257.食べさせたい…いろいろと
サフィールちゃんもしっかり満足させたところで、なんということでしょう。
もうお昼の時間です。
これで午前中は設備点検と在庫確認、そして女児甘やかししかしていないという事実が確定しました。
いや違うんや。
必要なことだったんや。
なんて言う相手は、特に怒られなかったことで発生することはなかったので口から出ることはなかった。
よかったね、俺。
はい。
なんてアホなことをしながら来たのはいつも通り白兎亭。
店前でパメラちゃんとチェルシーと合流。
どうやら今日はララさんたちは用事があるそうなので、付き添いはおらず2人だけだった。
街には衛兵さんがそこかしこ警備に回ってる (買い食いしたりしててだいぶ緩いが、食い逃げ犯をしれっと捕まえたりと仕事はしっかりしてたので一安心)し、それに多分、そこらへんに隠密ギルドの人がいるはずなので、見た目よりもだいぶ安全なのはわかっているのだが、やっぱりちょっと心配。
だからといってずっと一緒にいる子を増やすのも大変なのでなんとも言えない。
とりあえずその辺は今まで通り周りの大人に任せて、今はお昼ご飯。
相変わらずの繁盛っぷりだったので、ちょっと並んでから店に入ることに。
アリシア「いらっしゃいませ〜♪あら、みんないらっしゃい♪モニカ〜! みんなが来たわよ〜!」
店に入ると、アリシアさんがモニカちゃんに繋いでくれた。
程なくしてモニカちゃんがやってきた。
テコテコテコ〜っと小走り気味でやってきた。
可愛いね。
可愛らしいモニカちゃんと挨拶を交わし、軽く談笑してから注文を済ませ、みんなでのんびり料理を待った。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
相変わらずの極上な味わいに舌鼓を打つ俺たち。
パメラ「美味しいね〜♪」
ショコラ「ね〜♪」
モニカ「えへへ、ありがと〜♪」
みんなの心からの感想に喜ぶモニカちゃんは、今俺たちと一緒にご飯を食べている。
みんながリオと出来るだけ毎日顔を合わせるようにしていることを知ったアリシアさんが、気を利かせてくれたのだ。
俺たちの入りがいつもちょっと早めなのと、お店にアルバイトが入って少しだけ余裕が出来たから実現したことでもある。
やっぱり飲食店に入るのはちょっと早めがいいよ。うんうん。
おかげでこうしてみんなとの楽しい時間を過ごせるわけだし。
そう、楽しい時間。
うん…楽しい時間なんよ。
楽しい…んだけどさ……
モニカ「マーガレットちゃん、あ〜ん♪」
コウスケ「あ、あ〜ん…」
モニカ「えへへ…♪次は何が食べたい?」
コウスケ「ん〜……あのお肉かなぁ」
モニカ「わかった♪」
なんで俺はモニカちゃんに介護されてるんでしょうか?
いや、今さら「あ〜ん」程度ならもはや気にしないんだけどさ?
昨日一昨日と前までは普通だったのに、なんで今日はこうなったんだ?
モニカ「はい、あ〜ん♪」
コウスケ「あ〜…ん…」
モニカ「美味しい?」
コウスケ「うん、美味しいよ」
モニカ「よかった〜♪」
まぁ可愛いからいっか。 (思考停止)
が、このコミュニティーで1人がそんなことをしだしたら当然…
チェルシー「マギーちゃん♪こっちのお料理も美味しいから食べてみて♪」
ショコラ「マグ〜、ショコラもあ〜んしてあげるね♪」
パメラ「マグ、ちゃんとスープも飲んで?食べるバランスが悪いよ?ほら、飲ませてあげる♪」
シエル「そういうことならパンも食べなさい?おかずばっかり食べてちゃダメよ?だから…ほ、ほら…口開けてなさい…?」
サフィール「あっ…そ、それでは、このお料理もどうぞ。スープとパンを食べたので、これを食べればバランスが良い…と思いますよ…?」
モニカ「それなら次はこれだね♪はい、マーガレットちゃん♪」
リオ「…見事に一周したな……」
とまぁこのように。
いやぁ……なんか懐かしいわ。これ。
あの頃と違うのは、モニカちゃんとシエルとサフィールちゃんがだいぶ積極的になったことかな。
リオ「あ…あ〜……そういうことなら…次はこれ、だよな?」
あと、リオもそうだね。
そんな感じでみんなから施される食べ物を小鳥の如くパクパク口で受け取り続け、お昼ご飯は終わった。
ちなみにみんなは他の子が俺に食べさせてる間に食べ進めていたので、誰かに「あ〜ん」をしてもらうことはなかった。
なんでや。
みんなで食べさせ合いなさいよ。
解せぬ。
なんて思いながらお水を飲んでひと息ついてると、モニカちゃんがなにやらソワソワしているのが目に入った。
コウスケ「モニカちゃん、どうしたの?」
モニカ「あ、えっと…あのね?実は開店前にお姉ちゃんに手伝ってもらってお菓子を焼いてみたんだけど…た、食べる……?」
コウスケ・マグ「(えっ)」
モニカちゃんのお菓子!?
コウスケ・マグ「(食べたい!)」
モニカ「ほんと!?えへへ…やったぁ♪じゃあすぐに持ってくるね♪」
そう言ってモニカちゃんは小走りで店の奥へと消えていった。
ショコラ「モニカ嬉しそうだったね〜♪」
パメラ「モニカはマグが大好きだからね〜」
サフィール「マーガレットさんを嫌いな方なんていないですよ〜」
チェルシー「ね〜♪マギーちゃん優しいし可愛いし頼りになるもんね〜♪」
コウスケ「めっちゃ恥ずかしいからやめて?」
マグ(いいじゃないですか〜♪)
コウスケ(よろしくないです〜)
隙あらば褒め殺しにくるよね君ら。
しかも本心からの言葉だから並大抵の人は照れるんだよね。
強いね。
シエル「でも、だからって好きすぎじゃない?」
リオ「だよなぁ。マーガレットは特別って感じがするよな」
コウスケ・マグ((それは確かに))
マグ(しかもあれ、コウスケさんが表に出てるときだけじゃないですか?)
コウスケ(マグもそう思う?)
マグ(だってわかりやすいですから)
コウスケ(まぁねぇ……)
俺が出てるときにだけ凄い甘えてくるんだよなぁ……。
まぁ、それは他の子らにも言えることなんだけどさ。
ショコラ「マグ、カッコよくなったもんね〜♪」
パメラ「ね〜。でも前までのマグの感じもバッチリ残ってるんだよね〜」
シエル「あぁ。たまに子どもっぽいところあるわよね。それのこと?」
ショコラ・パメラ「「そうだよ!」」
マグ(そうなの!?)
子どもっぽいと言われて密かに傷付くマグさんであった。
まぁ…そりゃ子どもだしねぇ……。
というかこれ、本人の前で話すことじゃなくない?
リオ「まぁ…マーガレットが頼りになるのはよく知ってるけどなぁ……それにしたってなぁ……側から見りゃあれは…」
チェルシー「好きな人とお話してるみたい?」
コウスケ「んぐっ…!ゲホッ!ゲホッ…!」
シエル「ちょっ…だ、大丈夫!?」
パメラ「あららら…拭くもの拭くもの」
コウスケ「あぁ…大丈夫…持ってるから……」
ちょうど水を飲んだタイミングでちょっと聞き捨てならない言葉が聞こえたので焦り、水が変なとこに入ってむせてしまった……。
バッグからタオルを取り出してこぼしたところを拭く。
っと、それはいいとして…
コウスケ「チェルシー…?その好きって…」
チェルシー「んふふふふ〜♡どうかな〜?」
ここではぐらかし……!?
モニカ「お待たせ〜♪ってあれ?マーガレットちゃんどうしたの?」
ここでモニカちゃん……!
だからチェルシーはぐらかしたのか……!?
コウスケ「あ〜、あはは…ちょっとむせちゃった…」
モニカ「ありゃ〜…大丈夫?」
コウスケ「大丈夫大丈夫。それよりも…」
マグ(モニカちゃんの持ってるそれは……!)
さっきから良い匂いが…って言っても、お店の中は良い匂いが充満してるんだけど、モニカちゃんが近づいてきたことで今猛烈に嗅覚を刺激してくるこの甘い良い匂いがあるのよ……!
コウスケ・マグ「な、なんとぉ…!そ、それはぁぁ……!!」
モニカ「うん、クッキーだよ♪」
コウスケ・マグ「(おぉぉぉ!)」
クッキー!
モニカちゃんのクッキー!!
先月食べてからなんやかんやあって食べれてないやつ!
ショコラ「すご〜い!美味しそ〜♪」
サフィール「これをモニカさんが?」
モニカ「うん。この前マーガレットちゃんとチェルシーちゃんがものすごく喜んでくれてたから、せっかくだからみんなの分もと思って。そしたらお姉ちゃんが、私といつも遊んでくれてるし、いつも美味しそうにお店のお料理食べてくれるからそのお礼も兼ねて…って手伝ってくれたの♪」
コウスケ「そうなんだ。じゃあ後でアリシアさんにもお礼を言わないとだね」
シエル「そうね。……じゃ、じゃあそのためにも、美味しくいただかないとね……!じゅるり…」
シエル……そんなよだれが出して……。
そんなに早く食べたいのか……?
俺と一緒じゃん。
コウスケ「それじゃあ食べよ食べよ!」
ショコラ「早く食べた〜い!」
モニカ「ふふふ♪それじゃあ切るね♪」
みんな『わ〜い!』
そんなわけでモニカちゃんとアリシアさんが作ってくれたクッキーをみんなで食すことに。
はぁ〜…凄い良い匂い……めっちゃ美味そう……。
はぁ〜…もう……早く食べたいっ!(語彙力低下)
コウスケ「それじゃあお手手を合わせて……いただきます!」
みんな『(いただきます!)』
さぁお待ち兼ねの…といきたいところだが、ここはグッと堪えて…
コウスケ(マグ!ひと口目をどうぞ!)
マグ(えっ!?いいんですか!?)
コウスケ(絶対マグ感激するから!今回からこういうのを食べるときはマグから食べて!俺はどうにでも出来るから!)
頑張れば、だけど。
マグ(わっ、わっ!そ、それじゃあ、お言葉に甘えて……!)
そうしてマグと交代…するや否や、早速クッキーを1枚手に取り、まずは鼻に近づけた。
マグ「ふぁぁぁ…!良い匂い〜…♪」
マグさん大歓喜である。
シエル「甘い香り…いいわねぇ…♪」
サフィール「この香りだけでも美味しいってわかりますね…♪」
リオ「だな。そんで、その味は…」
他の子もクッキーの甘い匂いを楽しみながら、ひと口目を口へと運んでいく。
それをドキドキ見守るモニカちゃん。
そして…
マグ「んん〜っ♡」
みんな『美味しい〜っ♪』
モニカ「よかった〜♪」
満場一致で美味なようだ。
それにモニカちゃんはホッとひと息、からのふにゃっとした安堵の笑顔。
かわゆい。
まぁそれはそれとして!
コウスケ(マグ!マグ!俺にも食べさせて!)
マグ(どうぞどうぞ〜♪美味しいですよ〜♪)
上機嫌なマグと交代し、俺もクッキーをいただく。
はぁぁ〜…!
ダメだ…ニヤケが止まらん……!
凄く美味そう……!
いただきま〜す♪
パクッ
コウスケ「んん〜っ!んふふふふ…♪」
思わず笑みが溢れ出る。
はぁ〜…ほんっと美味しいわぁ〜……♪
コウスケ「さいっこう…♪」
モニカ「えへへへ…♪やったぁ♪」
コウスケ「モニカちゃんありがとう♪ほらほら、モニカちゃんも食べなよ♪」
モニカ「ん?私は…あっ……」
コウスケ・マグ「(?)」
1度断ろうとしてすぐに何か思い浮かんだ様子のモニカちゃん。
少し考え込んだ後、「…よし…!」と気合を入れてから俺に話しかけてきた。
何言われるんだ俺。
モニカ「マ、マーガレットちゃん…!」
コウスケ「うん、なぁに?」
モニカ「えと…えと……そ、その……マ、マーガレットちゃんに食べさせてほしいなぁ〜…なんて……」
…そんなんでいいの?
割と前からやってたことじゃん。
というかさっき俺にめっちゃ食わせてたのに、自分が頼むのは恥ずかしいのか。
まぁ恥ずいか、うん。
でもまぁ、もっと別のこと頼まれるかと思ってたから、そのくらいなら別に良し。
コウスケ「いいよ」
モニカ「っ♪」
パァァっと満面の笑みを浮かべたモニカちゃんに対し、この笑顔見れたならいくらでも食わせてやるよぉぉ!!と私欲に塗れる俺。
もうちょい耐性を付けましょう。
まぁそれはそれとして。
俺はクッキーを取り、隣にやってきたモニカちゃんに声をかける。
コウスケ「はい、口開けて〜」
モニカ「あ〜」
コウスケ「はい、あ〜ん」
モニカ「あむ…んふふ…♪」
モニカちゃんのお口はちっさいのと、さすがに1個まるごといきなり放り込むのは気が引けたのとで、とりあえず半分ぐらいを食べさせてあげた。
満足げにサクサクよく噛んで食べたモニカちゃんは、それを飲み込むと「あ〜…」と口を開けて続きを催促。
そんな雛鳥が如しウサギさんのお口に、残りのクッキーをシュート…したところ、持ち方が悪かったようで…
コウスケ「あっ」
モニカ「んっ!」
モニカちゃんに指の先を食べられてしまった。
まぁ、本当に入口の辺り…唇に挟まれただけなので、噛まれたわけではないので問題はない。
モラルの問題はあるかもだけど、ぺろぺろもかましあった仲なのでそこも問題はない。
…それ自体が大問題ということを除けば……。
コウスケ「ごめん、入れすぎちゃった」
モニカ「ううん。こっちこそごめんね」
なのでこんな風にあっさりした感じで終わった。
とりあえず食べられたところをハンカチで拭うと、今度はモニカちゃんがクッキーを手に取り俺に向けてきた。
モニカ「じゃあ、私も。はい、あ〜ん♪」
コウスケ「ん……」
コウスケ(マグ、食べる?)
マグ(私は次でいいですよ〜)
コウスケ(りょーかい)
コウスケ「あ…」
モニカ「あ〜ん」
コウスケ「んむ…んん♪」
軽く相談してから口を開け、モニカちゃん同様半分だけいただく。
うん、やっぱり超美味しい。
モニカ「マーガレットちゃん。はい、あ〜ん♪」
俺が飲み込むのを確認したモニカちゃんが再度差し出してきたので、俺もまた口を開ける。
さて、さっき俺の指が食べられたわけだが…ここは俺も食べ返すべきだろうか?
さっきの教訓を活かして、クッキーを歯で受け取ることは可能だが、ここは同じように「あっごめん、食べちゃった♪」「も〜♪あははは♪」なんてバカップルみたいなことをすべきだろうか……いや、バカップルみたいだからこそやめとこう。
多分この流れは出来そうだけど、シンプルに小っ恥ずかしい。
というわけで大人しく歯で噛んで受け取ろう。
パクッ
モニカ「あ…」
コウスケ「ん?」
クッキーとは別のものを口に含んだ…だと……?
おかしい……。
いや、これがモニカちゃんの指なのは分かってるんだけど、それはそれとして。
俺は確かに調整してクッキーをいただこうとしたはず……。
だが実際は食べてしまった。
…目測を誤ったか……?
…この距離で?
いや、違う!
さすがにこの距離でミスるのはありえない。
となると考えられるのは…
モニカ「はぁ〜…はぁ〜…♡」
今目の前で目をトロンとさせて呼吸を荒くしてるモニカちゃんの仕業だ!
コウスケ「っふぇ、ふぉっふぁふぉふぉふぃふぁふぁんっ!?」
リオ「なんて?」
どったのモニカちゃん、です。はい。すみません。
ちゃんとお口の中空っぽにしてから喋ります。
慌てて飲み込み、気を取り直してモニカちゃんに尋ねる。
コウスケ「で、どしたのモニカちゃん?突発性の風邪引いた?」
サフィール「それだと第三者の仕業になりそうですね……」
パメラ「犯人はこの中にいる…だね?」
シエル「言ってる場合じゃないでしょうが!モニカ、大丈夫?」
モニカ「…んふ…♡」
みんな『…?』
心配するシエルの問いに、笑みで返すモニカちゃん。
…明らかに様子がおかしい……。
これはガチで第三者の手を疑うべき…
モニカ「マーガレットちゃん♡はい♪」
コウスケ・マグ「(えっ?)」
モニカ「あ〜ん♪」
この状況で?
コウスケ「いやいや…さすがになんか妙なことになってるのにそれを続けるのは…」
モニカ「食べて〜♪」
コウスケ「いやでも…」
モニカ「マーガレットちゃ〜ん♪」
コウスケ「……わ、わかったよ……」
全く譲る気配のないモニカちゃんの押しに負け、俺は渋々クッキーを受け取るべく口を開ける。
モニカ「あ〜ん♪」
コウスケ「あ〜…んむ!?」
マグ(えぇっ!?)
しかしまたしてもモニカちゃんの指を口に含んでしまった。
だがしかし。
俺が驚いたのはそこじゃない。
今この子…自分から俺の口に指を突っ込んだ……!?
コウスケ「モ、もふぃふぁふぁ…」
モニカ「はぁ〜…♡はぁ〜…♡食べてぇ…マーガレットちゃん…♡」
マグ(モ、モニカちゃんっ!?)
目が飛んでらっしゃるぅ!?
まったく指抜いてくれないどころか、歯を撫でてくるんですがぁ!?
凄い不思議な感覚!
虫歯はないはずですよ!
リオ「ちょおっ!?待て待て待て待て!!」
チェルシー「モニカちゃんストーップ!!」
モニカ「……ふぇ……?」
さすがに見かねた他の子たちが止めに入ると、モニカちゃんの奇行は止まり、お目目をぱちくりさせて俺の口に突っ込まれている自分の手を見た。
モニカ「…はぇ…?あ、あれ?なんで…?えっ…?えっ…?」
そして慌てだした。
…とりあえず指を抜いておくれ……。
シエル「どうしたのよモニカ。あんた急におかしくなっちゃってたのよ?」
モニカ「えっ…?」
ショコラ「うんうん。マグに食べて〜、食べて〜って、自分の指も食べさせてたよ?」
モニカ「えぇっ!?そ、それでマーガレットちゃんのお口に…」
そうだよ。
だからモニカちゃん。
抜いて、指。
そろそろ舌を指に触れさせないように調整するの疲れてきたのよ?
サフィール「モ、モニカさん。とりあえずマーガレットさんのお口から手を離しましょう?」
モニカ「あっ、そ、そうだね…!」
サフィールちゃんナイス〜。
そうして手を離したモニカちゃんは、よだれの付いた手をそのままに、俺に謝罪の言葉を投げかけてきた。
モニカ「ごめんねマーガレットちゃん……」
コウスケ「いやぁ…うん…さすがにびっくりしたよね」
モニカ「ご、ごめんなさい……」
あっ、あかん。
しょんぼりさせちゃった。
う〜む…とはいえ、これで気にしてないよ!って言うのはいかがなものか……。
許す…という意味ではいいんだろうけど。
口に指突っ込まれて気にしてないよ!って言う人…シンプルどうなんだ?って感覚が凄いある……。
から、とりあえず理由を聞いてみよう。
コウスケ「う〜ん……モニカちゃん。どうして急に私の口に指を突っ込もうと思ったの?」
モニカ「えと……それが…よくわかんないの……」
コウスケ「そうなの?」
モニカ「うん……なんかね……?マーガレットちゃんにあ〜んってしてあげてるところまでは覚えてるんだけど……」
コウスケ「ふむふむ」
モニカ「…えと…マーガレットちゃんに指をパクッてされたところから覚えてなくて……」
コウスケ「ふむ?」
マグ(ピンポイントですねぇ……)
コウスケ(それね)
う〜ん…そうなると、考えられるのは……。
……マグの唾液には人を惑わす力がある…とか?
いや、今までも割と機会はあった気が……?
…まぁ少なくともそんな力は無かったな…うん……。
なんでボケのつもりで言ったことを自分で掘り下げようとしたんだろう……?
だいぶ動揺してるんかな……。
モニカ「でも…う〜ん……」
コウスケ・マグ「(ん?)」
でも?
コウスケ「どしたの?」
モニカ「…なんとなく…だけど……」
コウスケ「うん」
モニカ「…マーガレットちゃんに食べられたいなぁ…って、思ってたような……」
コウスケ・マグ「(へっ?)」
食べられたい?
でもあれ思いっきり物理……えっ?なに?
カニバって欲しいの?
コウスケ「えっと……モニカちゃん……私もさすがにお肉は選ぶよ……?」
モニカ「ふぇっ!?えぇっと、そ、そういうことじゃなくてぇ…あ、あれ?でもそういうことなのかな…?で、でもでも、私も痛いのとかやだし……で、でもそれってそういうことだし……あれ…?あれ…?」
と、いかん!
モニカちゃんがパニクってしまった!
コウスケ「だ、大丈夫大丈夫!それはわかってるから!だから落ち着いて?ね?」
モニカ「で、でも…でもぉ……!変だよぉ……!こんなの変だもん……!うぇぇぇん……!」
コウスケ「あわわわわ……!」
どうしようどうしよう……!
どうすりゃ泣き止んでくれるんだこれ……!?
えーとえーと…
チェルシー「大丈夫」
モニカ「ふぇ…」
俺が慌てふためいていると、チェルシーがモニカちゃんを抱きしめ、優しく呟いた。
チェ、チェルシー!
さすが子どもたちの中では最年長!
おかげで俺も少し落ち着きを取り戻せた……。
ひとまず成り行きを見守ろう……。
チェルシー「大丈夫。おかしくないよ」
モニカ「で、でも……食べてほしいなんて、普通の子は思わないもん……」
チェルシー「それはね…モニカちゃんが大人になったからだよ」
モニカ「大人に……?」
…?
あやし開始数秒のうちに、なんか…話の行き先が怪しいような……?
何故かそう感じ取った俺をよそに、チェルシーは優しい口調でこう告げた。
チェルシー「うん。モニカちゃん、あなたはね?」
モニカ「う、うん……」
チェルシー「マーガレットちゃんにエッチなことをしてほしいだけなんだよ」
モニカ「…………」
みんな『(…………)』
チェルシーの言葉に、俺も、モニカちゃんも、他の子たちも。
成り行きを見守ってくれていた他のお客さんたちや、モニカちゃんの様子に気付いたらしいアリシアさんやリンクスさんが一様に動きを止め、口をぽかんと開けて呆気に取られた。
うん…あの…チェルシー……。
アウト。
遅くなりました!申し訳ございません!
リオ編が思いのほか長引いたので、他の子のストーリーも徐々にぶち込んでいこうという算段。
渋滞起こして事故りそう。
あと章の概念無くなりそう。
どうしようね。
そこも考えときます。
ではではまた来週お会いしましょう。




