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お忘れでないか……?あれを。

二つ目〜


後書きにお知らせがあります!

 音楽祭翌日。


 何故、音楽祭の次の日が普通に登校日なのか。疑問に思いつつ登校している生徒も多いであろう。


 もちろん俺もその一人だが。


 一人とぼとぼ通学路を歩いていると、後ろからドタドタと走ってくる足音が聞こえた。


「律ちょっとまてぇえええええええい!!」


 その声の主はもちろんカイだ。

 いつもの様にカイを放置して出て来たので、もうこの光景も慣れたものだろう。


 いや、仕方ないじゃん。カイが毎朝起きるのが遅いんだから。



 などなど言い訳を考えている間も後ろのカイは俺との距離を縮めてくる。が、俺も俺で足を止めない。


 ただ、目立つから声出して追いかけてくるのはちょっとやめてほしい。

 かといってカイを待つ時間もないのだが。


 そして相変わらず周りの視線が痛い。


 とかなんとかうだうだ考えていると、カイが周囲に花を咲かせて追いついて来た。


「律くん〜なんで毎回置いていくの〜〜」

「はっはじゃあ早く起きる努力でもしろや」


 そう言ってバシィッとカイの方肩を叩く。


 この会話ももう何度したのか分からない。それでも一向に改善されないお寝坊具合はもう流石としか言いようがない。


 カイにも潔く諦めてもらいたいところだが、なかなかしぶとい。自分のせいなのに。ちょっと改善すりゃあ一緒に行けるのに。

 そうすれば目立ちも半減されてこちらとしても嬉しい。


 まぁ、無理な話だろう。


「というか、カイ。なんか今日は一段と起きるの遅くなかった?」


 あくびを噛み殺しているのか、険しい顔をしているカイに聞く。


 いつもなら俺が出る頃には起きてくるカイが、今日は起きて来なかったのだ。

 遂に遅刻かっ!?と思っていた程だが……。


「あぁ。昨日遅くまで勉強してて……」

「えー……ただでさえ音楽祭があったのに?」

「いや、あったからだよ!!」


 ……はて?ちょっと何言ってるのか分かんない。


「はぁ。でも、よく間に合ったな」

「制服着ながら寝てたから」


 なるほど〜寝坊する事を考えの対策をしてたのかぁ〜。


 ……じゃなくて、


「……寝坊する前提だったのかよ」

「てへっ☆」


 いや無駄だから。

 そんな舌ちょっと出して頭コツンッ☆てした所で本当に無駄だから。


「やばいっ!!海斗くんが『てへっ☆』って!!!『てへっ☆』って!!!!!!」

「神様ありがとうございます今日も生きていけそうですありがとうございます」


 周りを歩いていた生徒達、というか女子達が一斉に手を組み上を仰ぎだす。


 その目元からはつーっと光るものが一筋……。



 ははっどうやら無駄ではなかったようだ!!

 恐るべし海斗くんっっ!!!!



 〜〜〜〜〜〜〜


「じゃあまた放課後〜」

「おう」


 廊下でカイと別れると、俺は一直線にⅣ組を目指す。


 廊下に出ている生徒の間をすり抜け、Ⅳ組に入ると、いつもの様に一番前の特等席に着席する。


 お隣の美扇はまだ来ていないようだ。


 周りをぐるりと見回す。

 教室内はガヤガヤと騒がしく、お喋りに夢中な生徒が多く見られるが、心なしかいつもより眠そうな人が多い気がする。


 音楽祭疲れだろうか?まぁ、俺が気にすることではないか……。


 そしてまたまたいつものように机に突っ伏す。



 あぁ……この冷たい感じ……きもちいなぁ……。



 意識が飛んでしまいそうになったその時、頭上で例のお隣さんの声がした。


「おはよ〜!」


 今日も元気で何より何より……。


 そしてまた本格的に意識が飛んでいく……。


「え、何?新手の嫌がらせ?」


 いやはや、確かにおかしい。

 あの美扇が挨拶をしたというのにクラスの誰も挨拶を返す気配がない。


 だが、この美扇に嫌がらせをする奴なんて……。


 などなど考えるも頭は一切上げない所、流石俺。


「ねぇ〜……晒くんまじ寝?それともシカト?」

「ほわっっ!?」


 突然耳元で美扇の声がした。

 驚いてガバッと顔を上げると、机の右側には腕を組み仁王立ちする美扇の姿が。



 あ、今までのっておれ〜〜〜〜?



「ねぇ〜いつのまに私は挨拶すらしてもらえなくなったのかなぁ〜?」


 そう言ってぷぅっと頰を膨らませる。


「ごめん。俺じゃないと思ってたから……。おはよ、新田さん」

「む〜……まぁ、確かに?私も名前呼ばなかったのは悪かったけどさ〜……」


 美扇はそのまま隣の席にストッと座ると、あっ、と言ってまた俺の方に向き直った。


 今度は何だっ?と身構える。


「晒くん。倉持さんが明日一緒に事務所来いって言ってたよ」


 なんだそんなことか、と拍子抜けしてしまう。


 あれ?ちょっと待てよ…?


「一緒に?誰と誰が?」

「え?私と晒くんだけど……?」

「え?」

「え?」


 え、何?とまだ首を傾げる美扇。


 待て、これは前の嫌な予感が当たってしまっている気がするんだが……。


「あぁ、うん。まぁ、分かった。ありがとう」

「う、うん」


 未だ頭にクエスチョンマークを浮かべる美扇を横目に、俺の額には徐々に汗が浮き上がってくる。



 それからというもの、その事だけが頭をぐーるぐるしていたが、十分もすると、ドアが開き、上納先生が入ってきた。


「席つけー」


 先生は教卓にバンッと名簿表等を置く。

 すると、開口一番こう言った。


「昨日はよくやった。お疲れ。月曜も切り替えて頑張っていけ」


 ん?月曜?何かあったっけ。


 周りを見渡すと、やはりキョトンとした顔の者が多々見られる。

 因みにお隣さんもキョトンとしていた。


「センセー、月曜って何かありましたっけ?」


 そんな中、皆の気持ちを代弁するように橋方がそう言った。


 すると、上納先生は明らかに呆れた顔になった。


「何って……先月言っただろ。中間テストがあるって」


 確かに、そんな事も言っていた気がする。


 あ、だからカイも勉強してたのかぁ……。


 なんて感心していると、クラス端々から「えええええっ!!!」という声が上がった。


 もちろんカイのように覚えていた者もいるくらいだから、上納先生が言っていたのは間違いない。

 だが、音楽祭ですっぽり抜けていた方が多そうだ。


 隣をチラッと見てみる。



 何という事でしょう!お顔が真っ青だ美扇さん!!!こぉれは忘れていたに違いありません!!!!


「明日ばっくれよっかな……」

「いやいや何言ってんの?新田さん」


 結構マジな顔でそんな事を言う美扇に、すかさずツッコミを入れる。


 倉持さんでもそれは流石に許さないでしょ……。


「まぁ……色々あるようだが、取り敢えずこの週末頑張って、テストに備えろよ。連絡事項も特になし。以上だ」


 上納先生はそう締めくくると、教室を出て行った。



 先生が立ち去った後のクラスに残されたのは、生徒達の阿鼻叫喚の声と、絶望に包まれた、それはそれはくら〜いおも〜い空気だった……。




 ……お隣の悲鳴は聞かなかった事にしよう。そうしよう。

美扇を救うには下の星ボタンの色を全て変える事が必要だっ!!

さぁ、勇者よ!!今こそ立ち上がるのだ!!!!(?)



と、ここでお知らせ〜!


ツイッター始めました〜。

正確には元々あったやつを変えてつかってます。というのもですね、僕元々絵を描いてる人でして、ちょっと変える必要あったんですよ。


ツイッターではこの小説のイラスト、漫画、創作イラスト中心にやるつもりです。みてみんにも上げるかな?

もしよかったら作者ページから飛んでみてください!

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― 新着の感想 ―
[一言] 土曜日編が楽しみです! 金曜日全裸待機してますねぇ… 早速Twitter飛んできます(/ ・ω・)/
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