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異世界で少女とまったりするために頑張る  作者: レモン彗星
第1章…迷宮都市での基盤づくり
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16.魔法の仕組み…とクエストボード

新章突入!


マーガレットの仕事と生活周りを整えていく予定です。


今のところは……

顔を洗う、トイレを済ます、服を着替えるなどの身支度を済ませリビングに降りる。


「おはよう、マーガレットちゃん。昨日はよく眠れた?」

「おはようございますケランさん。それはもうぐっすりと」

「はは、それはよかった」


すみません嘘です。

昨日は夢の中…というよりは心の中でオールしてました。

おかげでちょっと頭痛いです。


ケランさんはそう言った後、少し心配そうな顔をして言う。


「…昨日の事でうなされてたりしてないか心配だったんだ…。特にその様子は無さそうです安心したよ」

「あぁ…ご心配をおかけしました。でもあの件については色々と方針も定まってきてますし、それに昨日は寝る前にちょっと良い事もありましたので」

「良い事?」

「はい!見ててくださいね……」


俺はそう言って右手をケランさんによく見えるように前に出し、意識を集中させる。


すると、昨日と同じように俺の手のひらで青白いスパークが発生する。


「なっ!!?」

「……ふぅ。ふふーん…どうですか?魔法がちょっと使えるように…」

「マ、マーガレットちゃん!そ、それ!!一体どうやってやったんだい!?」

「あぁぁぁケランさん!揺すらないで!頭が!頭痛がぁ!!」

「あっご、ごめん!」


ぬおぉぉぉ……!

徹夜明けと言っても過言ではない俺の脳みそが痛たたた!!


俺が痛みを訴えるとケランさんは慌てて両肩から手を離してくれた。


「マーガレットちゃんの悲鳴が聞こえたのだけど!?」

「あぁ!メイカさん!大変です!!」

「どこ!?マーガレットちゃんを泣かせたやつはどこにいるの!!?」

「いえ、泣いてはないです」


メイカさんがドアを蹴破り乱入。

新居を2日目で壊さないでほしい。


「そのマーガレットちゃんが凄いことしたんですよ!!」

「どゆことケラン!?詳しく教えなさい!!」

「朝からうるさいぞ…なんの騒ぎだ……?って、おい、なんで扉が壊れてるんだよ?」


あ、ディッグさんも起きた。


「ディッグさんも聞いてください!マーガレットちゃんが大変なんです!!」

「嬢ちゃん自身はなんのことか分かってなさそうなんだが…?」


はい、もうさっぱり分かりません。


「マーガレットちゃん!自覚はないようだけど、君は凄いことをしたんだよ!?」

「うん?嬢ちゃん何やったんだ?」

「魔法がちょっと使えるようになったので、見せたらこうなりました」

「えっ!?マーガレットちゃん魔法使えるようになったの!?見せて見せて!!」

「はい。ふぅ……」


俺は手をみんなに見やすいところに出し、先ほどと同じように電気を出す。


「……ふぅ。これを見せただけですよ?」

「「…………」」


あれ?メイカさんとディッグさんが止まってしまった。


「ほら!凄いでしょう!?」

「これは驚いたな……一体どうやったんだ?」

「えっ?んー…なんかこう…こんなん出ないかなってやってたら出来ました」

「マ、マーガレットちゃん天才すぎ……?」

「あはは、ありがとうございます」


本職のメイカさんにそう言われると嬉しいけど、昨日5分ぐらいで出来たことだし、メイカさんなのでそれとなく流す。


ん、そういえば昨日は2回やったら少し眠気が来てたけど、今は特に感じないな。

起きたばっかりだからかな?


そんな俺の両肩をケランさんはまた掴み、真面目な口調で話しかける。


若干顔が怖い。


「マーガレットちゃん、よく聞いて…」

「な、なんでしょう?ケランさん……」

「普通の魔法は詠唱が必要なんだ」

「えっ?」


マジで?

でも昨日それっぽいこと言ったときは何も起こらなかったぞ?


「詠唱は【誰に】[どれくらいの]【どんな効果を】の、3小節詠唱が基本なんだ」

「そ、そうなんですか?」


昨日俺が言ったのは確か…


(いかづち)よ…我が声に(こた)えよ!サンダー!」


…あーなるほど。

【誰に】と[どれくらい]…つまり【対象】と[強さ、または範囲]が抜けてたからか……。


最初にぼんやりと道にぺちっ、した(かみなり)は、【道に】[ちょっとした]【青い雷】って考えてたから。


「雷ちょびっとそーい」なんて適当極まる言葉でも、指を指して場所を指定すればそれは詠唱として成立するらしい。


さっきの手のひらスパークは【手のひらの上に】[ほんの少し]【青白い電気を】と考えていたから出来た。


こっちは完全に無言。

ケランさん達はそれがとても凄いことだと言う。


「無詠唱は詠唱と違って、口に出さないから文言で魔法を悟られることは無いし、奇襲にも使えるしでかなり便利なんだ。だから魔法を使える人はみんな、無詠唱魔法を習得しようと努力するんだよ。それを昨日なんとなくやったら出来た、なんて言ったら……」

「い、言ったら……?」


ゴクリと唾を飲み続きを促す俺。


え?まさか命を狙われるとかは無いよね?


「みんなこぞって君に聞きに来るだろう……」

「えっ?…それはまぁ…そうかもしれませんが……」


それだけ?


「それだけじゃない!」


ですよね。


「君のその魔法の才能に目を付けた人や国が君をスカウトしに来るかもしれない。いや、それだけならまだ良い!もしかしたら君がまだ子供だというのをいいことに、ある事ない事吹き込んだり、無理やりさらったりするかもしれない!!」

「そんなの許さないわ!!」


ケランさんの話にメイカさんが食いつく。


えー…そんなに大事になるのは嫌だなぁ……。


「じゃあ人前では使わない方が良いって事ですか?」

「「そうして!!」」

「は、はい…」


二人の息ぴったりな肯定の言葉に萎縮してしまう俺。


…まだ色々試したかったのになぁ……。


「あー…話は終わったか?」


一人何も言わず話の行き先を見届けたディッグさんが口を開く。


それにケランさんが答える。


「えぇ、とりあえずは…」


とりあえずは?

まだ続きあるの!?


「んじゃあ朝飯をどうするか決めようぜ。腹が減って仕方ねぇんだ…」


そう言いながらディッグさんが(あご)で時計を指すと、6時辺りを指していたはずの針は、7時近くになっていた。


それを確認したら俺の腹の虫がくるると鳴ってしまう。


「あ、ごめんねマーガレットちゃん…話が長くなっちゃって…でも大事な事だから絶対守ってね」

「はい。肝に銘じておきます」

「じゃ、行くか。メイカ、ちゃんと着替えてこいよ」

「あら、私ったら」


そんな相変わらずなメイカさんの準備を待ち、俺たちは外に出かけた。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


ギルド前の大通りは、まだ朝早くだというのにかなりの賑わいを見せていた。


そういえば、誰もいない間に寮に誰か忍び込んだらしないよう、あそこの入り口と裏口には魔力で誰かを判断する《魔力認証》の魔道具が付けられていた。


管理人室で登録しておくか、中の人が開ける事でしかあの寮には入れないらしい。


その話を聞いたのは、昨日ハルキが帰る直前だったので俺たちはそのあと慌てて管理人室で登録を済ませた。

ちなみにハルキは作った段階で登録していた。


…もし忘れてたら、またハルキに頼まないと入れなくなるところだったのか……。


その事でメイカさんはまたぶつくさ言っていた。


まぁそんなわけで留守も万全なのではあるが、やはり誰か信頼のできる人がいた方が良いのも事実。


だが今どうこう出来る問題ではないので放置。


今はこの大通りに並ぶ露店の中から、何を朝ご飯として食べるかが大事なのだ!


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


というわけでなんか豚系の魔物の肉を挟んだサンドイッチを食べ、朝早くから開いている服屋で下着も手に入れた俺たちはギルドに着いた。


相変わらずギルドは人でごった返していて、寿司詰めとまではいかないが、通るのはちょっと大変そうといった状況だ。


そうしてギルドに入った俺は、壁にかかっている時計を見る。


8時ぐらいか…前世じゃ学校が開くぐらいの時間じゃないか?

それでこの混み具合…しかも昨日と今日は平日だった。寮のカレンダーを見て、ケランさんにさりげなく聞いて知った。


こりゃあかなり時間がかかるかなぁ……。


「俺達はクエストボードを見てくるが、嬢ちゃんはどうする?先に話をつけに行くか?」

「あー…いや、一人だとちょっと不安なので一緒に行きます」

「あいよ、メイカ」

「は〜い♡マーガレットちゃん、手を繋ぎましょ♡」

「はい」


というわけでメイカさんと手を繋いでクエストボードの前まで来ました。

元冒険者志望の身としては、依頼書を見るのもワクワクするもんだ。


それにしても凄い量だ、ボードに紙が所狭しと貼られている。


「凄い量ですね…」

「えぇ…これは見るだけでも大変そうね……」


思わず呟いた俺の言葉にメイカさんも頷く。

見てるだけで昼になりそうだ。


「あ、でも討伐に採取に護衛ってクエストごとに分けられてるみたいですね」

「お、それはありがたいな。んじゃあまずは……」

「おいおい、ここは子供が来るところじゃないぜ?」


ケランさんの言葉にディッグさんがさっそく討伐系のクエストボードを見に行こうとしたとき、後ろから凄い異世界テンプレのセリフが聞こえた。


本当に言うんだ!と、少し感動しつつ振り返るとそこには4人組のがたいの良い男達が立っていた。


「お約束が過ぎる!!」


俺は思わずそう叫んだのだった。

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