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異世界で少女とまったりするために頑張る  作者: レモン彗星
第4章…ウサギと姫と聖歌隊
302/435

297.聖歌隊との出会い…喜びと誤算

翌朝。


フルール「……」

コウスケ「もきゅもきゅ…(そわそわ)」

リオ「パクパク…(そわそわ)」

メリー「もぐもぐ…(そわそわ)」

フルール「いや落ち着きなさいよ」

コウスケ・リオ・メリー『!』


フルールさんのツッコミに動きを止める俺たち。


そ、そんなに表に出てた?


フルール「あの子のことが心配なのはわかるけど、ここでそわそわしてたって仕方ないでしょ?そんなに気になるなら上の空でチマチマ食べ進めてないで、さっさと食べて様子を見に行けばいいじゃない」

コウスケ・リオ「「は、はい……」」

メリー「……(こくり)」


わかりやすく出てたらしい。


仕方ない。気になるもの。


とはいえ、フルールさんの言うことはもっともなので、ご飯をパクパクっと平らげて、ちょっと早めに出て様子を見に行こうそうしよう。


リオとメリーも同じ考えに至ったようで、俺たちは3人で素早く朝ごはんを食べ進める。


ディッグ「おいおい。もうちょっと落ち着いて食った方がいいんじゃねぇか?」

メイカ「あんまり急ぐと喉に詰まらせちゃうわよ?」

コウスケ「ごくん……うぅ〜…分かってはいるつもりなんですけど……」

リオ「どうしても体が焦っちゃって……」

ユーリ「気持ちはわかるけどね〜。私もサフィールちゃんのこと心配だもん」

ケラン「それはみんなそうでしょうけど、それで喉に詰まらせて急患…なんてことになったら大変ですよ?」

フルール「凄く呆れられそうね」


マグ(困惑した顔のサフィールちゃんの姿が目に浮かびますね……)

コウスケ(確かに……というかサフィールちゃんって、困り顔が想像しやすいよね)

マグ(あ〜…わかります。えっ?て顔がすぐ思い浮かんできますよね)

コウスケ(ねっ)


多分おとなしい子、穏やかな子はそうなんだと思う。


こう…「あはは…」って感じの顔。


ショコラちゃんみたいな元気100倍シャイニンガールは、「えっ…う、うん……」って感じがする。

いつも元気な子が目に見えて気を遣ってる感じのある、やられたら精神的にキツいやつ。


とまぁ、そんなことを考えている間に食べ終わった。


コウスケ「ごちそうさまでした」

リオ「オレも。ごちそうさまでした」

メリー「あ…!…まって…!」

コウスケ「いや、さすがに置いてくとかはしないから……」

リオ「どうせオレたちも準備あるし…焦んなくていいからな?」

メリー「……ん…(こくり)」


そんな薄情なことはしないので安心してください。


再びゆっくり…と言っても普段よりは早いペースで食べ始めたメリーを微笑ましく見ながら、俺とリオは食器を片付けにキッチンへ向かった。


リオ「なぁマーガレット」

コウスケ「ん〜?どったん?」

リオ「いや、あまりに自然にいってるから言わなかったけどさ……」

コウスケ「うん」

リオ「…メリーは聖歌隊にあって大丈夫なのか?」

コウスケ・マグ「(…………)」


メリー。

フルールさんを母に持つ幼い吸血鬼。


彼女たちは当時のことをあまり話そうとしないし、こちらも聞き出そうとしないためよく知らないが、住処が何かに襲われて追いやられ、その後奴隷商人に上質な人間の親子として捕まり、道中酷い目に遭いながらもこの街に流れ着いたのだろう。


その故郷を襲った首謀者が誰かは知らないが、1番可能性があるのは 《王国》。


彼らは異種族に対して強い差別意識があるらしく、話を聞く限り「自分さえ良ければそれでよし!」な感じが凄いする。


いわば関わりたくないタイプ。


だが今回訪れている聖歌隊の本拠である 《教会》は、王国とズブズブだという話を聞く。


なので、教会内部…そして聖歌隊の中にも異種族差別マンが混ざっている可能性が高い。


それだけでも嫌だが、問題は今回怯えているサフィールちゃんと、そんなサフィールちゃんの心配をしているメリー。


悪魔族と吸血鬼というのは元々珍しい種族らしい。

そんな2人の正体が万が一にでも割れてしまったら……。


…まぁ…ろくなことにならないであろう未来しか見えない。


聖歌隊自体はそんなことないとの話だが、警戒しておくに越したことはないだろう。


まっ、全部憶測なんすけどね!


と、考えると…


コウスケ「…残ってもらった方がいいのかなぁ……?」

リオ「パッと見られただけでバレるなんてことはないだろうけどな。でもやっぱ心配は心配だろ?」

コウスケ「う〜む……」


それはそうだが……。

友だちのことが心配でしょうがない子にお留守番をお願いするのも……。

とはいえ安全性を考えれば……むむむ……。


メリー「……どうしたの?」


メリーのことを考えていたら、そのご本人が登場した。


何やら話し込んでいた俺たちを訝しんでいる様子……。


うむむ……俺らでいつまでも唸っていたって仕方ない…か……。


コウスケ「う〜ん……メリー…実は……」

メリー「……?(こてん)」


〜〜〜説明中〜〜〜


メリー「……や!いっしょにいく…!」


拗ねてしまわれました。


マグ(まぁ、うん……でしょうね)

コウスケ(俺だって予想は付いてたけども!)


しかしまぁ…本人の意思は確認できた。

危ないは危ないが、俺らだってどうするか悩んでいた立場の人間だ。


ダメならダメだとキッパリ断るつもりだが、悩むような微妙な状態であれば、本人の意思を尊重するのを優先する。


まぁつまり…


コウスケ「危険性はわかった?」

メリー「…ん!(こくり)」

コウスケ「それでも?」

メリー「…いく!」

コウスケ「…りょーかい」

メリー「…!(パァァ!)」


今回はメリーの意思を尊重して、一緒に行くことにしよう。


リオ「いいのか?」

コウスケ「ここまできてお留守番は無理だよ。それに…」


俺はメリーの頭にポンと手を手を置き撫で始める。


コウスケ「友だちが心配なときに待つしかないってのは、やっぱり不安だもんね」

リオ「うっ…その節はほんとに悪かったって……」


そうだね〜。

どこぞのドワーフっ子は、散々大丈夫って言って余計に悪くなったところで、友人が見かねて凸ったんだもんね〜。


反省してね〜?


メリー「……♪」


まぁそれはさておき、一緒に行ける&撫でられてご機嫌なメリーには悪いが…


コウスケ「あの人の許可もらわないとな」

リオ・メリー「「…?」」


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


フルール「ふぅん…?そんな危険があるかもしれないのに行きたいのね?」

メリー「……(こ、こくり…)」

コウスケ・マグ・リオ「(「ゴクリ……」)」


はい、保護者です。

俺らはいいけど、やはりフルールさんが危険性のあることをそう易々と許してくれるとは…


フルール「いいわよ」

コウスケ・マグ・メリー・リオ『(……え?)』

フルール「危険性があるのはいつものことだもの。そもそも私たちは信用してる人以外に正体を明かしていないでしょ?」

コウスケ「そ、それはまぁ……」

リオ「確かに……」

フルール「というか、止めるつもりなら食事のときに言ってるわよ」

コウスケ・マグ・メリー・リオ『(た、確かに……)』


ど正論でした。


コウスケ「ま、まぁともかく!これでみんなでサフィールちゃんのところに行けるね!」

リオ「だな!」

メリー「……うん!(こくり)」

フルール「一応、普段よりは気をつけておいてね、マーガレット。頼んだわよ」

コウスケ・マグ「(はい!)」


思ったよりも簡単に許可をもらったところで、俺たちはさっそく出かける準備を始めた。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


途中でモニカちゃんを拾って、まずは冒険者ギルドにやってきた俺たち。

ここでショコラちゃんたちと合流してから医療ギルドへ様子を見に行こうという計画だ。


その予定だったのだが……。


リオ「ん?なんかいつもより人が多くないか?」

モニカ「そうだね…なにかあったのかな?」

メリー「……(そわそわ)」

コウスケ「メリー、離れないようにね」

メリー「……うん(ぎゅ)」


メリーとより強く手を握り、人混みの中へ…入ると日傘が邪魔になるので、若干外回りで近づいていく。


こういうとき入り口が複数あると便利だよなぁ。

どこにでも必ず入り口でたむろするやついるもんね。


あれ困る。


まぁそれはそれとして、どうにかギルドに入った俺たちの前には再び人混み。


とはいえ、どうやら入り口側に固まっているようで、それ以外のところは割と余裕があった。


なので俺たちはひとまずララさんたちのいるギルドカウンターへと向かった。


カウンターに入ったら、他のスタッフの人たちとも挨拶を交わしながらララさんの元へ向かう。


コウスケ・マグ「(ララさん、おはようございます)」

ララ「あっ、マギーちゃん。リオちゃんとモニカちゃんとメリーちゃんも。おはよう」

リオ・モニカ「「おはようございます」」

メリー「……おはよう」

コウスケ「それで、この騒ぎはいったいなんですか?」

ララ「聖歌隊の人たちが来てるんだよ」

マグ・リオ・モニカ・メリー『(!)』

コウスケ「聖歌隊が?」


聖歌隊というワードにピクッと反応する俺たち。


ララ「うん。昨日ココから、車輪が壊れて遅れるって聞いたんだよね?」

コウスケ「聞きましたねぇ」

ララ「その車輪を直してる間にもう片方の車輪の軸が壊れちゃって、車輪がコロコロ転がっていっちゃったらしくて…」

リオ「うわぁ……」

ララ「その転がった先に運悪く魔物がいたみたいで…」

モニカ「ひぇぇ……」

ララ「そのせいで直すのも遅れて、結局落ち着くまでに結構な時間がかかったみたいで…」

コウスケ「…もしかして、あそこにいる方々は…」

ララ「うん。さっき到着したばかりだよ……」

コウスケ「なんか…凄いね……」

メリー「……うん……(ドン引き)」

マグ(運が悪いどころじゃない……)


子どももドン引く過酷な旅をしてきたんだな……。


ララ「幸い、死人とか重傷者は出なかったんだって」

モニカ「あっ、そうなんですね。よかったぁ…」

リオ「そんないろいろ起きて割と無事って…運がいいんだか悪いんだか分からないな……」

コウスケ「ほんとにね……」


不測の事態でも無事に乗り切れることを良かったと思うか、そもそもそんなことが起きない強運が欲しい…と思うか……。


う〜ん…難しい……。


と、考えていると俺の姿を見つけた冒険者の人たちが挨拶しにやってきた。


冒険者A「おっ、マーガレットちゃんたち!おはよう!」

冒険者B「おはよ〜!今日はメリーちゃんも一緒なんだ〜!」

コウスケ「おはようございます。えぇ、今日は一緒なんですよ」

メリー「……(スススッ…)」


メリーは俺の背中に隠れると、窺うように顔を覗かせた。


さながら警戒する小動物だ。

まぁ元から似たようなもんではあるが。


なお、その警戒している様子も側から見ればただただ可愛いだけなので、余計に注目を浴びる結果になっている。


主に女性の冒険者が母性をくすぐられてキュンキュンしまくっている。


女性冒険者「可愛い〜♡大丈夫だよ〜、怖くないよ〜♪」

メリー「……(きゅっ)」


そんなこと言われたって知らない人は怖いです。

と言わんばかりに俺の服の裾を掴む手に力を入れて、さらに隠れるメリー。


が、その姿すら他者を魅了する愛らしい仕草になってしまい、さらにキュンとさせる結果になった。


まぁ…これくらいなら可愛いもんよなぁ……。

これが行きすぎてメイカさんレベルになったらアカンけど。


……複数人のメイカさんとか、考えただけで疲れてくるな……。


リオ「ん…」


想像でちょっと疲れてると、リオもクイっと服の裾を引っ張ってきた。


なんだ?

甘えんぼモード入っちゃったか?

ちょっとここだと黒歴史になりかねないぞ?


と、思っていたがどうやら違うようで…


リオ「気付いたぞ」

コウスケ「えっ?……あぁ…」


リオが目で指した方角には、こちらに近づいてくる集団…聖歌隊がいた。


なんだ…甘えたかったんじゃないのか……。


少し残念だったが、それはともかく目の前の彼奴(きゃつ)らに集中。


コウスケ(ふむ……歩いてくる集団の中には獣人やエルフたち異種族の姿もチラホラと見えるな……)

マグ(ですねぇ……中には私たちと同じくらいの子もいますし……お顔は…まぁ……皆さんお疲れですけど……)

コウスケ(さっきの話聞いた後だと、そりゃそうだとしか思えんなぁ……)


そうか……これが…数多のトラブルを乗り越えてきた聖歌隊か……。

なんか急に尊敬の念が出てきたわ。

でも子どもだけでも休ませたげて……。


まぁそれはともかく、見た感じだと他の種族とも分け隔てない感じだな。

冒険者たちとも揉めることなく会話してたみたいだし。


そんな集団の代表者的なおじさんが話しかけてきた。


おじさん「失礼、マーガレット・ファルクラフト嬢とお見受けします」

コウスケ・マグ「(!)」


コウスケ・マグ((…久しぶりに苗字呼ばれた気がする……))


おじさん「あの…?」

コウスケ「あ、は、はい!そうです!えと…貴方は…?」

おじさん「申し遅れました、私、《カダノ》と申します」

コウスケ「カダノさん、ですか。よろしくお願いします」

カダノ「えぇ、お願いします」


コウスケ(ん〜…ここまでだと普通のおいちゃんって感じかなぁ?)

マグ(ですね。優しそうな雰囲気があります)


さて、第一印象が大体決まったところで…


コウスケ「それで、カダノさんはどうして私のことを?」

カダノ「ウワサだけなら他の街にいたときから。どのようなお姿なのかというのは、今さっき皆様から教えていただきました」

コウスケ「そうなのですね」


ウワサか……。


コウスケ「ちなみにどのようなウワサが…?」

カダノ「…龍…と言えばお分かりいただけますでしょうか…?」

コウスケ「あぁ、なるほど……」


他の街まで届いてるのか……。

まっ、天変地異みたいなもんだしな。

みんな話したがるし聞きたがるんだろう。


でも当の本人はあまり触れられたくないかもしれない…だから少し声を落として、キーワードだけで簡潔にしてくれたのか。


コウスケ「お気遣い痛み入ります」

カダノ「……」


カダノさんは目を伏せ小さく会釈をして返す。

その後、目を開いて再び話を切り出した。


カダノ「私どもに出来ることはただ歌うことのみ……ですが、教会に属する者として、困っている方に救いの手を差し伸べるのは当然のこと。何かお力になれることがあれば、微力ながらお手伝いさせていただきますので、その時はどうか遠慮せずにおっしゃってください」

コウスケ「…ありがとうございます。そのお心遣いだけでもとても嬉しく思います。ですが…」

カダノ「?」


カダノさんのありがたい言葉に礼を述べたあと、聖歌隊の面々を見て、最後にカダノさんに視線を戻し、ちょっとアレかなと思いつつもずっと思っていたことを口にした。


コウスケ「ひとまず先に体を休めてください!正直今誰よりも救いが必要そうな状態になってますから!」


そう言われた聖歌隊の方々は自分を、そして他のメンバーを見て……「あ〜…うん……」と言わんばかりに頷いた。


カダノ「ははは……いやバレてしまいましたか。やはり夜通し緊張が流れているのは体に応えてしまいました…はは…」

コウスケ「はははじゃないですよ……」


もう今にも倒れそうなほど疲れてるのが目に取れるんだよ?

せめて少しは隠せるくらいまでには回復して……。

話をするにも聖歌を歌うにもまずはそこからよ?


カダノ「いやはや、お恥ずかしい。ですが、まだあいさつに伺いたい場所が…」

コウスケ「大丈夫です。こちらからお話をしておきますから。それに、そんなぐったりした状態でお話をしては、それこそ相手に気を使わせてしまいますよ?」

カダノ「…そうですな。おっしゃる通りでございます。それでは申し訳ありませんが、私どもは先に休ませていただきます」


カダノさんがそう言うと、後ろの聖歌隊メンバーがホッとしたような表情を浮かべた。


あはは…お疲れ様です……。


カダノ「……ふふ、貴女は確かにあの方々の血を受け継いでおりますね」

コウスケ「えっ?」


ふいにカダノさんが温かい眼差しで俺を見つめながら言った。


あの方々の血……ってことは…?


コウスケ「もしかして…」

カダノ「えぇ。数年ほど前、あなた方の村…ロッサ村を訪れたことがあり、その時に少しお話をさせていただいたことがあります」

マグ(!)

カダノ「その時、奥方が大事に抱いておられた赤ん坊がこんなにも大きくなって……いやはや。やはり年月が経つのは早いですなぁ……」

コウスケ「赤ん坊……」


マグ(全然覚えてないです……)

コウスケ(赤ちゃん時代じゃ仕方ないやなぁ)


カダノ「…故に…貴女の村が襲われたと聞いた時は気が気でなりませんでした……村が焼かれ、領主様ご家族の安否が不明だと聞いた時は心臓が止まりそうで……」

コウスケ・マグ「(……)」

カダノ「……失礼……1番お辛いのは貴女でしたね……」

コウスケ「いえ……お心遣い、感謝いたします……」


カダノさんが涙を流す。

それでもなお、こちらを尊重することを忘れないその姿勢に、敬意を表す。


コウスケ「カダノさん。両親を想って涙を流してくださりありがとうございます。貴方のような方がいることを、娘として嬉しく思います」

カダノ「…貴女はお強いお方なのですね。まだほんの2ヶ月ほど前だと言うのに、もうこうして前を向いておられる」

コウスケ「いいえ、そんなことはありません。こうしてここに立っていられるのは、さまざまな人たちに助けていただいているからです。私1人では、きっと出来ないです」


実際マグはショックで心を閉ざすほど、あのことを夢に見るほどに深く傷を負った。


もし俺が偶然入り込んでいなければ…どうなっていたのだろう……?


コウスケ「カダノさん。私は今、少しずつでも前に進むために努力しております。ですが、それすらも1人では出来ないのです。いろんな人に助けてもらって、ようやく立っていられる状態です。でも、だからこそ、私は進みます。助けてくれたみんなに恩を返すために。私を残してくれた、両親のために」

カダノ「ーーーーーーーーーーーー」


俺の言葉にカダノさんは目を見開いた。


カダノ「……本当に立派になられた」


そして、そう呟いた。


カダノ「マーガレット殿。先ほども申し上げました通り、我々も出来る限りお力添えしたいと思います。あまり長くはいられませぬが、それでも、何かございましたら頼っていただけると嬉しく思います」


その言葉に、他の聖歌隊の面々も頷いて力強い眼差しでこちらを見つめてくる。


コウスケ(あぁ…ありがたいな……)

マグ(はい…本当に……!)


マグは感動して涙を流しそうだ。

俺もちょっと目頭が熱くなっているのを感じる。


いかん、ほんとに涙出そう。

ちょっとここは悪いけど切り上げさせてもらおう。


コウスケ「ありがとうございます…!困ったとき、相談させていただきます!」

カダノ「はい。どうか、貴女に神のご加護がありますよう、お祈りしております。それではこれで…」


カダノさんたち聖歌隊は、そう言って冒険者ギルドを後にした。


残った俺の元に、リオたちが駆け寄ってくる。


リオ「よかったなマーガレット」

モニカ「いい人たちだったね…!」

コウスケ「うん。まさかこんなところでこんな気持ちにさせられるとは思ってなかったよ…!」


マグ(ほんとですよ。ここでお父さんたちの知り合いの方に会えるなんて思いませんでした)

コウスケ(こういうこともあるんだねぇ)


なんにせよ、頼りになる味方がまた増えた。

これは嬉しい誤算………ん?

なんで誤算?


…………あっ。


コウスケ「問題はサフィールちゃん…か……」

マグ・モニカ(「あっ…」)

リオ・メリー「「…………」」


これ……もし万が一のことがあった時、どっちに味方しても大変なことになりそうじゃね……?


頼れる味方を手に入れたのも束の間、一抹の不安も胸に抱くことになった俺たちであった。

というわけで聖歌隊、ついに登場。

と言っても代表者としか話してませんが、それでも聖歌隊の方々と良好な関係が築けてますね。

おかげでサフィールちゃんとどうなるか難しくなりましたが……まぁそこもお楽しみに!

ではでは、また来週お会いしましょう〜。

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