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異世界で少女とまったりするために頑張る  作者: レモン彗星
第3章…鍛治コンテスト
243/436

240.出勤と説明…なお適当

しばらく待ってもまったく離れる気配がなかったのでやや強引にホールドを解除して鍛治ギルドへと向かう。


あのままほっといたらずっとくっついてそうだったから仕方がない。


メイカ「ひ〜ん…マーガレットちゃんが私の脇をいじめた〜……!」

コウスケ「もうちょっともうちょっとって言い続けた上に、離れようとしたら力の限り抱きしめて離そうとしなかったからですよ」


しかもチェルシーとリオを仲間に引き込んでまで留めようとするから、こちらも実力行使に出ざるを得なかったのだ。

だから仕方ないね。


ちなみに、脇がスジ的なところを揉んで痛いと感じると、なんかリンパがウンヌンカンヌンらしい。

詳しいことはマルっと忘れた。

あとでサフィールちゃんに聞いてみよう。


なんてバカやってる間も、リオの手を繋ぐのは忘れない。

きゅっ…と握り返してくれたので、やはり不安だったのだろう。

握っといてよかった。


ギルド員A「あっ…リオちゃ…ってあれ?マーガレットちゃんにチェルシーちゃん?それにメイカさんまで……」

ギルド員B「リオちゃんのことが心配で着いてきたのか……?」


俺たちが揃って鍛治ギルドに踏み入れると、鍛治ギルドメンバーズがザワザワし始める。


それに反応して、繋いでいるリオの手がより強く握ってきたので、ほんの少し痛みを感じつつもこちらも握り返して微笑み、「安心せぇよ…」と言外に伝える。


そうするとリオは顔を俯かせ俺にちょこっと寄ってきてくれた。

お耳が赤くなっておられるので、これは照れているのだろう。可愛いね。


まぁそれはさておき、とりあえず近づいてきた女性の相手をすることにする。


ギルド員C「おはようございます、メイカさん。それにリオちゃんにマーガレットちゃんにチェルシーちゃんもおはよう」

メイカ「えぇ、おはよう」

コウスケ・チェルシー「「おはようございます」」

リオ「…おはようございます…」


少し緊張気味のリオ。


マグ(う〜ん……リオ、ギルドの人のことも苦手になっちゃってますね……)

コウスケ(まぁ…昨日ああ言ってたし、不思議じゃないけどね……)


リオの様子がおかしいのはこの人も、他のギルドの方々も気付いている。

だがその心配した様子がリオのことを余計に追い詰めているということを理解していない。


…とはいえ、それを伝えるのはあまりにも酷だ。

それにリスクも高い。


なのでしばらくは様子見。

限られた人にだけ打ち明け、他の人にはすまないが黙っておく。

リオは恐らく誰にも言わないでほしいと思っているかもしれないが、何かあったときに対応出来る人物は多いに越したことはない。


だからまぁ…つまり……この場はそれらしく乗り切る。


ギルド員C「マーガレットちゃんとチェルシーちゃん、今日は朝から届け物?」

コウスケ「いえ。今日は一日鍛治ギルドの方でお仕事をするんです」

ギルド員C「えっ?…それってやっぱり…」


おっと。

言いたい気持ちは分からんでもないが、余計なことは言わないでもらおうか。


コウスケ「はい。ですので今日は、チェルシー共々よろしくお願いします」

チェルシー「よろしくお願いしま〜す!」

ギルド員C「あっ、う、うん…よろしくね」


食い気味に答え、さっさか理由を伝えペコリとご挨拶をかますと、ギルド員のお姉さんは戸惑いながらも俺に合わせてお辞儀をする。


ここで出来た隙を有効活用。

一気に畳みかける。


コウスケ「それでは親方さんとグラズさんにもご挨拶をしないとなので失礼しますね☆」

ギルド員C「あっうん…」


はい終わりっと。

さっ、また誰かが話しかけてくる前に行こ行こ。


チェルシー「う〜ん…さすがマギーちゃん……話の持ってきかたが上手い……」

メイカ「ね〜。これに釣られるとダメなのは分かってるんだけど、気づいたら持ってかれてるんだよねぇ……」

チェルシー・リオ「「あぁ〜……」」


そんな人を詐欺師みたいに言わんでくださる?

まぁリオが話に参加する程度には緊張が解けててよかったけどさ。


マグ(でもたまに私に負けますけどね♪)

コウスケ(…あれはマグが俺の断りづらい頼み方をしてくるのが悪いだけですし……)

マグ(でもイヤというわけではないですよね?)

コウスケ(それはぁ……)


図星である。


マグ(うふふ♪そういうところ、ほんと好きですよ〜♪)

コウスケ(うぅぅ……///)


マグも話術が上手いってのもあるけど、単純に彼女の願いなら大体叶えてあげたいという思考が原因だと思う……。


これが惚れた弱み…というやつか……。


マグ(えへへへぇ♪それにコウスケさんだって私にいろんなことをお願いするじゃないですかぁ♡だからお互い様ですよ〜♪)


あぁうん。

惚れた弱みもお互い様っぽいわ。


なんだか納得してしまったところで、俺たちは事務室に着いた。


俺は早速ノックをする


こんこん


グラズ「どうぞ」

コウスケ「失礼します」


部屋に入ると、そこにいたのはグラズさん1人だった。


グラズ「マーガレットちゃん?リオちゃん…にチェルシーちゃん……って、メイカさんまで!?ど、どうしてこちらに?」


う〜ん、さすが《イシオン》のファンであるグラズさん。

メイカさんがいることに超驚いてるなぁ。


メイカ「私はこの子たちの付き添いよ。それより…マーガレットちゃんから話があるって」

グラズ「マーガレットちゃんから……?」


可愛いものが絡まなければ比較的まともなメイカさんからのパスで、俺はグラズさんの目をしっかり見据えて話し始めた。


コウスケ「はい。単刀直入に言いますと、しばらくリオはウチで預かることになりました」

グラズ「……えっ…えぇぇぇ!?」


俺がサクッと本題を伝えると、グラズさんはめちゃくちゃ驚いた声を上げた。


いや、驚きすぎじゃない?


しかしその理由はすぐに判明した。


グラズ「えっ…リ、リオちゃん……鍛治…諦めるのかい……?」

コウスケ・マグ「(えっ?)」

グラズ「えっ……?」

リオ「…いえ…違います。預かるというのは、マーガレットのところで住むという話であって、鍛治自体は続けたいと思っています……」

グラズ「あっ…そ、そっか…そういうことか……びっくりした……」


あぁうん、なるほど。


コウスケ「言葉が足らず申し訳ございませんでした」

グラズ「おぉぅ…だ、大丈夫だよ。俺が早とちりしただけだし……」


俺の90度直角お辞儀に圧倒されたのか、少したじろいだグラズさんはそう言って許してくれた。


や〜、うっかりうっかり。

主語って大事だね。


コウスケ「それで、このことをサワコさんには話したので、あとは親方さんにも伝えたいんですけど……」

グラズ「ん、あぁ。親方なら、いつものとこにいるはずだよ」

コウスケ「ありがとうございます」


グラズさんにお礼を言い、俺たちは受付の裏にいるであろう親方さんの元へ向かおうとした。

そのとき、グラズさんがリオに声をかけた。


グラズ「あっ、リオちゃん」

リオ「はい」

グラズ「聞き飽きたかもしれないけど…無理しないでね。俺たちもいつでも力になるから」

リオ「あ、ありがとうございます……」

グラズ「うん。じゃあ、頑張ってね」

リオ「は、はい……」


コウスケ・マグ「(あちゃ〜……)」


グラズさんの気持ちはわかる。

そう言いたくなる気持ちはとてもよくわかる。


だけどそれは今のリオにはダメージとなってしまう。


…人の心って難しいね……。

悪気が無いからやめさせるのもなんだかなぁ…ってなっちゃうし……。


まぁとりあえず……黙ってリオの手を握っててあげよう。


そう考えたからか、リオの手を握っている手に少し力が入ってしまった。

そんな俺の手を、リオはきゅっと握り返してくれた。


うむ…痛くなさそうでよかった☆


そんなわけで安心したところで受付到着。

…なんか…空気が重い気がする……。


ま、まぁいいや。

さぁて親方さんは…と……あっ、いた。


リオ「……オヤジ……」

親方「……帰ったか……」

リオ「…あぁ……」

親方「…そうか……」

リオ「…………」

親方「…………」


同じく発見したリオが声を発したことで向こうも気が付いたようだ。

それはいいのだが……


一同『…………』


リオと親方さんが出会ったことで、なんだか重めだった空気がさらに重苦しいことになってしまった。

しかも当人たちもそれっきり黙っちゃったし……。


マグ(コウスケさんコウスケさん)

コウスケ(どうしたのマグ?)

マグ(ここはコウスケさんが動かないと!)

コウスケ(えぇぇ……こんな雰囲気の中切り込みたくないんだけど……)

マグ(でもほっといたらずっとこのままでもおかしくなさそうですよ……?)

コウスケ(ん〜…そうだけどぉ……う〜ん……マジかぁ……)


行きたくねぇなぁ……。

でもこのままなのもやだし……。


コウスケ(…はぁぁ……わかったよぉ…行くよぉ……)

マグ(頑張ってくださいコウスケさん!)

コウスケ(お〜う……)

マグ(ご褒美にいっぱい褒めますから!)

コウスケ(ちょっとやる気が出てきた……)

マグ(それにいっぱいなでなで〜ってしたり、ぎゅ〜ってしたりしますよ!)

コウスケ(よぅし…それはなかなか……)

マグ(それにそれに、ちゅ〜もしますしぃ…♡ぺろぺろとかぁ…かぷかぷとかぁ…♡)

コウスケ(あっえっとマグさん。もうそれで十分…)

マグ(あとコウスケさんが好きなふ〜ふ〜♡もしてあげますよ〜♡)

コウスケ(いやいや待ってマグ?もう十分だって。ていうか俺がふ〜ふ〜好きとかどういうこと?)

マグ(えっ?チェルシーとかユーリさんにされたときにとろとろになってましたし、私がしたときもふにゃふにゃ〜ってなってたので、大好きなのかなって)

コウスケ(誤解です!)


確かに耳に息をふぅ〜っとされるとゾクゾクっと……間違えた。ぞわぞわ〜っとなるけど、あれは強制的に力が入らなくされてるからであって決して喜んでるわけじゃないだよ!

ダメだ負けそう!逃げよう!


コウスケ(と、とにかく!止めてくるから!)

マグ(は〜い♡わかってますよ〜♡)

コウスケ(絶対わかってない!)


今夜気をつけねぇと翌朝フルールさん頼みコースになってしまう……!

というかほぼそのルートは確実な気がするから、勢い余って手を出さないように理性をしっかり保たないと……。


リオ「マ、マーガレット……?」

コウスケ「うぇい!?なに!?」

リオ「い、いや…なんか、凄い…忙しそうだったから……」

コウスケ「へっ?忙しそう?」

リオ「えっと…表情はコロコロ変わるし、手に力が入ってるし、もう片方の手も、口に当てたりデコに当てたり落ち着かないし……」

コウスケ「そ、そんなに……?」

リオ「あぁ……気が付いてなかったのか……?」

コウスケ「え〜…あ〜…それは〜……」


マグと話し込んでて全っ然気が及ばなかった……。


リオ「……その……お前にだっていろいろ考えなきゃいけないことがあるのはわかってるからさ……オレにばっかり付きっきりじゃなくても…」

コウスケ・マグ「(それは違う!)」

リオ「うぇっ!?」

コウスケ「今のは…その……場の雰囲気をどうしたもんかと考えてたら段々違う方向に逸れちゃってただけだから!」

マグ(コウスケさんが可愛くてちょっとからかっちゃっただけだから!)

コウスケ・マグ「(今はリオが1番だからぁ!)」

リオ「へぁっ!?」


ボムッと顔が赤くなるリオ。

しかし焦ってる俺たちがそれはそれに気付かずに言葉を続ける。


コウスケ「だからリオが遠慮することないんだよ!」

マグ(もっと甘えていいんだよ!)

コウスケ「むしろ甘やかすから!」

マグ(いっぱい甘やかすから!)

コウスケ・マグ「(ねっ!!)」

リオ「わ、わかった……オレの考えすぎなのはわかったから……もう大丈夫だから……///」


大丈夫?ほんとに?


メイカ「マーガレットちゃん落ち着いて……リオちゃんはほんとに大丈夫だから」

チェルシー「そうだよマギーちゃん。むしろマギーちゃんの言葉が嬉しくてたまらな…もがもが…」

リオ「っ〜〜!」


リオがチェルシーの口を塞いで首を横に振っている……。

…ほんとに大丈夫?


親方「…あ〜…ごほんっ。それで、娘っ子どもは今日は何をしに来たんだ?」


あれ?親方さんが普通に喋ってる!?

さっきまであんなに気まずい感じだったのに!


コウスケ(急にどうしたんだろう……?)

マグ(さぁ……?でも、話しやすくなったのは良いことですね)

コウスケ(それは確かに)


さてと。それならばまた重苦しくなる前にお話を済ませよう。


コウスケ「ちょっとお伝えすることが出来ましたので、その報告に来ました」

親方「ふむ?」

コウスケ「リオをしばらくウチで預かることになりました」

親方「…はっ?なんでそうなった?」


う〜ん…リオと似たような反応……親子だなって感じますなぁ。


まぁそれはともかく、さすがに他の人にまで教えるのは(はばか)られるな。


俺はリオに謝り彼女の手をメイカさんに一旦預け、親方さんに耳打ちしに行く。


コウスケ「実はですね……ごにょごにょ…」

親方「………なるほどな……」


親方さんに昨日のことを伝えた。

隠すことなくしっかりと。

さすがに雑談などの関係ないところや、リオが俺にぐずぐずに甘えてきたことなどはカットしたが。


話を聞いた親方さんはうなだれ、少し考えてから、小さな声で言った。


親方「……わかった。リオのこと、よろしく頼む……」

コウスケ「お任せを」


マグ(…本当はもっとリオの力になりたいんでしょうにね……)

コウスケ(しょうがないよ……だからこそ、俺たちが親方さんたちの分までリオのことを見守らないと)

マグ(ですね)


難しいことだけど…うん。頑張ろう。


親方「…話はそれだけか?」

コウスケ「えっと…あぁそうだ、もうひとつ」

親方「何だ?」


聞き返す親方さんから距離を取る。

こっちはコソコソ話すことじゃないからな。

むしろ周りにも知ってもらった方が早くて楽だし。


そんなわけでちょいっと離れたところで親方さんの顔を見てサクッと言った。


コウスケ「私、しばらくここで働きますんで」

親方「…………」


あれ?返事がない。

でもめっちゃ瞬きしてる……あっ、頭押さえた。


親方「ちょっ…と待て……?それは聞いてないぞ……?」

コウスケ「あれ?言ってませんでしたっけ?」


昨日の話したんだから、そのことも言ったはず……あぁそうか。

リオがウチに泊まる理由を言ったところで止まったから、言ってないんだ。

や〜、うっかりうっかり☆


コウスケ「まぁでもちゃんとララさんの許可はもらいましたし、お仕事ももう持って来てますんで帰るつもりはねぇですよ?」

親方「なんか脅迫に近くないか……?」

コウスケ「そんなことないですよ☆」


きっと。


親方「…はぁぁ……わかった……それで?娘っ子はどこで仕事するんだ?」

コウスケ「基本は事務ですね。なので事務室で資料と戦いますんで、何かあったら声をかけてください」

親方「おぅ…わかったよ……」

コウスケ「皆さんもそれでお願いします」

ギルド員D「お、おう……了解……」

ギルド員E「マジか…!マーガレットちゃんが事務室に……!」

ギルド員F「ララさんに仕事任されるとか、どんだけ優秀なのマーガレットちゃん……!」


俺の発言にザワつきだす周りの方々。


まぁ言うてそんな変わんないと思うよ?

どうせやること冒険者ギルドにいるときと変わんないし。

鍛治のことなんかは、昨日リオから聞いたぐらいの知識しかなくてサッパリだから、その辺は他の人に任せるつもりだし。


あぁでも…子どもがリオしかいなかったこの鍛治ギルドに、マグというリオと仲良くてテラ可愛い女の子が入ったら、そりゃ色めき立つのも無理はないか☆

しょうがないね、マグはかぁいぃからな☆


チェルシー「あっ、今日はアタシもこっちでお仕事しますよ」

親方「はぁ!?おめぇさんもか!?」

ギルド員たち『おぉ……!』


再びザワつきだすギルドの皆さま。


チェルシー「ちなみに明後日はパメラちゃんで、その次がショコラちゃんです」

親方「もうそこまで決まってんのか……」

ギルド員G「あれ?明日は?」

コウスケ「明日は私たちお休みなのです」

ギルド員G「あぁ、なるほど」

チェルシー「もちろんリオちゃんもお休みです」

リオ「うっ…まぁしゃあないかぁ……」


そりゃあねぇ。

毎日しなきゃ腕が鈍る…ってのは分かるけど、今のリオはそれ以前の問題だし、あまり焦るのはよろしくないからね。


コウスケ「まぁでも、仕事中は私たちは側にいないからなぁ……そのときが心配だなぁ……」

チェルシー「そうだねぇ……リオちゃん、アタシたちも一緒にいた方がいいかなぁ?」

リオ「う〜ん……いや、遠慮しとくよ。でも…その……」

チェルシー「?」

リオ「…ちょっと…アレだったら……顔を見せに行く…から……」


ザワッ…ザワッ…!


ギルド員E「おぉぉ…リオちゃんが…ずっと1人で頑張ろうとしてたリオちゃんが……!」

ギルド員G「他の人を頼るなんて……!」

ギルド員F「やっぱり同い年ぐらいの子の方が話しやすいのかな……?」

ギルド員D「うぅ…よかったけど、俺たちを頼ってくれなかったのはちょっと寂しいぜぇ……」


う〜ん……周囲の期待とか心遣いが強すぎて、これ以上心配かけないようにしないとって逆に頼りづらくなってた…って言ったら、お通夜状態になりそうだからやっぱり言わないでいいな、うん。


しかしリオの1行動ごとにザワザワされるのもリオが気にするからやめてほしいな……。

恥ずかしいやら申し訳ないやらでめっちゃソワソワしてるぞ……。


よし、やっぱりさっさとそれぞれの仕事を始めちゃうか。


コウスケ「んじゃあリオ。焦らず無理せず、休憩もしっかり挟んでやるんだよ?」

リオ「あ、あぁ」

チェルシー「少しでも体調が悪くなったらすぐにアタシたちのところに来るんだよ?」

リオ「わかった」

コウスケ「どうする?安定剤に私の載ってるモデル本持ってく?」

リオ「い、いや…そこまでじゃないはずだから大丈夫だ……」


まぁ…鍛治に集中してる横にファッション雑誌があるってのもなかなかシュールだしね。


リオ「じゃあ…いってくる」

チェルシー「いってらっしゃいリオちゃん!」

マグ(のんびりだよ、リオちゃん!)

コウスケ「徒歩数秒で私たちに会えること、忘れないでね☆」

リオ「そう言われるとなんかすごい近くにいるんだなって実感するな……」


わかるわかる。

ちょっとした距離でも、家の中だと少し遠くに感じるやーつだね。


そんな言葉を残し去っていくリオを見送った俺たちは、自分たちも仕事を始めるべく事務室に戻ることにした。


コウスケ「じゃあ戻ろっか」

チェルシー「うん。あっ、メイカさん…はわっ!?」

コウスケ・マグ「(ん?)」


チェルシーがメイカさんに話しかけようと振り向いて驚きの声をあげたんだが?


また気絶でもしたのかなと、俺たちもメイカさんの方を見ると…


メイカ「うぅ…ぐす……友情…尊いわ……!」

マグ・チェルシー(「な、泣いてる……!」)


そうかぁ…そこまでかぁ……。

気絶じゃないから別にいいけどさ。


…でもまぁ…感極まる気持ちもちょっとわかる。

(はた)から見たら少女たちの美しい友情物語だもんね。

そういうのにあんまり興味のなかった俺もちょっとジーンとくるものがあるもの。

そりゃあメイカさんが耐えられるわけがない。


ならば優しく接してあげよう。

戸惑ってるチェルシーの分も含めて。


コウスケ「メイカさん……メイカさんもこちらに…ここじゃアレですからね」

メイカ「うぅぅ…そうね……ありがとうマーガレットちゃん……!」


メイカさんを優しく誘導し、一緒に事務室に戻る俺たち。


扉を開くと、グラズさんがそんな俺たちに話しかけてきた。


グラズ「あっおかえり…ってえぇぇっ!?な、なんでメイカさん泣いてるんですかっ!?」

メイカ「ちょっとね……尊いものを見ちゃって…耐えられなかったの……」

グラズ「と、尊いもの……?」

チェルシー「アタシたちがリオちゃんを送り出したのを見て感動しちゃったみたいで……」

グラズ「な、なるほど……?」


チェルシーの説明でとりあえず納得してくれたグラズさん。

俺はメイカさんを近くのイスに座らせて、バッグから最寄りの机の上に今日の仕事分の資料をドサっと載せる。


グラズ「あ、あれ?マーガレットちゃん?その資料は?俺じゃダメなやつなのかい?」

コウスケ「あぁいえこれは私の分です」

グラズ「えっ?」

コウスケ「今日こっちで片す予定の私のお仕事ですよ」

グラズ「えぇっ!?マーガレットちゃん、こっちでお仕事って……」

コウスケ「あれ?言ってませんでしたっけ?」

グラズ「聞いてないよ!?」


そういえばグラズさんにも言ってなかったっけ。

や〜、うっかりうっかり☆


チェルシー「あっ、アタシも一緒ですよ〜♪」

グラズ「えぇぇっ!?ラ、ララさんは…」

コウスケ・チェルシー「「許可もらいました」」

グラズ「き、聞いてませんよララさーん!?」


ははは、どうやら連絡を忘れていたのだな。

ララさんもうっかりさんだなぁ。


まぁ親方さんに不意打ちしたくて俺から全部言いますって言ったのが原因だけどな☆

成功だね☆


グラズさんが驚き戸惑っている姿を見ながら、俺とチェルシーは小さくハイタッチをした。


メイカ「はわぁ…可愛い……ガクッ」


どうやらメイカさんにトドメを刺してしまったようだが…まぁしょうがないね☆

マーガレット、鍛治ギルドにカチコミする。

効果、ザワつく。


そんなことより次回はチマチマっと物語が動く…かな?どうかな?


まぁ…お楽しみに!

ではでは!(逃走)

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― 新着の感想 ―
[気になる点] 〉ギルド員F「ララさんに仕事任されるとか、どんだけ優秀なのマーガレットちゃん……!」 コレだけでもララさんの実力が解るって凄いですねぇ〜… コレは後に起こる(かもな)高貴な者達((笑…
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