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異世界で少女とまったりするために頑張る  作者: レモン彗星
第1章…迷宮都市での基盤づくり
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20.リンゼさん暴走…そしてあらぬ疑い

「ララさん、戻りました」

「あ、リンゼさんおかえり。もうそんな時間?」

「はい、それとマスターが来ております」

「ごしゅじ…こほん…ハルキさんが?」


おっと聞き逃せないぞ、ララさん。

「ご主人様」って言いかけなかった?


ララさんの仕事ぶりを隣で見ながらメモしている間に、お昼に帰る予定だったリンゼさんが帰ってきた。


…ここからじゃ時計がちょうど見えないな……。


まぁでも、しっかり者のリンゼさんが帰ってきたしお昼であるのには間違い無いのだろう。


で、ハルキがいるんだっけ?


「マーガレットちゃんごめんね、ちょっと待っててくれる?」

「大丈夫ですよ、ごゆっくりどうぞ」

「じゃあ行ってくるね」


ララさんが少し早足でカウンターに向かって行く。

なんとなく幸せオーラが出ている気がする。


さて、俺はその間にメモの見直しでも…


「マーガレット様」

「あ、はい。どうしました?リンゼさん」


見直そうと思った俺に、どこか申し訳なさそうにリンゼさんが話しかけてくる。


「お身体の具合はいかがですか?」

「特に問題は無いですよ」

「本当ですか?無理はしていませんか?」

「大丈夫ですよ。昨夜も良い夢を見ることが出来ましたし」

「そうですか、それを聞いて安心しました」

「?」


なんでそんなことを聞くんだろう?

ここの仕事そんなやばいの?

それともララさんが何かやばいの?


「いえ、実は恥ずかしながら、あなたがここで働いてくれるとおっしゃってくださったことに舞い上がってしまい、あなたの昨日の様子をすっかり失念してしまって…そのことに今更ながらに気が付いたのでこうして確認させて頂いたのです。本当に申し訳ございません…」

「え、あぁ…そういうことですか」


そんなことか。

正直リンゼさんもギルドマスターも、今の元気な姿を見たから大丈夫だって判断したんだと思ってたから、全く気にしてない。


むしろそれをちゃんと言って、謝ってくれるリンゼさんの株がかなり上がった。


「わざわざ心配してくださり、ありがとうございます。この通り元気になりましたし、そんな深刻に受け止めなくても…」

「そう言って頂けるのは嬉しいのですが…マーガレット様があれほど苦しんでいらした事を忘れ、はしゃいでしまうなんて完全に私の落ち度です。どうか私に罰をお与えください」

「へっ!?罰と言われても……」


そんなん言われてもなぁ……。

本当に気にしてないんだけど、それを言っても聞かないよなぁ……。

うーん……。


「マーガレットちゃ〜ん…って何してるの?」

「ララさん、ちょっと…」


そこにちょうどララさんが戻ってきた。

ナイスタイミングだ助けてください。


「実はかくかくしかじかで…」

「あぁなるほど…またリンゼさんの暴走が…」


暴走て……しかもまたって……。


「んー…それならちょうどいいかな。2人とも、こっちに来てくれる?」

「? はい」

「? かしこまりました」


ちょうどいい?

どうするつもりだろ?


「ハルキさん、マーガレットちゃんと暴走してたリンゼさんを連れてきました」

「やぁ、昨日ぶりマーガレットちゃん。リンゼはまたやってたの?」

「ハルキさん、昨日ぶりです」

「ハルキ様、私はマーガレット様に失礼なことを…」

「マーガレットちゃんはなんて?」

「そんな気にするでは無いとおっしゃってくださいました」

「じゃあいいじゃん」

「ですが…」

「本人がいいんだからいいんだよ。その代わり、その子が困ってたらしっかり助けてあげなよ?」

「それはもちろんですが…」

「はい!じゃあこの話は終わり!」


おぉ、無理やり話を終わらせた!

対応が手慣れている、またって言ってたし何回か同じような事があったんだろうな……。


「マーガレットちゃん、無事にここで働けるようになったんだね。おめでとう」

「ありがとうございます」

「今から休憩時間でしょ?ララにも話したんだけど、お昼ごはんを一緒に食べに行かない?もちろんリンゼも」

「ありがとうございます、ハルキさん。でも私お金が無いのでご馳走になりますよ?」

「そりゃそうでしょ。さすがに子供に貸しって言うほど金にがめつくないよ」

「ごちそうさまでーす」

「出世払いにしてやろうか」

「なんだか仲がよろしいですね……」

「はい、ハルキ様は昨日初めて会ったと言ってましたが……」


俺とハルキのやりとりに嫉妬した様子のララさん。

頬を膨らませて大変可愛らしい。


「ほら、ハルキさん。嫁が羨まってますよ?早くポンポンするなり抱き寄せるなりイチャコラしてください、ハリアッ」

「いやいや、むしろこうして嫉妬してくれてることによって、僕に対する愛を感じるし頬を膨らませてるのが可愛らしいからもう少しこのままにしておくよ」

「あなたも悪ですねぇ…♫」

「褒め言葉なんだよなぁ…♫というか結婚してるって知ってるんだね」

「ララさんがはちゃめちゃ幸せそうに指輪眺めてるときに聞きました」

「へぇ〜、そうなの?ララ」

「え、あ、えっと……(プシュー)」

「あ、やばい!いじり過ぎてオーバーヒートした!」

「ごめん!ララ!ほんとごめん!!」

「…本当に昨日初めて会ったようには見えませんね……」


その後、どうにかオーバーヒートしたララさんを落ち着かせ、俺たちは昼飯を食べにギルドを出た。


「…あのいつも優しく微笑んでいる天使のようなララさんがあんなに赤面してるの初めて見た……」

「あぁ…片方はいつものアイツだったが、もう1人の子は初めて見たな…しかもまだ子供だ……」

「あの子も可愛かったな…チェルシーちゃんとはまた違う可愛さだ……」

「クソッ!なんでアイツばかりっ!!」


冒険者たちがこんなことを話していたのを俺たちが知ることは無かった。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


「そういえばハルキさん、話し方変えたんですね」

「ん?あー、昨日の君はお客様だったからね」

「ギルドで働いてるだけでお客様に変わりはないのでは?」

「ララもリンゼも知ってるから言うけど、僕とギルドは見かけ上は協力関係ではあるけど、あそこを作ったのもダインさんをスカウトしたのも僕だからね。実質ここのギルドは僕の傘下なんだよ」

「え!?ちょっ!ハルキさん!?マーガレットちゃんにそんなこと話していいんですか!?」

「大丈夫だよ、この子はもう知ってるし、なんならこの子の事でちょっとした協力関係もあるから」

「協力関係といっても、こっちから出せるものはほとんどありませんけどね」

「僕としては、向こうの話が通じるだけでも嬉しいんだけどね」

「それは確かに、私もそう思います」

「「…………」」


俺たちの話についてこれずポカーンとしてしまうララさんとリンゼさん。


「というかハルキさん、昨日ララさんと話す機会があったそうじゃないですか。その時に言わなかったんですか?」

「言わない方が面白いと思って」

「このやろう。あとダインさんて誰です?」

「ギルマス」

「へぇ〜」

「あ、あの…ハルキさん……」

「ん?どうしたの?」

「えと…お邪魔なようでしたら私たちは別の場所でお昼を済ませますので……」

「え、えぇ。ハルキ様とマーガレット様はぜひごゆっくりしていただければ…」

「「え?」」


なんか勘違いを…ってあぁなるほど。


「ハルキさんや、奥様方はあなたが私に気があると思っておりますわよ?」

「えっ!?違う違うっ!?そもそもこの人は…!」

「待て待て!大通りで叫ばない!」

「あっとごめん、とにかく!そう言うのじゃ無いから!!」

「え?えーと…」

「どういうことでしょうか……?」


んー…どうしたもんか。

説明するには長いし、場所も悪い。

俺がハルキの方を見ると、ハルキは頷いてくれた。


「これから行くとこは大丈夫だから、そこで話そうか」

「え、えぇ……分かりました……」

「お願いします……」


二人はまだ納得していないが、とりあえずは黙ってついてきてくれるようだ。


「…伝えとけよ……」

「僕がする話でも無いからさ……」

「それでも、あんな疑いがかけられない程度には話せたんじゃないか?」

「それは…まぁ…僕も浮かれてたんだろうね……」


小声でそんな会話をしながら、俺は話す内容を頭の中でまとめていった。




…この制服チェルシーちゃんのやつなんだけど、大丈夫かな……?

今回は会話多めでお送りしました。


今後もコウスケとしてハルキと話す時はこういうバカ話が多めになると思います。


ああいうの書いてる時、超楽しい。

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