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189.試合当日…の午前時間

俺は今とてもやばい。


やばいと言ってもまずいとかピンチ的なネガティブやばいではなく、テンションが上がりすぎてやばい的な方のやばいである。

軽く語彙力がやばい程度には気分が良くてやばい。


理由はもちろん昨夜のマグとのイチャイチャイチャコラである。


はぁぁ〜…♡

昨日のマグの頼りみ…そしてその後の甘えまくりな姿……最高だったなぁ……♡

思わずいっぱいキスしちゃったなぁ♡

現実だったらキスマークだらけで部屋の外に行くのも恥ずかしくなるぐらいはしたなぁ♡


あぁ〜……何冷静に理性失ってんだろ〜?


昨日後半ほとんど理性無くなってたんだけど?

マグの服脱がして「ここにも付けてあげる…♡」とか言い出さなかったのが奇跡なんだけど?


まぁ…でも……おかげでかなり爽やかな朝を迎えられたし、これでしばらくはムラムラに悩まされることはないだろう。多分。

発散されたのかどうかかなり怪しいけど。

なんなら追加されてそうだけど。


そこまで考えたところで、俺は昨日と同じように抱きついているメリーを見る。


「…すぅ…すぅ……」


穏やかな寝息を立てるメリー。

その顔はやはり幸せそうだ。


俺はその頭を優しく撫でる。


「…ん…♪」


するとメリーは嬉しそうに笑う。


…この笑顔を曇らせることはしたくない……。

だからこそ…もうちょっとだけ待っててね…メリー。


…さて。

それじゃあ最後に確認だけでもしときますか。


そのためにはまずメリーを離さないと……。

…今曇らせたくないって言ったばかりなのになぁ……。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


朝の日課をこなし、みんなで朝ごはんを食べる時間。

メイカさんが今日の試合のことを話してきた。


「コウスケ、いよいよだね〜!意地悪なお子様にガツーンとお仕置きしてあげなよ!」

「もちろんですよ。絶対にモニカちゃんとチェルシーに謝ってもらうんですから」

「それはいいけど、無理はしないでね?危ないなって思ったら逃げるのも勇気だよ?」

「大丈夫ですユーリさん。そのための布石も打ってありますから」


元々こっちは何も賭けてないようなもんだしね。


「ま、試合は俺たちも見に行くし、本当にやばそうなら俺たちが割って入るさ。だから好きなように暴れてこい」

「はい!……ん?」


見に行く?


「あれ?講習会って見学大丈夫なんでしたっけ?」

「あぁ、言ってなかったっけか。嬢ちゃんがギルドにいないときに、リンゼって姉ちゃんが「万が一に備えてハイランク冒険者の方を待機させておきたい」って名目で、俺たちに見学を持ちかけてきたんだよ」

「そんなの断る理由が無いでしょ?だから今日はお昼にみんなで見に行くからね!」

「それは…不甲斐ない姿は見せられないですね」


応援に来てくれるみんなのためにも、気を遣ってくれたリンゼさんのためにも、これは一層気合を入れねばな!


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


「おはようございま〜す!」

「おはようマギーちゃん!いよいよだね!」

「はい!」

「マーガレット様。(わたくし)たちも微力ながら応援させていただきます」

「ありがとうございます!」


ギルドに到着しいつものようにカウンター内に入ると、昨日はお休みだったララさんとリンゼさんがいた。


「それで…試合はいいとして、私はそれまで何をすれば……」

「えっ?…あぁ〜…そっか。マギーちゃん、試合をするとは言ったけど、別に冒険者になろうとしてるわけじゃないから、講習会自体は参加しなくてもいいんだっけ?」

「ですです」


そうなのだ。

ここに来るまでに思ったが、俺別に講習会全参加じゃなくてもいいじゃん。ということなのだ。


「それでしたら、こちら側のお手伝いをしていただくのはどうですか?講習会と普段の仕事で、人手がいつにも増して足りないのです」


見ると、ララさんのお仕事机の上にはいつにも増して書類がこんもりと積まれている。


…ララさん自体も昨日休んでたし、ショコラちゃんとパメラちゃんが追加されたとはいえ、あの子たちに書類仕事はまだ無理だから、昨日の人だけじゃ消化できなかったんだな……。


「…そういうことなら喜んで。昨日はお休みにしてもらいましたし、私に出来ることならお手伝いさせていただきますよ」

「ありがとうございます」

「それじゃあマギーちゃん。私は書類を片付けるから、今日はリンゼにいろいろ教えてもらってね。ショコラちゃんたちはこっちでお手伝いだけど、お昼にはそっちに送るから」

「はい」

「では、行きましょうマーガレット様」

「よろしくお願いします」


リンゼさんに着いて…行こうとしたところで、俺は思い出したことを尋ねる。


「あっ…その……いつもの連絡は……?」

「大丈夫ですよ。ハルキ様もあとでいらっしゃいますから」

「あっそうですか。わかりました、ありがとうございます」

「いえいえ」


そうしてリンゼさんと共に迷宮へ続く階段を降りていく。


(しかしリンゼさんとも打ち解けてきたよなぁ……)

(ですねぇ。未だに「様」付けはやめてくれませんけど……)

(それはまぁ……でも、さっきみたいに軽い世間話を出来るようになったし、言葉の節々に友人に対する喋り方…って言うのかな?そんなのを感じれるんだよね)

(そうですね。初めに比べたらかなり柔らかくなってると思います)

(これなら「様」外しもそう遠くないかも?)

(でもチェルシーも「様」付きなんですよね……)

(……まだまだ遠いかも……)


「マーガレット様?」

「はい」

「階段で考え事をしていると危ないですよ?」

「あっすみません」


そんなこんな会話しながらリンゼさんに着いていくと、闘技場へと辿り着いた。


そこでは、いつもよりも多い人数のギルドスタッフの先輩方が忙しなく動き回っていたり、細かく指示をしていたりしていた。


「やっぱりイベント事だと忙しそうですね……」

「そうですね」

「あっリンゼさん!ちょっといいですか!」

「リンゼさん!こっちも確認お願いします!」

「リンゼさん!」

「リンゼさーん!」


俺たちが中に入ると、働いていた先輩方がこぞってリンゼさんに話しかける。


リンゼさんがその人たちの相手をして、俺が所在無さげにソワソワしてきたところで、ナタリアさんが話しかけてくれた。


「マーガレットちゃんおはよー!」

「あっナタリアさん!おはようございます!」

「うんうん♪元気いっぱいだね!マーガレットちゃんもお手伝いに来てくれたの?」

「はい。試合まで手が空いてるので、それまではお手伝いをすることにしたんです」

「はぁぁ〜…ほんと偉い子だよマーガレットちゃんは……いい子いい子〜♪」

「も〜…これぐらいで大袈裟ですよ〜」


頭を撫でてくるナタリアさんに苦笑しつつ、俺は近くで先輩方の相手をしているリンゼさんを見て、ナタリアさんに尋ねる。


「リンゼさん、いつも頼りにされてますけど、今日は一段と大変そうですね……」

「リンゼさんはこっちの指揮を取ってる人だからね〜。上はギルマスが、こっちはリンゼさんが、そして溜まった書類はララさんが…って決めたらしいよ?」

「だからララさんの机の上にあんなに積まれてたのか……」


にしても多すぎるだろあれ……。


「なんでも、昨日分は昨日の人たちが頑張って捌いたけど、それまでのやつと今日分の全ての書類は任せなさいって言ったらしいよ」

「(きょ、今日分全て?)」

「その分他の人はそれぞれの仕事をこなしてね、だって」

「……それは気合が入りますね……」

「でしょ?……私もまだまだだなぁ…って心から思うよ……」


あれはもはや人の範疇(はんちゅう)を超えてると思うなぁ……。


「ま、まぁそれならしっかり仕事しましょう!それで、私は何をお手伝いすればいいんでしょう?」

「う〜ん…それはリンゼさんに聞かないと……」

「お待たせしました」

「「あっリンゼさん!」」


どうやら先輩方を捌き切ったようだ。


「マーガレット様には、(わたくし)の補佐をしていただきます」

「具体的には何をすればいいんですか?」

「主に書類周りと備品の点検・管理ですね。リストを渡しますので、他のチームが要求してきたものを記録してまとめ、それを書いて管理部門に渡してください。また、必要に応じて各部門に書類を届けたり連絡事項を伝えたりしていただきたいと思います」


それは中々大変そうだなぁ……。


「…わかりました。頑張ります」

「ありがとうございます。それでは早速ですが、この書類を管理部門に届けていただけますか?場所はこの地図のここの倉庫です。この地図はお渡ししますね」

「はい。ありがとうございます。ではいってきます」

「はい、お願いします」


そうしてあっちこっちを駆け回ったり、必要なものを紙にまとめて渡したりと忙しく働き、どうにか講習会受付時間に間に合った。


スタッフの何人かが受付担当に回ったので、俺たちは不備が無いか念入りに確認して周り、気が付けば講習会の開始まで残りわずかとなっていた。


とりあえず不備は無さそうだと一息ついた俺たちの元に、リンゼさんがやってきた。


「皆様、お疲れ様です」

『お疲れ様です』

「そろそろ講習会が始まりますので、皆さまは交代で休憩を取ってください。マーガレット様は…申し訳ありませんが、(わたくし)の補佐として講習会に参加していただきたいのですが……」


ぬっ……休憩はお預けか……。

まぁ講習会にも興味はあったし、スタッフ側として参加させてくれるんだと考えれば悪い話じゃないか。


「大丈夫です。わかりました」

「ありがとうございます。では着いてきてください」


リンゼさんに着いて講習会会場…そして試合の会場でもある闘技場の広場へと入る。

それと同時に目に映った光景に思わず声が漏れてしまう。


「おぉ……!」

(わぁ……!)


それはまさしく闘技場だった。

地面は明るめの土。

しっかりと固められており、足を取られることはないが、倒れ込んだらとても痛そうだ。


そしてこのフィールドはとても広い。

建物内にある練習室にしか行ったことがないが、それでもかなり広いことは分かっていた。

この広場を見て、そのことを改めて実感した。


この広い闘技エリアを囲む壁の上には観客席があり、そこには一体どれだけの人が観戦出来るのか分からないほどの長椅子が並べられている。

その観客席にはギルドの先輩が数人と、そこそこの数の見学者がいる。


このだだっ広い闘技エリアの端っこに、既に参加者たちが集まっていた。


リンゼさんがその集団に向かって歩いていくので、俺もそれに着いていく。


集団は子どもから大人まで、男女関係なく集められている。


今回の講習会の参加条件は「Fランク以下であること」。

これはDランクから一端の冒険者を名乗れるという、この世界の暗黙のルールが関係しており、Dランク昇格試験に挑戦出来るEランクになれるように、という企画側の考えからこの条件が決まった。


なお、参加はしないが気にはなるという人や、将来冒険者になりたいけど踏ん切りが付かない…という人たちのために見学も受け付けていた。

それが先ほど観客席にいた人たちである。


一応こっちも入場制限をしたそうだが、とんでもなく並んでいるのをさっき手伝い中に目撃した。


みんな暇なんだろうか?

そんな失礼なことを考えた俺に、その並んでいた人たちが口々に激励の言葉をかけてくれたことで気が付いた。


これ俺が原因だ…と。


あとで先輩に聞いたところ、もしこの人数が俺の応援に回ったら、ルークが場の雰囲気に呑まれてど緊張して力を発揮できず、あとでどんないちゃもんつけられるか分からないので入場制限を掛けたらしい。


ご迷惑をおかけします。


で、そのルークだが……俺のことを見てふっと鼻で笑いやがった。

お前絶対どつき回してやるからな。


ついでに取り巻きの2人も真似して鼻で笑ったりニヤニヤしてた。

お前らも絶対度肝抜いてやるからな。


「皆様、お待たせいたしました!本日はお集まりいただきありがとうございます。これより、講習会を始めさせていただきます!」


リンゼさんが参加者たちに声を上げ、講習会が始まった。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


無事に午前の部が終わり、俺は今メイカさんたちとの待ち合わせ場所である迷宮内のフードコートに向かっている。


午前の部はひたすら授業。

武器の基本的な選び方や扱い方、魔物の種類や基本的な薬草などの説明と見分け方など、午前の部だけ参加してもタメになるようなことを教えてくれた。


俺はギルドで働いてるので全部聞いたことがあった。

だからこそ俺は……ここにはいない友人たち…エリーゼとフレデリカに、これを見て欲しかった。

参加して欲しかった。

俺の説明もキラキラした目で聞いてくれたあの子たちが頭に浮かんで、俺は正直言ってあんまり集中出来なかった。


まぁさっきも言った通り、すでに知ってることなので問題は無いのだが。


それでももうちょっと集中しときゃよかったなぁ〜…と思いながらフードコートに到着。

そして目的の集団を見つけたので近づいていく。


「あっ!マーガレットちゃん、こっちこっち〜!」

「お待たせしました〜!…ってあら?」


しかしそこにいたのはメイカさんたち第三寮舎の面々だけではなかった。


「「マグ〜!」」

「よ、マーガレット」

「こんにちは、マーガレットちゃん…!」

「応援に来てあげたわよ!」

「お仕事お疲れ様です、マーガレットさん」

「(みんな!)」


そこにはショコラちゃんとパメラちゃん、リオにモニカちゃん、シエルにサフィールちゃんがいた。


あとで来ると言っていたショコラちゃんとパメラちゃん、当事者であるモニカちゃんは不思議じゃないとして、他の3人は自分のギルドの仕事もあると思って来なくても仕方がないと思っていた。


だからみんな来てくれるとは、とても嬉しい誤算だ!


「(来てくれたんだ!)」

「うん、もちろんだよ…!」

「まぁ暇だったし?仕方なくね!」

「こう言ってるけどシエルちゃん、誰よりも先に来てくれたんだよ〜!」

「メ、メイカさんっ!」

「(あら〜♪)」

「うっ!?うぅぅ…!」


相変わらずシエルはツンデレだなぁ〜♪

可愛いなぁ〜♪


「それに、その……友だち…ですから……!」

「(サフィールちゃん……!)」


そんなもじもじ可愛らしく言いやがってこのやろう。

でもまだちょっと「本当にいいのかな…?」って感じがするのは寂しいぞこんにゃろう。


なのでこれは撫でるしかないな。


「も〜!私たちはしっかり友だちだよ〜!」

「あっ…!……はい……♪」

「あっサフィールちゃんずる〜い!マグぅ〜…ショコラもなでなで〜!」

「あっ私も〜!」

「わわっ!?ちょっ2人とも!あんまり押さないでぇ!」


周りのお客さんの迷惑になるでしょ!


「あっディッグさん、あそこ空いてますよ!」

「おっいい感じに空いてるじゃねぇか。おーいお前ら!あそこの席にするぞ〜!」


そんな俺たちを尻目に、ユーリさんが席を見つけて、ディッグさんがみんなに知らせる。


おぉ、ほんとだ。

あそこの2つのテーブルを使えば、ここにいる全13名が座れるだろう。

いや〜…中々大所帯だなぁ…俺たちって。


大きな丸テーブルをくっつけて、寮舎組と子ども組に分かれて座り、俺とメリーがそれぞれ間に座った。


俺の隣には寮舎側にメイカさんが、子ども側にはショコラちゃんが座った。

俺の反対側に座るメリーの隣にはフルールさんとパメラちゃんが座っていた。


「それじゃあ嬢ちゃん。音頭をとってくれ」

「あっは〜い。え〜、それでは手を合わせてぇ……いただきます!」

『いただきます!』


みんなが一斉に各々好きなものを取って食べ始める。


2つのテーブルの上には、このご飯エリアで買った物の他に、誰かが作ってくれたお弁当も置かれていた。


それを発見すると、フルールさんが苦笑しつつも教えてくれた。


「この人数じゃ私のお弁当だけじゃ足りないから、さっきメイカとユーリに色々買ってきてもらったのよ」

「あぁ〜…まぁそうなりますよね〜」


自分たちだけでも7人分必要だからなぁ〜……。

まぁ今日はみんなもお休みだったし、ユーリさんが手伝ってくれただろう。


「フルールさんのお弁当、すごく美味しい…!」

「うん…!すげぇ美味いです!」

「いくらでも食べられそ〜!」

「そんなに喜んでもらえるなんて嬉しいわ。でももう少しゆっくり食べなさいね」


ショコラちゃんやリオも大喜びだし、何より定食屋さんの娘であるモニカちゃんのお墨付きがもらえるのはかなり嬉しかったのか、フルールさんはどことなく上機嫌だ。


そんなフルールさんを、シエルが尊敬の眼差しで見つめていた。


「これが大人の女性かぁ……素敵だなぁ……」

「…私、お料理教えてもらえないか頼んでみようかな…?」

「っ!…あたしも習いたいなぁ……!」

「じゃあ一緒にお願いしてみる?」

「そうね。サフィールはどうする?」

「私も……あっ…いえ……私は……」


パメラちゃんの提案にシエルが同意し、そしてサフィールちゃんを誘った。

しかしサフィールちゃんは誘いに乗ろうとして、すぐに寂しそうに遠慮してしまった。


……多分、魔族であることを気にしてるんだろうなぁ……。

フルールさんたちなら大丈夫だとは思うけど、憶測で動いて(こじ)れたらマズイから慎重に動かないと……。


…まぁでも……


「…サフィールちゃんはお茶淹れるの上手だし、習ったらきっとすぐに上手になるよ!」

「…そうですか…?えへへ…ありがとうございます…♪」


サフィールちゃんのケアしとかないと。

それとあとでサフィールちゃんのことを知ってる人を聞いとかないとだな……。


(はぁ……サフィールちゃんが気を遣わずに済むようになればいいのに……)

(これも素敵な街づくりの課題ですね……)

(だね。どんな種族でも受け入れる。魔族だろうとなんだろうと、迫害されないような街にするために、ハルキには頑張ってもらわないと……)

(もちろん私たちも…ですよね?)

(当然)


また1つ心に決めたところで、俺はとりあえず今を楽しみ楽しませるためにお昼ご飯に戻る。


いろんなものをちょっとずつつまんだり、甘えてきたショコラちゃんに「あーん」したり、それを見たパメラちゃんにも「あーん」したり、他にもモニカちゃんやシエル、口では遠慮するリオとサフィールちゃんにもしてあげて、もじもじして口に出せないメリーにもしてあげて、メイカさんもねだってきたのでしてあげて…それを見たユーリさんにも……。


そしてお返しにとみんなから「あーん」されて口の中が満杯になり、リスのように頬を膨らませて頑張って食べることになった。


アゴが疲れた。


「マーガレットちゃん…」

「もっきゅもっきゅもっきゅもっきゅ……(手を出してちょっと待ってと伝える)」

「あっごめん…ゆっくりでいいよ…」


そんなリス状態の俺にモニカちゃんが話しかけてきた。

どうにか口の中のものを食べ切り、水を飲んで一息ついてから改めて尋ねる。


「ごく…ごく……ふぅ……お待たせモニカちゃん。それでどうしたの?」

「あっうん、あのね…?えっと…今日の試合…勝てる…よね……?」

「勝つよ。なぁに?まだ心配なの?」

「だ、だってぇ……!」


ふふふ…ほんと優しい子だなぁ……♪


「大丈夫。そのためにいっぱい練習したし、ディッグさんたちと作戦も考えた。あとは全力でぶつかって打ち破るだけだよ」

「作戦…?」

「おっと。それはさすがに秘密。まぁ見てのお楽しみだよ」

「そっか……うん…頑張ってね…!」

「うん♪」

「そのためにもしっかり食べて、いっぱい力を付けないとね♪というわけでマーガレット。はい、あ〜ん♪」

「ユーリさん……あむっ…」


今いい雰囲気だったのに……。


「あっマーガレットちゃん!これもこれも!あ〜ん♪」

「ショコラもあげる〜!ほら、マグぅ!」

「そ、そういうことならあたしも……ほら、口開けなさいよ…!」


みんな……まだ食べてるでしょうが……。


その後もみんなに突っ込まれたり、また食べさせてとおねだりされながら、昨日よりも賑やかなお昼ご飯の時間は無事に終わった。


…いよいよ試合のある午後の実習だ……!

ついに決戦の日…さてさてどうなることやら。


そんな次回の更新は8/8(日)の予定です!

次回をお楽しみに〜!

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― 新着の感想 ―
[良い点] 【笑える点】 なんだ此の儀式ww マグさんなら解るけどコウスケさんが雛鳥と化してるw [気になる点] うーん少年が受付嬢に喧嘩売ったって事実に気付くの、あと何年後くらいですかねぇ?(悪い笑…
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