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運命の青い糸 二

 「狭山由佳さやまゆかです。よろしくお願いします!」

 …その、例の女の子が俺の学校、そして俺のクラスに転校してきたのは、それから数日後のことであった。

 『やった!』

俺は心の中でガッツポーズをしながら、しかし表面上は冷静さを装って、それ以降その子に話しかけた。 

 すると、彼女の笑顔は近くで見るとより素敵で、俺は完全に、彼女のことを好きになってしまった。そしてある日、俺は彼女に、

 「由佳ちゃん!俺は由佳ちゃんのことが好きです!だから、俺と付き合ってください!」

と、勇気を出して告白した。

 すると彼女の方も、

「私も克也くんのことが好き!これから、よろしくお願いします!」

と言ってくれ、俺たちはまだ小学生であったが、付き合うこととなった。

 そんな俺たちのデートは…、まだ小学生であったため、大したことはしていない。まあ、一緒に下校したり、また俺の少年野球の試合に、由佳ちゃんが応援に来てくれたり…、そんな所だ。しかしと言うか何と言うか、それでも俺たちは「幸せ」だった。

 しかし、俺には1つ、気がかりなことがあった。そう、俺と由佳ちゃんの小指の間には、「青い糸」が、存在していたのだ。それは、俺と由佳ちゃんが付き合い始めてから見えだしたもので、その上には、その日から1年後の日付が書かれてあった。最初俺は、

 「何だこれ?気のせいかな?まあいっか。」

と、その存在を無視していた。

 しかし、その糸は由佳ちゃんと何度逢っても、消えることはなかった。そして、本格的にその糸のことが気になった俺は、思い切って由佳ちゃんに、

 「由佳ちゃん、ここに糸、見える?」

と、訊いてみた。

 しかし由佳ちゃんは、

 「…糸!?何も見えないけど…。」

と答えたので、

「ごめん由佳ちゃん。やっぱ俺の気のせいみたい。」

と答え、そのことをごまかした。

 それでもその糸は消えることはなく、また、その糸の上に見える日付も、変わることはなかった。そして…、気になっていた、「その日付」が、やって来た。

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