143.恋人とのスイートタイム…少女の勇気とご褒美
「あら?マーガレット。てっきり今日はメイカたちと寝ると思っていたのだけど……」
「いやぁ〜、メイカさんとユーリさんだけでもかなり幅使ってますし、そこにメリーちゃんも加わると俺のスペースが無くなっちゃって」
一仕事終えてメイカさんの部屋から出てきたところに、タイミングよくフルールさんと出会った。
「珍しい。あの子達があなたを手放すなんてね」
「よっぽど眠かったのか、みんな先に寝ちゃいましてね。俺は自分の部屋でもうちょっと勉強してから寝ようかと思いまして」
「ふ〜ん」
いやぁ〜、本当に楽しか…ごほんごほん。大変だったなぁ〜!
流石に3人いっぺんには無理なので、1人1人丁寧に責めていったのだが……そのやり方にマグが終始「はわわわわ……!」と言っていて聞いてて心地良かっ…おほん。楽しかった☆
まず動けない間に全身をくすぐる。
全身といっても、胸やら尻周りやらのデリケートなところは触らない。
さすがにそれは犯罪。似たようなもんだけど。
んで、そのあとは俺がやられたように耳元でこしょこしょと囁きながら、脇やら脇腹やらを撫でたり揉んだりラジバンダ……ごほん。
とにかくくすぐった。
あれだな。
まだテンション高めだな。
やはり先ほどの興奮が忘れられないのだろう。
くすぐりながら、セリフの提案という辱めと、それをしてくれたときのご褒美という甘い誘惑……。
結局みんな誘惑に乗っちゃって……ふふふふふ……可愛かったなぁ〜♪
「コウスケ?」
「はい?」
「珍しいわね。あなたがそんな無防備な顔をするなんて。メイカの部屋で何かあったの?」
「…えぇ。ちょっとお遊びをしましたよ♪」
くすぐりパーティーというね♪
「へぇ〜。ま、あなたも早く寝なさいよ?今日も疲れたでしょう?」
「は〜い♪おやすみなさい、フルールさん」
「えぇ、おやすみ」
フルールさんと挨拶を交わして自分の部屋へと戻る。
とりあえずまずは日記からかな。
今日も出来事が多すぎて大変だったし、忘れないうちに書いてしまおう。
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「よし…こんなもんかな……っと、割と経ってるな……」
日記わ書き終え、伸びをしながら時計を見ると、時刻はすでにいつも寝る時間を過ぎていた。
メイカさんたちが早めに寝るからって、俺たちも少し早めに寝ようかと思ってたんだけど……まぁ良いか、楽しんだし♪
それにまだお楽しみは残ってる……。
メインディッシュが……ね♪
というわけでそのご馳走の名を呼ぶ。
(…マ・グ♡)
(は、はひっ!ななななんでしょう!?)
おっふ……。
(…そんなに警戒されると流石に悲しいよ……)
(えぁっ…と……ごめんなさい……)
(ん……)
まぁあんな乱れた3人の姿を見ちゃあ警戒するよな。
くすぐってしかいないとはいえ。
くすぐってしかいないとはいえ!
大事なことなので2回言いました。
俺はくすぐっただけ。
他のこと…それこそ滾るリビドーを注ぎ込んだりはしていない。
それをやったら人道的にアウトだし、失うものが多すぎるし、そもそもそれを実行するほどの度胸も無い。
そんな草食系なもんだから、責めているはずなのにいつも通り理性と戦ってたよ、俺は……。
それでもちゃんと楽しんだから、多少は発散されてるはずだ、多分。
まぁとにかく…
(…そろそろ寝ようか)
(そ、そうですね……!)
今はマグに会いに行こうか……♪
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〔マグ〕
はわわわわわ、どうしよう……!?
さっきコウスケさんがユーリさんたちに襲われてるとき、助けないで自分の欲望を優先しちゃったから絶対怒ってるよぉ〜……!
さ、さっき……あんなに必死に声を我慢して、それはもうとてつもなく可愛くてドキドキしたコウスケさんの姿が、今は別の意味でドキドキしている……!
わ、私も……やられちゃうのかな……?
あの3人と同じように……はぅぅ〜っ!!
あ、あんなのやられたら……わ、私大丈夫かな……!?
気絶しないかな!?
でも……あんなに甘く溶かされるような責め方してくれたら……はふぅ……♡
…はっ!そうだ!
私には昨日のコウスケさんとの約束がある!
危ない危ない……!
完全にコウスケさんに委ねるところだった……!
今日は私がめいっぱい甘やかすんだから!
とにかく、あの約束を駆使して私がコウスケさんを責める側になれば……むふふ♡
「マグ?」
「ひょわぁぁぁ!!?」
「うぉわっ!?ど、どうしたっ!?」
「コ、コココココウスケさんっ!?ななななんでもないですよ!?なんでも…!」
「そ、そう……?」
私があれこれ妄想しているところに、いつの間にかいたコウスケさんに話しかけられて跳び上がってしまった。
びっっくりしたぁ……!
い、今の見られてないよね……?
コウスケさんは私のざっくりしすぎな言い訳に、一応納得納得してくれたようで、気を取り直して話を始めた。
「ま、まぁいいや。とにかく、今日もいろいろお疲れ様、マグ」
「あっはい、お疲れ様です。今日はショコラとパメラが一緒に働けるようになって、とても嬉しかったです!」
「そうだね。これでまぁ…前みたいに、とはいかないけど、友達と一緒にいる時間が取れるようになったし、良かったね」
「はい!コウスケさんのおかげです!ありがとうございます!」
「くすくす。俺は提案しただけだよ。あの2人が一緒に働きたいって思ってくれたのは、マグの日頃の行いが良かったからだよ。じゃないとあんなに喜ばないって」
「!えへへ…そうですか……?」
確かにコウスケさんがあの2人といた時間は少ないから、それを考えればそうなんだけど……多分ショコラもパメラも、コウスケさんのこと好きになってくれると思うなぁ。
だって今日はずっとコウスケさんが表に出てたのに、ショコラもパメラもいつもと同じように楽しそうに笑ってたし。
あっ!でも好きになるって言っても、友達として好きになって欲しいな!
コウスケさんは私の…こ、こい……!恋…人…なわけだし……!
…でもショコラたちとコウスケさんに甘えるっていうのも……ありかも……♡
「マグ?顔赤いよ?」
「ふぇっ!?そ、そんなことないですよ!」
「…もしかして……」
コウスケさんがじーっと私の目を見つめてくる。
も、もしかしてって……!?
ま、まさか私がコウスケさんの恋人だってことに喜んでるのに気付かれた……!?
「…さっきのこと……思い出しちゃったの?」
「ふぇ?さっき……?」
「あれ?違うの?てっきり待ちきれないのかと思ったんだけど……」
えっと…さっき……さっきのこと……?
私が顔を赤くしてたからそう思った、さっきのこと……ってぇ…!
メイカさんとユーリさんとメリーちゃんにやってたアレっ!?
「は、はわわわわ…!」
「あっ思い出した」
「あぅあぅ…あの…あ、ありぇはその……!」
お、思い出したらまた顔が赤くなっちゃうぅ……!
こ、このままだと私もコウスケさんに「おしおき」されちゃうよぉ……♡
「ふ〜ん?…ねぇマグ?」
「は、はいっ!」
「マグもアレ…して欲しいの?」
コウスケさんが私と目線を合わせるようにしゃがみ、私の目を見てゆっくりと尋ねてくる。
ほ、本音を言えばしてほしい……けどぉ……!
あ、あんなの私…我慢できないよぉ……♡
そ、それにコウスケさんと私は……キ、キス…してるし……だ、だからもしかしたらぁ……!
キ…キキキ……!キス…しながら責められちゃうかもぉ……♡♡
そ、そうなったらもうダメぇ…♡
「ふふ…♪マグ、顔が蕩けてるよ?想像しちゃったの?自分が…されてるとこ♡」
「ふぇぇ♡」
してほしいぃ♡
コウスケさんのおしおきぃ♡
♡♡♡…はっ!
「い、いいいいいえっ!きょ、今日は私の好きなようにするんですからっ!」
危なーいっ!?
頭の中トロトロになってたぁーっ!
どうにか思い出せてよかったぁーっ!!
「へぇ?好きなように?」
「えぇ!なんと言ったって、昨日の約束をコウスケさんは守れませんでしたからね!」
ふふふ……昨日は私共々、ユーリさんに付きっきりでしたからね……!
おかげで久しぶりにコウスケさんに会わずに朝になってましたが、その分今日はコウスケさんを好きなように……そう!私の好きなように出来る!
こんなチャンス逃すわけにはいきませんからね!
ほらほらコウスケさん!
昨日の約束を忘れていたあなたに、私が「おしおき♡」を……
「そうだねぇ。昨日はマグに会えなかったからねぇ」
「…ふぇ?」
あ、あれ……?覚えてる……?
じゃ、じゃあやっぱり私が勝つようなルールにした……?
でもこの口ぶりだと、勝つ気満々だったみたいだけど……。
「えっと…コウスケさん。昨日はどうやって私に勝つつもりだったんですか?」
考えても分からなかったので直接聞いてみる。
するとコウスケさんは照れ笑いを浮かべながら話してくれた。
「いやぁ…実は昨日の夜にマグと会って甘いものを摂取する予定だったんだけど、ユーリさんの件で会えなかったから無理だったんだよ」
「?私と会ってって……夢の世界には食べ物なんて……」
ん?甘いものを摂取って……いつものコウスケさん独特の言い回しかと思ったけど、なんか引っかかるような……。
もしかして食べ物じゃない……?
となると、他の甘いもの……しかもここで取れるもの……う〜ん?
ここには何か物があるわけでもないし……私とコウスケさんしかいないから、甘いものなんて…………甘い……?
甘い何か……?
私と会って得られる甘いもの……あっ…!
「も、もしかして……!私との甘い時間……!?」
「……(こくり)」
「〜〜〜っ!」
そ、そそそれ、それは確かに甘いもの……!
私もコウスケさんと甘いひと時を……はっ!?
「コウスケさんまさか…それをエサに私をからかうつもりでした……?」
「おや、バレた?」
や、やっぱりっ!
「ず、ずるいですっ!私に甘いひと時か次の日の権利を選ばせるつもりだったんですねっ!?」
「大当たり☆」
「もぉ〜っ!!」
ずるいずるいっ!
やっぱりコウスケさんはいじわるだぁ!
そんなの…そんなの選べないよぉ〜!
コウスケさんを1日好きにしたいけど、せっかく会えたのに何もしないだなんて無理ぃ〜っ!
よかったぁ…昨日ユーリさんの件で会えなくて……。
もし会ってたら……コウスケさんにからかわれて……い、いっぱい優しくて甘いことを……ふわぁぁ……♡
「…ふふふ♪それじゃあマグ?勝者として、俺に何をしてほしいか言ってごらん?」
「ふぇ……?」
勝者……勝者!
そっか!そうだ!私が勝ってるんだった!
「じゃ、じゃあ!コウスケさんに好きなことをお願いして良いんですね!」
「うん、約束だからね♪」
「やった!」
それじゃあどうしようかなぁ!
やっぱり甘えてもらおうかな?
…うぅん!さっきのいじわるな作戦のこと、許さないんだから!
こうなったら私の方からもいじわるなことしちゃうもんね……!
そうと決めたら…まずはどうしようかな?
甘えてください!って言ったら甘えてくれるだろうけど……う~ん……。
それだけだとコウスケさんももう照れないかなぁ……?
やっぱりもう少し何かを……それこそさっきの「おしおき」みたい…な………。
……やっちゃっていいのかな……?
いい…よね……?だってそういう約束だもんね……?
…ほ、ほんとにいいんだよね……?
「コ、コウスケさん……!」
「うん?」
「な、なんでもいいんですかっ!?」
「うん。出来る範囲ならね?」
「そ、それは大丈夫ですっ!」
よ、よし……!
うんって言った!うんって言ったっ!
「そ、それじゃあコウシュケしゃべしっ!」
「ちょっ!?だ、大丈夫……?」
「ふぇぇぇ……!」
「あららら…!ほら、泣かないの……!」
うぅ~……!
焦りすぎて舌噛んじゃったぁ~……!
痛いよぉ~……!
それにせっかく勇気だしたのに、これじゃあ雰囲気も何もあったもんじゃないよぉ~……!
「うぇぇぇ……!」
「あ~、痛いねぇ…よしよし……!大丈夫大丈夫…!すぐ良くなるから…!ほら、噛んだ所見せてみて?あ~ん」
「ぐすっ…!あ~……!」
「ありゃ~……こりゃ盛大に噛んだねぇ……血は出てないけど……というか夢の中で負傷するのかも不思議なもんだけど……」
「?」
「いや、なんでもない」
すっかり保護者モードのコウスケさんに、ものすごく心配されてしまった……。
…これじゃあ甘いひと時なんて送れないよ……。
「うぅ~……!」
「おぉうどうしたどうした?また痛くなってきた?」
私は首を振って違うと答える。
「じゃあどうしたの?水…は無いけど……なんかしてほしいこととかある?」
うぅ……さっきと同じ意味なのに、全然ドキドキしないよぉ……!
むしろずっと噛んだところがズキズキするよぉ……!
「ぐすっ……!私はコウスケさんと甘々な時間が過ごしたかったのにぃ……!」
「マグ……」
このままじゃあ、コウスケさんが気を遣って「明日にしようか?」って言っちゃうかも……!
その気持ちは嬉しいけど……でもぉ……。
「えぇぇぇ……!」
「…マグ……」
「ぐしゅ……!ぐすっ……!やだぁぁ……!今日がいいぃ……!」
「…………分かった。じゃあもう一度口開けて?」
「ひっく……ふぇ…?こうれしゅか……?」
「うん……そのままね……」
なんだろう……?
なにを思い付いたのかな……?
「…うん、ありがとう。もういいよ」
「ふぁい………あの……?」
「ん?ふふふ……大丈夫♪ねぇマグ?やっぱり痛い?」
「……(こくり)」
「そっかそっか。…じゃあさ痛くなくなるお薬、出してあげる」
「お薬……?」
「そ。…目、閉じて?」
「は、はい……」
お薬なんてここにはないのに……?
そう思いながらも、言われたとおりに目を閉じる。
すると、そっとコウスケさんの手が私の頬に添えられて……
ちゅっ
「っ!」
キスをされた。
優しく、ちゅっ…ちゅっ…と何度もしてくれる。
コウスケさん…私のお願い聞いてくれたんだ……!嬉しい……!
もっと…もっとして……!
しかしそう思った矢先、コウスケさんはキスをやめてしまう。
「あ……やぁ…!もっとぉ……!」
「うん、分かってる……でもやっぱり心配性なもんでね……」
「?」
コウスケさんは少し照れくさそうに笑うと、1つ深呼吸をしてから私に緊張した顔で聞いてきた。
「マグ……」
「はい……」
「……もっと…キス…深くしていい……?」
「……深く……?」
深い……?
キスに深いってあるの……?
私がキョトンとしていると、コウスケさんはくすっと柔らかな笑みを浮かべて、もう一度言ってくれる。
「じゃあ言い方を変えるよ?…さっきよりも凄いキス……していい?」
「っ!?」
さ、さっきよりすごいの……!?
な、なにそれ……!そんなの……してほしいに決まってるよぉ……!♡♡♡
「お、おねがいしましゅ……!」
「うん♡じゃあ…もう一度……」
「は、はひ……!」
私はもう一度目をつむってコウスケさんを待つ。
すごいキス……!すごいキス……!
期待で胸が張り裂けそうなほどドキドキする私に、コウスケさんの手が添えられる。
きたぁ……♡
そうしてコウスケさんとキスをする。
1つ…2つ……そして3つ目のキスで……
「んぅっ!?」
コウスケさんの舌が私の口の中に入ってきた。
「んふぅ……♡んん……♡」
コウスケさんに口の中を舐められて、気持ちよさから声が漏れてしまう。
コウスケさんの舌は、さっき私が噛んでしまった部分を重点的に舐めながら、私の口の中をあっちこっち動き回る、いつもの優しい彼からは想像できないほど激しいものだった。
息苦しくて、鼻で息を吸えば大好きな人の匂いが、口で吸おうとすれば大好きな人と同じ空気を吸うことになり、段々と頭がぼ~ッと幸せに包まれていく。
彼の舌と私の舌がキスをするたび、くちゅくちゅとよだれ同士もキスをする音が聞こえ、それすらも私の頭を蕩けさせていく。
夢中で彼を感じていると、彼は最後に私の噛んだ部分を再び丁寧に舐めてから離れた。
離れる彼の舌と私の舌には、テカテカとよだれで橋が出来ていた。
長いようで、あっという間にも感じた幸せな時間だった。
「「はぁ……♡はぁ……♡」」
お互いに荒い呼吸のまま見つめ合う。
私とコウスケさんの間にかかっていた橋は崩れ、コウスケさんの口元から垂れ下がるようにして付いた。
「マグ……どう……?治った……?」
コウスケさんがそう聞いてくる。
確かに舌を噛んだ痛みはもう感じない。
でも…
「んっ……♡」
「っ!」
私はコウスケさんの口元から垂れているよだれを舐めとる。
そして…彼におねだりをする。
「…痛みは無いですけど……念のためもっと塗ってくれませんか……?♡」
「…もちろん……♡」
そうして私たちは、たまに攻守交代をしながら、朝までずっと治療を続けた。
毎回言うけど、こういうのはどこまでがセーフなんだろねぇ〜。
まぁ大丈夫だ。
その時になったらお叱りが来るから。
きっと。
…そうならないように手を打つのが一番ではあるのだけどね!
それはともかく、次回は3/23(火)更新予定です。
お楽しみに〜☆




