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異世界で少女とまったりするために頑張る  作者: レモン彗星
第3章…鍛治コンテスト
239/436

236.寝る前にもワチャワチャ…夜中にヒソヒソ

マグ「ぜぇ…はぁ…」

パメラ「さ、さすがに疲れた……」

モニカ「はぁ…はぁ……わ、私も……」

ショコラ「ショコラはまだまだいけるよ!」

チェルシー「ショ、ショコラちゃん…元気だね……」

リオ「オレはもう無理だわ……」

シエル「あ、アタシも……」

サフィール「はひぃ…もう動けません……」

メリー「……(こくこく)」


壮絶 (平和)なまくら投げは、スタミナ切れにより1人、また1人とダウンしていった結果、ショコラちゃんの1人勝ちとなった。


あんだけはしゃぎ倒してもなおピンピンしてるとか、どんだけ体力あるんだこの子は……。


ちなみに最初にダウンしたのはメリー。

そのすぐあとにシエル。

そのあとに最近運動出来てなかったリオで、ウェイト的にハンデがあるサフィールちゃんと続いた。


ショコラちゃんとずっと遊んでいたマグとパメラちゃん、ギルドの仕事で結構動いているチェルシー、お店の手伝いで意外と体力のあったモニカちゃんとダウンしていったのだ。


1回サフィールちゃんの揺れるたわわにマグが魅了されたり、パメラちゃんが無言で真顔でひたすらぽふぽふサフィールちゃんを狙ったりしたが、特に問題はなかった。


チェルシーが「あっつ〜い♪」とか言ってマグに自身のふにふにを見せつけるように脱いで、それにまんまと引っかかったマグが隙だらけになっていたり、やたら強い自称「まくら投げマスター」のショコラちゃんと、それにムキになったシエルの争いに巻き込まれてリオとパメラちゃん、そしてマグが本気を出したりしていたが、とても穏やかな時間を過ごせた。


少なくとも俺は。


個人的にはモニカちゃんとサフィールちゃんとメリーの3人が「え〜い♪」「あはは、やったね〜?」「……とう♪」とかなんとかワチャワチャやってたのがMVPです。


何あれ?

あんなん見たら全世界の悪が浄化されるんじゃないか?

尊死するとこだったわ。

思わず拝んだわまったくありがたや。


だから結局マグが交代してくれなかったことを忘れてたわ。

というか今思い出したわ。


まぁ十分楽しんだからまったく問題ないけどな!


実際、下手に代わると違和感を感じさせちゃうかもだから難しいってのはあるしね〜。

まぁ今度やるときは俺がやる〜とか言えばマグも気にしないでくれるしょう。


正直見る専でもいいぐらいだから、ほんっとに気にしないでいいんだけどね!

マグは優しいからな!

可愛いね!


どうやら元気なのはショコラちゃんだけじゃなかったみたいだな!へへっ!


とかなんとか1人でバカしてる間に、みんなが少し復活したようだ。


シエル「はふぅ……あ〜あっつい……」

パメラ「あれだけ動いたらね〜……」

チェルシー「みんなも脱げばよかったのに〜。それでも体がポカポカしてるぐらいなんだよ?」

リオ「確かに……これなら脱げばよかったかもなぁ……」

サフィール「ちょっと汗かいちゃいました……」

モニカ「あはは…私も〜……」


まぁチェルシーのはマグに対するハニートラップだったけどな。

ってかみんなパジャマを着崩し始めちゃったじゃん!

目に毒だなもう!


…まぁ裸を見てるし、なんなら隅々までしっかり洗ったあとだから今さらではあるけどね。


ってなわけで…


コウスケ(マグ。みんなの分のタオルを用意してあげよう)

マグ(そうですね。このままじゃ風邪引いちゃいますから。あとお水も用意したほうがいいですよね?)

コウスケ(うん。お願い)


そうそう。

失った水分は取っておかないと。

特に眠ってるときは結構な量の水分が無くなる(らしい)んだから。


マグ「それじゃあ私タオル取ってくるよ。あとお水も入れてくるね」

パメラ「ありがとうマグ〜…」

ショコラ「あっ、じゃあショコラ手伝うよ」

マグ「ありがと、ショコラ」


未だ疲労困憊(ひろうこんぱい)のみんなのために、マグとショコラちゃんは協力してタオルとお水を用意した。


ショコラ「持ってきたよ〜」

チェルシー「ありがと〜!ゴクゴク…ぷはぁ〜!生き返る〜♪」

メリー「ごくごく……ふひ〜♪」


まずお水を配るショコラちゃん。

みんなは受け取ると即座に飲み干してしまった。


そこにマグがタオルを配っていく。


マグ「はい、どうぞ」

シエル「ありがと、マーガレット」

リオ「はぁ〜…いやしかし、暴れたなぁ〜」

パメラ「あはは♪ねぇ〜♪」

サフィール「ちょっとはしゃぎすぎちゃいましたね〜」

モニカ「でも楽しかったね〜♪」

サフィール「はい、とっても♪」

マグ「……(じー)」


コウスケ(……マグ……サフィールちゃんが谷間に手突っ込んで拭いてるのを凝視するのはやめなさい……)

マグ(でもコウスケさん……ふにふにの間の汗ってなんかエッチじゃないですか……?)

コウスケ(そういうのに目覚めるのもやめなさい……あなたにはまだ早すぎるわ……)

マグ(はわっ!?コウスケさんコウスケさん!ふにふにを持ち上げて根元も拭き始めましたよ!?)

コウスケ(だから凝視するのをやめなさいってば)


おっぱい好きというイメージを頑張って払拭しようとしてる俺の身にもなって?


そんなマグの視線には幸い気づいていないようで、サフィールちゃんはそのまま楽しそうにお話を続けている。


サフィール「まくら投げってあんなに楽しいんですね」

ショコラ「でしょでしょ〜?だから続きやろうよ〜!」

サフィール「え、えっとそれは……」

パメラ「も〜…みんなはショコラみたいに体力オバケじゃないんだからね〜!」

ショコラ「ショコラ、オバケじゃないも〜ん!」


コウスケ(ほんとショコラちゃん元気だなぁ……)

マグ(あ〜…ショコラは農家(おうち)の手伝い以外でもずっと動き回ってるような子ですから……)

コウスケ(元気が過ぎるぜ…ショコラちゃん……)


シエル「どっちにしても、アタシたちはもう疲れちゃったから無理よ〜……」

モニカ「うん…それにもうこんな時間だよ…?遊んで疲れたから余計に…ふぁ……ふぅ……」


あら可愛いあくびだこと。


パメラ「そうだねぇ…じゃあそろそろ寝よっかぁ」

ショコラ「ちぇ〜…まだまだ遊べるのにな〜……」

パメラ「ショコラだけ遊べてもしょうがないでしょ〜」

ショコラ「ぶーぶー」

チェルシー「あははは♪まぁまぁ。その分明日早起きすればいいんじゃない?」

ショコラ「そっか!」


そうか?


ショコラ「あれ?でもチェルシーって……」

チェルシー「アタシはお昼まで寝てるからさ☆」

ショコラ「やっぱり!?」

チェルシー「朝はどうしてもダメなんだよ〜……」

モニカ「大変だねぇ……」


ほんとにね。

憑依先が普通の人間であるマグであったのも、幸運なんだろうねぇ……。


マグ(あっ…コウスケさん)

コウスケ(うん?)

マグ(リオの様子が……)

コウスケ(ふむ?)


マグが見せてくれる視界に映るリオは、確かにどこか影が差しているように見える。


マグ(やっぱり寝るのが怖いんですね……)

コウスケ(うん……この疲労感と遊んだあとの楽しい雰囲気ならもしかしたら、とも思ったんだけど……)


そんな簡単にはいかないか……。

まぁそりゃそうだよな、うん。


とはいえ、俺らにやれることといえばもうアレしかない。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


リオ「なぁ…狭いんだけど……」

マグ「大丈夫大丈夫」

リオ「いや、潰れそうなんだけど……」

チェルシー「大丈夫大丈夫」

リオ「大丈夫じゃねぇから言ってんだよ?」


ということで、トイレやら何やら済ませた子どもたちは、前のお泊まり会のときに俺にやったように、リオを中心にぴっとりぺったりくっついて寝ている。


リオ「なぁ、これ別の意味で寝られねぇって……」

パメラ「まぁまぁ」

リオ「いやまぁまぁじゃなくて…」

シエル「まぁまぁまぁ」

リオ「増やしゃいいってもんじゃねぇよ?」


その結果、こうしてリオのツッコミが冴え渡ることになった。


なおリオの両脇はマグとチェルシーが陣取っており、マグのもう片方にはメリー。

リオの上…布団の集合体の中心に頭を向けているので上。ここにサフィールちゃんがいて、その両隣りにシエルとモニカちゃん。

シエルの奥にショコラちゃんで、モニカちゃんの奥がパメラちゃんとなっている。


これは、甘やかせる俺ことマグと、何かあったときに近くにいた方がいいサフィールちゃん以外をじゃんけんで決めた結果である。


じゃあなんでサフィールちゃんはリオの隣ではないのか。

それはいざというときにリオを押さえてもらうためらしい。


なかなか物騒な理由だが、本人は至って真面目に言っていたので俺たちは追及などはせずに大人しく頷いた。

リオは「え…マジで……?」という顔をしていた。


で、そんなみんなが今、リオを中心にぎっちょむぎっちょむ。

確かにこれじゃあリオの言う通り別の意味で寝られないので、少し包囲網を緩めるようにマグに持ちかける。


コウスケ(ちょっと緩めないと、マジで眠れないんじゃない?)

マグ(まぁまぁまぁ)

コウスケ(おいこら。俺にまでゴリ押しを敢行するんじゃない)

マグ(てへっ♡)

コウスケ(許す)


まったくこの子は……。

そんなかわい…あざとく卑怯な手をどこで覚えたんだ可愛いなぁもう。


マグ(冗談はさておき、今のリオからちょっとでも離れるのは少し不安で……)

コウスケ(まぁ…それはわかる)

マグ(あとメリーが今もなお後ろから押し込んでくるので……)

コウスケ(あぁ…うん…なるほど……)


マグ1人の力ではどうすることも出来ないってことだな……。


チェルシー「リオちゃんあったか〜い♪ぎゅ〜♪」

マグ「あっほんとだ♪ぎゅ〜♪」

リオ「狭いって言ってんのに!?」


…これは多分、マグが楽しんでるからってのも、離れない理由の1つだろうなぁ。


メリー「……マグもあったかい♪」

マグ「えへへ♪もっとくっついていいよ♪」

メリー「……うん♪」


こんなん楽しいに決まってんな。

うん、しょうがないね。


モニカ「サフィールちゃん、ぎゅってしていい…?」

サフィール「はい、いいですよ」

モニカ「やった♪」

サフィール「シエルさんもどうですか?」

シエル「あ、あらそう?まぁそう言うならくっついてあげなくもないわ」

サフィール「うふふ♪ありがとうございます♪」

パメラ「じゃあモニカちゃん。私もくっついていい?」

モニカ「いいよ〜♪」

シエル「あ…ショ、ショコラ?アタシにくっついてもいいわよ?」

ショコラ「…………」

シエル「あ、あれ?ショコラ?」

ショコラ「……すやぁ……」

シエル「ね、寝てる!?」

みんな『えっ!?』


えっマジで?

さっきまであんなにはしゃぎ倒してたのに、誰よりも先に寝ちゃったの?


…実は疲れが溜まってたのかな……?

まぁ、子どもらしくていいんじゃないかな。


チェルシー「そっかぁ、寝ちゃったかぁ。それじゃあアタシたちも寝ちゃう?」

パメラ「そうだね。ショコラが寝てる間に楽しいお話をした…なんて、あとで絶対ズルイって言うもんね」

マグ「あはは、確かに♪」


うん、間違いないね。


シエル「それじゃあ寝ちゃいましょうか。みんなおやすみ」

モニカ「うん、おやすみなさい」

パメラ・チェルシー「「おやすみ〜」」

メリー「……おやすみ」

サフィール「おやすみなさい」

マグ「うん。みんなおやすみ♪」


口々におやすみの挨拶をしていく中、リオが言った。


リオ「いや待て待て!こんなべったりくっついたまま寝るのか!?」


ど正論である。

そうだね、これじゃあ寝返り打てないもんね。

でもね、リオ……


マグ「え〜?でも私、いつもこんな感じで寝てるよ?」

リオ「ウソだろ!?」


毎日メリーと寝てるからね……。

あと高確率でユーリさんもいるからね……。


サフィール「マーガレットさん、それは…体が硬くなってしまいますよ……?」


はい、わかってます。

毎朝体伸ばしまくってます。


チェルシー「というかリオちゃん。もうショコラちゃん寝てるんだから、もう少し静かにね…?」

リオ「あっ…ごめん」


と、現在進行形でリオにべったり張り付いているチェルシーの言葉にリオは謝罪を返した。


冷静に考えてリオ……。

その子…原因の1つだよ……。


サフィール「まぁでもいいんじゃないですか?これなら悪夢なんて見ないと思いますよ?」

マグ「そうそう。むしろ私たちが夢の中に出てくるよ」

パメラ「で、夢の中でも私たちと遊ぶんだよ」

リオ「夢の中でも遊ぶのかよ」

メリー「……ん、いっぱい遊ぶ♪」

リオ「おいおい…それじゃ結局休めねぇだろ……」


なんて言いながら、リオの表情は柔らかい。

なんだかんだ喜んでる証拠だな。


結局リオが折れ、みんなはこの間と同じように中央に集まり気味で眠りに着いた。


それを静かに確認したあと、マグも眠りに着いたのだった。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


夢の中で出会ったマグは、開幕俺に頭を下げて謝罪した。


「ごめんなさいコウスケさん……まくら投げで交代しないで、そのまま眠るところまで……」

「気にしないでマグ。俺も見てて面白かったし、リオもちゃんと楽しんでたでしょ?だからいいんだよ」

「う〜…そうですね。今日はリオが主役ですから」

「そういうこと」

「あっ、でもでも、次があったらコウスケさんに交代しますからね!」

「ふふっ、ありがと♪」


まぁでも俺はまた観戦でもいいんだけどな。

ゆっくり出来るし、めちゃくちゃ癒されるし。


「さてさて、それじゃあ名前も出たところで本題。リオのことだけど……見た感じは大丈夫そうだったね」

「はい。いっぱい笑ってましたね。でもやっぱり、寝るのは怖いんですね……」

「まぁしゃあない。鍛治から離れたとはいえ、悪夢は寝たら見る可能性がどうしたってあるからな」

「…リオ…ちゃんと寝れたでしょうか……?」

「寝たかどうか確認したでしょ?」

「そうですけどぉ……私たちがお話している今この瞬間に、実はうなされてるんじゃないかとか考えると……」

「あ〜……それはわかる……」


寝始めたところまでは確認出来たけど、夢をどのタイミングで見始めるかなんて分からないし、だからってずっと見てるわけにもいかないからな……。


リオにあんなに睡眠の重要性を語った俺たちが寝不足になるわけにはいかないし。


とはいえ……


「…気になるねぇ……」

「気になりますねぇ……」

「……見てみる?」

「うなされてないか?」

「そうそう」

「……見てみましょっか?」

「よし、見よう見よう」

「あっでも待ってください。まだ私たち、会って間もないですよ?まだそんなに時間が経ってないんじゃないですか?」

「あ〜、そうだねぇ……でも遅すぎると困るしなぁ……」

「確かに細かいチェックはしておきたいですけど……あんまり細かすぎても、ずっと起きてるのとほとんど変わらなくなっちゃいますし……」

「「う〜ん……」」


2人で揃って首を捻る。


「あれ?そもそも俺たちどうやってそろそろ朝かも〜とか気付くんだっけ?」

「え〜っと……なんとなく……?」


…………。


「……起きとく?」

「……そうしときます?」

「うん、そうしよう。それでついでに時間も見れば、どの程度のお話でこんぐらい進んでるっていうのが分かるし」

「ですね。それに寝すぎるよりは細かく起きた方がいいですしね」

「そうそう。んじゃあ起きよう」

「そうしましょう」


そんなわけで早速俺たちは意識を上に持っていく感覚をイメージする。

これで割と起きれるのだ。


「……あれだね。これも一種の魔法だね」

「ですね……これで本当に好きな時間に起きれるようになったらすごいことですよね」

「使い所がだいぶ限られてるけどね」


睡眠のデバフを使ってくる敵とか相手なら使えるかもね。

俺たちダンジョンとか潜らないし、そもそも敵にそんな一瞬でも隙見せたら普通に負けだから……。


うん。やっぱり使わないな。


そんなことを考えながら、俺たちは意識を覚醒させていった。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


目を覚まし、ぼんやりする意識の中で思考を始める。


だいぶ暗いから……まだ夜かな……?


というか、やっぱり夢の中の意識とこっちでの意識は別なのかな……?

だいぶはっきりとマグと喋ってこっちに来たんだけど……。


まぁ…そうじゃないとね……。

俺たち毎日会ってはイチャコラしてたからね……。

でもこれはこれでまた謎が出来たような……。


あぁいや待てよ……?

ただ単に体に信号を送る機能が寝ぼけてるだけかもしれん……。

あぁうんそんな気がしてきたわ……。


そしてそんなことよりもやることあるんだったわ……。


(ん、ん〜……ふぅ……コウスケさん…起きてますか……?)


ある程度ぼんやり感がなくなってきたところでマグが話しかけてきた。


(ん…起きたよ。おはようマグ)

(おはようございます……ふあ……)


マグはまだまだ覚醒には程遠いかな……。


……はて……元から意識が別であるマグはなんで眠そうなんだろうか……?


これはもはや魂的なところの話かもしれんな……。

確認する(すべ)は無いからなんとも言えんが……。


まぁ別に困ってないしいいんだけどさ。

マグはあくびも可愛らしいし。

残念なのは、その姿を見ることが出来ないところかな。


まぁそれはともかく、今はな〜んじだ?


時計を見るべく起きあがろうとする俺。


だがしかし、隣で何かもぞもぞと動く気配を感じたので、起き上がりをキャンセルしてそちらを見てみる。

というか未だに抱きついているリオを見上げる。


まさか寝たときそのまんまだとは思わなかった。

あと俺が抱きついてる側に回るのはなんだか不思議な気分だ。


さてさて、そんなリオを見上げた俺だが、リオも気づいたようで首だけをこちらに向けてきた。


「っ!…マーガレット……?」

「え〜っと……お、おはよう?リオ」

「……まだ夜だろ……」


なんて冷静なツッコミでしょう。

しかも暗闇の中うっすらと見えるそのお目目は、割りかしぱっちりしているように見える。


「…ねぇ、リオ」

「うん?」

「……眠れないの?」

「あ〜…いや……そうだけどそうじゃなくてだな……」

「(…?)」


どゆこと?


「寝れたことは寝れたんだけど……なんか目が覚めちゃって……」

「あ〜…なるほど……悪夢は?」

「見てない。だから思ったより目覚めはスッキリしてるんだ。してるんだけど……こんな変な時間に起きなければなぁ……」

「せっかく寝れたのにね……」

「ほんとだよ……しかもなんか目が冴えちゃって全然眠くなんないし……」

「(あ〜……)」


あるあるだぁ……。


「まぁでもこの調子なら大丈夫そうじゃない?このまま横になってればまたいつの間にか眠ってるだろうし」

「うん…それはそうなんだけど……」


なんだか歯切れが悪いリオ。


…う〜ん…今のはちょっと無責任だったかな……?


「…やっぱり…まだ怖い……?」

「あっいや…そうじゃなくて……」

「?」


違うの?


「えっと……ちょ、ちょっと……トイレ…に…行きたくなっちゃって……」

「あ〜……」


これは誤解しちゃった俺が悪いな、うん。


「そっか。あっ、それなら離れた方がいいよね」

「ま、待って……!」

「(へっ?)」

「あっ…えっと……///」


(なんか今……)

(普段のリオからは考えられないぐらい焦った声が聞こえましたよね……?)

(うん……)


で、それに気付いて恥ずかしそうに(うめ)いてるし……。


その姿は可愛らしいけど……う〜ん……?

なんであんな声を出したんだろう……?


(…ハッ!)

(むっ!どうしたのマグ?)


そのときマグが何かに気付いたのか声を上げた。


(トイレに行きたい…でも離れたくない……これはもしかして……)

(もしかして?)

(もしかして…リオは暗いところが苦手なんじゃないでしょうか?)

(……なるほど)


確かに言われてみればそんな気がする……。

むしろそんな気しかして来なくなってきた。


(それ正解かもしれんな……)

(でしょでしょ?早速聞いてみてください!)

(りょうか〜い!)


「ねぇリオ。もしかして…暗いの苦手?」

「っ!そ、そんなこと…ないゼ!?」


((苦手だな))


マグの予想大当たり。


さて…こういう強がる子には、こっちも弱みを見せることでそれを等価交換とするか、そういうことなら…と自分が協力する側になるように手回しをしてあげればスムーズに事を運べることが多い。


いつもシエルにしていることだ。


「そっか。私はちょっと怖いんだよねぇ……夜は基本的に寝てるから、慣れてないっていうのもあるけど」

「そ、そうなのか〜……」

「…ねぇリオ……私も着いてっていい?みんながいるとはいえ、1人でぼーっと待つのはちょっと怖いし寂しいから……」

「そ、そうか…そういうことなら…じゃあ……一緒に行くか……?」

「うん。ありがとう♪」


はい、成功。


(さすがコウスケさん。いつもシエルやみんなのことを丸め込んでるだけありますね)

(人聞きが悪いなぁ……)


俺はただ丸く収まるように言葉を選んでるだけだよ〜。


「それじゃあ…とりあえずメリーを剥がさないと……」

「あっ…オレもチェルシー離さないとだな……」


なお、2人ともこれに苦戦したのは言うまでもない。


この子らほんと離れないからなぁ……。

夜中に変な時間に起きる…あるあるだと思います。

…あんまありすぎても困るけど……。


というかそんなみんなが分かるあるあるになってるって……みんなどんだけ睡眠不足に悩まされてるのかって話なような……。


働きすぎなんじゃない……?

多分……知らんけど。


と、ちょっとした闇を垣間見たところで、また次週。おたのしみに〜、ではでは。

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