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運命の青い糸 一

 …俺は、運命なんて信じない。

 巷ではよく、

 「いつか結ばれる男性と女性は、運命の赤い糸で結ばれている。」

とか何とか、言われている。しかし、果たしてそれは本当だろうか?

 そんなもの、一体誰が見たというのか?

 いや、もっと正確に言いたい。俺は、全ての男性と女性は、いつか「別れる運命」であると信じている。

 なぜなら俺、佐藤克也さとうかつやには、「運命の赤い糸」ならぬ、「運命の青い糸」が見えるからだ。

 このことを初めて知ったのは、俺が小学生の時だろうか?俺は小学時代、少年野球に通い、練習で汗を流していた。(自分で言うのも何だが、俺は運動神経はどちらかというといい方で、その野球チームではピッチャーを任されていた。)

 そして、その少年野球の大会で隣町に行った際、俺は「運命的な出会い」を見つけた。

(と、その時は思った。)

 その試合、保護者が陣取っているこじんまりした観客席には、俺が今まで見たことがないような、可愛らしい女の子がいた。

 その子は、当時の俺と同じくらいの歳に見えた。また、少し長めの髪、大きなくりっとした目で、他の大人たちと話している時の笑顔がとても印象的であった。

 …はっきり言って、俺はその子が応援するチームと戦う際、「その子にいい所を見せようとして戦った。」と言っても、過言ではない。その日も先発を任された俺は調子も絶好調で、ヒットこそ何本か打たれたものの、無失点で勝利を収めることができた。

 そして、その試合に勝った瞬間、俺は半ば反射的にその子のいる観客席の方を見たが、その子の姿はなかった。

 『これが、いわゆる『初恋』と、『失恋』っていうヤツなのか…!?』

 小さく、まだウブだった頃の俺はそう思い、その日は勝利の余韻に浸ることもなく、帰路に着いた。

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