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119.少女奮闘…初めての魔法

〔マグ〕


んふふふ~♪

コウスケさんに任されたぁ~♪

これでいっぱい頑張って、何かスゴイ発見とかしたらぁ~……


。〇〇


『凄いよマグ…さすがは俺の婚約者だ……』

『うふふ…あなたのお嫁さんですから、これくらい当然ですよ……』

『へぇ…それじゃあ、そんな素敵なお嫁さんには…何かお礼をしないとね……?』

『そんな…私は当たり前のことをしただけですから……』

『謙虚だね……そんなところも素敵だよ……。でもこのままじゃあ俺の気が済まないよ……』

『その言葉だけで十分ですから……』

『……そっか。じゃあ今回はありがたく受け取っておくよ……』

『はい……』


本当はご褒美欲しいけど……我慢我慢……!

素敵なお嫁さんはおねだりなんてしないの!


『だから、これは俺のわがままね?』

『えっ……?』


そう言ってコウスケさんは私のあごをくいっと上げて…


『素敵なお嫁さんは、夫のわがままも受け止めてくれるのかな?』

『~~~っ!…はいっ♡』


そうして…お互いの顔が近づいて行って……そのまま……♡♡♡


〇〇。


「えへへへへ……♡♡」

「……マギーちゃん…?」

「んふふ……ん…?…ハッ!?」


しまった!?

ララさんと挨拶を交わした後、コウスケさんの代わりに頑張ろ〜♪って考えてたら、そのあとのご褒美のことで頭がいっぱいになっちゃってた!


うわぁ〜!やっちゃったぁ〜!!

恥ずかしいぃ〜……!!


くいくい


私が恥ずかしさで頭の中が真っ白になってるところに、メリーちゃんが服を引っ張ってじっと見つめてきた。


そしてそのあと、私を指差してこんなことを言った。


「……えっち」

「なっ!?え、えっちじゃないもん!」

「……コウスケに何してもらおうと思ったの?」

「えっ!?そ、それは……えっと……」


そ、そんなの恥ずかしくて言えないよ……!


「……やっぱりえっち」

「はうっ!?」


ど、どうしよう……さっきは勢いで返したけど、今のは言い返せない……!


「愛されてるんだね〜、コウスケさん♪」

「そうねぇ〜……。コウスケも過保護だと思ってたけど、マーガレットがこれじゃあ少し気持ちは分かるわ」

「あぅぅ……!」


ララさんが嬉しそうに、フルールさんが少し呆れた感じでそう言った。


愛されてる…とは思う……。

でもそれを他の人に言われるのは恥ずかしいよぉ〜……!


それにフルールさん、それはどういう意味なんですかっ!?

確かに大事にされてるなぁって感じますし、それがとても嬉しいですけど……。


「ふふふ…♫ほらほらマギーちゃん?コウスケさんが寝てる間に、いっぱい頑張るんでしょ?」

「そ、そうでした!魔法の研究を進めて、コウスケさんのお手伝いをして…それで……」


コウスケさんに褒めてもらってぇ♪

そのあとはご褒美に……♡


「…んふ〜♡」

「………えっち……」

「…前途多難ね……」

「あはは、ラブラブなんだねぇ〜♪」


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


さてと……落ち着いてきたところで、そろそろ魔法の練習を始めよう。


と、その前に。

さっきまで出てた白い盾のことをノートに書いておかないと……。


コウスケさんが書く前に寝かせちゃったからね。

代わりに書いておかなきゃ、どんなに頑張ってもそれが気になっちゃって褒められてもそわそわしちゃうよ。

それはもったいない。


え〜っと……詠唱文と仕草と……効果は……盾だから多分普通のものと同じ役割だと思うけど……う〜ん……。


…とりあえず、ふよふよ漂った、指示通りに動いた、ってだけ書いておこう。


よし、それじゃあ何から調べようかな?


障壁の耐久度は、ディッグさんやユーリさんに協力してもらった方が良いよね。


となると威力の調整…かな?

あ、でもコウスケさん自身がコツを掴まないと意味無いか……。


う〜ん…じゃあ……。


「マーガレット。もしかして何をしようか決まらないの?」

「フルールさん……。そうなんです、イマイチ何をすれば良いか分からなくて……」

「そうねぇ……あっ」

「?何か思いつきましたか?」

「大したことじゃないんだけど……今まで魔法はコウスケが使ってたのよね?」

「はい」

「それじゃあ、マーガレットは魔法を使ったことは無いってことよね?」

「…あっそっか……」


言われてみれば確かに……。


「なら、まずは魔法が使えるかどうか試してみたら?」

「はい、ありがとうございます、フルールさん!」


フルールさんにお礼を言って、私はいつもコウスケさんが出してるサンダーオーブを唱えてみることにする。


「えっと…わ、《【我が意志に応える雷[玉]】よ、[我が手より現れ出(い)でよ]!【サンダーオーブ】!》」


コウスケさんが書いたノートを確認しながら、私はいつも彼がやるように右手の手のひらを前に出して詠唱をする。


すると、右手からピリピリと青くてものすごく小さな雷が出たと思ったら、すぐに何事もなかったように静まり返ってしまった。


「う〜ん……やっぱり難しいなぁ……」

「コウスケさんはいつもどんなふうに唱えてるの?」

「ぽんっと詠唱して、ぽぽ〜んっと成功させてます」

「う〜ん……それだと参考にならないね……」


ララさんの言う通り、いつも間近で見ているのにも関わらず、私はコウスケさんがどうやって簡単に魔法を使っているのかが分からない。


うぅ……そもそも魔法が使えないんじゃ、お手伝いをする以前の問題だよ……。


と、とにかく…早く魔法を使えるようにして、コウスケさんのお手伝いを出来るようにしないと、褒められるどころか怒られる…ことは無いだろうけど、気を遣われる!

それは辛い!


「フルールさん!私に魔法の使い方を教えてください!」

「コウスケに教わってないの?」

「実はまだ……」


この前言われたことは覚えてたけど、相変わらずの忙しさだったし、今日の朝もメリーちゃんとユーリさんに披露しててすっかり忘れてた。


「そう、まぁあなたたちはいつも忙しそうだものね。ゆっくり出来る時間はゆっくりした方がいいし、そうなると練習する時間は無いか」


フルールさん…そこまで分かるなんて……!


「それじゃあ……そうね。まずは魔力を感じましょうか」

「魔力を感じる……」

「えぇ。魔力の流れを感じ取ることが出来れば、自(おの)ずと魔力の使い方も分かるはずよ」

「流れですか……」


確か魔力は、今私たちが吸ってる空気の中に混ざってるんだっけ……。

それを感じるには……う~ん……?


…そういえばこの街に着て最初の日…コウスケさんが初めて魔法を出したとき、その前に何かしてたような……。

あれは魔力の流れを感じ取ろうとしていた……?


私はそのときのコウスケさんの様子を思い出すために、記憶を辿っていく。


…確かあのときは…え~っと……何かをすごく考えていたと思ったら、急にやめて窓辺でぼーっとしに行ったんだよね……。

あのときはよく分からなかったけど…あれは多分……途中で疲れたのかな……?


それで、そのときにちょっと適当な感じで出来ちゃって、すごく驚いてたよね。


…う~ん……ダメだ……驚いてるコウスケさんがかわいかったことしか分からない……。


「う~ん……?」

「あらら……余計に悩ませちゃったかしら……?」

「そうだねぇ……あっ!じゃあマギーちゃん!どんな魔法を使いたいっていうのはあるの?」

「う?そうですねぇ~……」


どんな魔法……う~ん……やっぱりコウスケさんが喜んでくれるようなものが良いよねぇ~。

そうだなぁ……あっそうだ!


「コウスケさんは、よくメイカさんやユーリさんに飛びつかれているので、ララさんがこの前してくれたみたいに、回復魔法が使えるようになりたいです!」

「…そうね……それは大事ね……」

「そうだね……うちのチェルシーちゃんもよく飛びついちゃうからねぇ……」


コウスケさんは人柄が良いから、飛びついても許してくれそうだからかなぁ……。

メリーちゃんやモニカちゃんみたいに、普通にお願いすればいいのに……。


そんなコウスケさんの痛みを取り除ける魔法を覚えれば…きっと褒めてくれるよね♪

そのためにも、魔力を感じれるようにしないと!


う~ん……魔力魔力……う~ぬぬぬぬぬ……!


…そういえば、さっきあの魔力の壁…マナウォールに、魔力を流して動かせるようにしてたよね……。

流せるほどコウスケさんは魔法を使いこなせるのに……ん……?


流す……?

流れを掴むんじゃなくて、自分で流した……?


「うん?」

「マギーちゃん?」


魔力は空気中にあって、それを吸うことで自分の魔力を回復してるって言ってた……。

なら…その吸った空気は……?


「すぅ~……」


私はそこまで考えると、目を閉じ、空気を意識してみながら大きく息を吸った。


「ふぅ……」


小さく息を吐いた私は、今感じたことについて考えを巡らせる。


吸った息が頭に回っていった感覚がした。

それで頭の中が…何かこう……なんて言うんだろう……?

とにかく、なんだかぼーっとした感覚がして、それが消えて目を開いたら、なんとなく視界が広い…というか…ちょっとすっきりしたような気がする…気がする……。


この頭の中に空気がじんわりと染み渡るような感覚……同じような感覚で、体中から右手にじんわりと何かを流すようにして、意識を集中……。


ん……何か…来てるような……!

もうちょっと……あとちょっと……!


……ん…!いけそう……!


右手に集まる何かを、すぐに出さずに少し貯めこんだのち、私はコウスケさんお得意のサンダーオーブの魔法を唱えた。


「《【我が意志に応える雷[玉]】よ、[我が手より現れ出(い)でよ]!【サンダーオーブっ】!》」


すると私の右手から少しビリビリとした球がぽんっと現れて、私の手のひらの上でふよふよ浮いて留まった。


「…できた……?」


右手に集まって来てたのが魔力なのかは分からなかった。

でも…でも……!

今、私の手の上には、いつも見ている雷の球が1つ浮いている!

ということはつまり……!


「成功した……」

「わぁ!凄い凄い!」

「やったじゃない!」

「……びりびり♪」


ララさんとフルールさんが褒めてくれた。

メリーちゃんが楽しそうにオーブをつんつんした。

それでようやく実感が持てた。


「やった……」


私…魔法が使えたんだ!


「やったぁぁぁぁ!!!」


魔法が使えた!前に試したときはダメだったのに!

えへへ♪しかもコウスケさんと同じ魔法♪コウスケさんお揃い♪

……同じ……?お揃い……?


はて……私は確かコウスケさんの代わりに魔法の研究を進めようとして…それで魔法が使えなきゃ研究できないぞってなって……。

…あれ……?これもしかして……


まだ始まってもいないのでは?


そ、そんな……!?

こんなに頑張ったのに、まだ本題に手すら付けていないなんて……!?


「ど、どうしたのマギーちゃん?飛び上がって喜んだと思ったら、膝から崩れ落ちて……」

「…大方、魔法を使えるようになったのはいいけど、それじゃあコウスケの代わりに魔法の練習をするには程遠いって気が付いたんじゃない?」

「なんでフルールさんはそんなに的確に分かるんですかっ!?」


これが素敵な大人の女性の力なのっ!?


「うぅ……とにかく、魔法は使えるようになりましたし、早く研究に移らないと……」

「……コウスケは怒らないよ?」

「怒らないだろうけど、気を遣わせちゃうもん……」

「……そっか」

「うん…って、あれ?メリーちゃん、私が出したオーブは?」

「……消えちゃった」

「えっ!?そんなぁ!?」


いつもコウスケさんが出してるのは長持ちしてるのにぃ……。


「はぁ……やっぱり難しいなぁ……」

「まぁまぁ、マギーちゃんは今魔法を使えるようになったばかりなんだから、ここから頑張っていけば良いんだよ」

「そうそう。すぐにコツを掴んだコウスケの方が珍しいのよ。あなたはあなたのペースで頑張れば良いの」

「ララさん…フルールさん……ありがとうございます…」


2人に励まされて少し心が軽くなった。


うん、そうだよね。焦っても仕方がない。

ここは、魔法が使えるようになっただけでも喜ばないと。


ふぅ…でもこれじゃあ、コウスケさんのお手伝いなんて出来そうにないなぁ……。

うぅ……もっと頑張らなきゃ……!

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