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異世界で少女とまったりするために頑張る  作者: レモン彗星
第3章…鍛治コンテスト
258/436

255.発散の仕方…とデザインセンス

コウスケ「フルー…」


窮地に救いが現れテンションの上がった俺がフルールさんを呼ぼうとすると、彼女は口に指を当て静かにするようジェスチャーで伝えてくる。


俺が慌てて口を押さえてコクコクと頷くと、フルールさんは床をチョンチョンと指差して、首をちょこっとだけ傾げた。


多分…みんなを起こしかねないから下で話しましょ?ってことだと思う。


それにも頷きで返した俺は、先行して階段を降り始めたフルールさんを追った。


脱衣所まで無言で歩き、たどり着いたところでフルールさんが話しかけてきた。


フルール「とりあえずおはよう」

コウスケ「おはようございます、フルールさん」

フルール「ずいぶん早いお目覚めね。どうしたの?」

コウスケ「いやぁ…なんか目が覚めたんですよね」

フルール「ふぅん」

コウスケ「そういうフルールさんは?」

フルール「私もなんだか目が覚めちゃって…水でも飲もうかと思ったらあなたがいたのよ」

コウスケ「なるほど……」


フルールさんもかぁ……。

だけど、そのおかげで俺は救われるのだ。

というわけで…


コウスケ「えっと…それでですねフルールさん……」

フルール「…あ〜…我慢できないの?」

コウスケ「は、はい……」

フルール「そう。まぁ、リオが来たししょうがないわね。ところで、いつもあなたと一緒に降りてくるけど、片方が起こしてるの?」

コウスケ「いえ、リオが先に起きてて、俺がその後起きてそのまま一緒に…って感じです」

フルール「へぇ…じゃあ余計大変だったわね」

コウスケ「あはは……」


俺が我慢すれば…って話ではあるけど、1回発散させちゃったら、ある程度のスパンで発散させないと我慢が出来なくなっちゃって……。


なんか麻薬みたいだなって考えて、快楽に溺れるとか同人界隈では日常茶飯事だわって思ったことがあったな……。


とまぁそんなことより…


コウスケ「え〜っと…それじゃあ…その……」

フルール「ん、そうね。誰か起きてくる前に済ませないとね」


そうそう。

リオがいつ起きてくるかわからんから、早めに済ませないと。

こんな機会、そう頻繁にあるとは思えないからね。


フルール「それじゃあ準備しましょうか」

コウスケ「は、はい……」


そう言われた俺はゆっくりと服を脱ぎ始める。

そんな俺にフルールさんが話しかけてくる。


フルール「まだ慣れないの?」

コウスケ「うぅ…そんな簡単には慣れませんよぉ……」

フルール「そう。まぁすぐ調子に乗るよりかはかなりマシだけどね。そういうのは大抵独りよがりのつまらない、本当にただの行為になるから」

コウスケ「な、なるほど……」


俺も初めてのときは気を付けよう……。

……近くても5年後くらいだけど……。


フルール「でも、もう何回か発散してるけど、マーガレットは自分の体に違和感とか感じないのかしら?」

コウスケ「えっ?」

フルール「だって、性知識が無いとはいえ、体はもう覚えちゃってるんだもの。ふとした拍子に体がムズついたりしてもおかしくないでしょ?」

コウスケ「た、確かに……!」


やばいやばい……!

言われてみればそうじゃん……!


フルール「今のところ特に無し?」

コウスケ「は、はい……」

フルール「そっ。なら大丈夫かしらね。……まぁ、あれよ。何かあったら私に相談しなさい。大人の知恵を貸してあげるわ」

コウスケ「フルールさん……!」


ほんっと頼りになる人だよあなたは……!


フルール「も、もう…そんなキラキラした目で見ないでちょうだい……///…あぁもう!ほら、早くするんでしょ!」

コウスケ「は、はい!」


照れたフルールさんに言われて時間がないことを思い出した俺は、途中で止まっていた脱衣をササッと済ませ浴室へ入った。


鏡の前の椅子に座ると、マグの体が鏡に映る。


…前世の記憶にぼんやりある、同年代の子たちよりは育ってると思うけどなぁ……。

まぁあのときまだ女の子の胸に魅力を感じてないガキンチョだったからほんとにぼんやりとしか覚えてないけど、多分あの子らよりは育ってると思う。


それにまだ育ち盛りなんだし、そこまで気にするほどじゃないと思うけどなぁ……。


フルール「…興奮とは程遠そうな目で見てるけど…何かあったの?」

コウスケ「ハッ!」


昨夜の話を思い出してちょっと考え込んでたらフルールさんに心配されてしまった。


そんなフルールさんはパジャマのシャツの袖とズボンの裾を捲り、髪を軽く上で束ねている。


服はそのとき着てるものによって様々だが、大体はこれがフルールさんが俺の手伝いをしてくれるときの正装になっている。


フルール「…大丈夫?」

コウスケ「っと…すみません……」


フルールさんの姿をじっくり解説してたらまた心配されてしまった。


とりあえず……いいや。

真実を語っとこう。


コウスケ「あ〜…実は昨日、マグがショコラちゃんやチェルシーと自分のを比べてて…」

フルール「あぁ、なるほど」


納得が早い。

これはマグが年頃の女の子だからなのか、お胸マイスター初段だからなのか……。


フルール「それでなんで答えたの?」

コウスケ「年相応だしまだまだ育つと思うからそこまで悩まなくてもいいんじゃない?的なことを言いました」

フルール「まぁそんなところよね。どうなるかなんて誰にも分からないのだし」


俺も無難な解答もしたとは思っていたが、こうして誰かの賛同を得られると、あれでよかったんだなと少しホッとする。


フルール「…でも多分大きくなると思うのよねぇ」

コウスケ「そうなんですか?」

フルール「えぇ、なんとなくね」

コウスケ「へぇ〜。これを聞いたらマグ、喜びそうです」

フルール「ふふっ、そうね」


俺としても、迂闊に太鼓判を押してしまった手前、育ってくれた方が非常に助かる……。

別にマグの胸だけが好きなんじゃなくて、マグ自体が好きだから、大きさは気にしないんだけどなぁ……。


でも何故かパメラちゃんに睨み顔が浮かぶんだよね……。

あれかな…?

「そうは言っても結局大きい方がいいんでしょ?」って思われてんのかな?


全部自分の妄想の中の話だけど……何故か現実味がある……。


フルール「まぁ…育ちそうな1番の理由は、こういうことをしてるから、なんだけど……」

コウスケ「…ん…すみません、何か言いました?」

フルール「いいえ。それよりそろそろ始めましょ」

コウスケ「あっはい」


フルールさんの言葉を聞き逃してしまったが…まぁ独り言みたいだし追求することでもない。


それよりも…


コウスケ「えと…じゃあ……お、お願いします……!」

フルール「相変わらず固いわね〜」


そりゃもう、えぇ、もちろんですとも。

未だに慣れてませんとも。


と、これが毎回なのでフルールさんも手慣れた様子で俺の緊張をほぐしにくる。


フルール「はい、それじゃあいつものように…体の力を抜いて…鏡に映るマーガレットに見惚れてなさい」

コウスケ「は、はい……」


そうして、こちらに来てから何度目かの保健体育のお勉強が始まった。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


コウスケ「ふぅ〜……」


フルールさんの指導のもと、どうにか今回も発散に成功した俺は、シャワー浴びていろいろサッパリした後、リビングでぬるめに温められたお茶を啜っているところだ。


冷たいのは朝飲むにはちょっと強いので……。


そうしてまったりしてると思う。

ヤマトの商品に緑茶とかあったっけ?と。


フルール「どう?」

コウスケ「程よくてとても良いです」

フルール「それはよかったわ」


お茶を淹れてくれた当人たるフルールさんは俺の正面に座っており、自分もひと口飲んでから俺に話しかけてきた。


フルール「それで、あっちの方は慣れたかしら?」

コウスケ「ふぇっ…そ、それは……」

フルール「まぁそんな気はしたわ」

コウスケ「…すみません……」


どうしても男の精神のまま女の子のソレをするのは違和感とか感じちゃって……。


それに……フルールさんのあちらこちらが当たるのも……ね……?

多分お手伝いの中に入ってるんだろうけど、正直あれが1番緊張する原因な気がする……。


でも……そのおかげでだいぶ早く終わってると考えると……うん……。

それに美人さんにいろいろ押し付けられながらポショポショ耳元で囁かれるのは嫌じゃないし……っていかんいかん……!

完全に癖になってる……これはマズイのでは……?


どうにかした方がいい気が……いやしかしあれもフルールさんの好意の1つだし無碍には……。


フルール「一応1人でも出来なくはないでしょ?」

コウスケ「えっ、は、はい…(フルールさんに)教えてもらったので……」

フルール「なら、次は見ててあげるから1人でシてみたら?」

コウスケ「えっ……」


考え込んでるところに話しかけられて慌てつつも答えると、そんな提案をされてしまった。


それは……ん〜…やばい……ちょっと…いや、だいぶ惜しいなって思ってしまった……。

バカやろう俺……俺にはマグがいるだろ……!

まぁ…ハーレム推奨してきてるけど……だからって自重しないのはまた話が違う……。


そもそも俺にマグという彼女が出来ただけでも奇跡みたいなもんなんだから……。

…いやほんと…奇跡だよなぁ……。


と、それにフルールさんに見られながら1人でするのはなんか…他の扉を開きそうな気が……。


いやでもいきなり1人でするのは怖いし……。


コウスケ「…じゃ、じゃあ…それで……」

フルール「ん」


うぅ……やばい……。

すでにめちゃくちゃ緊張してきた……。


その緊張を紛らわせるべく、俺はお茶に口をつける。


フルール「おかわりは?」

コウスケ「…いただきます」


飲み終えた俺にお茶を注ぎ足してくれるフルールさん。


…緊張してるのは俺だけか……。

ん〜……やっぱり経験の差なのかなぁ……。


ズズズ…


お茶うま。


と、そんな俺に再びフルールさんが話しかけてくる。


フルール「ねぇ」

コウスケ「はい?」

フルール「リオの様子はどう?」

コウスケ「ん〜……なかなか思い悩んでますね……一応また1つ試したいことが出来たのでそれを試してからですかね」

フルール「そう……でも、あの子も明るくなったわよね。ほんの数日だけだけど、ここでの生活を楽しんでくれてるようで何よりだわ」

コウスケ「ですね」


思い詰めてはいるものの、ちゃんと俺たちに相談してくれるからありがたい。

こっちとしても力になりやすいし、なにより頼りにしてくれてるというのが嬉しい。


フルール「そういえばあの子って鍛治師志望なのよね?」

コウスケ「はい、そうですね」

フルール「でも鍛治師ってただ打てればいいってだけじゃ務まらないじゃない?作るものの形とかも考えないといけないし」

コウスケ「そう…ですね。そう言われてみれば確かに」


市販品ならまだしも、鍛治師ともなると注文を受けて以来どおりの品を作る「オーダーメイド」を受けることも多いだろうから、デザインセンスも確かに大事だ。


うん?そうなると…


フルール「あの子。そっちの勉強はしてるのかしら?」

コウスケ「…………」


…ここに来て新たな問題が発生したかもしれない……。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


というわけで時間が経ってから部屋に行ったら起きてたけどちょっと心細そうにしてたリオに聞いてみた。


ごめんね、勝手に消えて。

でも我が家だから許して。


リオ「えっ、デザイン?」

コウスケ「そうそう」

リオ「あ〜……い、一応……?」


おっ、怪しいぞ?


コウスケ「一応ってのは?」

リオ「いや〜その〜……チビのころに考えてたやつがあるけど……あれはちょっと……」


…あ〜……あれかな?

「俺が考えた最強の剣!」とかかな?

いわゆる黒歴史だな?


そうかそうか。

ならばこれ以上は聞くまい。


コウスケ「ん〜…でもそうすると、今のリオのデザインセンスはどんなもんなのかな?」

リオ「どうだろ……そういや最近打つことばっかでデザインなんて考えてなかったぞ……」


ん〜…これはヤバいかも?


コウスケ「…ちょっと描いてみる?」

リオ「えっ……う、う〜ん……確かに大事なことだしなぁ……でもちょっと恥ずかしいな……」


まぁ気持ちはわかる。

自分の絵を見せるって少しソワソワするからな。

ここで無理強いは良くないな。


コウスケ「まぁその辺もちょっと見直してみれば?」

リオ「そうだな…そうする」


そう答えたリオは早速頭の中で作りたいものを思い浮かべているのか、何かを考え始めた。


マグ(デザインかぁ……コウスケさんだったらどんなものを作りたいですか?)

コウスケ(ん〜そうだなぁ……やっぱり前世で見たやつになるかなぁ)

マグ(おぉ…気になりますねぇ……)

コウスケ(マグは何が作りたいの?)

マグ(私は…う〜ん……武器よりお守りとかかなぁ……?)


アミュレットってやつか。


コウスケ(確かに向いてそうかも)

マグ(そうですか?)

コウスケ(うん)

マグ(えへへ♪)

コウスケ(お守りの形とかは?)

マグ(う〜ん…やっぱりお花かなぁ?お星様も可愛いですよね〜。あとはハートも外せないですね〜)

コウスケ(お〜、いっぱいだ)

マグ(そうですよ〜♪あっそうだ!コウスケさんとお揃いにしたいな〜なんて思ったりするんですけど…どうですかね……?)

コウスケ(俺がそれを断るとでも?)

マグ(えへ…♪でも一応聞いとかないとかなって)

コウスケ(確かに大事だわな。しっかり聞けて偉いぞ〜♪)

マグ(んふ〜♪)


リオ「マーガレット?」

コウスケ・マグ「(んっ!?)」


マグとアミュレットのことでイチャついてたらリオに呼ばれて驚くの図。


コウスケ「ど、どうしたの?」

リオ「いや、何考えてんのかなって。もしかしてマーガレットもデザイン考えてたのか?」

コウスケ「あぁ…うん、そうだよ」

リオ「何か出てきたか?」

コウスケ「うん。えっとねぇ…」


コウスケ(マグ。マグの案言っていい?)

マグ(いいですよ〜)

コウスケ(ありがと)


コウスケ「アミュレットとか」

リオ「アミュレット…お守りか。なるほど、確かにそういうのもあるなぁ」

コウスケ「リオは?何か考えてたでしょ?」

リオ「オレは普通に剣とか槍とかだなぁ。でもアミュレットか……そっち系もいいなぁ……」


おっ?これは……。


マグ(リオ、楽しそうですね♪)

コウスケ(うん。それにこれは良い傾向だよ)

マグ(そうですね。確かに楽しいのは良いことです♪)

コウスケ(そうだね。しかも今のリオは作りたいものがポンポン湧いてきてるしね)


鍛治をするのが楽しいって思ってるってことだ。

怖いじゃなく、楽しい、と。


実際、また考え始めたリオの顔はとても楽しそうな表情を浮かべている。


その顔を俺は机に頬杖をついて見守る。


コウスケ(楽しそうだねぇ♪)

マグ(はい♪楽しそうですねぇ♪)


リオはそのあと、たまに俺と会話しながらも考えるのをやめなかった。


そしてそれをずっと俺たちは見守り…


メイカ「おはよ〜…ぎゃあ!?朝から尊いっ!!」


それを見たメイカさんが尊死した。

オチに便利なメイカさん。


今回はちょっと短めになってしまった……。

でも内容は多分濃い…はず?


まぁそんなわけでまた来週。

ではでは〜

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― 新着の感想 ―
[良い点] おぉー遂に! フルールさんにしてもらう?会話が! ありがとうございます。 なるほど、こういう導入と終わりと次回になるんですね!! これでボキャブラリの低い私でもイメージができます!! …
[気になる点] 輸血技術が在れば良いけど、無ければメイカさんの鼻血対策大丈夫でしょうか… [一言] あぁそう言えば鍛冶師って打つだけでなく、作製する物のデザインなんぞも考えないとイカンのですよね… …
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