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144.10日目の朝…甘えん坊な少女

チュチュン…チュンチュン……♪


「ふわ…ぁふぅ……おはようマグ♪」

(おはようございます、コウスケさん♪)


珍しく爽やかな目覚めの朝。

やはり昨夜マグとずっとイチャイチャちゅっちゅしてたのが元気の(みなもと)だろう。


(ゆうべはお楽しみでしたね♪)

(うへへへ……♡お楽しみでした♡)


結局ずっとキスしていて、口が離れている時間よりも、触れている時間の方が長いほどだったもんな♡


ふへへ……♪

心なしか肌艶(はだつや)も良くなった気がするぜ♪


(さてさて。今日も元気に頑張るか!)

(頑張りましょ〜!)

((お〜♫))


マグと2人で意気込んだところで、早速身支度を整えるためベッドから出ようとする。

と、何故か隣にメリーちゃんが寝ていた。


(へっ?なんでメリーちゃんがここに?)

(ん〜……あっ、もしかしたらメイカさんかユーリさんが運んだのかも。起きたとき誰もいないのは寂しいかもって)

(あぁなるほど。それはあり得ますね。…それなら一緒に起こした方が良いですかね?)

(そだね。でもその前に自分の身支度を整えちゃおう。髪型だけメリーちゃんに任せる感じで)

(それなら喜びますね♪メリーちゃんはコウスケさんのことが好きですから)

(ふふふ。こんなに懐かれるのは悪い気はしないよね♪)

(…まぁ、好きっていうのはもしかしたらこっちの方かもですけど……)

(こっち?)

(いえ、なんでも)


ふむ?

よく分かんないけど、今はとりあえず準備を整えようか。


朝の用事を終え、昨日もらった朱色の練習着に着替えて、昨日と同じ垂れツインテールにして準備を終えた俺は早速メリーちゃんを起こしにかかる。


そういえばネズミの耳と尻尾はすっかり消えていた。


いやぁ〜……斜め上の方向に大変なことがいっぱいだったよ……。


まぁとにかく…


「ほれほれ、メリーちゃん。あっさでっすよ〜♪」

「んぅ〜……あさ……?」

「せやで。メイカさんたちはもう出発したかもだけど」

「……んぅ?コースケはおこしにきてくれたの……?」

「いんや?ここ俺の部屋なので」

「…………いつのまに……」


ふむ。この様子だと、俺の予想は正しそうだな。

じゃあやっぱりメイカさんたちはもう出発した後かな。


「どうする?俺は下に行くけど…もう少し寝てる?」

「……ん〜ん…おきる…………てつだって……」

「はいはい」


俺はメリーちゃんを起こし、洗顔、トイレを済ませてから、メリーちゃんと一緒に彼女の服を取りに向かった。


ちなみに洗顔は自分で問題なくやったのに、相変わらずトイレには俺を連れ込むメリーちゃん。


まったくも~…寂しん坊の甘えん坊なんだから……。


で、着替えを持って俺の部屋に戻り、俺が服を脱がせて、俺が服を着させる。

言っておくがねだられたからやっているだけであって、俺だってさすがに全部の面倒を見るのはだるい。

なのでどうにか1つずつ自分でやってくれる項目を増やしてほしいと願います。


兎にも角にも、メリーちゃんの支度が万全に整ったところで、メリーちゃんに俺の髪型を任せる。


…なんでこれは張り切ってくれるのに、他のことは全部俺に任せるのか……。

謎だ……。


ちなみに今日の髪型も、昨日と同じ垂れツインテールだ。

メリーちゃんも俺を垂れツインにして、「……お揃い♪」とご満悦だった。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


「おはよう2人とも」

「おはようございます、フルールさん」

「……おはよう、ママ」


リビングへと降りてきた俺たちは、ちょうど洗濯物を干し終えた様子のフルールさんと挨拶を交わす。


「ふむ……やっぱりディッグさんたちはもう出発しちゃいましたか?」

「えぇ、割と前にね」

「お見送りぐらいはしたかったなぁ……」

(そうですね……)


俺の案を試すって意気込んでたから、もし失敗したら凄く申し訳ないし、せめて応援ぐらいはしたい。


そんな俺にフルールさんがフォローを入れてくれた。


「大丈夫よ。そもそも、バリアが破れなくてもピンピンした状態で帰ってきたんだから、心配することは無いわよ」

「それはまぁ……確かに……」

「それに、メリーをあなたの部屋に運んだ時に、あなたたちの寝顔をじっくり見たらしいから、気力も十分だと思うわよ」

「そ、そうですか……」


だよねぇ……。

メリーちゃんを運んだってことは、俺の寝顔もバッチリ見てるってことだもんねぇ……。


ははは…まぁ変なことしてなきゃいいけどさ。


「それじゃあまぁ…信じて待つとして。俺は身体強化魔法の研究でもしようかな」

「あら、使えるようになったの?」

「はい。昨日詠唱文が載った本を見て、それで出来るようになりました」

「よく見ただけで出来るわね……まぁ今更か。あんまり無茶するんじゃないわよ?」

「了解です」


とりあえず答えたが……ここでそんな無茶した覚えないんだけど?


このツッコミをいれるかどうか悩んでいる俺に、メリーちゃんが尋ねてきた。


「……研究って何するの?」

「ん……そうだね……とりあえず昨日唱えた感じ、割と適当に言ってもヒットしそうだからそれをやってこうかなと……」

「……?」

「まぁつまり…力技です」

「……お~」


いったい何に感心したのか。


兎にも角にも、ベランダに出て準備体操と基礎体力トレーニングをこなしてから、魔法の練習へと移る。


さてさて……筋力強化が《ストラアップ》…STR(ストレングス)から取ったもんじゃねぇかと考えてるから……。

まずは並べてみるか。


え~っと……確か……


STR…ストレングス。力のこと。

DEF…ディフェンス。防御力のこと。

МAG…マジック。魔力のこと。

МDF…マジックディフェンス。魔法防御力のこと。

AGI…アジリティ。素早さのこと。


……うん、おかしいな。

スペル覚えてないとかもあるにはあるけど、それ以前に防御力とかはSTRとは並ばない気がする。

並べるならATK…アタック…攻撃力とかな気がする。


え~っとじゃあなんだっけなぁ……?


…あっそうか。

ハルキに聞いたステータスを使えばいいんだ。


というわけで頑張ったのがこちら。


МPはそのまま。


体力=HP

筋力=STR

魔力=МAG

敏捷=AGI

技術=TEC

知力=INT


……うん駄目だ。

知力がINTだってのは思い出したけど、体力と魔力は違う気がする。


あとこれで合ってるか不安。

TECだっけ?TEKだっけ?【technicalでTECが正解】


大体これ唱える時なんて言うんだ?

МAGは…マグアップ?マガアップ?

マグのことしか出てこないんだけど?


う~ん……これは唱える以前の問題だぞ……。


「……?なにを悩んでるの?」


悩む俺に、カーテンの陰に隠れて見学していたメリーちゃんが聞いてくる。


「う~ん……詠唱文の候補はいくつか思い浮かんだんだけど、読み方とかスペルとかが駄目駄目で、唱えられないの……」

「……?いつも詠唱は自分で考えてるからいいんじゃないの……?」

「うん?え~っと……?」


どゆこと?

自分で考えてる……まぁ確かに《サンダー》とか《マナウォール》とかも自分で考えた詠唱文で……あっ。


そうじゃん。

わざわざ他の人と同じ詠唱や名前じゃなくても、自分が分かりやすいものならいけるんじゃん。

これはやらかしたな。


「ははは……浮かれてたからかなぁ……」

「……?」

「いや、なんでもないよ。ありがとうメリーちゃん。メリーちゃんのおかげでいけそうな気がするよ」

「……よかった♪」


メリーちゃんが嬉しそうに微笑む。


…この子も頭良いからなぁ……。

まぁ今回は俺のうっかりミスなんだけど……。


でもこうしてすぐに気付けたのはメリーちゃんのおかげだな。

あとでお礼をしよう。


(むぅ~!コウスケさん!私にも相談してくださいよぉ!)

(あっ…ごめんごめん!つい集中しちゃって!)

(考え始めたら止まらないのは分かりますけど、忘れるなんてひどいです!)

(うっ…!それは……ごめんなさい……)

(ぷんぷん!)


ぷんぷんて……口で言っちゃうのか……可愛いな。

でもちょっとぶりっ子っぽいから注意しとこう……。

男には好かれるが女には嫌われるタイプだってどっかで聞いた。


(マグ……いつの間にそんなぶりっ子表現を……?)

(?ぶりっ子?ってなんですか?)

(わざと可愛い言動をして異性に好かれようとする人のこと)

(えっ!?そんなことしてましたっ!?)


あっ、無自覚だ。

ならセーフだろう、多分。


(ぶりっ子は同性にはめっぽう嫌われるから気を付けないとだよ?)

(そ、そうなんですね……!で、でもどれがそのぶりっ子表現なのか分からないのですが……!)

(まぁそこはまたあとで教えるよ)


正直「ふぇぇ!」とかも危ないっちゃ危ないけど、口癖みたいなもんだし良いだろ。きっと。

可愛いし。


さて……それは置いとくとして、身体強化魔法なんだが……。


あれだな……。

また知ってるやつ並べりゃいいか。


シフタ、カリスマ、レイジ、よし待とう。

身体強化ではあるんだけど……これじゃない気がする。


もっとこう……サイヤ化みたいな自己完結型を考えてたんだけど……。

今言ったやつ味方の能力も上げるわ。

いつもお世話になってるわ。


ん~……でもまぁ、強化できるなら別にいいか……?

う~ん…でもなぁ~……他になんかなかったかな~……?


温泉入るだけで体力とスタミナが上がるんなら楽でいいんだけどなぁ……。

さすがにそんなのは無理だなぁ……。

そもそも試合前にバフかけとくとか、普通にドーピング行為で反則負けだし。


なんか試合中に出来るやつ……。

……ためる…とか?


え~っと…ためる系は……テンション、チャージとあと……あっ。


「あぁぁぁぁっ!」

(きゃあっ!?)

「ひゃうっ!?」


そうじゃんいるじゃん!

パワー溜める系で能力強化でしかも雷属性のうってつけな奴!

なんで温泉思い出したのにコイツにいかなかったんだ!?


(ど、どうしたんですか!?)

「……コ、コースケ……?」

「あっ…ご、ごめん……!」


突然の大声でマグとメリーちゃんを驚かせてしまった……。


「ちょっと、どうしたの!?こっちまで声が聞こえたんだけど!?」

「あっ…フルールさん……」


フルールさんまで飛んで来てしまった……。


「いやぁちょっと……えへへ……」

「……はぁ〜……驚かさないでちょうだい……」

「はい……すみません……」


そして怒られた……。


やばいなぁ……やっぱりテンションが振り切れてるのかなぁ……?

俺テンション上がるとその場のノリで行動することが増えるからなぁ……。


ふぅ〜……一旦落ち着くかぁ……。


俺は窓辺に腰掛け、ぼんやりと空を見上げる。


今日はそこそこ雲があるな……。

そういえばこの街に来てから雨とか降ってないな……。

まさか降らないなんてことはないだろうな……?


そんなことを考え始めた俺に、メリーちゃんがカーテンで日差しをガードしながら近づいてくる。

といってもすぐ側なのだが。


隣に来たメリーちゃんは、じーっと俺を見つめるだけで、何か言ってくる様子も、何かをねだっている様子もない。


どうしたんだろう……?


その答えはマグが教えてくれた。


(コウスケさんコウスケさん)

(うん?)

(ちゃんとメリーちゃんを安心させてあげないと!)

(安心……?)

(さっきの大声で驚いてるんですよ!ほらほら、早く早く!)

(な、なるほど……)


つまりメリーちゃんは今、俺が怒ってるとかおかしくなってるとかじゃないか確認してるんだな。

それは悪いことをした。


「あ〜…メリーちゃん?」

「……?」

「えっと……さっきはごめんね?急に大声あげちゃって驚かせて……」

「……」

「その……良い例を思い出したから大声出ちゃっただけで、怒ってるとかそういうのじゃないから……えっと……ほんとごめん……」

「……ん…」

「許してくれる……?」

「……うん」

「そっか……ありがとう、メリーちゃん」

「……うん……コースケ」

「ん?」

「……なでなでして?」

「…くすっ…いいよ」

「……♪」


ふぅ……どうにか仲直り出来たみたいだ……。

よかったよかった。


メリーちゃんの頭を撫でながら、俺はマグと相談する。


(マグもごめんね。急に大声出しちゃって……)

(いえ、確かに驚きましたけど、何かあったわけではなくてよかったです)

(あはは…ごめんね……)


また変な心配をかけちゃった……。


(くすくす♪それよりも、なにを思い出したんですか?)

(うん、前世で雷属性の(おおかみ)を知ってるんだけどさ。そいつが使う技に能力強化があるのを思い出したんだ)

(へぇ〜!…あっ!もしかして、前に言っていた《ゲーム》というものですか?)

(そうそう。だからその狼の技を参考にして、こっちで自分用にアレンジ出来れば凄くいいなって思ったんだ)

(なるほど!それじゃあ早速……あ〜…メリーちゃんから離れなくてもいいものから試しますか?)

(ふふふ…そうだね。そうしようか)


「……♪」


俺たちは隣で気持ちよさそうにしているメリーちゃんを眺める。


(…いいなぁ……)

(マグはもっと凄いことしたじゃない)

(そ、それはそうですけど……!そういうまったりした感じもいいなぁ…って……)

(そうだねぇ……昨日は激しかったもんねぇ♡)

(はぅ♡………えへへへへ♡)


あっ、思い出してるな。

俺もちょっと思い出しちゃって……凄かったな…ほんと……♡


ちょっと強引すぎたかと思ったけど、マグは喜んでるし、昨日の感じでいいのかな?

息苦しそうだったからもうちょっと余裕を持たせた方が良かったかな?

ディープキスなんて初めてだったから加減が分からないし、舌を入れた後どうするのかも分かんなかったから患部を重点的に全体を舐めてみたけど……。


…あってるのか……?

でもこういうことを他の人に聞くのも恥ずかしいし……それに…


(んふふぅ〜♡)


マグも満足してるみたいだし大丈夫…と信じよう。

なぁに、これからもする機会はあるし、ちょっとずつ加減を覚えていけばいい。


…そのためにはマグといっぱいキスしないとね♡


「……?顔赤いよ?」

「(えっ!?)」


やばい、顔に出てた!?


「……むぅ…マーガレットといいことしてたんだ…」

「あ〜……うん…してました……」

「……ずるい…もっと撫でて、ぎゅってして」

「あっうん……」


言われるがままにメリーちゃんをなでなでぎゅ〜っとする。


またやっちゃったかぁ……。

マグと話してると、他のことに意識を向けられないのがネックだな。

こうしてメリーちゃんを寂しがらせてしまった。


お詫びにと、俺は抱きしめたメリーちゃんをくるっと回転させ、膝の上に乗せて後ろから抱きしめる。


「……♪」

「ごめんね…寂しがらせちゃって。お詫びにご飯が出来るまでこうしてるから」

「……んぅ♪ゆるす♪」

「ふふ…ありがとう♪」


そうして俺は、フルールさんが呼びに来るまでずっとそうして抱きしめながら、メリーちゃんとまったりした時間を過ごした。


(…いいなぁ〜……昨日の激しいのも好きだけど、やっぱりこういうまったり過ごすのも……んふふふ……♡)


…どうやら今夜のお願いも決まったようだ。

ふふっ♪可愛い甘えん坊さん達だこと♫

今回も知ってる人は知っているゲームネタがブッ込まれてますね。

ははは、最近やってねぇや。


次回は3/26(金)に更新予定です。


次回もお楽しみに〜

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