252.悩み悩ませ…もっと悩む
カエデ「ふぅ〜…大変美味でござった♪」
モニカ「ありがとうございます…♪えへへ、よかった…♪」
いつも通りお昼ご飯を食べに白兎亭にやってきた俺たち。
グラズさんら数人の鍛治ギルドメンバーと見学に来ていたヤマトの二人。
そしてこの前と同じようにお昼前に鍛治ギルドに顔を出してくれたサフィールちゃんとシエルと一緒に来ました。
そして白兎亭でショコラちゃんとチェルシーとも合流して、これでいつメンはメリー以外みんな揃った。
刀鍛冶の人はグラズさんたちと同じテーブルで食べ、カエデさんは俺たちと食べた。
その結果、めちゃくちゃ気に入ってくれたようで、それを聞いたウサ耳天使モニカちゃんが、口元をお盆で隠し、しかしウサ耳をピコピコさせて隠しきれない喜びを表現することになった。
ふふふ…体は正直だな……♪
なんてなんか思いついたことを心の中で言ってみながら、喜ぶモニカちゃんの姿を見つめ癒される俺であった。
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今回は残念ながらお店の手伝いに残ることにしたモニカちゃん (本人も凄く残念そうにしてた)と別れ、鍛治ギルドに帰ってきた俺たち。
リオがリハビリに戻り、サフィールちゃんは昨日と同じく検診に周り、シエルは薬の勉強。
ショコラちゃん、パメラちゃん、チェルシー、そして俺は手分けして仕事を片付けていく。
刀鍛冶の人はまだまだ鍛治ギルドの人たちと話を弾ませているし、カエデさんはお土産に買って帰る武器の試し斬りに、グラズさんの案内で地下の練習場へと向かった。
なので今この事務室には俺たち5人しかいない。
つまり…
ショコラ「マグ〜、半分終わったからなでなでして〜♪」
パメラ「マグ、こっちの資料まとめ終わったよ。だから私も撫でて♪」
チェルシー「ふぇ〜…目がしょぼしょぼしてきたぁ……マギーちゃ〜ん、ちょっと甘えさせて〜……」
シエル「ふぅ……アタシもちょっと疲れてきたかも〜……(チラッ)それはそうと、誰かに応援されると頑張ろうってなるわよね〜(チラチラ)」
この子らが甘え放題ということですね。
いつも通り?
グラズさんとか他の人の目があるときは一応抑えめですよ?
えぇ、一応ね。
…確かそうだよ、うん。
まぁこの子らのやる気に繋がるというのなら断る理由も無し。
甘えられるのは悪い気分でもないし。
というわけで1人ずつ頭を撫でながらついでに褒めていく。
コウスケ「うん、お疲れショコラ。あと半分、一緒に頑張ろうね♪(なでなで)」
ショコラ「うん♪」
コウスケ「おかげで探す手間が省けそうだよ。ありがとうパメラ♪(なでなで)」
パメラ「どういたしまして〜♪」
コウスケ「チェルシー、大丈夫?ゆっくりでいいから、無理しないでね(なでなで)」
チェルシー「えへへ…うん♪ありがとうマギーちゃん♪」
コウスケ「シエル。お疲れ様。勉強頑張れるなんて偉いね♪(なでなで)」
シエル「ま、まぁ?このくらいは当然だからね♪」
マグ(いいなぁ〜……コウスケさんコウスケさん。私も何かお手伝い出来ることありませんか?)
みんなのことを甘やかしたら、マグが羨ましがるのもいつものこと。
なのであらかじめ考えておいたことを頼んでみる。
コウスケ(そうだなぁ…それじゃあ、少しだけ代わってくれる?俺もちょっと疲れちゃったから)
マグ(お任せください!バッチリお仕事進めときますね♪)
コウスケ(うん、お願い)
マグ(はい♪)
というわけでマグと交代してちょっと休憩。
マグと代わっただけなので体の疲れは取れないが、心を休めるだけでもだいぶ効率は変わってくるので、俺としてもマグが仕事をバリバリこなせるようになるのは嬉しいことだ。
もちろん報酬は今夜、夢の中でめいっぱい甘えさせてあげること。
…しかし…最近ちょっと問題がある……。
それは、俺のムラムラが解消出来ないことだ。
リオがウチに来てからというもの、朝は基本的にリオが先に起きているのでこっそりフルールさんにお願いすることも出来ない。
しかし、慣れてきたとはいえ可愛い女の子や綺麗な女性に囲まれて接触してを繰り返していれば否応にも溜まってしまうので、どこかで発散させなければ俺は犯罪者予備軍からガチの犯罪者にランクアップ…いや、ランクダウンしてしまう……。
どうにかリオより先に起きて処理するか……。
しかしそうなるとマグとの時間が短くなって、マグに不満や不信感を与えかねない……。
う〜ん……何か、マグにもリオにも上手いこと出来る手段はないものか……。
サフィール「ただいま戻りました〜」
チェルシー「あっ、サフィーちゃんおかえり〜♪」
なんて考えている間にサフィールちゃんが帰ってきた。
パメラ「お疲れさま〜。具合の悪い人はいなかった?」
サフィール「はい。これといったものはなく、皆さん今日も健康でした」
パメラ「そっか、よかったね」
サフィール「はい♪」
お〜、そりゃよかったよかった。
ショコラ「じゃあサフィールもマグに褒めてもらお〜!」
サフィール「ふぇ…」
パメラ「みんなもう褒めてもらって、お仕事頑張ろ〜♪ってなったところなんだよ〜♪」
サフィール「そうなんですね……」
あっ、仕事の気配がする……。
マグ(コウスケさんコウスケさん。今大丈夫ですか?)
やっぱり。
コウスケ(ん、大丈夫。代わろっか)
マグ(はい、お願いします)
マグと交代したところでサフィールちゃんがおずおずと俺に話しかけてくる。
も〜。
すでに何回もした仲なんだし〜って言うのは、真面目なサフィールちゃんには難しいかな。
まぁでも、こっちはいつでも全然OKだということは伝えとこう。
サフィール「えっと…マーガレットさん……わ、私も…いいですか……?」
コウスケ「うん、いいよ。おいで」
サフィール「はい…♪」
俺がこいこい、と手で促しながらそう言うと、サフィールちゃんは嬉しそうにこちらに寄ってくる。
頭を撫でるために帽子を外してもらうのだが、もしもを考えて扉から死角になるように俺が壁となる配置になるよう誘導してから撫で始めることに。
サフィールちゃんは帽子を取りお盆を持つように胸の前で両手で持つと、俺が撫でやすいようにと身をかがませて俺に頭を差し出してきた。
そんなサフィールちゃんの頭を撫でながら、褒め褒めタイム開始。
コウスケ「サフィールちゃん、お疲れ様。健康を気遣ってくれてありがとね♪」
サフィール「えへ…♪でも、それがお仕事ですから…」
コウスケ「だからこそ、より一層、ね♪そういうのをお仕事として当たり前にしてくれるっていうのも十分凄いしありがたいんだよ?」
サフィール「そ、そうですか……?」
コウスケ「うん♪だからありがとうなのさ♪いつもありがと、サフィールちゃん♪」
サフィール「はぅ……!ど、どういたしまして……///」
照れてる照れてる♪
可愛いねぇ♪
コウスケ「ふふふ♪サフィールちゃん。サフィールちゃんが真面目で律儀な子なのは知ってるけど、私のこれは趣味も兼ねてるから、遠慮せずにドンドコ甘えてくれて良いからね♪」
サフィール「あ、ありがとうございます……///で、でも…その……マーガレットさんにもお仕事とかありますし……私は空いてるときにちょこっとだけでも満足ですので……」
マグ(ウソです!)
心の中の探偵さんや。
急に大声を出すのはビビるからおやめなされ。
しかしその言葉は信じることにして、もう少し攻めてみる。
コウスケ「う〜ん……私としてはもっと甘えてもバチは当たらないと思うけどなぁ……いいんだよ?膝枕とかもしてあげるよ?」
サフィール「膝枕……」
コウスケ「マッサージとかもしてあげるし、あとは…あっ。お姫様抱っことかもしてあげるよ?私にされて嬉しいかどうかは分からないけど」
ショコラ「ショコラは嬉しいよ〜♪」
パメラ「モニカちゃんも大好きだよね〜♪」
コウスケ「あっそう?よかった〜」
サフィール「お、お姫様抱っこ……!」
コウスケ・マグ((おっ?))
なんとなく強く反応したような?
もうちょっと突っ込んでみよう。
コウスケ「そっ。お姫様抱っこ♪素の筋力じゃ無理だけど、魔力で強化すれば余裕なのはもう分かってるから、してほしければしてあげられるよ〜」
ショコラ「あっ、じゃあショコラもっかいしてほし〜♪」
ショコラちゃん……。
気に入ってくれたのは嬉しいんだけど、今はサフィールちゃんを勧誘 (誘惑)してるからちょっと待っててね……。
とはいえ答えてあげないのは酷なのでちゃんと返事をする。
コウスケ「うん、いいよ〜」
ショコラ「やった〜♪」
あ〜…可愛いから許す。
コウスケ「とまぁこのように、私はいつでもバッチコイだから、サフィールちゃんもしてほしいことがあったら言っていいからね。並大抵のことは喜んでやるよ?」
サフィール「…そ、そですか……(そわそわ)」
これはなかなか好感触っぽい。
ショコラちゃんのおねだりが結果的にナイスなアシストになったのかも。
あとでお礼にまた撫でてあげよう。
それにこの様子なら次のお泊まり会とかでサフィールちゃんもいっぱい甘えてくれるかも。
さすがにここでお姫様抱っこは無理だから、とりあえずそれだけは伝えておいて、代わりに他の甘やかし方で労ってあげよう。
コウスケ「ここじゃあいつ誰が来るか分からないから、お姫様抱っこはまた今度ウチに来たときにでもね。今は代わりにめいっぱい褒め褒めしてあげましょう」
サフィール「へっ?そ、それはその…ありがたいのですが、これ以上はちょっと耐えられるか分からないと言いますか、もうちょっと…少しずつ、少しず〜つで…」
なるほどなるほど。
確かに、何事も少しずつ慣れていくのが大事だもんね。うんうん、わかるわかる。
でも俺今めちゃくちゃ甘やかしたい気分なんだよな〜。
どうせ夜にマグをだだ甘やかすんだけど、それはそれ、これはこれなのよ。
当たり前だけど、マグとサフィールちゃんや他のみんなはそれぞれ別人なんだからさ。
で、今はこのしっかり者のロリ巨乳シスターを甘やかしたい気分なのだ。
コウスケ「サフィールちゃん」
サフィール「は、はい……」
コウスケ「ここ、来る?」
そう言って俺は自分の太ももを叩く。
サフィール「ふぇ…あ、あのあの……///」
コウスケ「ん〜?」
サフィール「そ、その…やっぱり恥ずかしいです……!」
この前は嬉々として座ってくれたじゃん……。
しかし本人がそう言うなら無理強いはしない。
コウスケ「ん〜…そっかぁ……」
サフィール「そ、それに……」
コウスケ「ん?」
まだ何か理由が?
そう思う俺の耳に顔を近づけたサフィールちゃんは、コショコショっともうひとつの理由を話してくれた。
サフィール「その…え、えっちな気分になっちゃいますから……」
コウスケ・マグ「(…………)」
その理由にたっぷりフリーズした俺。
そして脳が意味を理解したと同時に、体がえらい熱くなっていくのを感じる。
多分今俺顔真っ赤っか。
だがしかし、言葉の真実は確認しておかなければ。
コウスケ「え、えっと……そ、それはつまり……サ、サフィールちゃんは…その……」
サフィール「…?……っ!!(ボッ)」
俺の質問にちょっと考えて、そして一気に真っ赤になるサフィールちゃん。
あ、あれ……?
そういう意味じゃなかったの……?
いやでもあれはさすがに間違えようがないし……。
サフィール「あああえっとですね、そそそそれはわわ私ではなくてマーガレットさんがその、そういう気分になっちゃうな〜って思ってると言いますか、この前もそんな感じがしてたからもしかしたらな〜って思ったと言いますか……///」
サフィールちゃんじゃなくて俺のことだったぁぁ!
コウスケ「そ、それはまぁえっと…んっと……お気遣いありがとうございます……///」
サフィール「い、いえ…その……ど、どういたしまして……///」
お互いに真っ赤な顔を俯かせ黙りこくってしまう。
うわぁ…そうかぁ……。
俺かぁ……。
やっぱあのときサフィールちゃん気づいてたのかぁ……。
ん…?待てよ……?
コウスケ「あれ?それならなんでそのあと座ったの?」
サフィール「っ!え、えっと……あのときは…その……みんながしてるのに、私だけ…って考えちゃって……それは…やだなぁ…って思って……それで……甘えちゃおうかなぁ…と……」
そ、それはつまり……。
みんなのことが羨ましかった…ひいては、俺に甘やかされたいって思ってくれたということ……?
そ、そうか〜……そうなのか〜……///
う〜む……いかんなぁ……。
もっと甘やかしてあげたくなってきたぞ……。
コウスケ「…って、もしかして今日ずっと遠慮してたのって、それが原因…ってこと……?」
サフィール「……(もじもじ)」
そうらしい。
つまり俺のせいじゃん。
ナンテコッタ。
しかしそうと分かったら、お詫びも兼ねて余計に甘やかしたくなってきた……。
まずいなぁ……。
そんなことしたら自分を苦しめるだけなのになぁ……。
発散出来ないのに自分から溜め込むようなことしてたら世話ないよなぁ……。
それは分かってんだけどなぁ……。
あ〜……うん、ダメだ。
コウスケ「サフィールちゃん、大丈夫。おいで」
サフィール「えと……い、いいんですか……?」
コウスケ「うん。もう甘やかしたい欲が強すぎて今さらやめられない止まらない」
サフィール「ほ、ほんとに大丈夫なんですか……?」
パメラ「あんまり大丈夫じゃなさそう……」
シエル「というか、なにをコソコソ喋ってたのかしら……?」
チェルシー「ね〜」
それは企業秘密です少女たち……って、おや?
ショコラ「……(そわそわ)」
ショコラちゃんがなんかそわそわしてるぞ?
もしかして…聞こえちゃった?
ショコラちゃん耳いいからなぁ……。
この距離だしなぁ……。
モニカちゃんもいたら、多分ふたり一緒にそわそわしてたかもなぁ……。
モニカちゃんはもじもじもするだろうなぁ……。
気まずいだろうなぁ……。
ガチャッ
コウスケ・マグ・サフィール「(「っ!」)」
なんて考えているときに突然扉が開く音がして、俺は慌ててサフィールちゃんの頭から手を離し、サフィールちゃんは素早く帽子を被り直した。
リオ「マーガレット〜……」
コウスケ「リオかぁ…びっくりした〜……」
入ってきたのはリオ1人で、俺たちはちょっとホッとした。
リオはそんな俺たちに構わず、ふらふらとこっちに寄ってきてポスッと俺にもたれかかってきた。
とりあえずそんなリオを優しく抱いて頭を撫でつつ、何があったか聞いてみる。
コウスケ「…どしたの?」
リオ「…うまくいかなかった……」
コウスケ「ありゃ、そうなの?」
リオ「うん……」
おぉぅ……完全に甘えんぼモードに入ってるな……。
これは言葉に気をつけなければ……。
コウスケ「ん〜…今日は何をやったの?」
確か午前中は、この前持つことのできた鍛治道具で鍛治仕事をして、ブランクがあったこと以外割と問題なく仕事が出来たってはしゃいでたよなぁ……。
リオ「他のことは出来たから、ちょっと試しに金槌を持とうと思ったんだけど、やっぱりダメで……そしたらなんか、どうしたらいいかわかんなくなっちゃって…それで……」
コウスケ「私のところに来たわけだ」
俺の言葉にリオはこくんと素直に頷く。
なるほど。
午前に成果が出た分、午後に成果を上げられなくて落ち込んでるのか。
でも、大丈夫。
成果なら十分あるよ。
コウスケ「そっか。でも、また一歩進んでるじゃん」
マグ(えっ?)
リオ「えっ……?」
顔を上げて不安げに俺を見つめるリオに、俺は微笑みかけてふんわりとした口調で続きを話す。
コウスケ「だってリオ。いけると思ったんでしょ?」
リオ「うん……でも、ダメだったから……」
コウスケ「結果はね。でもリオは、いけるって思った。やらなくちゃ、じゃなくて、今ならいけそうって思った。それが成長だよ」
リオ「…?」
コウスケ「リオは、やらなくちゃ…って仕方なくやるんじゃなくて、今ならいける!って自分から行った。今までやだなぁ…怖いなぁ…って言ってたものに、自分から進んで挑めるようになった。それって成長してるってことでしょ?」
リオ「…!」
マグ(なるほど……)
ん…分かったっぽいね。
んじゃああとはいつも通り。
コウスケ「ん。だからリオは今日もまた一歩進んだのです。凄いよリオ。こんな毎日毎日順調に行くなんて滅多にないよ?」
リオ「そ、そうなのか……?」
コウスケ「うん♪」
多分。
リオ「…でも…結局金槌は握れなかったし、明日からはまた止まっちゃうかも……」
コウスケ「う〜ん……それはまぁ…ねぇ……」
リオの怪我の原因だし、そう簡単に払拭出来るもんじゃないのは分かってる。
とはいえ、このままだとリオの言う通りすぐにそこで引っかかってまた自信をなくしちゃう…なんてこともあり得ちゃうから、どうにか……う〜ん……。
コウスケ「自分から積極的に挑めるようになったんだし、何かきっかけがあればもしかしたらもしかするかもなんだけどなぁ……」
リオ「…きっかけ…か……」
う〜ん……とふたりして考え込む。
いや、周りをチラッと見たら、他の子たちも一様に考え込んでくれていた。
ほんまええ子たちやで……。
リオ「あっ」
と、そこでリオが何かに気づいた。
コウスケ「どしたの?もしかして何か出てきた?」
リオ「あ〜、いや…関係ない…のかは分かんないけど、そういやまだグラズさんたち帰ってきてないんだなって思って……」
コウスケ・マグ「(あ〜)」
サフィール「そういえば遅いですね」
シエル「あれ?サフィールはみんなの検診に行ったんでしょ?そのときはどうしたの?」
サフィール「私が様子を見たときはまだ何か話し込んでいて……作業をしていた方や作業に戻った方の検診だけを済ませて、グラズさんが帰ってきたらまた改めて行こうかなと」
シエル「あぁそうね。それがいいわね。現にこうして待ってるわけだし」
チェルシー「お話が終わるまで部屋の前で待ってたら大変だったね〜」
サフィール「そうですね。危ないところでした」
うん。
それはサフィールちゃん戻ってきて正解だったな。
ナイス判断…と頷いていると、パメラちゃんが少し棒読みな感じでこんなことを言った。
パメラ「あ〜…そういえば、カエデさんも戻ってこないね〜」
コウスケ「ん…そうだねぇ。熱が入っちゃってんのかな?」
パメラ「そうかもね〜。ん〜…サフィール、地下は行ったんだっけ?」
サフィール「はい。カエデさんもずっと武器を振り続けていたので、お水も用意して検診を済ませてきました。そこで作業をしていた鍛治ギルドの皆さんの検診も一緒に済ませました」
パメラ「そ、そっかぁ〜……ん〜……」
サフィール「?」
サフィールちゃんの返答に言葉を詰まらすパメラちゃん。
コウスケ(どうしたんだろう?)
マグ(ん〜……何か話したいことがあって、どうにかふたりきりになろうとしてる…のかも?)
コウスケ(えっ)
マグの推理に驚くも、確かにしっくりくる。
ん〜…それじゃあ……
コウスケ「あ〜…そういえばちょっと大人の意見が欲しい資料があるんだった。私ちょっとグラズたちの様子を見てくるけど、誰か一緒に来る?」
咄嗟に言ったのでなかなかツッコミどころがある内容になってしまった。
普通にめっちゃ怪しい。
しかしパメラちゃんは意図を汲み取ってくれたようだ。
パメラ「あっじゃあ…ショコラ。行って来なよ!」
ショコラ「あっ…う、うん!」
コウスケ・マグ((あれ?))
てっきりパメラちゃんが来るのかと思ったが……。
マグ(ショコラに譲ったってことは、パメラはショコラのことを心配して代わりにきっかけを作ろうとしてたってことですね)
コウスケ(ええ子やんなほんともう……!)
お兄さん感動ですよ。
この友情に報いるために、俺も頑張ってショコラちゃんのお悩みを解決するぞ!
まぁショコラちゃんの場合、多分さっきのあの件だと思うけど!
コウスケ「んじゃあ行こっか、ショコラ」
ショコラ「うん!」
みんな『いってらっしゃ〜い』
というわけでショコラちゃんとふたりで事務室から出る俺。
パメラちゃんだけじゃなくて他のみんなも送り出してくれたってことは…まぁ…バレてるな、うん。
それを理解した上で送り出してくれる……。
ほんと良い子たちだよ……。
こんな良い子たちとマグと偽ってお風呂入ったとかくっついて寝たとか考えただけで罪悪感で唐突に死にそう。
考えすぎると気持ちが沈みすぎてショコラちゃんのお悩みどころではなくなるので、さっさと人気のないところを探してショコラちゃんとふたりきりになる。
コウスケ「それで、どうしたの?」
ショコラ「…えっとね……?サフィールとのお話…聞こえちゃって……」
あぁ、やっぱり……。
ってことは、なんでエッチな気分になったの?とか、友だちでもエッチな気分になるものなの?とかかなぁ……?
なんて予想を立て、ショコラちゃんの続きの言葉を待つ。
ショコラ「それでね?その……マグは……」
コウスケ「うん」
ショコラ「…ショコラでも…えっちな気分になる……?」
コウスケ・マグ「(…………)」
予想のだいぶ斜め上のことを聞かれた俺は、少しばかりフリーズすることになった。
かんざしやくしを買ったのに、マグをお団子ヘアーにしてテンションの上がるコウスケの描写を書き忘れたのは、コウスケがお団子ヘアーにするのを忘れたからです。
決して作者が忘れていたわけではありませんよ、えぇ。
……。
………。
…………はい…すみませんでした……。
小説内での次の日にマグをお団子ヘアーにする描写をぶちこみます。
狂喜乱舞(言い過ぎ)するコウスケをお楽しみに。
それではまた来週お会いしましょう。
ではでは。




