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異世界で少女とまったりするために頑張る  作者: レモン彗星
第4章…ウサギと姫と聖歌隊
299/434

294.未到着の聖歌隊…とハイパー甘えん坊タイム

翌朝。

夢の中でマグにくすぐられて若干の疲れを残して目覚めた俺は、すぐにまだ戦いは終わってないことに気づいた。


両隣で寝ていた子…チェルシーとサフィールちゃんの2人にバッチリ挟まれていたからだ。


それはもうぎゅむっとガッツリ抱きしめられている。

2人とも器用に布団の中に潜り込んでいるから、俺たちを遮るものもパジャマの薄布1枚のみ。


その状態で子どもにしては発達している2人の柔らかボディがこれでもかと押し当てられてるもんだから……こんなん朝から元気になっちゃいますよ、ハッハッハ!


なんてセクハラ親父ムーブかましてる場合じゃない。


いくらふにふにボディを持っているとはいえ、彼女たちは未成年。

こっちの世界では15歳から成人だけど、それでもやっぱり未成年。


しかも片方人妻。


そんな子らに朝から欲情しているわけにはいかない。


まぁ今さらなこと…ゔぅんっ!(何度目だよというツッコミを受ける前に強制終了)


さて、どうするかだが……。

まぁ割と簡単なことだ。


よっと。(スルッ)


日頃誰かに抱きしめられて目覚めている俺にとって、この程度の拘束は苦ではないぜ。


…あの2人の間から抜け出すのはちょっともったいなかったかも…


パァン!(心の中で頬を引っ叩く音)


心を強く持て俺。

とりあえず布団から離れて安全圏から状況を把握しよう。


外はほのかに明るいから朝ではある。

で、誰か起きてるかというと……おや珍しい。

誰も起きとらん。


リオとかいつも朝早いのに。

というかサフィールちゃんだってお泊まり会のときはいつも俺より早く起きてるのに。


…それだけ安心して寝てくれたということだろうか。

そうだと嬉しいな。


さて…とりあえず顔洗うか。


そう思って部屋を出ると、ちょうど階段を降りてきたユーリさんと出くわした。


ユーリ「あっ、おはようマーガレット」

コウスケ「おはようございますユーリさん」

ユーリ「みんなはまだ寝てるの?」

コウスケ「はい」


ユーリさんは俺にそう聞きながら、扉から中の様子を窺う。


ユーリ「…ぐっすりだね♪」

コウスケ「えぇ。まだ早いですから、もう少しゆっくりさせてあげようかと」

ユーリ「うん、そうだね。了解、コウスケ♪」

コウスケ「!」


なんか…久しぶりにユーリさんに名前を呼ばれた気がする。


それはユーリさんも思ったようで、どこか照れくさそうに笑っていた。


ユーリ「えへへ…♪なんか、久しぶりにあなたの名前を呼んだ気がするよ♪」

コウスケ「そ、そうですね…ほかの子が一緒にいることが多くなりましたから……///」


ユーリさんに照れられると、こっちもなんだか照れくさくなってしまう。


ユーリ「顔に洗いに行くところ?」

コウスケ「え、えぇ」

ユーリ「じゃあ一緒に行こ?久しぶりにさ♪」

コウスケ「…はい♪」


確かに久しぶりだなぁ。

前はユーリさんと寝てたんだもんね。


…あのときの経験(ふにふに耐性&抱きしめ拘束からの脱出)が今に生きてるんだなぁ……。


何が役に立つかわからないもんだ……。


コウスケ「そういえば、ユーリさんも早いですね。何かするんですか?」

ユーリ「昨日残しておいたお豆腐で油揚げを作ろうかなって…」

コウスケ「まだあったんですか……?」

ユーリ「しばらく油揚げが食べられるくらいには用意してあるよ♪」


いったいどこにそんなに用意してたんだ……?


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


豆腐込み(ユーリさんはそこそこの量の油揚げ)の朝ご飯を済ませ、身支度をゆっくり整えたところでそろそろ仕事の時間になった。


パメラ「いよいよだね……!」

サフィール「は、はい……!」

シエル「何かあったら頼りなさいよ?」

モニカ「いつでも歓迎するからね♪」

メリー「……うちも開いてるからね」

サフィール「はい…ありがとうございます…♪」


サフィールちゃんをそう元気付け、俺たちはそれぞれの仕事場へと向かった。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


昼。

いつも通り白兎亭に集まった俺たちの話題はやはり聖歌隊。


なのだが……


ショコラ「せーかたい…来ないねぇ……」

リオ「なんの連絡も来てないなぁ……」

シエル「隠してるってわけじゃなさそうなのよねぇ……」

チェルシー「街の人たちも何も知らないみたいだもんねぇ……」


肝心の聖歌隊が未だに到着しないのだ。


コウスケ「確か今日の予定だったよね?」

パメラ「私もそう聞いた気がするけど……」

モニカ「う〜ん……もしかしたら夕方とか?」

リオ「まぁあり得なくはないなぁ……」

コウスケ「今日の内だもんねぇ……」


なんなら今日の夜12時までなら予定通りの到着になるからなぁ……。


シエル「でもそっちの方が出会いにくくなって逆にいいかも?」

チェルシー「う〜ん…でも知らないうちに来てたらどこかでバッタリ会っちゃいやすくもならない?」

シエル「うっ…難しいわね……」


う〜ん……と首を捻るシエルとチェルシー。


街が広いといえど、俺らの活動区域は限られているわけだし、聖歌隊だって滞在期間が1日2日だとは思えない。

その数日間をずっと同じところにいるとも思えないから……どこかで鉢合わせる可能性はどうしたってあるよなぁ……。


リオ「そもそも聖歌隊は教会のメンバーな上に、教会と医療ギルドは何かと関わりがあるわけだから、サフィールが医療ギルドに住んでいる以上、どうしたっていつかはかち合うんじゃないか?」

モニカ「うぅ…確かにそうかも……」

パメラ「それじゃあ会わないなんて出来ないよぉ…!」


そもそもの話、そこなんだよなぁ……。


医療ギルドはケガや病気の治療や対処で、教会は教えを説いたりなんだりしての心の支え的な意味で人々を助けている。


手段は違えど、誰かを救うということに関しては同じなわけだ。


だからなのか割と交流があって、教会の人が医療ギルドの手伝いに行ったり、逆に医療ギルドの人が教会の活動を支援したりすることがあるらしい。


が、今回はそのせいで聖歌隊が医療ギルドに確実に行くという事実が出来上がってしまっている。


サフィールちゃんは医療ギルドの一室に住んでるから、そこにいる限り必ずどこかで聖歌隊と出会うことになるだろう。


そして、もし万が一にもサフィールちゃんの正体がどこかで知られてしまった場合……絶対にヤバいことになる。


だから正直俺は、聖歌がどうのこうのではなく、ただただ単純にサフィールちゃんを教会関係者に合わせたくないという思いが強くあるのだ。


リオ「いっそ部屋に引き篭もるってのは?」

サフィール「それはちょっと……それに、聖歌も聖歌隊も私の勝手な思い込みなだけで、もしかしたらとても素晴らしい方々だったり歌だったりするかもしれないですし……」

パメラ「それに…そんなの寂しいよ……私たちも……サフィールも……」


1人になるサフィールちゃんは言わずもがな。

俺たちもそんな理由を抱えている友人に何もしてあげられずに会えない日々を過ごすことになる。


そんなの、いくら合理的な作戦だとしてもあまりにも寂しすぎる。


もっと他に良い案は無いものか……。


チェルシー「あっそうだ!」


と、ここでチェルシーが何か閃いたようだ。


ショコラ「どうしたのチェルシー?」

チェルシー「マギーちゃんのお家に泊まるっているのはどうかな?」

コウスケ「え?」

マグ(あっそっか!)


俺は思わず驚きの声を上げたが、他の子はみんなハッとした表情を浮かべていた。


そしてすぐに俺もなるほどと思う。


なんで思いつかなかったんだろう。

ウチにはすでにリオという前例がいるというのに。


ショコラ「そっか!マグの家にいれば安全だもんね!」

パメラ「ディッグさんたちがいるから何かあっても平気だし、フルールさんもいるからすぐに相談できるし!」

リオ「メリーもいるから、たとえずっと家にいたとしても寂しいなんてことはまず無いだろうしな」

モニカ「私たちもいつでも会いに行けるしね!」

シエル「いいじゃない!そうしましょうよ!」


ワッと盛り上がる子どもたち。


それは心の中にいるウチのお姫様(マグ)も例外ではない。


マグ(サフィールちゃんが来てくれたらもっと賑やかになりますね!)

コウスケ(そうだねぇ。何かあってもすぐに対応できる大人たちに、教会と医療ギルドから程よく遠い立地で安全性も高い。しかもモニカちゃんのお店も近いから、割と気軽に外に出られるってのも良いね)

マグ(すごい……!我が家って実は超好立地の家……!?)

コウスケ(まぁ…家主がハルキ(ダンジョンマスター)だしな)


しかもお詫びとして提供されたようなものだから、そりゃあ良いとこだろう。


マグ(それになにより…)

コウスケ(?)

マグ(サフィールちゃんが来てくれれば、一緒にお風呂に入ったり〜♪おんなじベッドで寝たり〜♪)

コウスケ(まぁリオがそうだし、サフィールちゃんもそうなるだろうねぇ)

マグ(ですよね!そうなれば……むふふ…♡)

コウスケ(あっ……)


察した。


つまりこの子は、ふにふにが目当てなのだ。

なんて純粋な下心をお持ちなのだろうか。


サフィールちゃんがウチに来たら、この心の中の変質者(マグ)からサフィールちゃんを守らなければ……。


でもそうなると……現段階でも押し留めるのに苦労してるあの欲が……。

お風呂やら就寝やらでどうせくっつくからそこで触れる柔肌が…ふにふにが……。


理性を総動員……はもうしてるんだよなぁ……。

あれ…これ詰んでないか……?

サフィールちゃん最近からかい、と言うか色仕掛けを覚えたし……。


しかし今この流れで断るなんて非人道的なこと出来ないし、俺自身サフィールちゃんの助けになりたいから断るつもりも毛頭ない……。


これは……あれだな……。


限界……超えちゃいますか……!


サフィール「…いえ、今回は遠慮します」

みんな『(えっ?)』


リミットブレイクの覚悟を決めたところでまさかのサフィールちゃんからのご遠慮。


えっなんで?

もしかして俺の心の葛藤が聞こえました?


コウスケ「ど、どうしてサフィールちゃん?迷惑だからとかならそんなことはまったくないよ?むしろウェルカム・スウィート・マイハウスだよ?」

サフィール「えっと…確かにその考えも少しありますが……」

モニカ「じゃ、じゃあどうして……?」

ショコラ「せっかくマグに甘え放題なのに!?」

サフィール「うっ……!」

チェルシー「髪を梳かしてもらったり膝枕をしてもらったりも出来るんだよ!?」

サフィール「う、うぅぅ……!」

シエル「あーんとか、体を洗ってもらったりとか…!」

サフィール「うぅぅぅ……!そ、それでも……!」

リオ「添い寝してもらって、寝るまでずっと頭撫でてくれたり抱きしめてくれたりしてくれるのに!?」

サフィール「そ、そんな……!?そんなの……うぅぅぅ……!!」


コウスケ(もの凄い心の葛藤が見える……)

マグ(そりゃあそうですよ〜。コウスケさんのなでなでとぎゅ〜で眠ったらもう普通の寝方じゃ満足出来ませんから!)

コウスケ(やべぇな俺)


場合によっちゃ、特級呪物扱いで封印案件だろそれ。


サフィール「そ、それでも……!私は行きません……!」

ショコラ・パメラ「「なんでぇ!?」」

サフィール「だ、だって……!」

チェルシー「だって…?」

サフィール「あ、あんまりマーガレットさんに頼りすぎるのも良くないと思ってぇ……!」

みんな『あぁ〜……』


あんなに引き留めようと必死だった子たちが一瞬で納得した。


今のそんな説得力あるセリフだったの?


ショコラ「それならしかたないかなぁ……」

パメラ「マグに甘えすぎたら絶対ダメになっちゃうもんねぇ……」

コウスケ「人をダメ人間製造マシン…じゃない、魔道具みたいに言うんじゃないよ」

リオ「いや、だって…なぁ……?」

シエル「……(こくり)」

コウスケ「えぇ……?」


シエル……。

あなた、そんな神妙な顔で頷くことができたのね……。


サフィール「それにさっきも言ったように、今回のことは全部私の思い込みなだけかもしれないですから、この機にマーガレットさん離れを少しでも進めておこうかと……」

コウスケ「私離れ?」

チェルシー「うん、いいと思う」

リオ「だな。まぁ、離れられてないオレが言うのもなんだけどさ」

パメラ「仕方ないよ〜。だってマグだもん」


納得いかんのじゃが?


マグ(コウスケさんですからねぇ。仕方ないですねぇ)


納得いかんのじゃが???


はぁ〜……。

まぁ、依存してくる子よりは、こうして自分で頑張ろうとしている子の方が好みだし別にいいんだけどさ。


サフィール「ですので、たとえマーガレットさんに甘え放題だとしても……な、なでなでやぎゅーなどをしてもらえるとしても……か、髪を梳かしてくれたり体を洗ってくれたり……ひ、ひ、ひざまくらをしてもらえるとしても……!」

チェルシー「がんばれ…!サフィーちゃんがんばれ…!」

サフィール「あ…あ〜んなんて…そ、そんな……!」

シエル「もうちょっと…!もうちょっとだから…!」

ショコラ「がんばれサフィール…!」

サフィール「ね、寝るときに……寝るまでずっと……ずっとぉ……!」

モニカ「がんばってサフィールちゃん…!」

リオ「耐えろ…耐えるんだサフィール…!」

コウスケ「なぁにこれぇ?」


俺離れするのはいいとして、それをめっちゃ応援する他の子はなんなん?

なんか凄い悪者の気分なんだけど?

俺が誘惑してるみたいなんだけど?


サフィール「寝るときにずっとなでなでぎゅ〜されても……されてもぉ……!」

みんな『がんばれサフィール{ちゃん}…!』

サフィール「な、なでなでぎゅ〜なんて…なんてぇ……うぇぇぇ……!」

コウスケ「えぇぇぇぇ!!?」


泣いちゃったよ!?


リオ「サフィール!お前はよく頑張った!」

チェルシー「サフィーちゃんかっこよかったよ!」

シエル「そこまでいけるなんてすごいじゃない!よくやったわ!」

パメラ「惜しかったよサフィール!もうちょっとだから次はいけるよ!」

サフィール「はいぃ…!ありがとうございますぅ…!」


コウスケ(えぇぇぇ……?なにこれ……?)

マグ(コウスケさん離れはとても難しいということですよ……)

コウスケ(こんなにだとは思わなかったよ……)


ショコラ「もうっ!マグ!サフィール泣かせちゃダメでしょ!」

コウスケ「えっ私!?」

モニカ「そうだよマーガレットちゃん…!サフィールちゃんがんばったんだよ…!」

コウスケ「え、えぇぇ……?」


なんで俺責められてるの……?

こわ……。


シエル「ほら!ちゃんと責任持って甘やかしなさい!」

コウスケ「えっ?えっ?」

リオ「サフィール。よく頑張ったな。ほら、今日のところはもう甘えちまおうな」

サフィール「はいぃ……お願いしますぅ……!」

コウスケ「えっあっはい」


そうして、よくわからんままサフィールちゃんを膝に乗せて対面で抱っこすることに。


そうなると必然的に彼女のふにふにがふにふにぎゅむっとされるわけだが、なでなでとぎゅーをねだってくるサフィールちゃんを必死であやすのに夢中でそれどころではなかったのはせめてもの救いか……。


その後、料理が来てからもサフィールちゃんの甘えん坊状態は続き、あーんだけでなくその後のお口拭き拭きもしてあげた。


サフィールちゃんは大満足していた。


これはもはや幼児扱いなのだが、本当にこれでいいのだろうか……?


そう思っても、なんか言い出せない雰囲気なので俺は言わずに黙々と彼女を甘やかした。

ちょっとの隙間時間にお話を…ということで、最近はスマホのメモアプリにちょこちょこ書いたものをコピー&ペーストして…というのをしていたんですが…今日、誤操作とラグのせいで全消ししちゃいました。


なので元の文章と全く違うお話になりましたが……これはこれで楽しい話になったので結果オーライということで諦め…もとい、納得しました。


でもこまめにセーブデータの更新はしようと心に誓いました。


一瞬やる気をなくしましたがどうにかなったのでセーフ。

というわけでまた来週お会いしましょう。


ではでは

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