277.ドーナッツ確保作戦…&ダンジョン作りのご相談
今回は豪華(?)2本立てです。
【ドーナッツ確保作戦】
〔パメラ〕
休日。
いつもならみんなと遊ぶためにマグたちのおうちに行ってるけれど、私とショコラは今、他の用事のために別の場所にいる。
それは、今この街でブームが起きているドーナッツのお店。
いつ来ても行列が出来ている人気店だけど、私たちは今その行列に並んでいるのだ。
理由は教会のみんなへのお礼。
私たちを含めて、ロッサ村のみんなを住まわせてくれている教会のナバロさんたちにお礼がしたくて、でもお給料は受け取ってくれなくって、それを相談したら今流行ってるドーナッツをお土産にってなったから買いにきたってわけ。
そのためにいつもより早起きした。
でも朝ごはんの時間は変わらないからあまり意味はなかった。
事前にプレゼントのことを言うとナバロさんたちは断りそうだから、これは内緒で進めないとだ。
だからあんまり怪しまれるようなこともできない。
そんなわけなので、朝ごはんを急いで食べるのもダメ。
ショコラはゆっくり食べなさいって叱られてたけど。
ともかく、そのあとはいつも通り遊びに行くと言って教会を出て、そのままこのお店に来たのだ。
そしたらやっぱり並んでた。
相変わらずすごい人気だなぁと思いながら、私たちも並んだのが今の状況だ。
ちなみに、マグたちには事前に言ってある。
そのときに「一緒に並ぼうか?」と言ってくれたけど、あんまり多すぎると目立っちゃうから遠慮した。
それにマグ目立つし。
そんなわけで2人で並んだんだけど……。
ショコラ「長いねぇ……」
パメラ「人いっぱいだもん。しょうがないよ」
わかってたけど、やっぱり行列が長い。
のろのろと進んではいるけど…まだまだかかりそうだなぁ……。
ショコラとはいつも一緒にいるから、改めて何かお話することも特になく、お互いに列が進むのをぼーっと待つだけ。
お店から美味しそうな香りが流れてくるから、その匂いにワクワクもしてたけどそれも最初だけ。
もう慣れてしまった。
ひま〜……。
ぼんや〜りと、なんとなしに先に買い終わった人を見ていたら、何人か冒険者ギルドで見たことのある人を見つけた。
パメラ「ショコラ、ショコラ」
ショコラ「ん〜?」
パメラ「あのお姉さん、見たことあるね」
ショコラ「ん〜…あっ、ほんとだ」
パメラ「う〜ん……嬉しそうだねぇ……」
ショコラ「そうだねぇ……」
会話が終わった。
とはいえ、そのあとも見覚えのある人をちょこちょこ見かけてはお互いに教えあい、ちょっとだけヒマな時間は減った。
それでもヒマなものはヒマ。
早起きしたのもあって、2人してあくびをしながら待つ。
ある程度進んだところでちょっとしたトラブルが起きた。
パメラ「あっ」
ショコラ「ん?どうしたの?」
パメラ「今…」
前に並んでる人「あの…」
割り込んだ人「あぁ!?文句あんのか!」
前に並んでる人「ひぇっ…す、すみません……!」
列に割り込んだ男の人に、並んでた女の人が文句を言ってケンカになっている。
ショコラ「むぅ〜…!ショコラたちはちゃんと並んでるのに…ずるい!」
パメラ「うん。しかもあの人、簡単に脅せそうな人のところを選んで入った」
ショコラ「えっ、そうなの?」
パメラ「だってそうじゃないとあんな微妙なところに割り込まないもん。それならもうちょっと前の方とか、お店に直接行くとかすればいいのにさ」
ショコラ「確かに!」
私の予想通り、割り込まれた人もその近くの人たちも誰も割り込んだ人に文句を言わなかった。
みんなその人と関わらないようにって避けてる感じ。
むぅ〜…せこいなぁ……。
パメラ「やな大人」
ショコラ「ね!むぅ〜……!ショコラあの人にメッてしてくる!」
パメラ「えっ…だ、ダメ!」
ショコラ「わわっ!?」
文句を言いに行こうとしたショコラの腕を握って慌てて止める。
ショコラ「なんで?ダメなことはダメってちゃんと叱らないとでしょ?」
パメラ「そうだけど、あの人はそれで素直に聞きそうにないし、多分平気で人を叩く人だよ。それに、そうなっても周りの人が助けてくれそうもないし……」
2人の周りの人たち『っ……(心に刺さる音)』
ショコラ「うっ…痛いのはやだなぁ……」
そう言ってショコラは頭を押さえる。
前に悪い冒険者の人に撫でるふりして叩かれたことを思い出したんだろう。
あのときはマグがどうにかしてくれたし、周りの人たちも怒ってくれたけど、今回はそううまくいくとは思えない。
ショコラ「あっ。列整理の人が来たよ」
パメラ「ん…じゃあもしかしたら言ってくれるかも?」
そう思って見てみると、列整理のお兄さんは明らかに避けられてるあの人を見つけてちょっと首を傾げたあと、その人に近づいていった。
列整理のお兄さん「あの…」
割り込み犯「あ?なんだ兄ちゃん?」
列整理のお兄さん「いや、あなた…さっきここにいませんでしたよね?」
割り込み犯「は?ずっといたわ。あんたが覚えてねぇだけだろ?なぁ?」
割り込まれた人「えっ…えっと……」
割り込み犯「ずっといたよなぁ?」
割り込まれた人「は、はい……!」
パメラ・ショコラ「「うわぁ……」」
思いっきり脅すじゃん……。
割り込み犯「な?こう言ってんだろ?」
列整理のお兄さん「いやいや、そんなガッツリ脅してるのに信じるわけないでしょ」
ですよねー。
よかった、ちゃんとしたお兄さんだ。
割り込み犯「チッ!うっせぇなぁ……こちとら客だぞ?店員が客に歯向かうってのか?あぁ?」
列整理のお兄さん「マナー違反の人に注意するのも店員の仕事ですから」
パメラ「そうだねぇ」
ショコラ「うんうん」
割り込み犯「はっ?ウザ。おめぇみてぇなウゼぇのがいる店ゴミだゴミ。二度とくるかよ!」
列整理のお兄さん「はぁ、そうですか」
ショコラ「別にいいよって思ってそう」
パメラ「うんうん」
割り込み犯「他のやつにもこのこと言ってやるからな。ウザいのがいる店だからいかねぇほうがいいってな!」
列整理のお兄さん「はぁ、そうですか」
パメラ・ショコラ「「うわせこっ」」
割り込み犯「お前のせいで店に悪いウワサが流れるんだ!ざまぁねぇなぁ!」
列整理のお兄さん「はぁ、そうですか」
割り込み犯「おめぇさっきから聞いてんのか!?」
列整理のお兄さん「えっ、聞いた上での反応なんですけど、何かありました?」
割り込み犯「何かあったかじゃねぇよ!」
ショコラ「…あのお兄さんすごいね……」
パメラ「うん……全然物怖じしてないね……」
割り込み犯「舐めやがって…痛い目みねぇとわかんねぇみてぇだなぁ?」
列整理のお兄さん「えー、暴力はちょっと〜」
割り込み犯「くそ…!喰らえ!」
パメラ・ショコラ「「あっ…!」」
割り込んだ人がついに怒ってお兄さんに殴りかかった。
パシッ
グリン
割り込み犯「なっ…!?」
パメラ・ショコラ「「えっ?」」
ビターン!
割り込み犯「ぐはっ!?」
パメラ・ショコラ「「えっ、つよっ!?」」
割り込んだ人のパンチを止めて、そのまま引っ張って背負い投げした!?
あのお兄さん強い!
強いお兄さん「いいこと教えてあげるねお兄さ〜ん。この街っていろいろ目新しいものが多いでしょ〜?そのたびにたくさん人が集まるから、兵士とか冒険者とかが警備を依頼されるんだよね〜」
割り込み犯「げほっ…冒険者に…兵士……?」
えっ、兵士?
強いお兄さん「そうだよ〜。でも、武装して警備ってのも物々しいでしょ?だからこうしてお店のお手伝いをしたりしながらなんてのもあってね〜?」
割り込み犯「…って…ことは……」
強いお兄さん「ねぇ、お兄さん?」
割り込み犯「は、はい!?」
強いお兄さん「迷惑かけた上に暴行罪なわけだけど……言い訳は後で聞くからさ。屯所、行こうか?」
割り込み犯「ひっ……!」
ショコラ「えっ、あのお兄さん兵隊さんなんだ!」
パメラ「そりゃ強いよね……」
あっ、別の店員のお兄さんが走ってきた。
別の店員さん「おいヨシュア。何があったんだ?」
強いお兄さん「はい、無駄な抵抗はしないでね〜。あっ、ラディごめ〜ん。こいつ連れてくからあとよろしく〜」
別の店員さん「はっ!?」
強いお兄さん「んじゃあね〜」
別の店員さん「おい待てこら!?ちゃんと説明しろ!?」
そう言うお兄さんを無視して、ヨシュアと呼ばれた強いお兄さんは割り込み犯を連れて去っていった。
別の店員さん「あ〜もう……確かアイツには列整理を頼んだから…………ここから先をやってないってことか……」
頭を抱えるお兄さんの言葉を聞いて、私たちは後ろの列を見る。
パメラ「…並んでるねぇ……」
ショコラ「いっぱいだねぇ……」
これはお兄さんも頭を抱えるよね……。
よくわからないままお仕事が増えたんだもん……。
大変だぁ……。
仕事の増えたお兄さん「はぁ……あ〜、すいません。もう少し向こうに寄ってくださ〜い!」
それでもキチンと列の整理を始めたお兄さん。
エラい。
列の整理のお仕事もしてる私たちだからわかるけど、結構大変なんだよね、これ。
私たちの場合はちゃんと言うこと聞いてくれる人ばかりだけど、たまにさっきみたいな人もいるし……。
だからお兄さんがため息を吐きたい気持ちもよくわかるよ……。
だから…ん〜と……
仕事の増えたお兄さん「はいもう少し詰めて並んでくださ〜い。っと、ごめんなお嬢ちゃんたち。ちょっと狭くなるかもだけど我慢してくれよ」
ショコラ「は〜い」
パメラ「わかりました。…えっと、お兄さん」
仕事の増えたお兄さん「うん?」
パメラ「お仕事、お疲れ様です!」
仕事の増えたお兄さん「……ん?」
ショコラ「お仕事増えて大変だけど、頑張ってください!」
仕事の増えたお兄さん「えっ、ガッツリ見られてたの?恥ずかし……ん、ゔぅん!あ〜、ありがと。頑張るよ」
そう答えたお兄さんはちょっと顔を赤くしながらお仕事に戻っていった。
私たちに出来るのは応援くらいだけど…頑張れ、お兄さん!
そのあとはなんのトラブルも起こらず、無事にドーナッツを買って教会に戻った。
ナバロさんたちは驚いてたけど、遠慮されないための作戦、みんなで食べるために買ってきたから食べよう作戦のおかげでちゃんと食べてくれた。
ドーナッツはすごく美味しくて、みんなも美味しいって言って食べてくれた。
それを見た私とショコラは、2人で笑い合って作戦成功のハイタッチを交わした。
そのあとマグのおうちに遊びに行くときに、お土産用に別に買っておいたドーナッツを持ってって、そこでもみんなで美味しく食べた。
教会とマグのおうちの両方で食べたから、他のみんなよりも食べた合計が少し多かったのは2人だけの秘密♪
こうして、ドーナッツ確保作戦は大成功に終わったのだった。
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ヨシュア「ただいま〜って何落ち込んでんの?」
兵士A「子どもに仕事頑張れって応援されて、恥ずかったらしい」
ヨシュア「え〜?なにそれはっずw」
ラディ「お前のせいだろうがぁぁぁ!!!」
【ドーナッツ確保作戦 完 】
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【ダンジョン作りのご相談】
〔ハルキ〕
ハルキ「煮詰まったのよ」
コウスケ『ほう』
ハルキ「というわけで何か良い案プリーズ」
コウスケ『唐突ぅ』
ダンジョン内にある自分の部屋。
そこから通信のつながっているギルドの一室にいるコウスケに、僕は開幕助けを求めた。
するとダンジョンのナビ妖精であるフォーマルハウト、通称マル子がツッコミを入れた。
マル子「いやいやハルキ……そんなざっくりした聞き方じゃコウスケさんも困るでしょう……」
ハルキ「ん〜…まぁそれはそうか。それじゃあ真面目に相談するとね…」
コウスケ『お〜』
マル子が「最初からそうしなさいよ…」みたいなジト目を送ってくるけどスルーして、僕はコウスケに今悩んでることを相談する。
コウスケ『なるほど……エリアのテーマか……』
ハルキ「うん。正直ちょっとどうしようか迷っててさ。何かアイデアはないかな?」
コウスケ『ん〜…とりあえず今あるエリアの内容を書き出してみるか〜。ハルキ、教えてクレメンス』
ハルキ「は〜い。まず一層がね〜…」
第1層コンセプト 洞窟
第2層コンセプト 遺跡
第3層コンセプト 草原
第4層コンセプト 湿地帯
第5層コンセプト 森林
第6層コンセプト 砂漠
第7層コンセプト 溶岩遺跡
第8層コンセプト 雪と氷の世界
今のところできているところまで書き出し終えたコウスケが、ペンを置きながらこちらに聞いてきた。
コウスケ『第8層出来てたの、ギルドの資料に追加されてたのを見て初めて知ったんだよなぁ』
ハルキ「あはは、まぁタイミングがね。それでこの次なんだけど、それが決まらなくてさ。僕らの世界の建物なんかも面白いかと思ったけど、ウケすぎて壁を採掘とかされたら困るから出すわけにはいかないし……」
コウスケ『あ〜……まぁ、知らない技術が使われてたら調べたくなるだろうなぁ……』
そうなるとこの世界の常識を大きく覆しそうだからダメなんだよね……。
目立つのは良いけど、あんまり目立ちすぎるのは良くない。
程よく都合のいい感じが今のところちょうどいいんだ。
ハルキ「だから今あるやつとは違う感じのステージ案、何かないかなぁ?」
コウスケ『う〜ん……そうだなぁ……』
同じ世界出身で、僕と同じくゲーマーなコウスケなら何か思いつくはずだ。
僕は……ほら、考えすぎると逆に何もわからなくなるじゃん?あれだよあれ。
マル子「誰に言ってるんですか……」
ハルキ「おっと……」
どうやら謎の言い訳が筒抜けだったみたいだ。
シンプルに恥ずかしいから知らんぷりしよ。
コウスケ『あ〜、あれは?』
ハルキ「おっ、なになに?」
コウスケ『海の洞窟だか遺跡』
ハルキ「海の?」
ふむ?
ハルキ「う〜ん…水辺…それも海となると、冒険者の事故率が上がりそうだし、ポイントがなぁ……」
僕は別に人を仕留めたいわけじゃなく、むしろ顧客には長生きして欲しいので殺意の高いギミックは極力減らしているのだ。
海なんて毎年誰かしら溺れてるようなものを出すのはあまり乗り気にならないし、何よりリソースが莫大なものになる。
海がちょっと泳いですぐ端に着くような大きさにするわけにはいかないじゃん?
それに洞窟はともかく遺跡は……海底遺跡が真っ先に出てきて思考を邪魔してくる……。
いかん…これしか出てこない……。
しかしコウスケが思い浮かべていたのは海は海でも、そんな水平線が見えるようなものではないらしい。
コウスケ『いやいや、海なんてのは作らなくてもいいんだよ』
ハルキ「?どういうこと?」
海を作らなくてもいい海の洞窟とか遺跡?
首を捻る僕に、コウスケはズバリ答えを教えてくれた。
コウスケ『あれだよ。ダーク○ロニクルの4面』
ハルキ「あぁ、なるほど」
お互いに何をやっているか知っているからこその例え方。
4層のボスにそのゲームの要素をモチーフにした敵を配置した僕にとって、それは何よりもわかりやすい例えだった。
マル子「???」
なのでそのゲームを知らないマル子はなんのこっちゃわからない様子だった。
多分マーガレットちゃんも今物凄くハテナ出してると思う。
ともかく、これは盲点だった。
海といえば海水浴的な、そんなパリピ思考にいつの間にか囚われていたのが敗因だろう。
まぁ、僕ももう立派なリア充だもんね。
へへっ…仕方ないな……♪
マル子「……(じとー)」
あっ、しょうもないこと考えてるな。
そんなジト目をマル子が送ってきたので、僕は慌てて話に戻る。
ハルキ「こ、こほん。いい案だよコウスケ。それなら足元だけ海水にすればいいだけだし、ギミックなんかも応用できる。さっそくこれで作ってみるよ」
コウスケ『おう、そりゃよかった。でもな、ハルキ……』
ハルキ「ん?」
コウスケ『敵は参考にしちゃダメだぞ?』
ハルキ「敵……」
元からこの世界の魔物しか生み出せないから問題ないんだけど……。
でもコンセプトにあった敵にしたいからやっぱり参考にはするんだよね。
ということで思い浮かべる。
え〜と確か……。
ガイコツ。
パイレーツのガイコツ。
ゴーゴン。
チビ竜。
なんかエレメント。
大砲。
ロボ。
ドラゴン。
うん、なるほど。
ハルキ「確かにダメだわ。ありがとう、気を付けるよ」
コウスケ『おう』
ダメダメこんなの。
パイレーツは銃持ってるし、大砲なんかそのまんまだし、ロボも論外。
あんまりこの世界に技術革命起こしそうなものは作らないって決めてんだってば。
う〜ん…ガイコツはまぁいいとして……ゴーゴン…は……石化がなぁ……。
チビ竜は…まぁ問題ないか。
エレメントも大丈夫そう。
で、ドラゴンは……いや、ドラゴンはダメでしょ。
この世界でドラゴン…というか龍はお伽話に出るレベルの生き物なんだし。
それに…マーガレットちゃんたちのトラウマを刺激するかもだしね。
そんなことはしたくない。
彼女らが苦しむだろうし、それを見てチェルシーたちも苦しんじゃう。
誰も得しない。
だからダメだ。
それにアイツ時止め能力持ってんだよなぁ……。
そもそも攻撃力も高いし……。
結構下層とはいえ、あんなんいたら難易度爆上がりすぎるよ。
事故多発よ。
うん。
ハルキ「よし、ある程度固まった。ありがとうコウスケ。出来たらまたギルドの資料に追加しておくよ」
コウスケ『あぁ。他にはなんかある?』
ハルキ「いや、ないかな。でも近いうちにギミックとかでまた相談するかも」
コウスケ『ん、わかった。じゃあまたそのときにな。他にもなんかあったら教えてくれよ』
ハルキ「うん、ありがとね。それじゃお仕事頑張ってね」
コウスケ「あぁ、じゃあの」
プツッ
通信を切り、んーっと伸びをし、ふぅっとひと息。
マル子「いい案が出たようですね?」
ハルキ「うん。僕が忘れてたやつを思い出させてくれたよ。いやぁ……なんで忘れてたんだろ……」
マル子「ふふふ、忙しかったからですよ。さてと…それではマスター?早速、ダンジョンの編集を始めますか?」
ハルキ「うん、お願いマル子」
マル子「了解しました。あとその呼び名はやめてください」
いつもの返しをもらいつつ、目の前に現れた青く半透明なコンソールをいじり始める。
構造はどうしようか。
敵の配置、巡回路は?
宝箱の位置に、その中身は?
今日のお昼はどうしようかな?
そんなことを考えながら、僕は冒険者を誘うためのダンジョン作りを開始した。
初めての試み。
ひとつのお話にふたつの物語でした。
フォーマルハウト…すんごい久しぶりやな……。
まぁナビ妖精って立ち位置上、出番は限られるもんな……。
…もうちょっとイチャつかせりゃよかったかな……?
そこはまぁまたいつかということで……。
来週は…いよいよ今年最後の投稿になりそうですね。
早いような遅いような。
思い返せばあっという間なんですけどね。
まぁ思い返すだけですもんね。
そんなわけで、今年最後の投稿はやっぱり来週です。
ではでは。




