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異世界で少女とまったりするために頑張る  作者: レモン彗星
第4章…ウサギと姫と聖歌隊
295/434

290.商隊との別れ…再会の約束とお約束回避の祈りを添えて

ユーリ「んっふっふ〜♪んっふっふ〜♪んっふっふっふっふ〜♪」

モニカ「なんだかご機嫌ですね、ユーリさん」


大通りでも構わずクリスマスによく聞くやつみたいな鼻歌を歌い、誰が見ても上機嫌だと分かるユーリさんに、モニカちゃんが話しかけた。


ちなみに俺はその理由を知っている。


ヤマトの商隊が泊まっていると聞いた宿に、仕事の前にみんなで会いに行くためにギルドで待ち合わせているので、俺とリオとメリーとユーリさん、そして途中で合流したモニカちゃんと一緒にギルドへ向かっている…そんな道中で、人目も憚らず、道ゆく人がめっちゃ見てきて、同伴者が若干恥ずかしくなっているにも関わらず上機嫌に鼻歌を歌っている理由を俺は知っている。


ユーリ「ふふふ〜♪実はね〜?お揚げの下ごしらえが終わったの!」

モニカ「お揚げって、ユーリさんがずっと言っていたあの?」

ユーリ「そう!い〜っぱい作る予定だから、今夜みんなでウチにご飯を食べにおいでよ!そのときにご馳走するから!」

モニカ「いいんですか?そういうことでしたら、ぜひ!」


そう。

ユーリさんが上機嫌なのは、ついに念願の油揚げが食べられると喜びからのもの。


マグ(ずっと楽しみにしてましたもんね)

コウスケ(うん。そういう俺も、久しぶりに食べられると聞いてずっと楽しみにしてたんだけどね)

マグ(気になるな〜……どんな食べ物なんだろう♪)

コウスケ(多分マグも気にいると思うよ)

マグ(んふ〜♪楽しみだな〜♪)


なんて話してる間にギルドに到着。


え〜っと……他の子たちは……


ユーリ「あっ、ハルキさんとチェルシーちゃんだ」

コウスケ「おっ、どこですか?」

ユーリ「こっちこっち」


さすがの観察力でサクッと見つけてくれたユーリさんに着いていくと、そこにはユーリさんの言う通りハルキと彼におぶられたチェルシーの姿があった。


昨日に引き続き朝早いからなぁ。


ユーリ「ハルキさん、おはようございます」

ハルキ「あっ、おはようございます、ユーリさん。マーガレットちゃんたちもおはよう」

コウスケ・モニカ「えぇ{はい}、おはようございます」

メリー「……おはよう」

リオ「おはようございますハルキさん。ハルキさんがチェルシーを連れてきてくれたんですね」

ハルキ「うん。僕もヤマトの皆さんに挨拶しとく予定だったしね。明日の朝に出る予定らしいから、今日が最後のチャンスだし」

みんな『(えっ!?)』


明日!?


ハルキ「あぁ〜…やっぱり知らなかった?」

リオ「は、はい……」

ユーリ「昨日モーリッツさんのところに行ったときは、近いうちにってしか教えてくれなかったのに……」

ハルキ「それじゃあモーリッツさんも知らないのかな?元々はもう少し早くに帰るつもりだったそうだけど、この街での生活が思いのほか楽しくてずるずると延期しちゃったそうだよ」

モニカ「そうなんですね……えへ…♪楽しんでくれたのならよかったです♪」

コウスケ「だね」

マグ(ですね)

ハルキ「ふふふ♪僕も鼻が高いよ♪」


コウスケ(自分で作った街を気に入ってもらえてよかったな、ハルキ)

マグ(頑張って作り上げたのでしょうから、そりゃあ嬉しいですよねぇ♪)

コウスケ(作り手冥利に尽きるだろうなぁ)


やっぱ自分の作品が褒められると嬉しいよな。


リオ「あれ?そういえば、ハルキさんはどうして明日出発することを知ってるんですか?」

ハルキ「あぁ、実は昨日鍛治ギルドから連絡があったのをララから聞いてね。ほら、鍛治ギルドで交流してるヤマトの人がいたでしょ?」

リオ「あぁ、なるほど。あの人が言ってたのを伝えてもらったんですね」

ハルキ「そういうこと。そこでちょうどチェルシーたちもお礼を言いにいくって言ってたから、便乗させてもらったんだよ」

リオ「へぇ〜。あ〜そうか…昨日休みだったから聞いてなかったのかぁ……」


鍛治ギルドに行ってたヤマトの人からの情報かぁ。

それなら間違いってわけでもなさそうだな。


う〜んそうかぁ…明日かぁ……早いなぁ……。


モニカ「あっでもそれなら、明日も朝早くに行けば……」

ハルキ「それが、日が昇り始める前に出るらしいから、明日じゃ今日よりももっと早く起きないと……」

モニカ「そ、そんなに早く……」


いや早すぎんだろ……。

なんでそんな早いの……?


ユーリ「う〜ん…それじゃあみんなは厳しいだろうねぇ」

コウスケ「えっ、じゃあユーリさんは?」

ユーリ「起きれるよ?なんなら寝ないでもいけるし」


そういやこういう人だった。


ショコラ・パメラ「「マグ〜!」」

シエル「おまたせ〜…って、ハルキさん!」

サフィール「みなさん、おはようございます」

コウスケ・ハルキ「「うん、おはよう」」

ユーリ「おはよ〜♪」


とまぁ、なんやかんや話していたら残りのみんなもやってきた。

来る途中で合流出来たので一緒に来たらしい。


ハルキ「さて、それじゃあみんな揃ったことだし行こうか?」

みんな『はい!』


そんなわけで、俺たちはモーリッツさんに書いてもらった地図を頼りに、カエデさんたちヤマトの商隊の皆さんに挨拶をしに歩き始めた。


チェルシー「んひひ……♪おにぃちゃぁ……♪」


チェルシーは……まぁ着いたら起こすでいっか。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


コウスケ「というわけでお久しぶりです」

カエデ「お〜!久しぶりでござる〜♪」


はい、着きましたよっと。


宿が見えてきた段階で、「これまだ休んでたら迷惑じゃない?」と俺が呟いた結果、みんなでまごついてしまったが、ちょうどタイミング良く宿から出てきたカエデさんを発見。


みんな朝だから思考が回ってないんだな……というのを感じつつ(ユーリさんはおそらくいつものうっかり)、反省は後にしてカエデさんにご挨拶をかましたところである。


朝早すぎるのも問題だねこれ。


ユーリ「近いうちに帰っちゃうって聞いたので、帰る前に挨拶をしようと思って…」

コウスケ「モーリッツさんが地図まで書いてくれて教えてくれたんです」

カエデ「なるほど〜」

リオ「それで今日集まったら、明日帰る予定だって聞いて……」

カエデ「あぁ、鍛治ギルドで言ってきたと言っていたでござるな。うむ、前々から帰るつもりではあったのでござるが、いかんせんここでの生活が楽しくて楽しくて……皆出来る限りここにいたい…!と、思っていたらここまできたのでござる」

パメラ「見るところがいっぱいありますもんね〜♪」

ショコラ「美味しいものもいっぱいありますしね〜♪」

カエデ「そうなのでござるよ〜♪(じゅるり)」


コウスケ「(ヒソッ)これ食べ物に大半持ってかれてるよね?」

リオ「(ヒソッ)間違いないな」

シエル「(ヒソッ)よだれが出てるもんね…」

サフィール「(ヒソッ)気持ちはわかりますけどね…」



それはまぁ、はい。


ハルキ「それで、他の方々は?まだお眠りに?」

カエデ「いや、そろそろ…」

ファッション好きのヤマト女性「カエデ、お待たせ〜…って、あら!」

ヤマトの鍛治職人「ん?おや、君たちはあの時の」

ヤマト男性「む?おぉ、初日に買い物に来ていた娘っ子らじゃないか!」

コウスケ「皆さんおはようございます」

みんな『(おはようございます!)』

ヤマトの鍛治職人「うむ」

ヤマト男性「あぁ、おはよう」

ファッション好きのヤマト女性「おはよ〜♪」


これまたちょうどいいタイミングで出てきたヤマトの方々。


よく見たら、皆さん動きやすそうな格好をしている。


コウスケ「これからどこかへお出かけするところだったんですか?」

リオ「確かに……あっ、もしかして邪魔しちゃったんじゃ……」

カエデ「いやいや、問題ないでござるよ!」

ファッション好きのヤマト女性「ここに来てからの日課でね。みんなで街を散策してるのよ。そのあと各自好きなところにって感じ」

みんな『(へぇ〜!)』


確かにこの街は探索しがいがあるよなぁ。


横でこの街の作り手が「うんうん♪楽しんでくれてよかったよかった♪」って言いたげに頷いてるし、もしかしたらこれがこの街の正しい楽しみ方なのかもしれない。

知らんけど。


ファッション好きのヤマト女性「それで、みんなはどうしてここに?」

コウスケ「あぁえっと、皆さんがそろそろヤマトへ帰ると聞いたので、その前に挨拶をしようと思って来たんです」

ヤマトの鍛治職人「そうだったか。それはまたありがたい話だな」

ファッション好きのヤマト女性「そうね。とっても嬉しいわ♪」

リオ「それと、お礼もしたくて…」


えっ、聞いてない。


カエデ「礼でござるか?」

リオ「はい。ヤマトの衣服や鍛治を教えていただいたので、そのお礼をと…」

ヤマト男性「なんと」


それには賛成だけど……先に言って欲しかったな〜。

お礼の言葉を用意しといたのに〜。


なんて考える暇もなく…


ショコラ「あっ!ショコラも、カエデさんたちとお友だちになれてよかったです!ありがとうございます!」


いつも一番槍、ショコラちゃんがお礼を言った。


パメラ「皆さんとお話が出来て楽しかったです!」

モニカ「ヤマトの食材やお料理、勉強になりました…!」

リオ「ヤマトの鍛治も。惜しみなくみんなに教えてくださってありがとうございました」

シエル「ヤマトのお洋服、とっても素敵でした!」

メリー「……!(こくこく)」

サフィール「他にもたくさん教えていただいたことも興味深いことばかりで楽しかったです!」


ショコラちゃんが言ったところでみんなも続いてお礼を言っていく。


これは俺も乗るしかないでしょう!


コウスケ「ヤマトの品も譲っていただいて…とても重宝しています!ですので…せーのっ…」

子どもたち『(ありがとうございました!)』


決まった……!


カエデ「ん…んふふ…♪」

ヤマト女性「いや〜ははは……///」

鍛治職人「これはなかなか照れくさいな……///」

ヤマト男性「うむ…むず痒いな……///」


効果はばつぐんだ!


ハルキ「(ボソボソ)チェルシー…!チェルシー起きて…!今物凄い良いシーンやっちゃったよ…!」

チェルシー「んん〜……」


その横で必死にチェルシーを起こそうとするハルキと、まだ起きる気配のないチェルシー。


頑張れハルキ。

この後「なんで起こしてくれなかったのぉぉ!?」とギャン泣きされるかどうかはハルキの手にかかっているぞ……!


チェルシー「んにゃ……んぇ……?」

マグ(あっ!)


おっ。


チェルシー「ありぇ……?かえでしゃん……?」

カエデ「む?うむ、カエデでござるぞ〜」

チェルシー「…………あっ…そうだ……ごあいさつ……」

カエデ「ふふ、こうして会いに来てくれただけで十分嬉しいでござるよ♪」

チェルシー「んへぇ…♪そうでしゅかぁ…………すぴぃ……」

カエデ「ふふふ♪」


マグ(あらら、また寝ちゃいましたね)

コウスケ(だね。でもギリギリ挨拶は出来たしいいんじゃないかな?)

マグ(そうですね。よかった)

コウスケ(うん、よかった)

コウスケ・マグ((これであとでぐずられない))


俺たちの心配点はその一点だった。


カエデ「いやはや、ほんとにありがたいでござるなぁ♪」

ハルキ「僕たちも、皆さんが帰る前に挨拶が出来てよかったです。と、名残惜しくはありますが、そろそろ…」

子どもたち『(えぇ〜!?)』


ありゃ、もうそんな時間か……。

早いなぁ……。


ショコラ「もうちょっとだけダメ〜?」

パメラ「ですか〜?」

ハルキ「う〜ん…そうしたいのは山々だけど、そろそろ行かないと危ないんじゃない?」


ハルキがそう言うと、モニカちゃんとシエルとサフィールちゃんが「あ〜…」と目線を逸らした。


そうだね…こっからちょっと距離あるもんね……。


カエデ「そう悲しまなくても、また会えるでござるよ」

ヤマト女性「そうそう。また来るからね♪」

ショコラ「ほんとですか?」

パメラ「約束ですよ〜?」

カエデ「うむ!約束でござる!」


次回の商隊メンバーが大体決まった瞬間である。

まぁ俺も文句ないけどね。


カエデ「では拙者たちも行くでござる」

ヤマト女性「じゃあね、みんな!」

ヤマト男性「またいつか会おうな!」

鍛治職人「楽しみにしているよ」

リオ「はい!オレ…私も楽しみにしてます!」


コウスケ・マグ((あっ、リオが外行き用の口調に……))


ショコラ「またね〜!」

サフィール「ありがとうございました〜!」

子どもたち『ありがとうございました〜!』


おっと。


コウスケ「またお会いしましょうね!」

マグ(さようなら〜!)


カエデさんたちが見えなくなるまでみんなで手を振って見送る。


ショコラ「行っちゃったぁ……」

パメラ「次会えるのはいつかなぁ……?」

リオ「ヤマトまで結構遠いからなぁ……」

メリー「……しばらくあえなさそう……」

モニカ「仕方ないけど……やっぱり寂しいね……」

シエル「そうね……でも、約束したもんね」

サフィール「…ですね」


う〜ん…やっぱり仲良くなった人と別れるってのは寂しいよねぇ……。

いつかまた会えるってわかってても、ね。


マグ(カエデさんたち…出来るだけ早くまた会いたいですね……)

コウスケ(そうだね……)

マグ(……今日のうちにどこかで会ったりしますかね……?)

コウスケ(それはお互いになんか気まずくなっちゃうなぁ……)


あり得そうで困ることを言ったマグに苦笑していると、このしんみりした空気を変えようとしたのかどうなのか、ユーリさんが何かを思い出したようで手を叩いた。


ユーリ「そうだ!油揚げの準備が出来たから、今夜みんな食べにおいでよ!」

ショコラ「えっ、あぶらあげ?」

サフィール「ユーリさんが好きだと言っていたあの?」

ユーリ「うん!ハルキさんもよろしければぜひ!レシピもお教えしますよ!」

ハルキ「ほんとですか!?喜んで行かせていただきます!」


ハルキ、爆速了承。


まぁ気持ちはわかる。

俺もあの味がもう恋しくて恋しくて……。


コウスケ「それなら、仕事終わりにギルドに連絡するので、ララさんかリンゼさんから教えてもらってください」

ハルキ「うん、わかった。よろしくね!」


かつてない熱意を込めた「よろしく」をもらいました。


ハルキ「じゃあ僕はチェルシーを連れて一度家に戻るよ。確か今日はチェルシーの番じゃないんだろう?」

ショコラ「うん!今日はショコラの番だよ!」

ハルキ「ふふ、そうなんだね。それならお昼まで寝かせてあげられるかな。起きたら向かわせるね」

コウスケ「はい、お願いします」

ハルキ「それじゃあまたね」

コウスケ「えぇ!またあとで」

ショコラ「バイバイハルキさ〜ん!」


チェルシーをおぶって去っていくハルキさんを見送ると、続いてユーリさんが話しかけてきた。


ユーリ「それじゃあ私も、ディッグさんたちのところに行こうと思うんだけど…メリーちゃんはどうする?おうちに帰るなら先に送るよ?」

メリー「(ふるふる)……マグといっしょにいく」


あら嬉しい。


ユーリ「そっか、わかった。それじゃあ私は一足お先にね〜」

コウスケ「はい。いってらっしゃい」

リオ・モニカ・シエル『いってらっしゃい、ユーリさん』

ショコラ・パメラ「「いってらっしゃ〜い!」」

サフィール「どうかお気をつけて」

メリー「……がんばって(おててふりふり)」

ユーリ「うん!じゃあね〜!」


みんなで割と高速で消えていくユーリさんを見送ったあと、何気ない顔で話し始める。


慣れって怖いね。


サフィール「それでは私たちも」

ショコラ「お仕事だね!」

モニカ「またお昼に会おうね」

リオ「おう、じゃあまたな」

シエル「えぇ、またあとで」


そうして俺たちもそれぞれの職場へ。


パメラ「って、私これ1人じゃん!」

リオ「あっそっか……チェルシーいないもんな……」

パメラ「も〜!やっぱりチェルシー起こしてもらえばよかったぁ!」

ショコラ「それならパメラも一緒に来る?」

パメラ「えっ、いいの?」

コウスケ「いいんじゃない?チェルシーが聞いたら羨ましがるだろうけどね」

パメラ「じゃあ行く!」

リオ「チェルシーのことを一瞬も考えてねぇ……」


なかなか酷いパメラちゃんに笑いながら、俺たちはひとまず今日の分の仕事をもらいに冒険者ギルドへと戻っていった。


…カエデさんたちとなるべく早く会えますように。


今日明日以外で。

割と強引に場面の解説を入れていくスタイル。

多分普通に紹介した方が早い。


そして次回、ついに油揚げが!

果たして待っていた人はいるのだろうか!

乞うご期待!

ではでは!

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