表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/4

3話

ティーポットからお茶を注いで村松は弛んだ息を吐いた。

「はぁー、この紅茶美味しいですね。」

「ダージリンファーストフラッシュだからな。」

窓に張り付く女の視線がまとわりつく。

「嫌だー、帰りたーい。」

カウンターに突っ伏してジタバタしてみる。

「何だよ、高瀬。」

「何の解決策も見いだせないまま、時間だけが過ぎてるー。もー、やだー。」

「帰りたきゃ帰れよ。俺はこれ飲み終わったら帰るし。」

村松の発言に頬がひきつる。予想以上にマイペースだ。

「無理、帰れない。私には無理ー。」

「んー、エンマがそう言うなら無理かー。」

「志賀さんが何とかしてー。」

ムクリと起き上がり、わざとらしくお祈りのポーズをとってみる。村松は紅茶を一気に飲み干すとズカズカとドアに向かった。

躊躇無く外に出る。

「え? 志賀さん、あれ大丈夫なの?」

「んー? んー、概ね。」



暫くして、村松は何かを左手に握りしめて戻って来た。女の姿はもう無い。

「…………」

村松の行動にかける言葉が見つからない。

「何で、何にも聞かないんだよ。」

「何で聞かないといけないのよ。」

「もう居ないから帰られるんじゃないか?」

呑気にそう言うと、志賀さんは窓の向こうを見通した。早く追い出したいようだ。

「高瀬が無理って言うから行ったのに……」

「それはありがとー。」

剥れる村松の拳を見詰める。

「でもね、危なかったかも知れないじゃない。」

「なんかさ、そうでも無い感じがしたし。」

「本人がそう言うなら、まー大丈夫。」

適当な相槌で私達の傍らに立つとほら、さっさと帰れよと言わんばかりにドアに促した。

「あの! これ貰ったんだけど……」

拳を突き出して村松はわたしと志賀さんを交互に見る、どうしたら良いかと。

「知らない人から物を貰うとか、どうかと思う。」

「あー、でもあの"子"何らかの答えが無いと離れないタイプっぽかったけどね。」

「そうなんだ、村松の犠牲は忘れないわ。」

「え? ヤバい感じ?」

「私は初めからそう思ってたけど。」

「僕にはそんな風には見えなかったけどねぇ。」

「えー? どっちなんだよー。」

情けない顔をして、何でこんなの貰っちゃったんだろー。等と、頭を抱え始めた。

考える前に歩く人しかここにはいない。

志賀さんは単純に面倒な事には関わりたく無いだけです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ