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小話・メイドの仕事

「皆、戻れ……」


魔王様の一声で魔物達が消えていく


フブキさんが僕に敬礼して消えた


ヒョウガさんが面白そうに笑いながら消えた


フィルユさんが僕に手を振り消えた


ブルムが僕を睨みながら消えた


そして僕の視界が一瞬真っ暗になったと思ったらいつの間にか部屋に立っていた


「えっ!?どうなってるの?」


「転移魔法です」


「うわぁ!?ってルサ?」


僕の後ろにルサとゴーレムが居た


「先程の鐘は師団長以上の幹部を集める知らせです、あの鐘が鳴ったときは幹部は玉座の間に転移させられるのです」


「それで……帰りも転移なんだね………」


「師団長はともかく魔獣将や四天王は魔界を離れていることが多いですから」


「そうなんだ………」


「疑問は解決しましたか?」


「あ、うん、ありがとう………」


「では次にこちらを」


ルサが僕の前に大きな鏡を持ってきた………僕の全身が鏡に映る


今の僕の格好は真っ黒な鎧と冑を着ていた………西洋の騎士って感じ


「この鎧………カッコいいかも………」


僕の中二病的な何かが疼く


「脱げますか?」


「あ、どうやって脱ぐんだろ?」


「手伝いましょう」


ルサが近付く


「うん、お願い………」


脱ぎかたがわからないから素直に手伝ってもらう


「早めに換装の魔法を覚えた方が良いでしょう」


「換装の魔法?」


「簡単に言えば早く着替える魔法です、いつ戦闘になるかわかりませんからね」


「僕でも出来る?」


「魔法は誰でも使えます、ただ…覚えるのが大変なだけです」


つまり勉強するしかないってことか


僕は鎧を脱いだ

ルサが鎧を部屋の隅に置いてた服をかける道具に鎧をかけた


「さてと………」


ルサが僕の前に立つ


「改めまして師団長任命おめでとうございます"黒騎士"様」


「えっ?あ、はい………」


「これからは私、ルサが貴方様の専属メイドとしてご奉仕させていただきます」


「専属メイド?」


「師団長以上からは専属のメイドが付けられるのです………呼び方は黒騎士様で宜しいですか?ご希望の呼び方で呼ばせていただきます………」


表情を一切変えずにルサが言う


「ご希望の呼び方って………」


「例えば"ご主人様"、"旦那様"、"この豚野郎"などなど」


最後のは本気なのか冗談なのか………


「いつも通りでいいよ」


「では黒井様」


「あ、出来れば流星で……」

「説明を続けます黒井様」

「あれぇ?」


ご希望の呼び方って………


「私は貴方様の命令には逆らいません」


えっ?今逆らってたよね!?


「ですので掃除、洗濯、雑用、性欲処理、どのようなこともお受けいたします」


「最後はダメでしょ!?」


「専属メイドは主の所有物です、どのようなことも従いますので………………裸で過ごせと命じられても従いますが?」


「普通にして!?」


「黒井様がメイドの尊厳を守る方で安心しました」


「なに?僕って変態だと思われてたの!?」


「いいえ、黒井様には特に何も思うことはありません」


あれ?これ僕バカにされてる?


「しかし、実際にメイドを道具として使っている方もいらっしゃいますので」


「そ、そうなんだ………」


だ、誰なんだろ………


「ではこれからもゴーレム共々、よろしくお願いいたします」


「あ、はい!」


ルサが会釈する

僕も会釈して答える


「これからよろしく!」




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