244.事務室で甘やかし大会開催…事案発生秒読みヤババ
お昼を済ませた俺たちは再び鍛治ギルドに戻ってきた。
リオ「で……なんでみんないるんだよ!?」
サフィール「リオさんの健康状態の確認のためです♪」
パメラ「マグに書類を届けるためで〜す♪」
ショコラ「その付き添いで〜す♪」
シエル「ま、魔法付与の練習…とか……?」
モニカ「え〜っと……し、新作お料理のヒント集め……?」
他のみんなを引き連れて。
なお、ララさんとグリムさんは俺たちを鍛治ギルドに送り届けた後に帰っていった。
後半になるにつれ、厳しくなっていく言い訳にため息を吐くリオは置いといて、俺とチェルシーはショコラちゃんとパメラちゃんから書類を受け取る。
ショコラ「はい、マグ♪」
コウスケ「ありがと、ショコラ」
パメラ「はい、チェルシー♪」
チェルシー「ありがと〜、パメラちゃ〜ん♪」
リオ「1枚ずつじゃん!」
しかもララさんとリンゼさんからのただの伝言というね。
さっきララさんとは直接会ってたんだから、そのときに言えば終わるのを、わざわざこうして書類扱いで持たせてリオに会う口実にしてくれたんだね。
ありがたいけど、初日でこのゴリ押し具合だと、2日か3日したらなんの理由もなしに派遣されてきそうだね。
下手したら明日かもね。
リオ「まったく……」
チェルシー「あはは♪みんなリオちゃんと一緒にいたいんだよ♪」
リオ「それは……まぁ…わかるけどさ……///」
みんなに心配されて、情けないやら嬉しいやら…って感じのリオ。
それはそうとチェルシー。
せっかくみんな適当な理由付けて来たんだから、たとえバレバレでもバラさないであげて。
マジで明日からみんな口実無しで来そう……って、そういえば明日は休みだった。
じゃあシンプルにみんなで遊ぶために集まるな。
うん。なんにも変わんねぇ。
リオ「あ〜まぁともかく!オレはまた籠るから。何かあったら呼んでくれよ」
シエル「えぇ、わかったわ」
モニカ「頑張って…って、えっと、もう頑張ってるから…えっと、えっと……!」
リオ「…くすっ♪大丈夫、頑張るよ。あんがとな♪」
モニカ「はぅ……えへへ…♪うん、がんばってね♪」
リオ「おう♪」
マグ(リオ、だいぶ元気になりましたね♪)
コウスケ(あぁ。もうあとは落ち込んでるときにしっかりケアしてあげるぐらいかな?)
マグ(えへへ〜♪これならリオがまた夢を追いかけ始めるのも時間の問題ですね♪)
コウスケ(そうさねぇ)
それならいいんだけど、そう簡単にはいかないだろうなぁ……。
と、マグと話している間に、パメラちゃんがリオに話しかけている。
パメラ「リオ、リオ」
リオ「なんだ?」
パメラ「見送りいる?」
リオ「見送りって……今やってるこれじゃなくて?」
パメラ「そうじゃなくて、部屋の前まで送ってこうか?ってこと」
リオ「部屋まで1分も掛かんないのに……?」
ギリギリまで一緒にいたいんだよ。
ギリギリが過ぎる気はしないでもないけど。
ショコラ「あっ!ショコラも行く〜!」
チェルシー「じゃあアタシも〜!」
リオ「いや大丈夫だから!部屋までのちょっとの距離まで一緒にいなくても大丈夫だって!」
ショコラ・パメラ・チェルシー『えぇ〜……?』
リオ「じゃあな!お前らはお前らで仕事しろよ!何やるのかは知らんけどな!」
そう言って逃げるように事務室を出て行ったリオ。
チェルシー「じゃあリオちゃんの言う通りお仕事しよっか」
ショコラ・パメラ「「は〜い♪」」
そしてまったく悪びれた様子のない3人。
半分本気で、残りの半分はからかってただけっぽいな……。
と、そこで、サフィールちゃんが俺たちに言った。
サフィール「それでは私もお仕事してきますね」
コウスケ・マグ「(えっ?)」
お仕事?
モニカ「サフィールちゃん、なんのお仕事をするの…?」
シエル「何か持ってきたの?」
サフィール「いえいえ。せっかくだから鍛治ギルドの皆さんのコリや疲れを治療してこい…と、マスターに言われまして」
コウスケ「あぁ、なるほど。出張学習的な?」
サフィール「そんな感じです」
まぁリオだけが疲れてるわけじゃないからな。
それにジルさんは、サフィールちゃんに経験を積ませたかったんだろう。
何事も経験が大事だと言うしな。
パメラ「シエルは?何か持ってきたの?」
シエル「アタシはこれ。調合レシピ表。これを読まなくてもサクサク調合出来るようになるために、頭に叩き込むのよ」
チェルシー「大変そう……頑張ってねシエルちゃん」
シエル「えぇ」
パメラ「モニカは?何やるの?」
モニカ「わ、私は……えっと……」
ここで唯一ギルドに所属していないモニカちゃんに話が振られ、モニカちゃんは悩み始める。
モニカちゃんは仕事は大体職場で、だからなぁ……。
コウスケ「じゃあモニカちゃん。出来た書類を見て、字の間違いとか無いか確認してくれる?」
モニカ「っ!うん、わかった…!」
俺が言うと、仕事が出来たと喜ぶモニカちゃん。
わかるわかる。
みんなが何かやってるときに自分だけ何もしてないとすっごいソワソワするよね。
やること探せばいいじゃん…ってのは分かってるんだけど、あんま下手に動いて迷惑かけたらなぁ…とか、いざ仕事を任せようとしたときにこっちが何かやってたら遠慮されちゃうかな…とか、こっちもこっちでいろいろ考えてるんだけどねぇ……。
心配症…なのかねぇ……。
まぁそんなわけで、モニカちゃんに仕事を与えた俺は彼女を自分の隣の席に呼ぶことに。
コウスケ「それじゃあこっちに来てくれる?」
モニカ「うん♪」
てってって〜っとこっちに来るモニカちゃんを確認し、隣のイスを引いておこうと用意して…
ちょこん
何故か彼女は俺の膝の上に座った。
コウスケ「…え〜と……モニカちゃん……?」
モニカ「?」
わぁ、至近距離でのキョトン顔、とっても可愛いですね。
じゃなくて…
ショコラ「あっ!いいなぁ〜!ねっ、ねっ!ショコラもショコラも〜!」
チェルシー「じゃあその次アタシね!」
パメラ「それじゃあその次私〜♪」
サフィール「私はある程度回って戻ってきてからなので、最後になりそうですね……」
シエル「え、えっと…あ、アタシだけしないのも空気読めてないみたいだし、しょうがないからアタシにもして…ね……?」
うわぁい、勝手に話が進んでるぞぅ。
まぁとりあえず、モニカちゃんはずり落ちないようにお腹周りに手を回して支えておこう。
マグ(ふふ〜ん♪私は毎日してもらってるもんね〜♪今日もしてもらう予定だもんね〜♪)
とかやってると、何故かマグが心の中でマウントを取り始めた。
俺しか聞こえないのになんでこの子たちにマウント取ってるの?
おバカさんねぇ、可愛いよマグ。
ってそうでもなくて…
コウスケ「なんで膝に……?」
モニカ「ダメ……?(コテン)」
コウスケ「そんなことはないよ(キリッ)」
モニカ「えへへ〜…♪」
至近距離でモニカちゃんに首傾げられたら負けるに決まってるんだよなぁ。
可愛すぎんよなぁ。
でもこれだけは言っとかないと。
コウスケ「でもモニカちゃん。そこにいるとモニカちゃんの可愛らしい頭しか見えなくてお仕事出来ないよ?」
モニカ「か、かわ……え、えっと…!こ、こうすればどうかな…?」
顔を赤らめながらモニカちゃんはちょっと位置を調整し…
モニカ「えと……私の肩に顔を乗せるのはどうかな……?」
なんて言ってきた。
んーんーんー。
コウスケ「肩凝るよ?」
モニカ「だ、大丈夫…!マーガレットちゃんは羽のように軽いって聞いてるし…!」
コウスケ「誰が言ってんの……?」
マグを実際に抱えた人なんて、イシオンの皆さま方と冒険者ギルドの数名(女性、ララさんリンゼさん含む)と、冒険者さんたち(女性)と……うん……。
まだまだいるけど、この時点でかなりいることが判明してしまったな……。
コウスケ「というかそれを言うなら、今乗っかってるのにあまり重さを感じないモニカちゃんも同じようなもんだよ?」
モニカ「えっ?そ、そうかなぁ……?」
コウスケ「うん」
強化魔法をさりげなく使ってるけど、それもほんの少しだけだし、嘘は言ってない。
モニカ「えへへ…♪ありがとう、マーガレットちゃん…♡」
コウスケ「どういたしまして」
……今なんか違和感が……?
でもモニカちゃんは偽りのない笑顔だし……。
う〜ん…まぁいいか。
コウスケ「じゃあそろそろお仕事しよっかな。モニカちゃん、お言葉に甘えて肩借りるね?」
モニカ「うん!いいよ♪」
お返事をいただいたところで、俺はポフっと彼女の肩にアゴを乗せて資料に目をやる。
…ん〜……アゴが刺さって痛いかな?
ちょっと調整を……ん〜……やっぱダメだな。
膝の上に乗せたままだとモニカちゃんの肩もちょっと高い位置にあって大変だわ。
一段下ろさせてもらおう。
なおこの時点ですでに諦めて彼女たちを抱きながら仕事をする運命を受け入れました。
コウスケ「モニカちゃん。ちょっと高いから、私の足の間に入ってくれる?」
モニカ「足の間?」
コウスケ「うん。今開くから、ちょっと立ってもらっていい?」
モニカ「うん、わかった」
了承を得てモニカちゃんが立ち上がったので、俺は足を広げて空いたスペースをポンポン叩きモニカちゃんを呼ぶ。
コウスケ「じゃあここにお願い」
モニカ「は〜い♪」
可愛い尻尾の付いたお尻が俺の足の間に入り込んでくる。
……うん、いい高さ。
モニカ「どう?」
コウスケ「大丈夫そう。ありがとね」
モニカ「えへへ、どういたしまして♪」
よし、んじゃあ再び位置調整っと。
ちょっと横にずらして、モニカちゃんを抱き寄せてピッタリくっついてと…
モニカ「っ!」
…よし。
これならモニカちゃんの肩にアゴが刺さらないし、俺もよく見えるしでいいポジションになってるはず…うっ……!?
そこでモニカちゃんがなんかもじもじし出した。
するとどうでしょう。
くっついてるモニカちゃんのお尻…に付いてるウサ尻尾が、俺の…その……ね。
そこにサワサワってね。うん。
踏まれると危ないかなと思ってスカートをずらしてたのもマズかった。
パンツ越しにふわふわのモノがサワサワっと当たり、フルールさんに手伝ってもらって解消してるアレのせいで開発されちゃったのか、ゾクゾクっとこう…ヤバいものが……!
マグ(ん……なんだかくすぐったいです……)
あかん!マグにはまだ早い知識が覚えられてしまう!
早くなんとかしないと!
コウスケ「モ、モニカちゃん……?もじもじしてどうしたのかな〜……?」
モニカ「え、えっと……その……(もじもじ)」
コウスケ「っ〜〜!」
そのもじもじをやめてぇぇ!
ハッ!そうだ!
ちょっと離れればいいだけじゃん!
何故気づかない、俺!?
まぁその追及よりもまずは離れないと……!
そう思ってちょっと離す。
モニカ「あっ……」
ふぅ……とりあえずはこれで……
もぞもぞ……サワッ
コウスケ・マグ((っ!!?))
安心したのも束の間、モニカちゃんが再度位置を調整して俺にピッタリくっついてきた。
ヤバい……!もう逃げるスペースがないぞ……!
こうなったら可哀想だけど、断りを入れて退いてもらうしか……
モニカ「♪」
…ダ、ダメだ……。
こんなじゃあ機嫌な子に、イケナイ気分になるから退いて♪なんて言い出せない……!
というか適当な理由でっち上げるにも、罪悪感が半端なくて……
きゅっ
コウスケ「!」
モニカ「…えへ♪」
そこでモニカちゃんが俺の手にちょいと引き、さらに密着度合いを高めさせ、満足げな声を出した。
これはもう逃げられない!
どうしようどうしよう……!?
このまま我慢する……?
最悪それしかないけど、この後まだまだいるのも考えると、我慢し切れるかどうか……。
あっ、むしろもっとくっつけばモニカちゃんがもじもじしても尻尾を押さえられてダメージが下がるかも……。
…いや、ダメだ……。
それだとモニカちゃんに痛い思いをさせるかも……。
何か挟んでガード……めちゃくちゃ怪しまれるだろうなぁ……!
どうしよう……詰んでない……?
だがこのままだと、下手したら友だちの尻尾でイケナイ気分になる変態の烙印をマグに押させてしまうかもしれない……!
くっそ……やったらぁ……!
耐え切ってやらぁ……!
もぞ…もぞ…
コウスケ「〜〜〜〜!」
マグ(ふぁ……んぅ……)
やばいばいばいやばばいばい!!
俺が耐えたところでマグに変なこと覚えさせたら意味ねぇぞ!?
ど、どうする!?
どうしよう!?
チェルシー「……?……!!」
と、そこでチェルシーが動いた。
チェルシー「あっ、あ〜…グラズさん!」
グラズ「うおっ!ど、どうしたの?」
チェルシー「えっと…ク、クッションとか出してもいいですか?」
グラズ「ん、あぁ、別に構わないよ」
チェルシー「ありがとうございます!」
そう言うとチェルシーは自分のバッグから小さめながらも厚みがあるクッションを取り出し、それを持ってこちらに近づいてきた。
チェルシー「ねっ、よかったらこれ使ってみて!まだ試作品らしいんだけど、これすごく柔らかいから、もしかしたら座りやすくなるかもよ!」
モニカ「わぁっ、ありがとうチェルシーちゃん!マーガレットちゃん、使ってみよ?」
コウスケ「う、うん……!」
と、とりあえず助かった……。
でもこのままじゃまた……
チェルシー「はい。座ってみて♪」
コウスケ「う、うん……」
チェルシーがクッションを置き、俺たちを呼ぶ。
不安を胸に抱えながらも、それに従って座った俺だったが……
コウスケ「わっ!?えっ!?なにこれ!?やわらかっ!」
マグ(おぉぉっ!すご〜い!ふわふわ〜!)
そのクッションがどえらい柔らかかった。
あれだ。
人をダメにするクッションだ。
座ったことないけど、あんな感じの変形の仕方してる!
あれの小さいバージョンだ!
これならいくら座ってても…
モニカ「そんなに?じゃあ私も…」
ハッ!そうだった!
今はこっちの方が問題だったんだ!
そう思い直し、俺はさりげなくスカートを下ろして防御力を上げ、身構える。
そしてモニカちゃんもクッションに座り…
モニカ「ふわわっ!?すごい!気持ちいい!」
コウスケ(………あれ?)
尻尾は当たらなかった。
心ばかりのスカート防御が功を制したのか……?と思って確認してみる。
…あっ!
クッションの盛り上がり部分で守られてる!
すげぇ!
と、驚いてる場合じゃない。
またモニカちゃんが位置を調整する前に…と。
ぎゅっ
モニカ「ふにゃっ…!……///(もじもじ)」
俺がモニカちゃんを抱きしめさっきと同じ格好になると、モニカちゃんもまたもじもじとし始めた。
だが…ノーダメージ!
いや、正確にはもぞもぞ動くのは感じ取ってるのだが、さっきのダイレクトアタックと比べればまったくもって大したことがない。
よかったぁ!
これならマグが目覚めなくて済むかも!
コウスケ「ありがとうチェルシー!」
チェルシー「うん、よかった♪マギーちゃんにはいつも助けられてるからね♪」
そう言ってチェルシーは俺にウインクをする。
もしかして気付いたのだろうか?
それで助け舟を出してくれた?
チェルシー……ただの元気なおませっ娘じゃなかったんだな……!
ありがとう……!
モニカちゃんもこのクッションの感触に喜んでるし、俺はイケナイ気分にならなくて済むし、マグに変な知識を植え付けることもない……!
完璧だ!
チェルシーにはあとでお礼を言わないとな!
コウスケ「よぅし!それじゃあお仕事片付けちゃおう!」
モニカ「うん♪」
サフィール「そ、それじゃあ私もそろそろ行きますね……///」
コウスケ「うん、いってらっしゃい、サフィールちゃん!」
ってかまだ行ってなかったんだね!
…………。
……顔赤かったな…サフィールちゃん……。
まさか……サフィールちゃんも……?
……うん、まぁ、気のせいということで!
そうして俺はバリバリ仕事を片付けていった。
途中で代わる代わるみんなを足の間に招き入れて仕事をしたが、俺がイケナイ気分になったのはあの1度だけ……いや、最後のサフィールちゃんのときはちょっと危なかったけど……。
肩越しに下を見るとやわらか山があって机が見づらかったけど。
……あの状態で生活してるって……大変だろうなぁ……。
ともかく、ぽよよんな人たちに敬意を持ちつつ、俺は仕事を片付けていった。
ちなみにパメラちゃんとチェルシーの羽持ちコンビは、密着しすぎて羽を痛めやしないかとハラハラしていてそれどころではなかった。
割と今さらな気はするが、仕事に集中しながら…というよりは、何かに集中しながらというのは初めてだったのでめちゃくちゃ緊張した。
ショコラちゃんも尻尾持ちで、モニカちゃんのウサ尻尾よりも大きいワンコ尻尾なのだが、これはモフモフしたいという別の誘惑に駆られて大変だった。
シエルは耳真っ赤にして可愛いなぁ、と思った以外は特になく、とても平和な時間を過ごせました。
そんなこんなしている間に時間は過ぎ、帰ってきたサフィールちゃんが俺の前に座り俺に巨乳の大変さを教えてくれた(本人は知らない)。
そうしているとき、突然事務室の扉が開かれた。
リオ「マーガレットー!」
そしてそのままリオが俺に向かって突撃してきた。
まさかのノンストップ突撃である。
完全なる奇襲。
これには俺の真ん前に座っているサフィールちゃんも驚き戸惑っている。
つまり避けられない。
というわけで魔法に頼る。
コウスケ「《もろもろ助けて、やらこいカベェ!》」
そんな雑の極みな詠唱でも魔法は発動してくれて、俺たちとリオの間に半透明な壁が生まれた。
リオ「わわわっ!わぷっ……!」
リオは急には止まれずに突っ込んだが、詠唱通りふわんふわんの壁…チェルシーが貸してくれたクッションぐらいのやわらかさの壁なので、ガッツリ衝撃を吸収。
完全に止まったところで魔法を解除して、支えるものがなくなって倒れ込んできたリオを、今度は俺の手で支える。
コウスケ「も〜、危ないよ?」
リオ「へへへ…悪い悪い」
あんまり反省しとらんな。
サフィール「リオさん…私もびっくりしたんですからね?」
リオ「うっ…わ、悪かったよ……」
サフィールちゃんに叱られてようやく反省するリオ。
う〜ん…俺の言い方じゃ反省してくれないなぁ……。
でもあんまりキツい言い方にならないように…って考えると、どうしてもなぁ……。
リオ「そ、それよりマーガレット!オレ、武器の研磨なら出来るかもしれない!」
コウスケ「おっ、研磨出来そうって…砥石とかは使えるってこと?」
リオ「そうそう!研磨が出来るだけでもみんなの役に立てるし、まずはこっから手を広げてこうかなって思うんだけど、どうだ?」
コウスケ「いいんじゃないかな?研磨作業も大事なことだし、ちょっとずつ鍛治作業に慣れていくのにも良さそうだし」
リオ「だよな!マーガレットならそう言ってくれると思ってたよ!……それでな……?」
コウスケ「ん……」
興奮気味に話していたリオが急にしおらしくなったことに少し疑問に思ったが…すぐに思い当たる。
コウスケ「ん〜……ごめん、サフィールちゃん。リオと交代してもらってもいい?」
サフィール「はい、構いませんよ」
コウスケ「ありがと」
そう言って退いてくれたサフィールちゃんにお礼を言い、俺はリオの方へ体を向ける。
コウスケ「それじゃあ、おいで、リオ♪」
リオ「……へへっ……♪」
どうやら予想は当たりのようで、リオは俺の誘いに嬉しそうに寄ってくる。
チェルシー「リオちゃん可愛い♪」
シエル「…あんなに甘えた姿のリオ、初めて見た……」
モニカ「すごく嬉しそう……よかったね、リオちゃん♪」
ショコラ「さすがマグだね!」
パメラ「そうだね。でも、私たちがいるのにお構いなしに甘えるほど嬉しいなんてよっぽどだねぇ」
サフィール「ですね……あれ…でもこの流れだと……」
みんなが何か話している中、リオが俺の足の間に座った。
俺がお腹に手を回して抱き寄せながら肩から顔を出すと、リオはピクッと体を反応させた後、俺に体重をかけて甘えてきた。
パメラ「この流れだとどうなるの?」
サフィール「いえ……お昼の前にこちらに顔を出したときに……ちょっと…大変な目に遭いまして……」
モニカ「?大変な目って?」
サフィール「え〜っとですねぇ……そのぅ……」
チェルシー「みんなでいっぱい褒めあったんだよ♪」
ショコラ・パメラ「「褒めあった?」」
モニカ「えっと…それだけ…?」
チェルシー「うん」
シエル「それでなんで大変な目に遭うのよ?」
サフィール「それは……えっと……」
さてさて、ある程度落ち着いたところで、また頑張ってきたリオを褒めてあげないとね♪
コウスケ「リオ、お疲れ様。また一歩前進だね」
リオ「あぁ♪この調子ならすぐに打てるようになるかもな♪」
コウスケ「あらあら、調子に乗っちゃって♪そう言えるようになるほど元気になったのはいいけど、度が過ぎるようなら怪我する前に釘を刺しておかないといけなくなっちゃうなぁ〜」
リオ「釘?へぇ〜?例えば?」
おっとこの子ったら……。
俺がそんなキツいことは出来ないのを知ってるからか、随分と挑発的じゃないのさ。
でも今の君の弱点は分かっているのだよ?
コウスケ「う〜ん、そうだなぁ……甘やかす時間を減らすとか…」
リオ「ごめんなさい気をつけます」
即答された。
まさかそんなに嫌がるとは思わなんだ……。
まぁ結果オーライってことで。
コウスケ「よろしい。ちゃんと反省出来るのもリオの良いところだよ♪」
ご褒美になでなでしてあげよう。
リオ「っ……へへへ…♪」
そうしたらこのふにゃっとした笑顔よ。
可愛いねぇ♪
パメラ「……褒めてはいるけど、そんなに言うほどじゃないよ?」
サフィール「あれぇ……?」
チェルシー「あれは大人なマギーちゃんだね。大人なマギーちゃんはああやってふんわりまったり褒めてくれるんだよねぇ♪」
ショコラ「カッコいい方のマグだね!」
モニカ「うん…♪マーガレットちゃんはかっこいいよね…♪」
シエル「ま、まぁ……?そう言えなくもないわね?ちょびっとね?ちょびっとだけよ?」
サフィール「確かに…マーガレットさんはかっこよくて可愛い方ですよね♪」
パメラ「私もそう思うけど……話がずれてない?」
マグ(むふふ〜♪かっこいいですってよコウスケさん♪)
コウスケ(聞こえてるよ〜。やっぱり照れるねぇ……)
こっちに来てから褒めることには慣れてきたけど、まだまだ褒められるのは慣れないぜ……。
マグが褒められるのは嬉しい気持ちが勝つからいいんだけどね。
とまぁ、他の子の話し声を聞きながらもリオを甘やかし、それは帰りの時間まで続いた。
リオ「あぅぅぅ……///」
ショコラ「リオ、リオ!大丈夫だよ!みんなもマグに甘えてるんだから!」
チェルシー「そうだよリオちゃん!マギーちゃんに甘えるのは恥ずかしいことじゃないよ!」
モニカ「うんうん…!マーガレットちゃんはかっこいいから仕方ないよ…!」
パメラ「そうねぇ。でも見られると恥ずかしいのはちょっとわかるけどね〜」
サフィール「ですね……あれ?でもパメラさんは誰の前でもマーガレットさんに抱きついているような……」
パメラ「そりゃまぁ恥ずかしいことじゃないし」
サフィール「言ってることが違ってませんか……?」
シエル「パメラはショコラと一緒にいっつも抱きついてるから、今さら恥ずかしいなんて思わないわよねぇ」
パメラ「むっ…なんかいじわる。そんなこと言うのはこの口かぁ〜!」
シエル「んんっ!?ひゃ、ひゃめへ〜!」
その間にリオが落ち着いて、周りにベタベタに甘えてる姿を見られることが恥ずかしくなってきて机の下に隠れたり、それをみんなでやんややんやしたり……。
まぁともかく、楽しい時間を過ごした。
なお仕事はあんまり進まなかった。
ごめんなさいララさん。
ヤババナイト☆
はい、また来週。
ではでは(雑の極み)




