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173.強化魔法の結果と改善点…と諸注意と賛辞

「はい、マーガレットさん。お水です」

「ありがとうサフィールちゃん」


ユーリさん褒め褒め大会第二の部が終わり、俺はベンチに座りみんなから介護を受けている。


サフィールちゃんは自分が持ってきたコップに魔法で水を入れて俺に差し出してくれた。


ちなみに褒められすぎていっぱいいっぱいになったユーリさんは、エストさんとシャールさんによるカウンセリングを受けている。

そしてショコラちゃんたちがそんなユーリさんに必死に謝って宥めようとしている。


「ん…ん…ぷあっ…はふぅ…♪」

「マギーちゃんいっぱい飲んだね〜」

「思ったよりも喉乾いちゃってたみたい」


この辺も気を付けないと危なそうだなぁ……。


それにしてもサフィールちゃんの水めっちゃ美味いな。


「はい、マーガレットちゃん。あ〜ん…♪」

「あ〜…ん………美味し〜♪」

「美味しいよねぇ…♪お兄ちゃんのクッキー……はむっ♪」


隣に座るモニカちゃんにクッキーを食べさせてもらう俺。


これはお兄さん…リンクスさんが焼いたものなのかぁ……。

美味しいけど、モニカちゃんのクッキーもまた食べたいなぁ。


「…♪」


…それかいっそのこと、俺が焼いて渡すか?

モニカちゃんのこの笑顔を、俺の手で生み出せたらどれほど嬉しいか。

あと自分で作れれば、ふとしたときに作って食べることも出来るだろうし。


それに、上手くできればメイカさんやユーリさんたちにお礼として振る舞えるかも……。

今度作り方を教えてもらおうかな?


「マ、マーガレット……どう?気持ちいい?」

「うん。涼しくて気持ちいいよ、シエル」

「そ、そう?…じゃなくて……ま、まぁこのくらいは当然よ!」


モニカちゃんの反対側に座っているシエルは、小さな風の球を生み出して心地よい風を送ってくれている。


ふぅ〜……極楽じゃあ〜……♪


…さて、バッチリ堪能したところで……


「…みんなどうしたの?」

『っ!!』


俺がそう聞くと、モニカちゃんとシエル、そしてさっきから足を揉んでいたチェルシーがビクッと反応した後、全員そっぽを向いた。


水のおかわりを注いでくれたサフィールちゃんは微笑みを。

リオに至ってはめっちゃ呆れた表情をチェルシーたちに向けている。


そこに、無事に復活したらしいユーリさんが来て俺に理由を話してくれた。


「多分、さっきマーガレットがメリーちゃんたちとした約束が羨ましいんじゃないかなぁ?」

「さっきの約束……って、なんでもお願い1つ聞いてあげるってあれですよね?」

「そうそう」

「へぇ……」


モニカちゃんたちをジト目で見やる。

彼女たちは未だにこちらを見ようとしない。


冷や汗ダラダラ。


「…ふぅ……別にこんなことしなくても甘えていいって……」

「うぅぅ…!マーガレットちゃんはそう言ってくれるけど、甘えてばっかりなのはイヤなんだもん……」

「モニカちゃん……」


あ〜…あれか。

もらってばかりだと落ち着かないってやつだ。

うっかりしてた。


「…そういうことなら、甘えさせてもらおうかな」

「「「…!」」」


俺の言葉にパァッと明るい顔をするモニカちゃんたち。


まったく…ほんとに律儀な良い子達だよ。


「…ねぇねぇマーガレット」

「はい、なんですか?ユーリさん」

「この子たちの考えを教えてあげたんだし、私も……」

「…もう…しょうがないですねぇ」

「やった♪」


やれやれ……甘えてほしいってお願いしたのはこっちなのに……。

可愛い人だよほんと。


その後しばらく彼女たちに甘えて英気を養った俺は、再び練習へと戻る。


(とはいえ……魔力が戻ったわけじゃなさそうなんだよなぁ……)

(みんながお世話してくれましたけど、時間的には全回復するほどではありませんでしたからね)

(…マグちょっと怒ってる……?)

(怒ってませんよ)


声に不機嫌さが滲み出てるんだけど……。


(ちょっと違うけど、あれがマグの望んだハーレムだよ?)

(むぅ……確かにみんな優しいし、コウスケさんが慕われてるのは嬉しいですけどぉ……!うぅ〜……!)

(も〜……そうなることは考えてたでしょ〜?)

(うぅぅ〜!……コウスケさん!)

(うん?)

(今日もぎゅってしてなでなでしてちゅってしてむちゅむちゅ〜でぐちゅぐちゅ〜ってしてください!)

(ん"っ!!…好きなだけしてやるよっ!)

(やったーっ♡)


なんでこの子はいつも唐突にこっちが恥ずかしくなるようなこと言い出すかなぁ!


(コウスケさんコウスケさん)

(ん〜…なぁに?)

(…将来コウスケさんがいっぱいお嫁さんをつくっても、()()コウスケさんは私だけのものですからね♡)

(っ!!?)

(えへへ♡それじゃあ練習頑張りましょうね♡)

(えっ…あっ!?マグっ!?〜〜〜っ!もう!)


そんなこと言われて集中出来るかっ!


「あれ?マーガレット、どうしたの?顔赤いよ〜?」

「ん…まだ休み足りない?」

「うぇっ!?い、いえ!だだだ大丈夫ですっ!」

「「?」」


心配してくれるエストさんとシャールさんをなんとか誤魔化して、ちゃっちゃと練習を始める俺。


…今視界の端で、ニヤニヤしてるユーリさんを見つけてしまった。


おのれ。

あの顔は全て分かっている顔だ。

思いっきり甘やか倒してやる。


(はぁ……まぁそれは置いといて……とりあえずは、程よい強化具合を調べてみるか……)

(程よい…ですか?)

(うん。相手に合わせて強化具合を変えるのはもちろんだけど、どのくらいの魔力量ならパワーと時間のバランスが一番良いかも調べときたいんだ。基本的にそこにして、必要な時だけ出力を上げる…ってね)

(なるほど。シャールさんが言ってた、「安定したところ」…ですね?)

(その通り。だからベースとなる強化具合を調べるのだ)


さてさて…まずはいつも通り魔法を唱えよう。


「《【我が身】を[強めよ]、【無垢なる魔力】。[ストラアップ]!》」


自分の体に再び力が湧いてくる感覚。


さて…とりあえずこれが初期状態。

この状態でもメイカさんを抱えられるぐらいには強化されてるんだよな。


この状態でどのくらい動けるか確かめて、そのあと徐々に強くしてく感じでいこう。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


そんな感じである程度調べてみた結果、俺は再び介護を受けている。


「も〜…マギーちゃん、気を付けないとダメでしょ〜?」

「あはは…面目ない……」

「よしよ〜し…♪マグ、いい子いい子〜♪」

「そうそう、ショコラちゃん上手だよ♪」

「えへ〜♪やった〜♪」


現在俺はショコラちゃんに膝枕をされながら頭を撫でられている。


最初はユーリさんがやろうとしたのだが、それに興味を持ったショコラちゃんがやりたいと言い出したからだ。


そのユーリさんは今、ショコラちゃんの隣で彼女に甘やかし方を教えている。


…甘やかし方を教えるってなんだ?

教わるものなのか?

俺はペットじゃないんだから……。


まぁそれはいいとして、今回の実験で初期強化でどの程度動けるかは分かった。

多分成人男性ぐらいは出せる。


かなりの強化具合だけどシャールさんいわく、それは俺のおかげではないかと言う。


俺が体組織をある程度知っているから魔力が効率的に回っているのかもしれない…のかもしれないとかなんとか。


確かに、保健体育の授業とかで体の仕組みとかやらされたし、テレビでも健康に関するニュースやコーナーがあるので、その辺でちょっと詳しくなっているかもしれない。


そしてサフィールちゃんが言うには、体の仕組みは医療ギルドでは必修科目だが、普通に暮らしているとまず覚えないことだと言う。


その辺が他の冒険者よりも魔力の巡りが良いことに繋がっているのだろう。


そして、程よい強化具合も分かった。


強化初期状態が「1」として、さっきぶっ倒れるほど動きまくったときの強化具合が「4」だとするならば、およそ「2」のあたりがちょうどバランスが取れていると感じた。


「3」、「4」でもそこそこの間動けるが、魔法戦闘を中心にする予定なので、体を強化した上で別の魔法を唱えることを考えると、魔力を節約しつつ強化するのにちょうどいいのが「2」となった。


その「2」の状態でどれほど動けるかを確かめている途中で倒れてしまったのだ。


やはり魔力があんまり回復していなかったらしい。


最初に倒れたときの介護時間と魔力回復量的に、多分また練習出来るぐらいまで回復したときにはもういつも帰っている時間になっているだろう。


その上で「3」とか「4」も調べたんだからぶっ倒れるに決まってる。


まぁつまり…今日の練習はこれで終わりということだ。


はぁ……まだまだ試したかったけど、無茶してマグの体を壊すわけにもいかないしな……。


怪我や疲れは魔法で和らげることができるけど、魔力は今のところ自然回復を待つしかないからなぁ……。


なんか他の回復方法は………あっ。


「シエル。魔力を回復させる薬ってないかな?」

「あるわよ。マナポーション」


おっ、やっぱりあるんだ。


「それってお値段どれくらい?」

「え〜っと…安いものでも500ゴルぐらいだったかな……?」

「ん…そのぐらい。でも安いものだとあんまり回復出来ないから、少し奮発したものの方がいい」

「むぅ……まぁそうですよね……」


しかし買えない額ではない…か……。

ちょっと探してみようかな?


「あっ…じゃあ魔術ギルド(うち)来る?」

「えっ?」

「マスターに言えば何個かくれるかもしれないし、もしかしたらあんたに合った薬を作ってくれるかもしれないわよ?」


なるほど……。

確かにそれは魅力的な提案だ。

それに自分で買うよりも、薬に詳しい人からもらった方が安全だ。


「でも、さすがにお高いものをポンっとくれたりはしないでしょ~」

「う~ん…まぁ、何か手伝わされるかもしれないわねぇ……」

「私としてはそっちの方がありがたいけどね」


タダってすっごいソワソワするんだよね……。


「問題はその手伝いの内容なんだよなぁ……」

「あぁ~……それは……」


その辺はシエルも心得ているようで、言葉を濁して目を逸らす。


前はそれで大変な目に遭ったからな……。


「またマグがネズミさんになるの?」

「いいね!ネズミのマグ、また見た~い!」


パメラちゃんとショコラちゃんも思い出したようだ。

他の子も思い出したようで、「可愛かったよね~♪」と盛り上がり始めた。


その現場を知らないサフィールちゃんとエストさん、シャールさんは、新聞に載ってた方を思い出しているのか若干苦笑い。


……そうだねぇ…また載るかもしれないんだねぇ……。

それはやだなぁ……。


ネズミっ子マグは俺もまた見たいけど、新聞に載って遠巻きにめっちゃ気遣った視線を送られるのはもう嫌だ。


でもポーションは欲しいなぁ……。


「はぁ……まぁ、内容を聞いてからその辺りは考えようかな……グリムさんも、あんま無茶なことはしないはずだし……」

「まぁ…そうね……ちょっとうっかりすることはあっても、マーガレットが嫌がることはしないと思うわ」


(そのうっかりでめっちゃ苦しんだんだけどねぇ……)

(そのあとも大変な目に遭ってましたしね……)

(マグは楽しんでたでしょ~?)

(だってぇ……コウスケさんが可愛かったんですもん……♡)

(まったくもぅ……少しは助けようという姿勢を見せてほしかったよ……)

(あはは……ごめんなさい♪)


やれやれ……。

マグは自分の欲に正直すぎるんだよなぁ……。


まぁそんなところも可愛いんだけど……。


「それじゃあ、帰る時にでもお邪魔しようかな」

「えぇ、わかったわ」


バッグの中に、グリムさんにもらった金貨がまだ崩さずにあるから、普通の薬なら余裕で買えるはず……。

とはいえ、保有可能魔力量が多いから、果たして数本で回復しきれるのか……。


ってかそうか……。

自然回復量もしっかり計算に入れないと、試合のときにフル状態じゃなくなるのか……。

そこら辺も出来れば聞きたいな。


いや待てよ?

ここに野営のプロがいるじゃないか。

魔力の節約法とか、回復力を高める方法とか知ってるかも。


そう考えた俺は早速その人に質問しようと起き上が…ろうとしたが…


「あっ……」


力を入れた段階でショコラちゃんが「もう終わりなの……?」という顔でこちらを見つめるので、諦めて力を抜き、彼女の膝の上で顔だけを向けて尋ねることにした。


ショコラちゃんは嬉しそうな顔をした。


「ユーリさん」

「ふふふ…♪うん、なぁに?」


一連の流れを見ていたユーリさんがクスクス笑っているが気にしない。

なんなら他の子もちょっとほっこりした目で見てる気がするが気にしない。


「ユーリさん、ここに来るまでずっとキャンプ暮らしでしたよね?」

「そうだねぇ……村を出てからここに来るまでは大体そうだったね」

「じゃあ魔力切れになり掛けたこととかありませんでしたか?」

「うん、あったよ」

「そのとき早く魔力を回復させるために何かやったりとかしてましたか?」

「あ~そういうことね。う~ん……でもそういうときは大体、安全なところに隠れて休む…とか、しっかりご飯を食べてしっかり寝る…ぐらいしかしてないかなぁ……」

「そうですか……」


ん~…やっぱり休むのが一番かぁ……。


「あっでも…魔力って空気中にあるものでしょ?だから全身で浴びれば早く回復するかもって思って、魔力が足りないときは出来る限り裸でいたかな?」

『えっ!?』


ユーリさんの突然のカミングアウトに、俺だけでなく他のみんなも驚きの声を上げた。

ただ、唯一エストさんだけが…


「そっか!ユーリあったまいい~!」

「でしょ?」


共感しちゃった……。


「…それでちゃんと実感できたんですか……?」

「う~ん……それがあんまり感じなくて……ちょっと早いかも…?とは思うんだけど……」


じゃあ駄目じゃん。

…あっ…いや、そうか。


「…ユーリさん、あの肌の露出が多い服を着てましたし、裸になってもあんまり変わらなかったからでは……?」

(『あぁ~』)


ユーリさん本人と、あの過激な服を知っている人たちから納得の声が届きました。

というかユーリさんは気付かないもんなの?

やたら気に入ってるじゃん、あの服。


ってか…ここまでに、俺たちがそのことを忘れてたってどうなの?


(ユーリさんの格好に慣れてしまっている……)

(そうですね……むしろ今みたいに普通の格好をしている方が珍しく感じますからね……)


最近は迷宮に入るとき以外は普通の服を着ているのに、未だにあの踊り子衣装が「いつもの服」として覚えてるってのは、完全に毒されている証拠だ……。


「ユーリさん……冒険用の服も探しましょうね……」

「えっ?なんで?」

「あの服はいろいろ危険なので仕事着で着ないでください」

「えぇっ!?あれが一番動きやすいのにっ!」

「うん、ほぼ裸ですもんね」

「そ、それに、マーガレットの言う通りに冒険以外で、あれ1着で外に出るのは控えてるんだから、冒険の時ぐらいはいいでしょ〜!?」

「そのせいでさっき……待って?冒険以外ではあれだけで外には出ない……?」


(…なんだか、着てはいる…って感じに聞こえますね……)

(うん…………そういや、前に普通の服の下にアレを着てたよね……)

((…………まさか……))


「ユーリさん……?もしかしてその下って……?」

「ん?うん、着てるよ?ほら」


そう言ってペロンと服をめくって見せてくれたのは、あの過激な踊り子衣装だった。


「って、ユーリさんっ!」

「えっ!?な、なに……?」

「そうやって服をサラッとめくらないでくださいよ!」

「えぇぇっ!?だ、だって…見せた方が早いと思って……!」

「うん、まぁ!早いけども!」


俺がなんで怒っているのかを理解していない様子のユーリさん。


も〜…!この人は〜…!!


「ユーリさん……あんまり人前で服をめくっちゃダメですよ……?」


見かねたリオがユーリさんに理由を教えた。


「えっ?な、なんで……?」

「なんでって……あんまり人に肌を見せるもんじゃないでしょ普通……?」

「えっと……でも大事なところは見えてないし……!」

「そういう問題じゃなくてですねっ!」


駄目だ……まだ分かってない……。


さすがにこれはマズイと思ったのか、他の子たちからもユーリさんにお叱りが入る。


「えっと…ユーリさん……そういうのは見える見えないじゃないと思うんです……!」

「チェ、チェルシーちゃん……!?」

「その……私も…もう少し恥じらいを持った方がいいと思います……」

「パメラちゃん……!?」

「えと……ユーリさんはマグとお風呂に入ったことあるって言ってましたけど、だからってそういうのは外ではやらないほうが……」

「ショ、ショコラちゃん……!?」

「女の子同士でも限度はある…と思います……」

「シ、シエルちゃん……!」

「……(こくこく)」

「メ、メリーちゃんまで……!」


付き合いが浅いサフィールちゃんは何か言うべきか悩んでいるようだが、モニカちゃんの容赦ない痛恨の一撃がユーリさんを貫くことになった。


「……え、えっと……ユーリさん……!」

「モニカちゃん……?」

「そ、その……そういうのは……!え……!」

「え……?」

「え……えっちだと思います…!」

「っっっっ!!?え……えっ…ち……!?」


ガーン…!とでも聞こえてきそうなほど衝撃を受けた様子のユーリさんは、ワナワナと震えながら、俺におずおずと質問をする。


「マ…マーガレット……?わ、私……えっちなの……?」

「……えぇ…まぁ……」

「そ、そんな……!?う、嘘だよね……?」


(………マグ……)

(はい……)


そこでマグと交代。

そして……


「…ユーリさんは……えっちです……」

「…そ……そん…な…………」


マグがトドメを刺すと、ユーリさんは真っ白に燃え尽きたように項垂(うなだ)れた。


さすがに不憫だと思った様子のシャールさんが、ユーリさんと少し離れた位置に移動して、「どういう行為がそう捉えられるか」を教えてあげている。


俺たちはそんなユーリさんを見ながら話をし始めた。


「ユーリさん……どこか抜けてるように感じてたけど、まさかあそこまで無防備だったなんて……」

「ね……優しくてかっこいいお姉さんだと思ってたのに、なんか意外だなぁ……」


パメラちゃんの言葉にショコラちゃんが同意する。

と、そこでモニカちゃんが呟いた。


「でも…なんかちょっと安心したかも…」

「安心?」


何に?


「うん…ユーリさんにも、苦手なことってあるんだなぁ…って……」

「そうだなぁ……確かにちょっとかわいいよな」

「そうねぇ…さっきエストさんとスゴイ戦いをしてた人とは思えないものね……」


モニカちゃんの言葉にリオとシエルが補足を加える。


なるほど……確かにギャップはあるな。

試験のときとかに見た真面目なユーリさんと、こういうなんでもないときのちょっと抜けてるユーリさん。

どちらも魅力的だ。


「そういえば……今朝も冒険者に絡まれたときはかっこよかったよね」

「あっうん!ユーリさんかっこよかった!」

『今朝?』

「うん、あのね!」


テンションの上がったパメラちゃんが、みんなに今朝のことを教えると、共感の嵐が起きた。


「おぉぉ!やるなぁユーリさん!」

「かっこいい…!」

「ふふん!いい気味ね、その冒険者たち!」

「ユーリさん凄いです!」

「「「そうでしょうそうでしょう!」」」

「……♪(こくこく)」

(仲良いなぁ)


ロッサ村幼馴染組とメリーちゃんが自慢げにしているのを、俺はそんなことを思いながら微笑ましく見守る。


それを聞いたユーリさんがまた照れるのを確認したSっ娘マグと愉快な仲間たちが、第二次ユーリさん誉め殺し大会を開いて彼女を恥ずかしさのあまり半泣きさせるという事態になったのも見守って……


(いやマグ……手加減してあげて……?)

(あっごめんなさい。可愛かったのでつい……)

(まぁ気持ちは分かるけどね……)


湯気が見えそうなほど顔を赤くしてるユーリさんの姿はとても可愛らしいけどさ……。

…あとでめいっぱい甘えさせてあげよう……。


そんなこんなで、俺たちはいつも帰る時間までそうして楽しく過ごした。

ユーリさん可愛い(合言葉的なノリ)


さて、次回の更新は6/21(月)の予定です!


お楽しみに!

ではでは!

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― 新着の感想 ―
[気になる点] 2で倒れるなら1.5は? [一言] 〉思いっきり甘やか倒してやる そうして嵌まる ハーレム沼w ユーリさんは少し自重・羞恥心って言葉を憶えて、魅力的な女性って事を理解した方が良い…
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