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晒律の休日

その二。


ほのぼのが続く……。

 翌日曜日はどこに行く予定もない、正真正銘の休日だった。


 穏やかな朝を迎え、いつも通りだら〜っと本を読んでいると、カイ達に声をかけられた。


「律〜今日なんも予定ない?」

「見ての通り、俺は今本を読んでるんだけど」

「あ、うん。それはそうだけど……」


 と、カイの後ろに構えていた信がバッと俺の前に現れた。


「りっつん〜!!!!!!」

「うおっ…何?」


 なんだか平穏な休日が脅かされそうな予感……。


「お願いっ!!!!俺に勉強教えてぇ〜〜!!!!」

「嫌だ」

「なんでぇえええええ!!!!」


 凄い勢いで肩を揺さぶられる。

 首が吹っ飛びそうだ……。


「なんでって……逆になんで俺?カイに教えてもらえよ」

「いや〜今日は俺出かける予定あってさっ」


 そう言ってカイはウインクをした。

 なんかうざい。昨日の腹いせか?


「じゃあカイの出かける予定に付き合ってから、図書館とかで教えてもらえ」

「あぁなるほど!!」

「いやいやいやなるほどじゃないっ!!なんで俺が一人で出かける前提で話してんのさ!!」

「違うか?」

「ぐっ……いや……違わないよ!!チクショウッ!!」


 違わないらしい。

 かの人気モデルともあろうものが……いや逆か。人気モデルだからみんなお近づきになりづらいのか。その理由の一つに俺が入ってなかったらいいな……。


「じゃあ決まりだな」

「えっ!?ちょちょちょ待ってよ律!!」

「何話してんの〜?」


 今度はベッドから翔が降りてきた。


「信が勉強、教えて欲しいんだって」

「ほ〜ん?じゃあ皆でお出かけする?」

「は?」


 何言いやがるこいつ……。せっかくあとちょっとでかわせそうだったのに……。


「ちょ〜ど僕も勉強したかったからさ〜皆で勉強したら楽しいじゃん?」

「おぉ〜それいい!!」

「「良くないっ!!」」


 カイと俺の声が揃った。

 カイも今日はなんか頑なだな……俺は通常運転だが。


「ていうか、信も翔も昨日一緒に出かけてただろ?」


 カイが二人にそう聞くと、翔ははて……?という顔をしてから、あ〜と言った。


「確かにそうだけど、あれ僕達だけじゃなかったし……」

「ん?」

「ほら俺と翔って同じクラスじゃん?」


 確かに、二人は一緒のⅥ組だ。


「なんか分かんねぇけど女子達に誘われて俺達と、その女子二人で遊んでた?っていうかほとんど買い物にパシられてたっていうか……」


 その時、俺には確実に雷が落ちた。


 こいつら……もしやモテる……?


 チラッとカイを見ると、石化したように微動だにしなくなっている。


「だから今度は男だけで行きたいって事だよな?翔」

「そうそう」


 コクコクと翔が頷く。


 ようやく、俺の頭もクリアになってきて、カイも動き出した。


「……いや、まぁうん。しゃあない、一緒に出かけるか」

「よっしゃいっ!!」

「え、何カイ、お前裏切るの?」


 俺はカイと同じだって信じてたのに……。


「いやさ〜別にいいかな?って思って……」

「仮にもお前、芸能人だぞ?テレビ出演は少ないけど……」

「大丈夫!ていうか最後の余計じゃない??俺はこれからだから!!」


 カイは顔を赤くして拳を作っている。

 申し訳ないけど、事実でしょうが。人気モデルではあるのにテレビ出演は多く果たしていない。


 理由ははっきりしていて、こいつ、意外と緊張しいなのだ。コメントがたどたどしい。

 そこが可愛いという層もまぁいるのだが。


「もっと肩の力抜いたらテレビ出れると思うのに……」

「なんか言ったか?」

「いや、何も」


 それにしても、お出かけか……。俺も昨日美扇と行ってきたばかりなのだが……男だけもいいかもしれないな。それに、これまで友達と出かける事も全く無かったし……。


 せっかくカイと同じ学校だし、二人とも仲良くなれたのだ。仕方ないか。


「まぁ、いっか」

「本当!?じゃあ今日は四人で出かけちゃいますか〜!!」

「おい、本当の目的は勉強だぞ。忘れんなよ?」

「わ〜かってる〜!!」

「本当かよ」


 信はウキウキしながら早速準備に取り掛かりだした。

 翔もふらふら〜っと信について行く。


 と、危ない危ない……カイにも釘を刺しておかなければ。


「カイ」

「ん?」

「くれっっぐれもキャーキャー言われに行くんじゃねぇぞ。変装必須。顔出し禁止。俺に巻き添え食らわすなよ」

「わ、わかってるよ……」


 あからさまにシュンとしてカイも準備に取り掛かった。

 カイの狙いなど丸わかりなのだ。


 俺も本を置き、準備に取り掛かる。


 〜〜〜〜〜〜〜


「仲良いね〜二人。双子コーデ?」

「そうだよ〜!」

「いや、たまたま似たようなん持ってただけ」

「それでも双子コーデには間違いないだろ?可愛くないなぁ律は」

「だけどな?サングラスまで一緒にする必要なかっただろ??」


 カイは完璧に俺をからかいにきている。

 信にも翔にも俺の事は話していないのに、双子コーデを言い訳に髪をガッチガチに固めてサングラスを装着させられた。


 つまりほとんど『四津さらり』と変わらないのだ。

 違うといったらこの暗さと声ぐらい……。


「でもりっちゃんさ〜こう見るとなんか……あれ、名前出てこない。ほら、あの人みたいだよねぇ」

「四津さらりじゃない?俺も思ってた!」

「あっは何言ってんの冗談きついから二人とも」

「そうかなぁ〜?」

「まぁ、でもイメージは違うけどね」


 あっぶない!!もうこれはバレるのも時間の問題じゃないか……?

 カイめ、さっき巻き添え食らわすなって言ったばっかだろ!!


「まぁ帽子かぶれば何とかなるか……」

「完全不審者じゃん〜」

「お・前・も・被・る・の!!」

「えぇ〜っ??」

「双子コーデっつったのはどっちだよ!!」


 そう言って俺はカイに帽子をズボッと被らせる。


「あぁ〜」

「今度覚えとけよ」

「むぅ〜別にいいだろ。オシャレじゃん。カッコいいじゃんサングラス」


 確かに昨日のピンよりはマシだ。

 もうあんな目はごめんだからな。


「……声掛けられたらもうその時点で戻すから」

「それでいいよ。ふふっ何だかんだで甘いね〜律は」

「そんでもってお前は見捨てて真っ先に逃げる」

「えぇ〜??別に俺はバレてもいいからいいけど……」

「何内緒話してんの〜?もう行くよ〜」


 信にそう言われ、俺達は顔を見合わせて、信達の元へ向かった。

皆さんはどのあだ名がお好きですか?

軍曹、りっつん、りっちゃん、さらちゃん、はたまた違うあだ名か、単純に律……。


あだ名って何か良いですよね〜仲良い感じがして!


追記:新連載始めました!!

ので、しばらくこちらはお休みになります……

新しい方も是非見てって下さい!

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― 新着の感想 ―
[良い点] 正体がばれる瞬間よかった~ 続きがきになります!!!!!!! 待ってます(^^)/
[一言] りつからりんりんとかどうですか? 完全にネタですけど、私が仲良い友達とは同じ音を重ねて呼ぶことが多かったので、ご参考までに。 改めて、初めまして。いつも楽しんで読ませていただいています。読…
[一言] 足して りつ軍曹 では
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