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異世界で少女とまったりするために頑張る  作者: レモン彗星
第3章…鍛治コンテスト
248/435

245.少女を甘やかし…前世の闇を思い知る

コウスケ・ユーリ「「ただいま戻りました〜」」

リオ「お、お邪魔します……」


今日の仕事が終わり、俺たちは一度冒険者ギルドへ向かい、メイカさんたちと合流してからそれぞれ自分の家に帰った。


メイカさんにはショコラちゃんとパメラちゃんを。

ディッグさんにはシエルを。

ケランさんにはサフィールちゃんを送ってもらい、俺とリオとモニカちゃんはユーリさんと一緒に帰ることに。

そしてモニカちゃんとはお店の前で別れ、俺たちも無事に寮に帰ったというわけだ。


やっぱり保護者同伴じゃないと外を歩けないのはめんどくさいなぁ……。

でも何かあってからじゃ遅いし…仕方ないよなぁ……。


いや、これはあれだ。

ここまで被害が出てないことに余裕を持ったから生まれる油断というやつだ。

逆に気を引き締め直さなければ。


なんて気を引き締めてるところに、トテトテと可愛らしい足音が聞こえてきて、その音の主が扉を開けて顔を出した。


メリー「……おかえり♪」

コウスケ「ただいま、メリー」

ユーリ「ただいまメリーちゃん♪元気してた?」

メリー「……うん(こくり)。リオもおかえり」

リオ「あぁ……えっと…た、ただいま……?」

メリー「……ん♪」


メリーさん、大満足。


そんなメリーとリビングへ入る。


フルール「おかえりなさい。お風呂はもう沸いてるわよ」

コウスケ「ただいまです、フルールさん。でもお風呂はメイカさんが帰ってきてからにします」

フルール「そうね。メイカはすぐぐずるからね。じゃあ手洗いうがいだけ済ませちゃって」

コウスケ・ユーリ「「は〜い」」

フルール「リオ。あなたのコップも洗って向こうに置いてあるから、一緒に行っちゃっていいわよ」

リオ「あ、ありがとうございます」

フルール「それとリオ」

リオ「?」

フルール「おかえり」

リオ「っ!…た、ただいまです……」


う〜ん……。


マグ(やっぱり自分のお家って感じではないんでしょうねぇ)

コウスケ(当然っちゃ当然だけどねぇ)


それでもメリーとフルールさんは自分の家みたいに思っていいからねという思いを込めて、名指しでおかえりと言ったんだろうねぇ。


プレッシャー、感じるかもねぇ。

あとでリオとお話しとこう。


それはさておき、メイカさんたちが帰ってくる間はフルールさんの手伝いをして待ってようか…


クイクイ


コウスケ「ん?」

メリー「……今日もみんなと会ったんでしょ?わたしとも遊んで」

コウスケ「あぁ、じゃあ遊ぼっか」

メリー「……ん♪リオも」

リオ「オレも?」

メリー「……(こくこく)」

リオ「えっと……」


チラッとフルールさんを見るリオ。

それに気付いたフルールさんは軽く頷いて許しを出した。


フルール「いいわよ。私とユーリだけでも十分間に合うし、メリーと遊んでくれるのも私は嬉しいわ」

リオ「えっと…そういうことなら、お言葉に甘えて……」

メリー「……♪」


リオの答えにまた満足げなメリーは、俺とリオの手を握った。


それに俺たちは顔を合わせる。

そしてどちらともなく笑うと、手を繋いだまま広間の方へ行き、メイカさんたちが帰ってくる少しの間、ゆっくりと楽しい時間を過ごした。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


メイカさんが先に帰ってきたので一緒にお風呂を済ませ、そのあと帰ってきたディッグさんにバトンタッチ。

ケランさんはそのすぐ後に帰ってきたので、そのままお風呂に直行。


どうやらケランさんは職員やちょうどその場に居合わせた冒険者たちと少し話してきたようだ。


ケランさんたちの冒険者チーム、《イシオン》は割と有名らしいし、ケランさんはその中のヒーラーの役割を持ってるから、医療ギルドの人たちも関心があったようだ。


サフィールちゃんにも治癒魔法のことを聞かれたそうで、説明に結構熱が入ってしまったようだが、サフィールちゃんも熱心に聞いてくれていたからよかった、と、食事の席で話していた。


うんうん、サフィールちゃんは勉強熱心だなぁ。

メイカさんは知り合いの多いところなので言わずもがなとして、ディッグさんもシエルと打ち解けられてるそうだし、みんなが仲良くなっているようでとても嬉しく感じる。


会う頻度が割と高めだからかな。

なんにせよいいことだ。


そんなこんな楽しい食事も終わり、みんなでまったりお話したり遊んだりしているうちにもうそろそろ寝る時間となったので、部屋へと戻ってきました。


リオ「な、なぁ……ほんとに一緒に寝るのか……?」


リオと一緒に。

もちろんメリーも一緒です。

でもさすがにベッドが狭いのでユーリさんには我慢してもらいました。


で、ほんとに一緒に寝るのかってことなんだけど……


コウスケ「…1人で寝れる?」

リオ「うっ…う〜ん……それは……」


でしょ?

まぁでも気恥ずかしい気持ちも分かるっちゃわかる。

…俺はもう慣れちゃったけどな。


まぁそれはさておき、リオが一緒に寝ることへの大義名分を得られるように手回しをしてあげよう。


コウスケ「それにほら。夜中にお手洗い行くときとか心細いからさ。ね?お願い、リオ」

リオ「うっ……た、確かに……あ、あぁいや、うん、わかった。そういうことなら仕方ないな。うん」

コウスケ「ありがと♪」


これでよしっと。


と、思ったがそこはさすがリオ。

勘づいてはいるようで、難しい顔でボソッと呟いた。


リオ「…う〜ん……やっぱりバレてる…よなぁ……」

メリー「……わたしも1人はイヤだから、リオがいるのは嬉しいよ♪」

リオ「えっ、そ、そうか?」

メリー「……(こくり)」

リオ「…よ、よし!メリーもオレを頼ってくれていいからな!」

メリー「……ありがと♪」


ナイスメリー。


が、ここでもリオは冷静に考え…


リオ「……まさかメリーにもバレてるのか……?」


なんて呟いた。


マグ(…これ、みんなもう知ってるって知ったらどうなりますかね?)

コウスケ(恥ずかしさで引きこもりそう)

マグ(あ〜……言わないでおきましょ)

コウスケ(うん、それがいい)


今はデリケートな時期だからね。

まぁデリケートな時期でなくても普通に恥ずかしいだろうけどね。


さてと…とりあえずこれで落ち着いたかな?


コウスケ「2人とも、先にお手洗いとか済ませちゃって〜」

リオ「えっ、あぁ…いいのか?」

メリー「……マグ、隠れて日記書くつもり」

リオ「日記?」


あっこら、メリー。

バラすんじゃないの。


コウスケ「…こっちに来てから毎日つけてるんだよ……いろいろありすぎて記憶力が持たないからさ」

リオ「あぁ、なるほど。何かに留めとけば確かに覚えやすいもんな」

コウスケ「そゆこと。でもさすがに恥ずかしいから見ちゃダメだよ?」

メリー「……そう言ってわたしにも見せてくれないの。マグしか見られないの」


ん?

これ()に向けて言ってるな?

まぁ言葉的にリオにはバレないだろうけどさ。


リオ「そりゃあプライベートなことだからなぁ。メリーだってマーガレット(こいつ)や他のみんなにバレると恥ずかしいこととかあるだろ?」

メリー「……う〜ん……?」

リオ「マジか」


マグ(ピンときてない……!?)

コウスケ(メリーに隠し事はないということか……)


なんて子でしょう。

この子現代の地球(ウチの世界)来たら生きづらいだろうなぁ……。


メリー「……あっ……」

コウスケ・マグ・リオ「(「おっ?」)」


何か思い当たったかな?


メリー「……」

コウスケ・マグ「(?)」


そしてこっちをジッと見つめてきたぞ……?


メリー「……っ!(ボッ)」

コウスケ・マグ・リオ「(「ふぁっ!?」)」


そしてなんか急に赤くなったんじゃが!?


マグ(あっ!コ、コウスケさん!多分メリーがコウスケさんのことを好きなことですよ!)

コウスケ(えっ!?…あっそっか!メリーが寝てる間にいろいろ話進んでたから、本人はまだ知らないのか!)

マグ(ですです!)


なんてこったい!

めっちゃ罪悪感湧いてきた!

ごめんね答えまだ出てなくて!


メリー「あぅあぅ……!」

リオ「メ、メリー?どうしたんだ……?」

メリー「……リオ!おトイレ!はみがき!行こっ!」

リオ「えっ…ちょ…待て待て、そんな引っ張るなって……!」


メリーは羞恥心を隠すためにリオを無理やり連れて部屋内にある個室洗面所へ向かっていった。


…うん、今のうちに日記書いちゃお。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


各自諸々を済ませていよいよ就寝。

位置取りは真ん中にリオを置いてその左右に俺とメリーという川の字並び。


リオ「いや、なんでオレ真ん中?マーガレット(部屋主)じゃなくて?」

コウスケ「えっ?なんで端行けると思ったの?」

メリー「……リオは真ん中でしょ?」

リオ「えっ?オレがおかしいの?」


コウスケ(おかしいね〜)

マグ(おかしいですね〜)


まぁそれはさておき。


コウスケ「それよりリオ、寝心地はどう?リオん家のベッドとは違う感じ?」

リオ「えっ…あ〜……いや、大丈夫かな。結構ウチのと近い感じがする」

コウスケ「へぇ…じゃあ寝られそう?」

リオ「あぁ、ぐっすりいけそうだ」

コウスケ「そっか、よかった」


枕は持ち込んでるけど、さすがにベッドは持ち込めないからな。

布団じゃないと寝られないとかもあるし、割と気を使う問題だぜぃ。


修学旅行とかってそういう子にとっては地獄だよな。


まぁ学校ってそういうもんだからなぁ。

教育委員会とかも、入学式とか卒業式になんかいて、なんか話し出して式の時間を伸ばしてくる迷惑な人たちとしか思ってないしなぁ。(個人の意見です)


メリー「…んふ〜♪リオあったかい♪」

リオ「そうか?メリーも結構あったかいぞ」

メリー「……♪」


俺がいらんことを考えている間に、なんかてぇてぇことし始めた2人。


でもね。

非常に言いにくいんだけどね?


そろそろ暑くない?


いや、昨日めっちゃ固まって寝たときからうっすらと思ってたんだけど、みんなで固まって布団被って寝るの、暑くない?


いま5月やで?

まだまだ微妙な気温だけど、さすがに塊になって寝るのは暑いと思うのよ。


どうなん?そこんとこ。


メリー「……マグもくっつこ♪」

リオ「あ〜…マーガレットもどうだ?」

コウスケ「じゃあお言葉に甘えて」


俺の疑問はあっさり取っ払われた。


だってほら、こんな可愛らしい提案を突っぱねられないじゃん?

そのためならちょっと暑いのなんていくらでも我慢できますよ、えぇ。


俺はリオの腕を優しめに抱きしめ彼女に密着する。


リオ「……///」


さすがに恥ずかしそうなリオだが、もうこれ以上のことは無いし、あとはゆっくりお話でもしながら眠りにつくだけだから問題ないだろう。


メリー「……リオ。今日はおしごとどうだった?」

リオ「ん…あぁ…そうだなぁ……ちょっとだけ前に進めたって感じかな」

メリー「…おぉ…いいこと♪」

リオ「あぁ。まぁほんとに少しだけなんだけどな」


昼間に俺に褒めてもらいにダッシュしてきた子と同じ子の発言とは思えませんね。

あなたサフィールちゃんに体当たりかましかけるほど大喜びしてましたのにね。


反省したのかな?偉いね君は。

撫でてあげよう。


リオ「ん…えっと…?ど、どうしたんだ急に……?」

コウスケ「リオ偉いな〜って」

リオ「えっ」

メリー「……えらい、すごい♪(なでなで)」

リオ「メ、メリーまでぇ……」


両隣から撫でられるリオは若干夢心地。

これこのまま続けたら寝るんじゃないか?

リオは元々早めに寝るタイプっぽいし。


リオ「んぅ……まてまて…さすがに寝るときまで撫でられ続けるのはちょっと……」

メリー「……気持ちよさそうなのに?」

リオ「うっ……」

コウスケ「せっかくだからもうちょっとお話したいんじゃないかな?」

メリー「……そっか。じゃあお話しよ♪」

リオ「おぉ〜……」


もう寝そうだわこの子。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


リオ「すぅ……すぅ……」

メリー「……寝ちゃった」

コウスケ「ぐっすりだね〜」


案の定眠りについたリオを挟み、俺とメリーは小声で話をする。


あぁそうだ。

ちょっと聞きたいことがあるんだ。


コウスケ「ねぇメリー」

メリー「……?なぁに?」

コウスケ「メリーとフルールさん、リオにただいま〜って言ってほしいように感じたんだけど、どう?」

メリー「……うん。リオも一緒に暮らすなら家族だから」

コウスケ「そっか」


やっぱりね。


メリー「……わたしは、みんなと家族なの、嬉しいから。だからリオにも、嬉しくなってほしいなって。ママにもお願いしたの」

コウスケ「あぁ、なるほど」

マグ(わかります。私もみんなと過ごすの楽しいですから)


うん、その気持ちは嬉しいね。


と、そこで何かを察したメリーが控えめに俺に尋ねてきた。


メリー「……ダメだった?」

コウスケ「ん〜……考えは素敵だけど、ちょっと押しが強い感じがしたかなぁ」

メリー「……そっか……」


シュンとしちゃったメリー。

それに反応したのはマグだ。


マグ(ダメなんですか?)

コウスケ(うん。いくら知った仲とはいえ、あんまりやると強要してるみたいで落ち着かないよ)

マグ(そうなんだぁ……)


マグにも説明が済んだところで、俺は2人に言い聞かせるために声に出して言う。


コウスケ「だからまぁ、焦らずゆっくりと、ね。俺もリオと家族みたいになれたら嬉しいことに変わりはないからさ」

メリー「……うん、わかった♪」

コウスケ「ん、いい子」

メリー「……♪」


リオを超えてメリーの頭を撫でると、彼女は嬉しそうにこれを受け入れてくれた。


うん、可愛い。

そして……うん……。


コウスケ「メリー」

メリー「…んぅ?」

コウスケ「…いつもありがとね」

メリー「……?」

コウスケ「ん〜…なんだろねぇ……メリーといると癒されるからさ。だからありがとね」

メリー「…………」

コウスケ「?メリー?」

メリー「…………ぴぃ……///」

コウスケ「???」


メリーが赤くなってリオの影に隠れてしまった。


マグ(あ〜、ダメですよコウスケさん。そんな不意打ち、メリーにはまだ耐えられませんよ?)

コウスケ(えっ?いやぁ…なんか、言いたくなっちゃって……)

マグ(も〜。コウスケさんはいつも突然思いつくんですからぁ……私だって急に言われたらなんてビックリして慌てちゃうんですからね?)

コウスケ(そ、そうなのかー……)

マグ(コウスケさん?)

コウスケ(ご、ごめんなさい……)


って、なんで謝ってんだ俺?


しかし……まぁそうかぁ……。

好き…らしい俺に急に「君といると楽しい」的なことを言われたからオーバーヒートしたってことかぁ……。


確かに急に言われたら俺もテンパるなぁ……。

でも唐突に思っちゃったからなぁ……。


コウスケ「にゃはは…ごめんねメリー。つい、ね……うん、おやすみ、メリー」


未だ顔を見せてくれないメリーに謝りつつ、俺はおやすみの挨拶をして眠ることにする。


う〜ん……失敗したかなぁ……。


と、そこでゴソゴソと動く音がして…


メリー「……わたしも…いつも楽しい…から……ありがとう……おやすみ……///」


なんて声が聞こえ、すぐにモゾモゾっと布団に潜る音がした。


コウスケ「…………あ〜……」


なるほど……不意打ちはキツいわ。

ニヤニヤが止められん。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


マグ「コウスケさんのこういうところがこうこうこうで大好きで、コウスケさんのああいうところもあーでこーでキュンキュンして…」


夢の中で出会ったマグさん。

現在、座ってる俺の目の前にペタンと座って、昼間に自分がやって自爆したことを俺にもやってます。

俺が参加してなかったのと、あのときマグを見捨てたことへの仕返しだそうです。

ほぼ八つ当たりです。


でもこれ全部本心だというんだから驚きだよね。

そしてだからこそめちゃくちゃ小っ恥ずかしいわけで。


しかもこれ、マグと会って開口一番に「昼間のこと、コウスケさんにもしてあげます!」って言ってずっとやってます。

時間は分かりませんがだいぶ長いです。

そろそろ心が保ちません。


まぁ割と最初の方から保ってないんですけどね。


コウスケ「マ、マグぅ……もういいよぉ……!」

マグ「まだまだですよコウスケさん♪でもそういう恥ずかしがり屋なところも可愛くて好きですよ♡」

コウスケ「ぐふっ……!」


これ…何言っても褒めて返されるんじゃないか……?


あ〜もうあれだ……。

諦めよう、もう。


わ〜、ニッコニコのマグ可愛い〜。


マグ「むむっ!…むふ〜♪そうやって心を無にして逃げようとするところもさすがですね〜♪」


バレテーラ。


ええいこうなったら…


マグ「♪〜(ニコニコ)」


こうなったら……マグのことも褒め返して反撃を…


マグ「ふふ〜んふ〜ん♪(じ〜)」


反撃を……


マグ「…ふふふ♡」


……これもバレてるな。

絶対バレてるな。


え〜っと、じゃあ〜…えっと……


マグ「はい、時間切れで〜す♪」

コウスケ「うおっ!?」


ぴょいんっと俺に飛び付いてきたマグを咄嗟に抱き止める。


って、時間切れ?


マグ「はぷっ♡」

コウスケ「んっ…!」


マグはおもむろにキスをしてきた。

しかも俺の頭に手を回して逃げられないように、さらに下を絡ませる大人顔負けの濃いやつを。


マグ「ぷぁ…♡んふっ♡ねぇ…あなた♡」

コウスケ「っ!!」


ここでそれも追加は反則だろぉぅ!?


マグ「ん〜、夫?旦那様?う〜ん、やっぱりあなたかなぁ?」


しかも呼び方で悩み始めた!

完っ全に主導権取られてる……どうにか奪い取らなければ…


マグ「あっ!パパ、とかどうですか?」

コウスケ「パッ!?」


パパァ!?


マグ「あっ、良い反応♪ねぇ〜、パ〜パ♡」


俺の反応を見て有効と思ったマグが、俺にしなだれかかりながら上目遣いで言ってくる。


コウスケ「マグさんそれ別の意味で危ないからやめてマジで!」

マグ「え〜?なんでですかぁ?」

コウスケ「ひえっ…そ、それはぁ……」

マグ「?」


援交…って言っても分からんだろうなぁ……。

そしてそれを説明するとなると……うん……やばそう……。


マグ「子どもがいる家とかは、パパ、ママって子どもに合わせて呼び合ってることもありますし、確かに私たちにはまだ子どもはいませんけど、呼ぶくらいなら普通じゃないですか?」

コウスケ「え〜と…それはそうなんだけどぉ……」


マグの言ってることにおかしなことはない。

おかしいのはその言葉で別の意味しかもイケナイやつに取れちゃうような事が起きてるウチの世界です。

闇深いってレベルじゃねーぞ。


それよりも今はマグになんて言うかを考えねば……。


コウスケ「え〜っとねぇ……俺のいた世界だと、父親以外の男性…というか、ある程度の年齢以上の自分の父親以外の男の人にパパって呼ぶのはそのぉ……」

マグ「…イケナイこと?」

コウスケ「うん、まぁ、そう……うん……」

マグ「え〜っと……どうしてですか?あっ、結婚してない方に言うのは失礼に当たるからですか?」

コウスケ「え〜っと…まぁそういうのもあるかなぁ……?」


モラハラ?マリハラ?だっけ?

あれ?またちょっと違うかな?


いやまぁそんなことは今はいいんだよ。


コウスケ「そうじゃなくて…そのぉ……ある程度の…そう、ユーリさんぐらいの年齢の女の子がそういうことをしてお金を得る仕事…というかなんというか…そんな感じのやつがあって……」

マグ「?えっ…と……?つまり、若い女の人が、ある程度年上の方をパパと呼んでお金をもらえる仕事みたいなものがある…と……?」

コウスケ「そう…いうこと…ですね…はい……」

マグ「……えっ、パパって呼んだだけで?そんなことに?」


うん、マグの反応は正しいと思う。

正しいんだけど……その純粋さがかなり心に刺さる。


ウチの世界の人は大体知ってると思うから。

割とニュースとかにもなってるからね。


……ウチの世界相当やばいな……。


マグ「え〜っと……コウスケさんはそれを思い出したと……?」

コウスケ「うん……」

マグ「でも…その……あまり嫌がっているようには思えなかったのですが……」

コウスケ「え〜っと…それは……」


イケナイことを想像したから…ってのはまぁ…間違っちゃない。

チラッとだけよ?チラッとほんのちょっとだけね?


でもやっぱり……


コウスケ「マグだから、だろうなぁ……」

マグ「ふぇ?私ですか?」

コウスケ「子ども出来たらこう呼ばれるのかなぁ…って思ったら…ちょっと……うん……」


ニヤニヤが止まらないというか、マグを直視できないというか……。


マグ「……へぇ〜?(ニヤリ)」


あっ、やっべ。


マグ「私だから…ですかぁ〜……そうですか〜……♪んふっ♪んふふふふ〜♡(すりすり)」


マグがニヤニヤしながら俺の胸に頬を擦り合わせてくる。


これはあれですね。

またスイッチ入っちゃいましたね。


マグ「今日もいっぱい、愛し合いましょう?パ・パ♡」


援交が無くならない理由を垣間見た気がした。

おかしいなぁ。

夫婦ごっこするはずだったのに、何故か援交ごっこみたいになってしまった……。

世界の闇が深いのがいけないんだ。俺は悪くねぇ。


そんなわけでまた来週ですよ。

ではでは〜

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