながメリーに聞いてみても教えてくれないし…せめて理由が分かればそれに合わせた攻め方が出来るんだけどなぁ……。


そんな悲しみを背負う俺を心配しながらも、それぞれ自分の職場に向かうために解散。

メリーはリオについて行ってしまい、ショコラちゃんとパメラちゃんも一度教会に戻るからと、俺とチェルシーに自分たちの仕事を持ってきてほしいとお願いして去っていった。


つまり今はチェルシーとふたりきり。


昨日のことでちょっとソワソワ…なんてする余裕は今はない。

いいんだか悪いんだか……。


ともかくチェルシーとふたりで冒険者ギルドに向かっていると


チェルシー「マギーちゃんマギーちゃん」

コウスケ「ん…なぁにチェルシー…?」

チェルシー「アタシ、メリーちゃんがなんでマギーちゃんを避けてるのかわかっちゃったかも」

コウスケ「え゛っ゛!!?」

チェルシー「声が大きすぎるよマギーちゃん……」

マグ(どこから出したんですかそれ……)


マグと耳を抑えるチェルシーにごめんねしつつ、どういうことか詳しく聞いてみる。


チェルシー「えっとね……メリーちゃん、なんだか今朝から妙にもじもじしててね?メリーちゃんもそういう時期なのかな~って思ってたんだけど……マギーちゃんとアタシ…そしてモニカちゃんに対してだけそれが強くなってるみたいなの」

コウスケ「…それって……」

マグ(…?)


チェルシーはこくりと頷く。

今はマグも起きているからこれ以上は言わないようにしてくれているようだ。


俺の方も、今の情報があればなんとなく把握できる。

チェルシーが言いたいのは、昨夜の情事をメリーに見られたかも…ということだろう。


それなら確かにあんな風に逃げられるのも頷ける。


それにメリーは俺のことを…


チェルシー「マギーちゃん」

コウスケ「あっはい」


思考を中断してチェルシーに返事をする。


チェルシー「1度メリーちゃんと()()()()()()でお話してみてくれない?」

コウスケ「ん…それはいいけど……また逃げられちゃうんじゃ……」

チェルシー「そこは多分大丈夫。マギーちゃんがまっすぐ頼めば聞いてくれると思うよ」

コウスケ「そうかなぁ……」


う〜む…とはいえ、このまま逃げられ続けるのも嫌だしな。

となれば……部屋に入ったところを入り口で陣取ればいけるか……?


チェルシー「…マギーちゃん。一応言っとくけど、あんまり怖がらせるようなことしちゃダメだよ?」

コウスケ「わ、わかってるよ?」

チェルシー「それならいいんだけど……」


第1案が強行策になりがちなのはどうにかしないとかな……。


兎にも角にも、チェルシーの助言を頼りに今夜辺りさっそく話しかけてみるか。

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