224.かしまし…マシマシ
テンションの上がり下がりが激しいです。
〔リオ〕
マーガレットの話を聞いたオレたちは、ただただ黙ることしか出来なかった。
いつも明るくてそれでいて穏やかで、大人みたいなときもあれば年相応なときもある、いろんな顔をもつマーガレット……。
だが…それらの顔の裏で、お前は…ずっと……。
と、そこで、パメラが泣きながらマーガレットに抱きついた。
パメラ「…ごめん…ごめんね……!そんな…ぐす…そんなこと…なってたなんて…すんっ……」
マグ「気にしないで…私も言わなかったし……」
…そりゃあ…そうだろ……。
人が死んでいく光景が焼き付いてて、またいなくなるんじゃないかって…人と話すのも怖くなったなんて……自分からそうそう言わないよ……。
ショコラ「マグ…大丈夫……ショコラたちはいなくならないよ……」
マグ「ショコラ……」
ショコラ「大丈夫……ずっと一緒だよ……だから…大丈夫……」
マグ「…うん…そうだね……」
パメラの反対側にショコラが抱きつき、いつものお転婆具合はどこへやら、姉のような雰囲気でマーガレットを宥め始める。
その頬には、パメラと同じように涙が伝っていた。
チェルシー「……(きゅっ)」
チェルシーも、今はただ静かにマーガレットの服の裾を握っている。
…なんて、冷静ぶってるオレも……
リオ「マーガレット……」
マグ「リオも…そんな顔しないで……」
今のオレはきっと、とても辛そうに見えるのだろう……。
実際辛い……マーガレット自身は乗り越えようと頑張っているのに、オレはそれを…応援することしか出来ない……。
…いや…それすらも……無責任な激励は相手の重しになるんじゃないかと考えてしまって出来ない……。
マグ「ほんとに大丈夫だから……もう今はそんなことにはならないし……」
リオ「…なんで……」
マグ「え…?」
リオ「なんで…そんなに頑張れるんだよ……そんなことがあって……どうしてお前はへらへら笑ってられるんだよ……!」
ショコラ「リオ、言い方悪いよ……」
リオ「っ……悪い……」
思わず出てしまった言葉……。
ショコラに言われて止まれたけど……最悪だ……。
本当は苦しんでるのに……それを分かってるのに……そのことを表に出さずに、1人で抱え込んで、折り合いをつけられてるこいつに腹が立ってしまった……。
どうして……だって…マーガレットは…俺より年下なのに……どうしてそんなに落ち着けるんだよ……!
マグ「大丈夫…気にしてないから…」
…どうして…周りを優先出来るんだよ……!
マグ「それにね?私には、強い味方がいるの」
リオ「え……?」
強い味方……?
リオ「それって…《イシオン》の皆さんのことか……?」
マグ「そうだね…メイカさんも、ディッグさんも、ケランさんも、頼りになるねぇ」
リオ「えっ、違うのか……?」
じゃあ…誰だ……?
パメラ「じゃあユーリさんのこと……?」
マグ「ユーリさんもそうだねぇ」
ショコラ「あっじゃあフルールさん?」
マグ「フルールさんも…もちろんメリーもそうだねぇ」
リオ・ショコラ・パメラ『???』
いったい誰のことなんだ……?
あとは……(チラッ)
チェルシー「…?」
リオ「……ハルキさんとか……?」
マグ「ハルキさん…も……うん、力になってくれるね」
ハルキさんも違う……?
えぇ…じゃああとは……
そこでパメラがハッと何かに気が付いたようで、それをマーガレットに伝えた。
パメラ「マグの恋人!」
マグ「っ!!」
ら…顔を赤くして……
マグ「……///(こくり)」
と、頷いた。
ショコラ・パメラ・チェルシー『きゃあ〜♡』
そして盛り上がるパメラたち……ってちょっと待て!
さっきの今でそのテンションの上がりようはなんだ!?
いや、そりゃあさ?
湿っぽいままってのはアレだけど…それにしたって急すぎないか!?
ショコラ「誰?誰?」
パメラ「やっぱり私たちが知らない人?」
マグ「う、う〜ん……どうなんだろう……?」
チェルシー「あっ、ねぇねぇ!それよりも…どこまでいったの〜?」
マグ「ふぇっ!?」
パメラ「あっ確かに!気になる〜♪」
チェルシー「手は?手は繋いだの〜?」
マグ「う、うん……」
パメラ「それって恋人繋ぎ?」
マグ「恋人繋ぎ?」
パメラ「こうやってぇ…指を絡ませて、ぎゅう〜ってするやつ!」
マグ「う〜ん…正面からきゅってしたことはあるけど……」
パメラ「正面から!?」
いやいやいやいや、盛り上がりすぎだろ!?
えっこれは、こいつらの切り替えが異常に早いのか、オレがその手の話にあまり興味がないからのどっちなんだ!?
…両方な気がするな!
ショコラ「ぎゅ〜は?ぎゅ〜って抱きしめたりはしたの?」
マグ「あっそれはいつもしてくれるよ」
チェルシー・ショコラ・パメラ『きゃー♡きゃー♡』
ってか、マーガレットはなんで恋人ってのには赤面したのに、手を繋いだとか抱きしめたとかは平然と言えるんだよ!?
お前いつもみんなにそういうことしてるから感覚が麻痺してんじゃないか!?
パメラ「ね、ね!もしかして……キスまでいっちゃったりとかぁ?」
マグ「っ!!」
あっそこは赤面するんだ……。
まぁみんなとしてないもんな…………って、待て。
その反応は!
マグ「……した……///(こくり)」
チェルシー・ショコラ・パメラ『きゃあぁぁん♡』
やっぱりしたのか!
おいおい……そういうことすんのはまだ早いんじゃないか……?
そんなことするなんて……しかもこっちに来てからで、ディッグさんたちでもなくて……えぇ…誰だ……?
……まさか……ルーク…か……?
…いや、無いな。
うん、無いわ。万が一も無いわ。
…じゃあマジで誰なんだ……?
パメラ「で、どんな人?年上?年下?」
マグ「え、えっと……と、年上……」
パメラ「おぉっ!」
ショコラ「年上ってどれくらい?」
マグ「え〜っと…10個上……」
リオ・ショコラ・パメラ『10個上!?』
おいおい…だいぶ上じゃねぇか!
チェルシーとハルキさんよりも離れてんじゃねぇか!
リオ「ってぇ!お前、そんな上の人と…キ、キ、キスしたのか!?」
マグ「……うん……///(こくり)」
これは……どうする……?
まさかそんなに離れてるとは……。
10上ってことは…20か……。
20上の人と…キ、キス…かぁ……。
それって……
パメラ「…それ、大丈夫なの……?助けてもらう代わりにそういうことをさせてるとかじゃないよね……?」
マグ「だ、大丈夫だよぉ!」
パメラもオレと同じことを考えたらしく、マーガレットは否定したが、未だにオレたちは訝しむのをやめない。
だってめっちゃ怪しいし。
ショコラ「ほんと……?また隠してたりしない……?」
マグ「してないしてない!コウ…あの人はそういうことを強要するような人じゃないし……むしろ私の方からおねだりしちゃってるし……///」
みんな『えぇぇっ!?』
お前からいってんの!?
い、いやいや待て待て……まだわかんねぇぞ……。
リオ「ほ、ほんとか……?適当言ってるわけじゃないよな……?」
マグ「ほ、ほんとだもん!私の方からなでなでして〜とか、ぎゅってして〜とか……」
みんな『お、おぉ……』
キスしたって聞いたから身構えたけど、それぐらいならまぁ……
マグ「ちゅーして〜とか…」
みんな『えっ?』
マグ「かぷかぷして〜とか…」
リオ・ショコラ・パメラ『えっ…?』
チェルシー「ほほぅ……」
マグ「ぺろぺろして〜とか…」
リオ・パメラ「「ぺ、ぺろぺろぉぉ!?」」
ショコラ「はわわわ……!」
チェルシー「マギーちゃんだいた〜ん♡」
リオ・パメラ「大胆すぎるわっ!」「大胆すぎるよっ!?」
お前…お前をそれを…お前…バカッ!(混乱中)
ショコラ「そ、それってマグがおねだりしてるんだよね……?」
マグ「うん、してるよ」
ショコラ「そ、それを聞いてその人はどうしてるの……?」
リオ・パメラ「「ハッ!」」
そ、そうだ!
そんなん言われてどう返してるんだ!?
マグ「えっと…ちゅーまでならしてくれるんだけど、かぷかぷとぺろぺろは恥ずかしがって断ろうとするよ」
ショコラ「そ、そうなんだ……」
リオ・パメラ「「ホッ……」」
そ、そうか……恥ずかしがるか……。
まぁ…キスぐらいなら恋人なんだし普通っちゃ普通だが…その……か、かぷかぷとぺろぺろは……な……。
どうやら人並みの羞恥心は持ってる………ちょっと待て?
リオ「お前…今……断ろうとするって言ったよな……?」
マグ「うん」
ショコラ・パメラ「「…あっ……(察し)」」
チェルシー「おぉ♪それってつまり……」
マグ「……んふふふ……♡」
みんな『!!?』
な、なんかマーガレットが突然にやけ始めたんだが!?
マグ「コウ…あの人はいつもぉ…大人の自分がしっかりしなきゃ〜って気を付けてくれててぇ…♡それはとっても嬉しいんだけどぉ…それでもどうしてもってお願いするとぉ……えへへへへぇ♡」
そしてめちゃくちゃ惚気始めた!?
パメラ「す、するとどうなるの……?」
マグ「あの人はぁ…それでもダメなものはダメって…私にはまだ早いものとかは絶対に譲らないんだけどぉ……その分いっぱい甘えさせてくれるっていうかぁ…♡我慢させる分、他のところは譲歩しようって考えてるらしくてぇ……うへへへ……♡」
チェルシー「おぉぉぉ…♪で?で?どこまでしてもらったの〜?」
マグ「えっとね…♡かぷかぷもぺろぺろも…」
ショコラ「ど、どっちも…!?」
マグ「うん、した♪」
みんな『した側なの!?』
その流れでした側なのお前!?
パメラ「えっ…?し、してもらったんじゃなくて……?」
マグ「あっ、もちろんそのあとしてもらったんだけど……その前に私の方からぺろぺろかぷかぷさせてください♡って…」
ショコラ「わっわっ…!」
パメラ「ひゃぁ〜…!マグってば、そんなことおねだりしてるのぉ……!?」
チェルシー「すご〜い!あたしもマネしよ〜♡」
それはやめてやれ。
いや、それよりも……えぇぇ……マジか……。
そんなことをする仲なのか……やばいな……。
うわぁ……どうしよ……。
こういうときどんな反応をすればいいんだ……?
ショコラ「えっ…えっ…?だ、だって…お、男の人にそんな……ふぇぇ……?」
ショコラが…この中で1番そういう知識が無さそうだったショコラが……!
ダメだ、お前にはまだ早い……!
いや、それを言うならここにいる全員早いんだろうけどな!?
チェルシー「マギーちゃん、マギーちゃん♪どこをぺろぺろかぷかぷして、そのあとしてもらったの〜?」
お前はちったぁ自重しろっ!
パメラ「チェ、チェルシー!そ、そ、それは恋人同士の秘密なんじゃないかな!?」
チェルシー「えぇ〜?でもパメラちゃんも気になるでしょ〜?」
パメラ「そ、それはぁ……もちろんそうだけどぉ……」
パメラもうちょい頑張れよ!?
チェルシー「でしょでしょ?マギーちゃん教えて教えて〜♪」
マグ「えっとね〜……」
お前もお前でそんなサクサク教えんなよ!?
リオ「ってか待て待て待て待て!そういうことを言っちゃっていいのかよ!?相手はそういうことはあんまり言わないでほしいとか思ってんじゃないのか!?」
パメラ「あっ…そ、そっか!」
マグ「あ〜……まぁ、確かに」
リオ「だろ!?」
チェルシー「えぇ〜?聞きた〜い……」
リオ「ほんと少しは遠慮しろよ!?」
他人のプライベートだぞっ!?
マグ「大丈夫大丈夫!というかむしろ聞いてほしい!」
リオ「おいぃぃぃぃ!?お前さっき「確かに」って言ったじゃん!?」
マグ「言ったけど……」
ショコラ「けど?」
マグ「…それで恥ずかしがるあの人の姿もすっっごく可愛いから……♡」
リオ・ショコラ「「お、おぉぅ……」」
お前…なかなかエグいな……。
チェルシー「わはぁ〜♪マギーちゃんってばイジワル〜♡」
パメラ「で、でも…そんなことしたら嫌われたりとかしちゃうんじゃ……」
マグ「うっ……だ、大丈夫…じゃないかな……?どうですか……?」
パメラ「いや…私に聞かれても……」
リオ「お前…そんな不安になるぐらいならやめとけよ……」
マグ「あっ…ダメ……?えっダメですか……?あ、あぅ…あぅぅ……ふぇぇぇ……!」
みんな『っ!!?』
うぉい!?
今にも泣き出しそうな顔してるんだが!?
ショコラ「だ、だだだ大丈夫だよマグ!ちゃんと謝ればきっと許してくれるよ!」
パメラ「そ、そうそう!それで、今後気をつければ……」
マグ「…もう…何回か同じようなこと…やって怒られた……」
みんな『…………』
…………。
リオ「…マーガレット……」
マグ「リオ……」
リオ「諦めよう」
マグ「リオぉっ!?」
リオ「お前が全面的に悪いわそれは……」
マグ「で、ででででも……!コウ…じゃなくて、あの人もたまに反撃するし!」
みんな『反撃?』
マグ「私が寝るまでいっぱいいろいろしてくれるし!」
リオ「いっぱい」
ショコラ「いろいろ」
パメラ「してくれる」
それさぁ……
チェルシー「…マギーちゃんが喜ぶことをしてくれてるってことじゃん……」
マグ「えっ…そ、それはまぁ……うん……」
パメラ「本気で怒ってないようでよかった…って言いたいけど……」
リオ「うん……なぁ、その人って…怒るのとか慣れてないんじゃないか?」
マグ「えっ?えっと……そう…だね……ガーッて怒るわけじゃなくて、ちゃんと理由を話してダメだよって言う人だよ」
ショコラ「へぇ〜……」
チェルシー「じゃあ、「叱る」とか「嗜」めるって言う方が近い感じだね」
マグ「うん。それで、それがどうしたの?」
リオ・パメラ・チェルシー『あ〜……』
オレたちは互いに目を合わせ……
パメラ(言う?)
リオ(言った方がいいだろうなぁ……)
チェルシー(だよねぇ……)
目で会話をする。
で、問題は誰が言うかだが……
ショコラ「でもそれ、本気で怒ってるかどうか分からないね」
マグ「えっ?」
リオ・パメラ・チェルシー『あっ』
ショコラが言っちゃった。
ショコラ「だって、マグを傷付けるようなことは言わないようにしてるでしょ?」
マグ「う、うん……」
ショコラ「だから本当に怒っててもそれを言わないんじゃない?」
マグ「っ!?」
ショコラが全部言っちゃった。
そうそう…優しさのせいで自分を追い込んでるとかありそうじゃん?
…多分だけど……。
マグ「あっ…うぅ……そ、そうかも……ど、どうしよう……どうしよう……!」
リオ「お、落ち着けマーガレット!」
チェルシー「うん、大丈夫。落ち着いてマギーちゃん。まだどうにかなるから」
マグ「ほ、ほんと……?」
おぉ…さすが既婚者だ……。
こういうときの対処方を知っているのか……!
チェルシー「まずはキチンとごめんなさいってするの」
マグ「う、うん……!」
チェルシー「それでね?そのあと甘えないようにするの」
みんな『えっ?』
チェルシー「相手から言われるまでずっと我慢するの」
マグ「ず、ずっと……?」
チェルシー「うん、ずっと」
マグ「そ、そんなぁ……!」
パメラ「そ、それで本当に仲直りできるの?」
うんうん。
それでどうなったら上手くいくんだ……?
チェルシー「それはわからないかな」
みんな『えっ……?』
チェルシー「もしそうして、その人が甘えてこないことを口に出したらそれでよし。でもそのときもちゃんとごめんなさいしてね?」
マグ「う、うん……」
チェルシー「でも…もしも、そういうことを言わずに、長い時間が経っちゃったら……」
マグ「た、経っちゃったら……?」
リオ・ショコラ・パメラ『ごくり……』
チェルシー「…冷めちゃったってこと…かな……」
マグ「冷めっ……!!?」
う、うわぁ……!
そうなのかぁ……!
ショコラ「えっえっ?ど、どういうこと?」
パメラ「えっと…口に出してくれたら、許してくれたってこと。でも、何も言わなかったら、甘えられることをあんまりよく思ってなかったり…好きって気持ちが無くなっちゃうてたりするかも…ってこと」
ショコラ「えぇぇぇ!?そ、そうなの!?」
チェルシー「まぁ…気まずくて言い出せない…ってこともあるかもだけど……あんまり良いことにはならないかなぁ……」
ショコラ「ふぇぇ……そうなんだ……」
怖……。
いつの間にかなんとも思われなくなってるとか、ものすげぇ怖いやつじゃん……。
それなら口に出されてスパッと終わった方がまだ良いかも……。
よくわからんけど……。
と、それぞれが恐れたり慄いたりドン引いたりしてる中、チェルシーがマーガレットの耳元に顔を寄らせ、何かを囁いた。
チェルシー「大丈夫…あたしの見た感じ、コウスケさんはマギーちゃんに甘えられるのが大好きだから、許してくれるよ」
マグ「ほ、ほんと……?」
チェルシー「それは中にいる本人に聞かないと。でも…大丈夫だと思うよ。マギーちゃんもしっかり反省してるみたいだし…ね、コウスケさん?」
マグ「……っ!ほ、ほんとですか……!?…よかったぁ……!」
チェルシー「ね?よかったね、マギーちゃん♪」
マグ「うん……!」
チェルシー「でも、やりすぎると本当に怒られるからほどほどにね?」
マグ「う、うん…………えっと…もしかしてチェルシー……」
チェルシー「…………(こくり)」
マグ「……そっかぁ……」
…?
なんかよくわからんが……もう解決した雰囲気になってないか?
まぁ、本人に元気が戻ったのはいいことだけどな。
本番はまだなんだから気は抜くなよ〜。
しかし……本当にマーガレットは変わってるなぁ……。
年上な感じがするほどしっかりしてるときと、今みたいに子どもらしいときと……。
公私を使い分けるって言うには、あまりにも違いがありすぎる……。
まるで、別々の人格があるみたいな感じだ。
…まぁ…オレはどっちでもいいけどな。
もし本当に別人格だとしても、オレはどっちのマーガレットもいいと思う。
しっかりしてるときはオレも落ち着けるし、今のマーガレットも、なんかこう…守んなきゃなって思うというか……。
あ〜……これが妹分…って感じか?
ふぅむ……そのときの人格によって姉気分になるか妹分になるかが変わる…か……。
…普通に忙しいけど……なかなかお得な感じでいいかもしんないな……。
どっちも良いってのが大きいんだろうなぁ……。
マグ「リオ?」
リオ「うん?あぁ、どうした?」
マグ「いや、ものすごい考え込んでたから……」
リオ「あぁ……」
マーガレットの接近に気づかないほど考え込んでたか……。
う〜ん……こんなに考え込むなんて、鍛治以外で今まであったかな……?
…ってそうだ!
リオ「マーガレット!」
マグ「はいっ!?」
リオ「なんか知らんがスッキリした顔してるし、とりあえず用件は終わりだろ?」
マグ「う、うん…そうだね……?」
リオ「今思い出したけど、オレはオレで直近の悩みがあるんだって思い出したから、オレは練習に戻らせてもらうぜ!」
マグ「えっ?あっ…そっか!うん、ごめんね!時間取らせちゃって……」
リオ「気にすんな!それよりも、仲直りできるといいな!」
マグ「…うん!」
うし!この明るさなら大丈夫!
絶対に仲直り出来るだろ!
リオ「じゃあ、オレは練習に戻るから!」
ショコラ「えぇっ!?む〜!もうちょっとダメ〜?」
パメラ「ダメだよショコラ。本当はこんなにお話する暇も無いぐらいなんだよ?多分」
うん、まぁ合ってるよパメラ。
チェルシー「あっ、じゃあ次のお休みも……?」
リオ「…悪いな……」
チェルシー「そっかぁ……」
オレの返事にもの凄い落ち込むチェルシー。
本当はオレもみんなと遊びたいんだが、それだと鍛治コンテストに間に合わなそうだしな……。
最悪夜もやるしかないかもしれない……。
禁止されてるけど……そこはこっそり鍛治場に行けば、あそこは外に音が漏れないようになってるから、扉を開けっ放しとかにしなければ、家にまでは届かないはずだ。
まぁ…バレたらスッゲー怒られるだろうけどな!
だが知らん!
それでもオレは上手くなりたいんだ!
リオ「じゃあな!防犯ペンダントはいつも身に付けとくわ。お前らも気を付けろよ!」
マグ「うん。わかった」
ショコラ「じゃあね、リオ!」
パメラ「練習頑張ってね」
チェルシー「鍛治コンテストが終わったらめいっぱい遊ぼうね!」
リオ「おう、約束だ!」
そんなふうに別れて、オレはまた鍛治の修練に戻った。
よし!
約束を守れたときに未練がないように、頑張ってオヤジに認められるもんを作るぞ!
恋愛とかよくわからん。
ではではまた来週〜。




