239.翌朝の様子…とお袋さんへのご連絡
フルール「いいわよ」
コウスケ「ありがとうございます」
というわけでリオのお泊まりが許されました。
リオ「いや…まだオヤジとオフクロの許可をもらってないだろ……?」
サフィール「でも、多分ですけど、ご両親は許してくださると思いますよ?」
リオ「…まぁなぁ……」
俺とリオ、サフィールちゃんとモニカちゃんは、フルールさんとお話しながら庭で洗濯物を干している最中である。
予想通りフルールさんは快く承諾してくれたのでよかったよかった。
ダメだったら……許してくれるようにシンプルにお願いしまくるしかないかな。
ここは誠実に行かねばならんから。
モニカ「でも、心配だなぁ……」
リオ「何が?」
モニカ「リオちゃんのお父さんとお母さん…リオちゃんがいなくて寂しくないかなぁ……」
リオ「あぁ…う〜ん……どうなんだろう……?」
まぁリオは自分のことだから明言はしづらいかもねぇ。
でも…
コウスケ・マグ「寂しいだろうねぇ」(寂しいでしょうねぇ)
サフィール「寂しがると思いますよ?」
マグとサフィールちゃんと意見が一致した。
まぁ、そんな感じはするよね。
リオ「そ、そうか……?」
モニカ「そうだよ。お父さんもお母さんも、リオちゃんのこと大好きなはずだよ?」
リオ「そ、そうか……」
もの凄くソワソワしながらポリポリ頬をかくリオにホッコリしつつ、俺たちは洗濯物を干し終えた。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
みんなが起きてきて、一向に目覚める様子のないチェルシーとメリーをサフィールちゃんとショコラが起こそうとして、逆に布団に連れ込まれたりしたのを救出したあと、俺たちは朝ごはんを食べていた。
なお、途中でユーリさんが起きてきて、軽く挨拶を交わしたあと彼女はフルールさんのお手伝いをしていた。
さらに言えば、俺はまったく覚醒しないメリーとチェルシーにご飯を食べさせながら自分のご飯を進めていた。
早く起きて。自分で食べて。
まぁそれはともかく、俺は朝ご飯の最中に唐突にあることを思い出した。
コウスケ「あっ」
パメラ「ん?マグ、どうしたの?」
コウスケ「思い出した」
パメラ「何を?」
コウスケ「私昨日本もらったんだった」
サフィール「本ですか?」
ショコラ「なんの本?」
コウスケ「この前モデルしたときの本」
シエル「え゛っ!!?」
みんな『っ!?』
まだ寝ぼけていたはずのシエルが突然大声を出したので、俺たちは揃ってビクッとなってシエルを見た。
なお同じく寝ぼけていたメリーは驚いて起きたが、チェルシーはまだ半分寝ていた。
リオ「うっさいな……耳がキーンてきたぞ……」
シエル「だ、だって…!マーガレット…!モデル…!」
モニカ「シ、シエルちゃん…落ち着いて……」
腕をぶんぶんしながら単語しか話さないシエルをモニカちゃんが落ち着かせる。
マグ(う〜ん…さすがオシャレ好きなシエル……反応が凄いですね……)
コウスケ(凄すぎるって……)
俺も耳キーンなったわ……。
難聴になったらサフィールちゃんに治してもらおう……。
…治せるよね?
ショコラ「でもマグぅ…それを忘れるなんてひどいよ〜!早く見せて見せて〜!」
コウスケ「ご飯を食べ終わってからね」
ショコラ「よ〜し!もぐもぐもぐもぐ…!」
シエル「あ、アタシも……!もぐもぐ…!」
サフィール「おふたりとも、あんまり急いで食べるのは危ないですよ」
ショコラ・シエル「「もぐもぐ…ふぁっふぇ〜……」」
パメラ「食べながら喋るのもダメだよ?」
ショコラ・シエル「「もぐもぐ…ごくん……だって〜……」」
パメラ「言い直さなくていいから……」
フルール「おかわり欲しい子はいるかしら?」
ショコラ「あっ!欲しいです!」
シエル「えぇっ!?本はっ!?」
う〜ん…マイペース。
チェルシー「あ〜……」
コウスケ「ほい、あ〜ん」
チェルシー「あむ…むぐむぐ……」
メリー「………マグ……あ、あ〜……///」
コウスケ「ん。あ〜ん」
メリー「あむ……んむんむ……♪」
こっちもどっこいどっこいだな。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
シエル「可愛い〜!」
メリー「……!(こくこく)」
リオ「へぇ…こういうデザインもあるのか……」
パメラ「あっ、このリボン欲しいかも〜♪」
ショコラ「はわっ!耳付けてる!」
モニカ「わぁぁ♪マーガレットちゃん可愛い…!」
サフィール「この耳も売り物なんですね」
チェルシー「いいな〜!アタシも着けた〜い!」
マグ(盛り上がってますね〜♪)
コウスケ(だね〜♪)
モデル雑誌をみんなで見ると、やっぱりそこは女の子。
オシャレな服にキャッキャとはしゃぎ始めた。
リオは服の構造に興味があるようだし、ショコラちゃんは洋服が見たいというよりは、可愛い格好のマグが見たいという感じだが、楽しんでいるので何よりだ。
チェルシー「ねぇねぇマギーちゃん!アタシが獣人のお耳を着けるとしたら何が似合うと思う?」
コウスケ「う〜ん…ネコかな?」
マグ(あ〜…似合いそう)
チェルシー「ネコ!エスト姉とシャール姉とおそろ〜い♪」
ほんとこの子えっちぃことが絡まなきゃただのめちゃくちゃ可愛い子なんだけどなぁ。
絡むとスケベ親父も真っ青のメスガキっぷりだもんなぁ。
わからされないように外では何が何でも落ち着かせよう。
まぁ多分手を出そうとした人はすべからくこの世からドロップアウトするだろうけど。
チェルシー「えへへ〜、にゃんにゃん♪」
ショコラ「にゃあにゃあ〜♪」
メリー「……にゃんにゃん♪」
コウスケ(なんで人がちょっと考え事してる間に桃源郷になってんの?)
マグ(とうげんきょう?)
コウスケ(天国的なとこだよ)
マグ(へぇ〜…………にゃんにゃん♡)
コウスケ(俺ちょっと幸せを噛み締めるために寝るわ)
マグ(……にゃ〜んにゃん♡)
コウスケ(マグ…それ以上はにやけ顔を表に出しそうになるからやめて……)
マグ(わかりましたにゃん♪)
コウスケ(この人でなし!)
マグ(なんで!?)
俺を軽率に殺しにかかるからです。
メイカ「ふぁ〜あ…おはよう〜……」
チェルシー・ショコラ・メリー『にゃん?』
メイカ「…………」
スゥ〜……バタン。
コウスケ「あ〜、ほらぁ…メイカさんがまた旅立っちゃったよ〜」
チェルシー「メイカさーん!?」
コウスケ「それよりほら。メイカさんも起きてきたし、隅っこの方に移動するよ」
シエル「マーガレット…慣れてるわね……」
サフィール「はい……慣れすぎてると言ってもいいと思います……」
リオ「メイカさん…それだけしょっちゅう倒れてるってことか……」
モニカ「た、大変そう……」
モニカちゃん……。
それはメイカさんが?それとも毎回フォローを入れる周りの人が?
ユーリ「あっ!メイカさんまたそんなところで寝て〜!ほらほら、起きてくださ〜い!」
メイカ「私は天使たちを見たわ……」
ユーリ「いい加減慣れてくださ〜い」
チェ・モニ・リオ・シエ・サフィ『て、手慣れてる……』
コウスケ(そりゃまぁ……何かするたびに可愛い可愛い言っては尊死するのを繰り返してたらなぁ……)
マグ(う〜ん……メイカさんが弱いのもありますけど、コウスケさん…無意識に可愛いことしてますからねぇ……)
コウスケ(それ、前にも言われたような……)
しょうがないじゃん……素体が可愛いんだから、何やったって大体可愛くなっちゃうんだよ……。
ディッグ「お〜う…また朝からやってんなぁ……」
ケラン「まぁ…予想通りですね……」
下に降りてきたディッグさんとケランさんが、メイカさんを見て呆れた声で言った。
うん、ほんとそれな。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
メイカさんが復活して、大人たちが朝ご飯を食べ終えて落ち着いたあと、俺たちは寮を出てそれぞれの仕事場へと向かった。
モニカちゃんは近場なので店の前で別れ、他の子はそれぞれディッグさん、ケランさん、ユーリさんが着いていってくれた。
メイカさんの奇行を見たあとだと、ふたりっきりは気まずいかなと思って、メイカさんが残るようにお願いした。
それは本人に伝わらないように言ったので、メイカさんは「も〜、しょうがないなぁマーガレットちゃんはぁ〜♪」と上機嫌になった。
知らぬが仏とはこのことである。
そして冒険者ギルドに着いた俺たちはまず、ララさんに事情を説明した。
コウスケ「これこれこういうわけでして、しばらくリオと一緒にいてもいいですか?」
ララ「そっか……うん、いいよ。じゃあ鍛治ギルドでお願いできそうなお仕事を渡しとくね」
コウスケ「ありがとうございます」
リオ「ララさん…すみません、ご迷惑をかけて……」
ララ「ううん、迷惑なんかじゃないよ。むしろマーガレットちゃんだけでいいの?他の子も連れてっていいよ?」
リオ「い、いえ…さすがにそれは……」
ショコラ「えっ!いらないの!?」
チェルシー「リオちゃ〜ん……確かにマギーちゃんは頼りになるけどぉ…アタシだって頑張るから〜!」
リオ「いや、そういうことじゃなくてだな……そんないっぱいオレのところに連れていくのはさすがに申し訳なさすぎるんだよ……」
コウスケ「う〜ん…行くとしたらもうひとりだけ…かなぁ」
リオ「えっ」
パメラ「じゃあジャンケンだ!」
ショコラ「よ〜し!」
チェルシー「負けないぞ〜!」
リオ「おいおい……まぁみんな来るよりはいい…よな……?多分……」
リオが早速折れてるけど、まぁ特に問題なく説明が終わった。
と、そうだ。
みんなの注意が向こうに行ってる間に…
コウスケ「ララさん…」
ララ「うん、なぁに?」
コウスケ「俺はしばらくリオといるんで、ハルキとフォーマルハウトと話すのはちょっと難しくなるんです…」
ララ「あ〜…そうだねぇ……うん、わかった。私の方からごしゅ…ハルキさんに言っておくよ」
コウスケ「ありがとうございます」
チェルシー「やった〜!」
ショコラ「うぅ〜!」
パメラ「負けた〜…!」
チェルシー「ふふん♪これが早起きのパワーだよ!」
ショコラ「チェルシー1番遅かったじゃ〜ん!」
パメラ「そうだそうだ〜!」
チェルシー「わっはっは〜!勝ったからいいのだ〜!」
ショコラ・パメラ「「むぅ〜!」」
どうやらあっちも終わったらしい。
勝者はチェルシーか。
うん。絶対早起きパワーでは、ない。
ララ「ふふふ♪それじゃあふたりのこと、よろしくお願いします♪」
コウスケ「はい、任されました」
ショコラ「マグ〜!負けちゃったよ〜!」
パメラ「次は私の番だよマグ〜!」
次の人選まで決まったのか。
じゃあその次がショコラちゃんなんだな。
リオ「はぁ…凄く無駄に壮絶だったな……ただのジャンケンなのに……」
チェルシー「えへへ〜♪」
リオ「褒めてはないぞ?」
チェルシー「えぇ〜」
いったいどんなジャンケンをしたんだ……?
リオ「まったく……仕事ほっぽって…るわけじゃないけど、わざわざオレのとこでやんなくてもいいだろうになぁ」
マグ(とかなんとか言いながら、リオ、ちょっと嬉しそうじゃありません?)
コウスケ(うん。なんだかんだ喜んでるね、あれは)
リオ「……なんだよ……?」
コウスケ・マグ「(別に〜?)」
リオ「むぅ……///」
コウスケ・マグ((あっ、照れた))
マグ(可愛いですねぇ♪)
コウスケ(可愛らしいねぇ♪)
ララ「それでマギーちゃん」
コウスケ「はい、なんでしょう?」
ララ「鍛治ギルドに行くのなら、誰か着いて行った方がいいでしょ?どうするの?」
コウスケ「メイカさんが送ってくれるらしいので、私たちは大丈夫ですよ。でも多分お昼になったらこっちに残る組が…」
パメラ「あっ!お昼は行きます!」
ショコラ「みんなに会うの!」
コウスケ「と、いうわけなので……」
ララ「ふふふ♪うん、わかった。じゃあお昼になったら会おうね」
コウスケ「はい」
鍛治ギルドからここに来るのには誰に頼もうか……。
昨日はしれっと大人無しで行けたしもう大丈夫かな?
いやいや…そういう慢心が事件に繋がるのだ……ちゃんと気をつけておこう……。
コウスケ「それじゃあララさん。そろそろ行きます」
ララ「うん。じゃあ…え〜っと…この辺かなぁ……はい、マギーちゃん。これお願いね」
コウスケ「はい」
そう言って渡された紙束をバッグにしまい、リオにも言葉をかける。
コウスケ「リオ〜、そろそろ行こうか」
リオ「お、おう……なぁ…今の紙の束って……」
コウスケ「私のお仕事?」
リオ「だ、だよな……いや、それにしては量が……」
コウスケ「少ない?」
リオ「いや…多いと思うんだけど……」
コウスケ「あぁ〜…まぁ……うん……慣れた」
リオ「そ、そうなのか……」
うん……慣れちゃったし…それに…
ショコラ「ララさんはもっとすごいよ〜!」
そうなんだよなぁ……。
パメラ「私たち全員合わせても追いつくかどうか……」
リオ「そ、そんなになのか……!?」
チェルシー「リオちゃん……あそこに紙の塔が見えるでしょ……?」
リオ「お、おう……えっまさか……」
チェルシー「全部ララ姉のだよ……」
リオ「多すぎません!?」
ララ「こんなもんだよ〜♪」
なんてころころ笑うララさんだったが、俺たちはなんとも言えない感じになってしまう。
リオ「えぇ…あの量を1人で……?」
コウスケ「しかも今日中に全部終わるよ、あれ……」
リオ「ウッソだろ!?」
ララ「これぐらいなら休み時間が取れるから楽勝だよ♪」
リオ「…………」
リオが絶句した。
気持ちは分かる。俺たちも慣れるまでにちょっと掛かった。
だがこれがララさんの普通なのだ。
これでも減った方らしいので…まぁ…うん……。
コウスケ「…私たちに出来るのは、お仕事を頑張って少しでもララさんの負担を減らすことなんだよ……」
リオ「そ、そうか……」
ララ「ふふふ♪気持ちは嬉しいけど、私は十分楽させてもらってるよ〜♪」
コウスケ「…それならいいんですけどねぇ……」
俺たちちょいちょいどっか行くからな……。
その分の仕事はギルドの他の人に任せちゃうことになる…と思ったらララさんが全部片してて……。
それで楽させてもらってるなんて言われても……う〜ん……。
結局お仕事を頑張って恩を返すのが1番なのだな……。
コウスケ「まぁそういうことならよかったです。それじゃあそろそろいってきます」
ララ「うん、いってらっしゃい。気を付けてね」
コウスケ・マグ・リオ「(「はい」)」
チェルシー「は〜い♪」
ショコラ「じゃあね、マグ、リオ、チェルシー」
パメラ「お昼に会おうね!」
コウスケ「うん」
リオ「おう」
チェルシー「うん!ショコラちゃん、パメラちゃん!いってきます!」
ショコラ・パメラ「「いってらっしゃ〜い!」」
ショコラちゃんたちに見送られ、俺たちはカウンターの外で待ってくれていたメイカさんと合流し、ちょっと遅れたが鍛治ギルドへと出発した。
さて…次はリオのご両親だな……。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
リオの要望により、俺たちはまずサワコさんの方へと向かった。
なんでも、鍛治ギルドに行ったらそのままの勢いでやりたいからとかなんとか。
だから俺は努めて優しくこう言った。
コウスケ「事故るよ?」
リオ「ぐふっ!」
勢いでどうにかなるもんではないことは理解していたリオに無事クリーンヒットしたところで、それはそれとして要望通りリオの家に到着した。
俺自身もわざわざ往復するのは面倒だと思ったからである。
リオが何か言いたげな目をしてたが気にしない。
そうしてお家にお邪魔して、かくかくしかじかで説明したあとのサワコさんの反応は…
サワコ「…そうかい……そういうことなら、仕方ないねぇ……」
だいぶ心に傷を負っている気がするものだった。
マグ(…罪悪感がします……)
コウスケ(俺もだよ……)
手段としては間違っていないはずとはいえ、やはり愛する1人娘を助けられず、同じ街の中といえど、離れて暮らすというのは無力感を感じざるを得ず、何よりかなり寂しいだろう。
そんな状態であろうにも関わらず、サワコさんは俺に向かって…いや、俺とメイカさんに向かって頭を下げた。
サワコ「リオを…娘をどうか、お願いします……!」
コウスケ・マグ「(…はい。お任せください)」
メイカ「私たちが責任を持って、リオちゃんを守ります」
サワコ「助かるよ……」
俺たちはサワコさんの目を真っ直ぐ見つめ直し、ハッキリと宣言する。
そんな俺たちに頷くと、サワコさんは次にリオの方を向いた。
リオ「オフクロ……」
サワコ「リオ……アンタは賢い子だ……でも、何でもかんでも自分だけで決めたらいけないよ……」
リオ「……うん……」
サワコ「何か迷ったら、お嬢ちゃんたちを頼るんだよ……もちろん、アタシやギルドのみんなも力になるけどね……」
リオ「……わかった」
リオの返事に満足げに頷いたサワコさんは、再びこちらに顔を向けた。
サワコ「それじゃあよろしくね……」
コウスケ・マグ「(はい!)」
メイカ「お任せを」
サワコ「チェルシーちゃんも…リオと仲良くしてあげてね」
チェルシー「は、はい!もっと仲良くなります!」
サワコ「ふふふ…あぁ、頼んだよ…」
急に話を振られてちょっとテンパるチェルシーに微笑みながら、サワコさんは再び頭を下げてそうお願いをした。
そうして俺たちは家を出た。
帰り際、リオのお泊まり用の荷物をまとめておくから、寮に帰る前にもう一度寄って欲しいと言われたので、これにもちゃんと返事をした。
メイカ「いいお母さんだね」
リオ「……えぇ」
そう答えるリオの顔は、少し綻んでいた。
マグ(とりあえず、サワコさんとは仲直り?でいいんですかね?)
コウスケ(ケンカしたわけじゃないけど……まぁ、ギクシャクしてたのが多少緩和されたっぽいから、仲直りでいいと思うよ)
マグ(そうですか?じゃあ…リオとサワコさんが仲直り出来てよかったですね)
コウスケ(だね。これで残るは…)
マグ(親方さん…ですね……)
許しは出ると思ってる。
でもやっぱり緊張するわけで……。
メイカ「マーガレットちゃん」
コウスケ「あっはい…んむっ…」
マグ(はわっ!)
メイカさんに呼ばれてそちらを向いた瞬間に抱きしめられた。
メイカ「大丈夫。マーガレットちゃんは間違ってないよ」
コウスケ・マグ「(!)」
…メイカさんってこういうとこズルいよね……。
いつもはあんななのに…急に大人になって……。
コウスケ「…メイカさん、ありがとうございます」
メイカ「うん♪」
メイカさんのおかげで少し心が軽くなった。
よし、親方さんに会いに行こう。
…………。
コウスケ「…あの…メイカさん?」
メイカ「なぁに〜?」
コウスケ「えっと…もう大丈夫ですので離していただけると……」
メイカ「え〜?もうちょっとだけ〜♪」
……ほんとこういうとこが無きゃ、他の子にちょっと警戒されることもないだろうに……。
マグ(コウスケさんコウスケさん)
コウスケ(……リオもいるからほどほどにね……)
マグ(えっ!?いいんですか!?やったぁー!)
マグ「えへへへ〜♪(すりすり)」
メイカ「っ!うへへへマーガレットちゃ〜ん♪可愛いわ〜♪可愛いわぁ〜♪(ぎゅむ〜)」
マグ「んむぅ…んふふふ…♪」
メイカ「あんっ♪息がくすぐったいわよ〜♪」
そりゃそんな抱きしめたらねぇ。
普通に息苦しそうですけどねぇ。
マグ(んふふふ♪ふにふにですぅ♪)
でもマグはとても嬉しそうですね。
あなたいつからそんなに…まぁ知ってるけど。
チェルシー「わぁ♪マギーちゃん積極的ぃ♪」
リオ「……(じ〜)」
チェルシー「?リオちゃんも羨ましい?」
リオ「えっ?あ、いや……って…もってことは……」
メイカ「あら。チェルシーちゃんも遠慮しなくていいのよ〜♪」
チェルシー「えっ!?えと…いいんですか……?」
メイカ「うん♪むしろ来てほしいわ!」
高らかに宣言しないで。
人通り少なめとはいえすぐそこが鍛治ギルドなんだから何人かには聞かれると思いますよ?
チェルシー「…じゃ、じゃあ……(ぽふっ)」
メイカ「うふふ♪」
チェルシーがメイカさんの脇腹あたりに遠慮気味に抱きつく。
その様子を見てマグが疑問を投げかけてきた。
マグ(…チェルシーはどうして遠慮したんですかね?)
コウスケ(ん?ん〜…メイカさんにまだ苦手意識があるんかなぁ……)
マグ(えっ?なんでですか?)
コウスケ(出会い頭でマグ泣かせたから)
マグ(泣いた……あっ…あ〜……なるほど……)
それか自分を超える変態だから引いてるか。
マグ「…チェルシー。ほら、こっちおいで〜♪」
チェルシー「ん…えへへ……♪」
マグがチェルシーを呼んで、メイカさんの胸に2人で抱きついている状態に移行。
チェルシーは割とガラスメンタルなので、こうして助けてあげるのはやぶさかではないが…
メイカ「ぐふふ♪」
変態さんがやべぇ声を上げ始めたので早く逃げて欲しい。
あとリオをほっぽらないでください。
さっきサワコさんに頼まれたばっかりなのに何やってんの。
メイカ「リオちゃんもおいでおいで〜♪」
リオ「えっ!?あっいや、えっと……」
リオさんどうにかしてください。
あとでいっぱいなでなでするのでどうにかしてくださいお願いします。
マグ「リオ〜おいで〜♪」
チェルシー「リオちゃ〜ん♪」
リオ「……えっと…そ、それじゃあ……」
あっ……。
マグとチェルシーが誘われるままに、リオは2人の間に入りメイカさんの胸におずおずと顔を埋めた。
…まぁ…これはマグの体じゃしてあげられないからなぁ……。
メイカさんかユーリさんあたりじゃないと……。
サフィールちゃんも出来るだろうけど……さすがに恥ずかしいだろうし、何より友だちの距離感だからマグとチェルシーが暴走しないか心配……。
あとパメラちゃんの前でやるとどこぞの変態を見るウサちゃんが如く、とんでもない目で見てくるだろうし……。
マグ(ふにふに…♪)
チェルシー「……♪」
リオ「……///」
……でもそろそろ行かない?
メイカ「はぁぁ…♡可愛いわぁ……♡ほんと…可愛い……♡」
ってか逃げない?
ブックマーク数が300超えました〜!
他の方の小説とか後書きを読んでいるととんでもない速さで1000とか5000とか超えてる人がいて、それに比べたら今さら感がとんでもなくてちょっとなんとも言えないですが、気にせずこれまで通り好き放題させて頂こうと思います!
それはともかく、いつも応援してくださる皆さんには本当に感謝しております。
ありがとうございます。
これからもどうかよろしくお願いします。
ではでは♪




