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176.本心は?…恋とは?

先週ぐらいかな?

この小説のブックマーク件数が200件を超えてました!


皆さまありがとうございます!

そして記憶力が残念でごめんなさい!

もっと頻繁に確認します!

ふぅ……疲れたぜ……。

心が。


ユーリさんの出す気持ちの良さそうな声に耐えながら、なんとか彼女の尻尾を梳き終えた俺。


さて…


「お待たせメリーちゃん」

「っ!……(こくり)」


う~ん……やっぱり硬いなぁ……。

前のバグってる距離感もアレだったけど、こうしてド緊張されるのも辛いものがある……。


…練習室では甘えてくれたのになぁ……。


「それで…メリーちゃんはどうしたの?」

「………えっと……」


もじもじ


「………あの……」


もじもじ

チラチラ


「………その……」


カァァァ……


「…………あぅ……///」


駄目だ…何も分からん。


と、そこで満足げにベッドに横たわっていたユーリさんがゴロンとこちらを向き話に入ってきた。


…正直ユーリさんが俺のベッドに寝転んでるのも結構クるんだけど……。

さすがにそこまで口を挟むのは気が引ける……。

ただでさえ俺のお願いを聞いてもらってるんだし…その辺りは俺が我慢すればいいだけだからな……。


下のふにふにが布団と上のふにふにに挟まれて…ハンバーガーの出来上がりだ。

サンドイッチじゃ……いやこのネタは置いといて。

マグが興奮してるのも置いといて。


「メリーちゃんね?コウスケに呼び方を変えてほしいんだって」

「(呼び方?)」

「…………///」


ぷしゅ~……っと湯気が出てるんじゃないかと思うほど顔を赤くして俯くメリーちゃん。


呼び方か……。


「ん~……なんて呼んでほしいの?」

「……………リー……」

「えっ?」

「………メリー…って……呼び捨てで……呼んでほしい…………」


とても小さく、なんとか聞き取れるぐらいの声でそうお願いをするメリーちゃん。


ん……「ちゃん」付けをやめてほしいってことか……。

それぐらいならお安い御用よ。

マグも彼女のことを「メリー」って呼んでるみたいだし、俺もそれに合わせた方が外でも困らないしな。


「じゃあ……メリー」

「ぴゃっ!!」


…凄い声出たね……?


「え、えっと……大丈夫……?」

「……(こくこく!)」


凄い勢いで首を縦に振っておられる……。

そ、そうか…大丈夫か……よかった……。


「えっと…じゃあ、これからは俺も「メリー」って呼ぶね……?」

「……(こくこく!)」


顔を真っ赤にして……怒っては…ないみたいだ…うん…よかった……無理してるわけでは無いと。


ははは……少しでもその様子が見えたら、さすがに傷付くからなぁ……。

痛恨の一撃だからなぁ……。

ほんとよかった……。


「それじゃあメリー。メリーは、他に何かお願いある?」

「…ふぇ……?」

「だって、呼び方を変えただけでしょ?ユーリさんみたいに何かしてほしいこととか、言っていいよ?」

「……えと……えと……!じゃ、じゃあ……!」

「うん」

「………み…耳元でぇ……」


耳元?


「……名前呼んでほしい……///」

「…それでいいの?」

「…………(こくり)」


ふむ……。


「…じゃあ……おいで?」

「っ!…………うん……♡」


メリーをさっきまでユーリさんが座っていた、俺の隣に呼ぶ。

遠慮がちにやってきた彼女の耳に俺がスッと顔を近づけると、メリーはピクッと体を震わせ、ぎゅっと目を強くつぶって俺の言葉を待つ。


そんな彼女の名を…ゆっくりと囁く。


「…メリー」

「っ!」

「メリー…メリー……」

「!!♡」

「メ・リ・イ♪」

「~~~っ♡♡♡きゅう~……」

「(あっ)」

「おっと…」


後ろに倒れたメリーは、ベッドに寝転んでいたユーリさんのお腹にぽふっ…と着地した。


「あはは。メリーちゃん…コウスケに名前を呼んでもらえて嬉しかったんだね」

「…………」


名前なら前から呼んでいた…とか、ユーリさん…お腹にメリーの頭が着弾してもまるで(こた)えてねぇな…とか考えてしまったが、それよりも気になることがあるので、俺はマグに尋ねる。


(…ねぇ…マグ……)

(はい?)

(…メリーってさ……俺のこと好きなのかな……?)

(!)


あぁ~……!

勢いで聞いたけど、これ「頼れるお兄さんですからね!」とか言われたらめっっちゃ恥ずいやつ……!


(コウスケさん……)

(うっ……えっと……や、やっぱ今の…)

(ついに…気付いてしまったんですね……)

(…………え……?)


気付いた……ってことは……


(えっ……?本当にメリーは……)

(はい。メリーはコウスケさんのことを、男の人として好きになっています)

(っ!!)


…そうか……。


(じゃあ…もしかしてメリーが急に俺から距離を取ったのも……?)

(はい。コウスケさんにいろいろしてもらっていたのが恥ずかしくなったからです)

(…これを知ってるのは……?)

(多分、コウスケさん以外は知っていますよ?)

(マジで……?)

(マジです)


俺そんな鈍感系主人公になってたの……?


(えっと……じゃあ……?)

「?」


俺がユーリさんを見ながらマグに聞くと、マグは当然と言わんばかりにはっきりと言った。


(はい。ユーリさんも知っています。聞いてみてください)

「……えっと…ユーリさん……」

「どうしたの?」

「あの……メリーが俺のこと…好きだっていうのは……」

「あれ?マーガレット…メリーが自分で伝えるまで言わないって言ってたのに……」

「あっいえ……俺がもしかして…って思って聞いたら、そう教えてくれただけで……」

「あぁ~…そっかそっか。ならまぁ…大丈夫かな?うん、メリーはコウスケのこと好きだよ」

「…それを知ったのは……?」

「昨日だよ。コウスケが朝早くに出かけた後」

「そ、そうですか……」


あのときか……。


「それで?」

「?」

「コウスケはメリーのこと…どう思ってるの?」

「……それは……」


メリーのこと…か……。


「……やっぱり……妹みたいに思っています……」

「……1人の女の子としては見れない感じ?」

「…どうなんでしょう……メリーのことは素敵な女の子だと思います……思いやりがあって…物静かで…それでも、芯をしっかりと持っていて……でも……やっぱり…今の今まで妹だと思っていた子を、いきなりそういう対象には……」

「……そっか……」


妹だから、今までそうやって接してきた。

妹だから、お風呂やトイレだってどうにか我慢できた。

妹だから…………本当に?


メリーのことを、今まで1人の女の子として見たことは無いと言えるのか?

なら、妹だからとずっと言い続けていたのは何故だ?


血は繋がっていないと知っているからこそ、妹のように接してそういう対象から外していたんじゃないのか?


「……それでも……やっぱり……」

(コウスケさん……)


マグは多分、メリーのことためにハーレムをと言い出したのだろう。

でも…そもそもマグと付き合っているのも多少の罪悪感があるのに、それよりさらに幼いメリーのことをそういう目で見るのはどうしても抵抗がある。


…というか正直マグのことも少し妹として接しているところがある……。


……ん……?

それなら問題ないんじゃね?

すでにマグという実例がいるわけだし……。


…………いやいやいやいや。

そういうことじゃねぇよ。


…一番大事なのは……俺がメリーのことをどう思っているかだ。


…やっぱり妹かなぁ……。

でも……俺は1人っ子で…妹は架空の存在で……そしてやばいことに妹系の成人向けコンテンツを持っていた。


あぁ……だからこそより慎重になってたところがあったのかもなぁ……。

…慎重なやつは10歳児とお付き合いしねぇよ。


うん…駄目だ……。

頭がこんがらがってきた……。


「…………」


俺はユーリさんのお腹の上で幸せそうに眠るメリーの姿を眺める。


…………なんだかんだ考えたってのに…困ったもんだよ、俺ってばさ……。


「…やっぱりメリーは妹です……」

「…………」

「でも……」

「…?」

「…1人の女の子として意識してなかったというわけでは無かったって…気付きました……」

「!」

「だから……えっと……もう少しだけ時間をください……自分の気持ちを…整理させてください……」

「……そっか……うん…わかった」

「…ありがとうございます……」


ユーリさんにそれだけ答えて、俺はメリーのことを見続ける。


…今回は人づてに聞いただけだ。

だから…メリー本人はこのことを知らない……。

知らない間に自分の気持ちを知られて、知らない間に振られているなんて…発狂ものだと思う……。


でも……正直俺は分からない……。

メリーのことを……本当にただ妹とだけしか思っていないのかどうか……。


それが分かるまで……ごめんね…メリー……。


「…コウスケ」

「はい…わっ!?」


ユーリさんに呼ばれたかと思うと、俺は彼女のお胸に抱きかかえられていた。


「んっ…ユーリさん……?」

「…今はそれでいいと思うよ?」

「えっ……?」

「メリーの気持ちを真摯に受け取って…しっかりと考えて……ただなんとなくとか、マーガレットが手を回してたからとかじゃなくて…コウスケの本当の気持ちを伝えてあげて?それがどんなものだとしても…嘘をつかれるよりはずっといいから……」

「…………」


その言葉で…少しだけ心のもやが晴れた気がした。

同時に、俺は思ったことをそのまま口に出す。


「…俺……誰かを好きになるのって、頑張ってなるものじゃないと思っているんです……」

「うん…?」

「だって、頑張るって…それって無理してるって気がして……」

「ん~…そうだねぇ……」

「だから……メリーのことも、俺は気負わずに…好きになりたいんです……」


恋愛経験がマグとしか無い俺だけど……。

子供っぽいピュアピュアな願望かもしれないけど……。


俺はそういうのを…大事にしたい……。


「…なんだ……答え出てるじゃない……♪」

「えっ……?」

「ん~ん。何でもない♪それなら、しっかりとこの子のことを見てあげてね?」

「…はい」


後悔しないように……。

しっかりと…自分の気持ちを確かめるんだ……。


「…それじゃあ、メリーをちゃんと枕で寝かせないとね。コウスケ、今日はメリーを一緒に寝させてあげてくれる?」

「はい。もちろんです」

「うん。じゃあ動かすよ」


ユーリさんがメリーを枕の位置まで引っ張りあげて寝かせた。


ん…一応の答えを出して安心したのか、俺も眠くなってきたな……。


「ほら、マーガレットもどいて?それとも一緒に寝るのはありなの?くすくす♪」

「ん……」


ほんとはバリバリにアウトだ。

こうして彼女のたわわに頭を包まれてると感じるだけでもやばいのだ。

…いつもなら。


「…ユーリさん……」

「なぁに?」

「…今日は…特別です……」

「!」

「だから……一緒に……」


ウトウトしすぎてもう体を動かすのも億劫(おっくう)に感じる中、どうにか彼女に言いたいことを伝えるために頑張って起きる。


「ユーリ…さん……は……安心…する…から……」

「っ!」


そこで俺は意識を手放すことになった。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


〔ユーリ〕


力尽きて眠ってしまったマーガレット(コウスケ)の体をメリーの隣に並べ、自分もマーガレットの隣に横になる。


「…びっくりしたぁ……」


意識が落ちる直前のコウスケの言葉……「私は安心する」……。

その言葉通り、コウスケは私に抱えられながら、すやすやと穏やかな寝息を立てて眠ってしまった。


…安心する…か……。

えへへ……嬉しいなぁ……♪


今日はコウスケの方から甘えてほしいって言ってくれたし…新しい友達も出来たし……♪

エストにシャールにサフィールちゃん……みんな素敵な子だったなぁ……♪

んふふ…今日はとっても良い日だった♪


…それにしても……。


私は並んで可愛らしい寝顔を見せてくれているマーガレットたちを見やる。


誰かを好きになるって、大変なんだなぁ……。

幸せそうにコウスケのことを話すマーガレットや、コウスケと話すだけで顔を赤くしてるメリーのことを見ていたら、「恋」っていうのはとても幸せなことなんだと思っていた。


でも、さっきコウスケが真剣にメリーのことを考えてるのを見て、「恋」は幸せなだけじゃないって分かった……。


…というか私だってそういう経験無いのに、コウスケに偉そうにいろいろ言っちゃった……。


そもそも「恋」って何?

「好き」とはどう違うの?


「好き」ってだけなら、私はこの寮のみんなが好き。

モニカちゃんやエストたちの、街の友達のことも好き。


私は、結婚のことを「ずっと一緒にいる」ってことだと思ってる。

それを言うなら、マーガレットやコウスケたちと…メイカさんやディッグさんにケランさんたちともずっと一緒にいたい。


つまり……


「みんなと結婚……?」


……何か致命的な間違いをしてる気がする……。

そもそも結婚はそんな好きだからってポンポンするものじゃない…はず……。


あれ…?じゃあ、人を好きになるってどういうことだろう……?


私はみんなのことが好きで……でもその好きと「恋」の好きは違くて……え~っと……?


う~んと……あっそうだ。

いつもマーガレットがコウスケのことを話してるんだし、その内容から考えてみよう。


確かマーガレットはコウスケのことを……


。○○


「コウスケさんは優しくてぇ…頼りがいがあってぇ…かっこよくてぇ…♡でも女の子からの押しに弱くてぇ…よく負けててぇ…可愛くてぇ…♡私のことをいつも気に掛けてくれててぇ…他の子のことも考えてくれててぇ…みんなが笑顔で居られるようにって考えてくれててぇ…♡でも私のことを特別考えてくれててぇ…♡♡ぎゅう~ってしたらぎゅう~って返してくれるしぃ♡頭を優しくなでなでぽんぽんしてくれるしぃ♡それにぃ……ちゅ~をお願いしたらドキッてしてくれてそれが可愛くてぇ♡それでちゃんとちゅってしてくれてぇ♡♡すごいときはむちゅむちゅ~♡ってして、じゅるじゅる~♡って……」


○○。


…そこから先はただただ2人のイチャイチャっぷりを延々話続けてただけだからいいとして……。


ん~……優しい…っていうのは…みんな優しいからパスかなぁ……。

頼りがいがある…っていうのも…みんなに頼ることが多いから、結局みんな頼れるってことでパス……。

かっこいい…みんなかっこいい生き方をしてるからパス。


で、え~っと……誰かを気に掛けるっていうのは……優しいっていうのと同じかな?

みんなが笑顔で居られるようにっていうのはとっても素敵だと思う。


う~ん……やっぱり分からないなぁ……。


コウスケのことは…うん、好き。

優しいし甘やかしてくれるし、他の男の人(ディッグさんとケランさんを除く)と違って私の体をジロジロ見てこないし。

…というか…むしろマーガレットが私の胸を見たり触ろうとしたりするのを止めてくれてるような……。


うん…まぁ…マーガレットなら別に触ってもいいんだけどね?

前はよく押し付けてたわけだし。


でもなぁ……やっぱり…役割逆じゃないかな?

コウスケがスケベで、マーガレットがそれを注意するのが普通じゃないかな?

いや、コウスケにえっちな目で見てほしいってわけじゃないんだけど……。


……うん……違う……。

……でもちょっとぐらいなら……いやいや……。


……ま、まぁいいや……それよりも、コウスケは……え~っと……うん。

とにかく、コウスケは良い人だね。


今は怒られたから出来ないけど、一緒にお風呂に入った時に文句を言いながらも丁寧に洗ってくれたし、いろいろと危なっかしいらしい私のことを助けてくれたりしてくれるし……。


それに……これはマーガレットもだけど、私の秘密を聞かずに、私のことを信頼してくれて、友達だって言ってくれたし……。

…ほんとに嬉しかったなぁ……。


こんな私のことを信じてくれて……。


そもそも私…こっちくるまでは《ユキちゃん》しか友達いなかったし……。

人付き合いなんてほとんどなかったし……。


……なんか悲しくなってきた……。

私も早く寝よう……。


明かりを消してベッドに潜り込む。

相変わらず2人は可愛い寝顔をしていた。


「…おやすみ♪コウスケ…マーガレット…メリーちゃん♪」


起こさないように小さな声でそう呟いて、私も夢の世界へ旅立った。

ついにメリーちゃんとの関係が進んだ……。

…進んだ……?


まぁとにかく、次回は6/30(水)に更新する予定です。

そして次回はお馴染みのドリームワールド。

マグとのイチャコラです!

お楽しみに!

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