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異世界で少女とまったりするために頑張る  作者: レモン彗星
第4章…ウサギと姫と聖歌隊
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309.我が家へご招待…成分補充RTA

白兎亭。

俺が迷宮都市に来てから最も多く昼食を取った場所と言っても過言ではない飲食店。


昨日は聖歌隊の皆さんと、ギルドが用意していた大きな面積を誇る店で昼食を済ませたらしいミハクちゃんは、同年代の友だちと一緒にご飯を食べることと、その店がモニカちゃんの実家である…つまり、友だちの家に遊びに行くようなものであることにテンションが高くなっていた。


まぁテンションが高くても喋り方は変わらなかったのだが、それでも言葉の節々に喜びが感じられたのと、純粋に喜びが行動に表れていたことで誰が見ても興奮してらっしゃることがわかった。


ニッコニコ笑顔でショコラちゃんとパメラちゃんと手を繋いでいたらそりゃ誰でもわかる。


なんなら鼻歌も歌っていた。

聖歌だった。


ただサフィールちゃんはノーダメージだったので、歌詞に力があるのか、それとも大人数で歌うことに意味があるのか…と考察の幅を広げることができた。


それはそれとして心臓に悪かったことということもお伝えしておく。


もうみんなギョッとしたもの。

サフィールちゃんが無事だったから安心したけど。

そしてミハクちゃんには気付かれてなさそうだった。

よかったよかった。


さて、そんなウッキウキなミハクちゃんを連れて白兎亭に到着。

相変わらず人が並んでおり少し待つことになったが、ミハクちゃんはそれすらも楽しんでいた様子。


なんなら友だちの店が繁盛していて嬉しそうだった。

天使かなと。


類は友を呼ぶとはこういうことだろうか?

じゃあもっと増えるかもしれないな。

友だちが多いのは良いことだ。


なんて考えながらみんなとおしゃべりをして待つこと十数分。

俺たちの番が来た。


やっぱり誰かと話しながらだと待ち時間が短く感じるな。


アリシア「いらっしゃ〜い…あっ、おかえり、モニカ♪」

モニカ「えへ…ただいま、お姉ちゃん♪」

アリシア「みんなもいらっしゃい♪…ん?その子は?新しいお友だち?」

モニカ「うん♪ミハクちゃんだよ♪聖歌隊の子なの」

アリシア「へぇ〜、聖歌隊の子なのね!」

ミハク「初めまして〜、ミハクです〜♪」

アリシア「うん、初めまして♪モニカの姉のアリシアです♪ミハクちゃん、ゆっくりしてってね♪」

ミハク「ありがとうございます〜♪」

アリシア「さっ、それじゃあみんなこっちの席にどうぞ〜♪」

みんな『は〜い♪』


アリシアさんとのファーストコンタクトも済んだところで席へ。


(マグ)、メリー、モニカちゃん、ショコラちゃん、パメラちゃん、チェルシー、リオ、シエル、サフィールちゃん、そしてミハクちゃんの計10人という大所帯なため、テーブルを複数使うことになる。


が、ミハクちゃんひとりが増えただけなのでいつも通りっちゃいつも通りでもある。


そんな毎日パーティー席な俺たちは、初めてで全部のメニューが気になるミハクちゃんに、各々好きなものを言ってさらに悩ませるというイタズラをカマした後、いろんなものを試せるようにと、みんな違うものを頼んでシェアして食べることにした。


そしてシェアということに体を弾ませて喜ぶミハクちゃんをみんなで微笑ましく見守った。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


ミハク「すごくおいしかった〜♪」

モニカ「えへへ、よかった〜♪」


食事を終え、ふわふわした会話をしながら医療ギルドへと戻る俺たち。


ちなみにモニカちゃんはアリシアさんに今日もお泊まり会だということを伝え、お泊まりグッズを更新してきた後だ。


俺もせっかく近くまで来たので、連絡がてら今日のお泊まり会の会場たる我らが寮に帰宅してフルールさんにご連絡。


フルールさんは承諾しながらも、新しい友だちが出来たことでメイカさんがまた騒ぎそうだなと苦笑いしていた。


あの人はまぁ…うん……。

ミハクちゃんにも事前に、変だけど悪い人ではない人がいることを伝えておこう。


まぁそれは後でいいとして……。


チラッとミハクちゃんを確認。

モニカちゃんとチェルシー、そしてメリーと楽しくお話中だな。


というか日傘持ってもらってるじゃん。

自分も入ってるけど、持たせてごめんね、ありがとねミハクちゃん。


ともかく、向こうに集中している間にサフィールちゃんの隣へ移動。


コウスケ「サフィールちゃん」

サフィール「マーガレットさん、どうしましたか?」

コウスケ「いや、ちょっと聞いとこうと思って…」

サフィール「?」


首を傾げるサフィールちゃんに、俺はお泊まり会をするにあたって重要なことを尋ねた。


コウスケ「お泊まり会だから、お風呂とか一緒に入ることになると思うのね?」

サフィール「そうですね…ショコラさんやチェルシーさんたちも楽しみにしておりますし、きっとそうなると思います」

コウスケ「うん、それでなんだけど……そうなるとサフィールちゃん…体をいろいろ見せることになるけど…大丈夫?」

サフィール「……」


サフィールちゃんは固まった。

そして…


サフィール「…どうしましょう……?」


震え始めた。


コウスケ(聖歌をどうにか出来て肩の荷が軽くなったのと、新しい友だちが出来た嬉しさで考えてなかったんだな……)

マグ(あはは……ま、まぁ…言い換えれば、それだけ元気になった、ということですから……)

コウスケ(それは…そうだね。塞ぎこんでるよりはずっといいよ)

マグ(ですね)

コウスケ(まぁでも解決させないとなんだけどね)

マグ(ですね……)


さ~て…それじゃあどうするかなぁ……。

多分ツノは大丈夫。

聖歌隊自体、かなり多様性のある組織だからな。


でもなぁ……さすがに魔族だっていうのはなぁ……。


なんとなくだけど、ミハクちゃんはサフィールちゃんが魔族だとしても気にしないと思う。

そこはそうなんだけど……目の色がな……。


この世界の人は左右違う色をしてるなんてのは珍しいを通り越して気味が悪いと思うらしく、サフィールちゃんもジルさんたちに会って目の色を誤魔化す魔法を教えてもらうまで大変だったみたいだ。


詳しくは聞いてないけど、わざわざ苦労話を掘り返すのもな。

今が楽しそうだからいいんだよ。


まぁそれはともかく、ある程度見慣れてるはずのチェルシーやジルさんですら思わず驚いてしまうオッドアイを、なんの事前情報も無くミハクちゃんに見せるのはいかがなものか。


ショコラちゃんたちに教えたときは……あぁ、あのときも似たようなもんだったのか。

俺がルーク少年との試合とそのあとの打ち上げで体と心が疲れていたから気付けなかったが……。


……あのときのサフィールちゃん…よく決断したよな……。

ほんと凄いよ……。


ただ、あのときはショコラちゃんたちと出会ってから数日は経ってるし、その間に…いろいろあったし……うん……。


そのおかげもあってか、ショコラちゃんとパメラちゃんとメリーに目のことを言っても、驚きはしたもののすぐに受け入れてくれてたな。


逆にチェルシーはなんで怖いんだろう?

ん~…そういうものだと割り切れないのか……むしろ、怖いものだと刷り込まれてしまっているとか?


チェルシーはそういうので相手を傷付けたらバチコリ引きずる優しい子で、そんな状態のチェルシーをハルキやララさんがほっとくとは思えないし、なにかしら改善策とか考えてくれてそうだけど……それでも昨日ああなっちゃったってことは…う~ん……。


ここまでくると過去になんかあったんかって思うレベルだなぁ……。

しかしチェルシーだけの問題では無いからそうとも限らず……。


サフィール「マーガレットさん……」


っと、そうだ。

考え込む前にサフィールちゃんの相談に乗ってあげないとだ。


ふむ……


コウスケ「ん~…多分ツノは大丈夫。目はまだ様子を見ときたいかな」

サフィール「わ、わかりました……えっと…ツノは大丈夫なんですか……?」

コウスケ「うん。昼来た時に見たと思うけど、聖歌隊ってすんごいいろんな種族板でしょ?そのなかにツノ生えてる種族の方もいたから大丈夫だと思う」

サフィール「あっ…た、確かにそうでしたね。ふぅ…それならまぁ…なんとか……」


俺の答えに安堵するサフィールちゃん。


そうなぁ。

目の色は変えられるけど、ツノは隠すの大変だもんな。


幻術があるにはあるらしいけど、それでも何かの拍子に当たったらアウトらしいし……。

そこにあるものを消すには危険な方法をするしかないわけだ。


その点目だけだったら、「両目必ず同じ色」なんて常識があるから、瞳の色を変えてるなんて考えもしないだろうしな。


サフィール「ありがとうございます、マーガレットさん」

コウスケ「ん。またなんかあったら相談してね」

サフィール「はい♪」


まぁ大したことは言ってないんだが、ここは素直に受け取って「また頼ってね」と付け加えておく。


これにより…多分頼りみが上がる…はず…だと思う。きっと。


適当な理由を付けたことに若干後悔しながら、俺たちは医療ギルドへと歩き続けた。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


他の子たちもお泊まりセットを更新。

保護者への連絡もバッチリ。


ミハクちゃんが泊まり先を言ってないことに気付いてカダノさんを探すハメになったが、幸いまだ医療ギルドにいたのですぐに伝えられた。


で、諸々終えたところで、ミハクちゃんを加えてお仕事再開。


仕事中もミハクちゃんのテンションは高く、ショコラちゃんとパメラちゃんも昨日1日会えなかった分なのか、いつもより元気が有り余っていた。


でも騒がなかったのはエラい。

褒めて差し上げよう。(なでなで)

勢いでミハクちゃんまで撫でてしまったが、本人がいたく気に入った様なので良いことにする。


そして終了。

片付けを終え、医療ギルドをあとにする。


そして我が寮に到着。

ここまでただただ普通におしゃべりしてただけなので割愛します。


コウスケ「さてさて。お昼にも見せたけど、ここが私たちが住まわせてもらってる寮だよ」

ミハク「やっぱり大きい……」

コウスケ「ね。おかげでこうしてお泊まり会が出来るからいいんだけどね」


なんて話をしながら寮の中へ。


コウスケ・マグ・リオ「(「ただいま戻りました〜!」)」

メリー「……ただいま」

ショコラ・パメラ・チェルシー『おっじゃましま〜す!』

モニカ・シエル・サフィール『おじゃまします』

ミハク「おじゃまします〜♪」


バァンッ!


メイカ「おかえりなさぁーい!!!」

コウスケ「ぐふっ!」

モニカ・シエル「「きゃっ!」」

ミハク「ひぇっ…!?」

リオ「あ〜……」


帰るや否や、凄まじい勢いでリビングとの扉を開いて飛び込んできたメイカさんに押し倒され大ダメージを受けた。


メイカ「あ〜ん♡ひさしぶりのマーガレットちゃんの温もり〜♪」

コウスケ「ミハクちゃん……これがウチの変人お姉さんです……」

ミハク「わぁ……」


ミハクちゃん、ドン引き。


ふわふわ天然ミハクちゃんを持ってしても、どうやらメイカさんは手に余るらしい。

やったね。(ヤケクソ)


ユーリ「おかえり、大丈夫……そうだね」

サフィール「そ、そうですか……?」

シエル「すごい勢いで押し倒されてましたよ……?」

ユーリ「まぁ…いつものことだし」

シエル・サフィール「「それはまぁそうですけど……」」

コウスケ「メイカさん。子どもに諦められてますよ。威厳を取り戻すべく早く離れてください」

メイカ「やだ。マーガレットちゃん成分がまだ全然足りないもん」


ここにもマグ成分不足患者がおったか……。


とはいえ今は俺が表、つまりマグボディ・俺ハートなわけだ。

これでは接種出来るマグ成分が半分になってしまう。


ショコラちゃんとパメラちゃんは俺の存在を知らないわけだから問題なかったが、メイカさんは俺のことをバッチリ知っている。


知っている上で抱きついたり一緒にお風呂に入ったり体を洗わせたりする、普通に考えたらなかなかにヤバい人だ。


なのでメイカさんに対してはこのままだとマグ成分が半減。

単純に考えて、補充するのにショコラちゃんとパメラちゃんの倍の時間がかかるということだ。


そんな時間よりも今はミハクちゃんの初めてのお泊まりを支援してあげたいので、ここは早急にメイカさんへの補給を済ませる必要がある。


コウスケ(というわけでマグ、よろしく)

マグ(も〜、メイカさんはしょうがないですね〜)


なんて言いながらもノリノリで変わってくれるマグ。

頼られたのが嬉しいのか、はたまたメイカさんとのこのやり取りが実は割と好きなのか。

理由はマグのみぞ知る……。


マグ「メイカさん、ぎゅー!」

メイカ「はわっ!きゃー、マーガレットちゃ〜ん♡」


チェンジするとさっそくメイカさんを抱きしめてあげるマグ。

それに歓喜の声をあげてより強く抱きしめるメイカさんは、誰が見ても変……HE☆N☆TA☆Iである。

世が世なら即刻刑務所行きである。


しかしそれと同時に、メイカさんのマグ成分がギュンギュン補充されていくのも見て取れる。

この分ならそう遠くないうちに解放されるだろう。


マグ「…ふにふに♪」


あっ、あかん。

マグがふにふにの魔力に取り憑かれ始めている!

このままでは今すぐにでもふにふにを堪能しようとしてしまう!


さすがにそんな姿を最近仲良くなったこの前で見せるのはいろいろとヤバい……。

ただでさえメイカさんで引かれているのだ……ここでマグまでHENTAIの烙印を押されては、せっかくできた友だちを速攻で失うことになるかもしれない……。

なんとかそれだけは阻止しなければ。


コウスケ(マグ。ミハクちゃんの前だからね?ふにふには我慢してね?)

マグ(うっ…うぅぅ、ふにふにぃ…!)


すでにこっそり触ろうとしていた手を止め、その場で葛藤を開始するマグ。


我慢しなきゃと背中の方へ…でも触りたいと胸の方へ…いやいや我慢だと再び背中へ……。


頑張れマグ!

多分そろそろメイカさんのチャージが完了するから、それまでの辛抱だ!


メイカ「…んふ〜♪堪能したわ〜、ごちそうさま♡」

マグ「お、お粗末さまでした……!」


コウスケ(よく耐えたマグ!エラいぞマグ!)

マグ(えへ…えへ〜……♪やったぁ…♪)


可哀想に、こんなに衰弱して……。

あとはまかせろ…マグが残してくれた想いを無駄にはしない……!


コウスケ「え、え〜っと…とりあえず、みんな上がって…」

ユーリ「あっ…マーガレット……」

コウスケ「?なんですか、ユーリさん」

ユーリ「えっと……私も…いいかな……?」

コウスケ「……っすぅー…………リオ、メリー」

リオ「おう」

メリー「……うん」

コウスケ「…案内よろしく!」

リオ「任された」

メリー「……がんばる(ふんす)」

リオ「よし、ミハク。他の人を紹介するから着いてきてくれ」

メリー「……ママがいるから」

ミハク「あ、そうなんだ〜。……どんな人なの?」

メリー「……ママはちゃんとしてるから大丈夫」

リオ「今そこにいるユーリさんも頼りになるんだけど、ちょっと寂しがり屋さんなんでな。多めに見てくれよ」

ミハク「うん、わかった〜」


フルールさんたちへの紹介をリオたちに任せ、俺はユーリさんと向き合う。


メイカ「あれ?リオちゃん?私は?私のフォローは?」


そう言いながらリビングに入っていくメイカさんを見送ったところで…


コウスケ「えっと、では……ユーリさん。ただいまです」

ユーリ「…うん、おかえりなさい。ふたりとも♪」


手を広げてユーリさんを招き入れ、メイカさんよりも()()()()だけ時間をかけてエネルギーをチャージした。


マグ(コウスケさんコウスケさん。今ならミハクちゃんにバレないのでふにふにしてもいいのでは?)

コウスケ(……声は我慢してね?)

マグ(はい!やった〜♪)


ユーリ「ん…ふふふ♪も〜、マーガレットはほんとに好きだねぇ〜♪」

マグ「えへへ♪ユーリさんのせいですよ〜?」


ちょっとだけなのはこういうことです。

RTAってタイトルに付けることになるとは思わなかった。


さて、次回はお風呂回の予定です。

そんな来週をお楽しみに!

ではでは〜

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