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13師団長と14師団長

ルサに案内されて次の目的地に向かう途中


「あっれ~?ルサちゃんじゃ~ん♪」


「んっ?」

「ちっ!面倒なのに見つかりましたね…」


ルサが舌打ちした………


「相変わらずつれないね~♪」


声をかけてきた男の人は楽しそうに笑っている


「あの、貴方は?」


「んっ?僕かい?」


あれ?この声………なんか聞き覚えが


「僕は第13師団長のヒョウガ君です♪」


横ピースをしながら自己紹介された………


「……………」

「黒井様、先に進みましょう……アホが感染します」


「なんだよ冷たいな~♪ほらほら流星君も言ってやってよ~♪愛想よくしないと周りに嫌われちゃうぞ☆ってね♪」


「安心してください、貴方よりは人望はありますので」


「え~?そうかな~?」


「えっと……」


「んっ?どうしたの流星君?」


「ヒョウガさんは何の用で僕達に声をかけたんですか?」


「ん~?放送終わって暇だからね~♪君の様子でも見ていこうかなって思ってね~♪」


「僕の様子?」


「ほらほら~♪昨日魔王様に腕を斬られて~♪怯えてないかな~?ってね♪」


…………………この人、デリカシーとか無いんだな


「黒井様、まともに相手すると疲れるだけですので」


「う、うん………」


「え~?待ってって!僕もついていくって♪」


「ちっ………」


ルサ………この人の事が大っ嫌いなんだね



・・・・・・・・


「ここは?」


ルサに連れてこられた場所はとても広い部屋だ


「ここは託児所です」


「託児所!?」


「兵達の子供をここで預かってるんだよね~♪」


「兵達の………」


まあ、家でお留守番よりはいいのかな?


「まあ兵達の子供だけじゃないけどね~♪ここにいるのは~♪」


「えっ?そうなんですか?」


「………ここには孤児(みなしご)も引き取っています」


孤児(みなしご)?」


「魔界ではあまりないけど地上界では魔物って理由だけで殺されたりするからね~♪」


「それって人間を襲ってるからじゃ?」


「……………」


ルサが睨んでくる


「ははん♪流星君はそういう考え方か~♪」


「?」


「確かに人間を襲う魔物もいるよ?でもそれは魔物全部じゃないよ♪」


「えっ?」


「例えばそうだね………僕が君を殴るとするよ?そしたら君は僕をどう思う?」


「なんで殴るんだって怒りますね。」


「だろうね♪じゃあその後君はルサちゃんの事をどう思う?」


「えっ?ルサは関係ないんじゃないですか?ヒョウガさんと僕の間の出来事ですし…」


「そういうこと、僕とルサちゃんの事を魔物に変えて考えてごらん♪」


「………つまりなにもしてない魔物も魔物ってだけで殺されてるって事ですか………」


「そういうこと♪ただでさえ地上界は魔物との相性が悪いんだよ、でも魔界では暮らせないから地上界で暮らしてる種族はいっぱいいる♪そんな子達が人間に魔物ってだけで殺されてる………さっきの君の発言をルサちゃんがどう思ったかわかるよね♪」


「………ご、ごめん」

「別に構いません」


僕はルサに謝る……確かに迂闊な発言だった


「さて、それじゃつまらない話はここまでにして入ろうか♪」


そう言ってヒョウガさんが託児所の扉を開けた


『わああああああああ♪』


「ぶぎゃる!?」

「ヒョウガさん!?」

「ふっ………」


ドドドドドドド!!


扉を開けた瞬間に色んな魔物の子供達が託児所から飛び出していった

そしてヒョウガさんは子供達に踏み潰されていった


「あ、走るのは危ないから…き、気を付けてね!」


託児所の中からフードを被った人………声からして女性が子供達に向かって言っていた


「…………あれ?」


女性が僕を見る、そして


「君は…昨日の子?」


フードを深く被りながら僕に言う


「あ、はい、流星です」


「ど、どうしたの?な、何かあったの?」


なんか不安そう…………



「城の中を案内しています。」


ルサが説明する


「あ、そうなの?じゃ、じゃあ自己紹介しないとね?わ、私は14師団長の、フィ、フィルユ、ね、死体使い(ネクロマンサー)です」


「死体使い(ネクロマンサー)?」


「し、死体を動かしたり、か、身体の怪我とかを治したり、そ、それが私の役割。」


「治療はわかりますけど………死体を動かす?」


「た、例えば、み、見張りの人を殺したあとに、そ、その死体を動かして中に侵入したり、こ、混乱させたりする」


「……………?」


いまいちピンとこない


「それはいつか実際に見たらいいよ♪」

「ひゃ!?ヒョ、ヒョウガ君!?い、いたんですか!?」


フィルユさんの足下で潰れていたヒョウガさんの声にフィルユさんは驚く


「いたよ~♪ここからフィルユちゃんのナイスバディを眺めてた♪」


「ひぃ!?」


ドゴ!


「あが!?ーーーーーー!!」

「汚物が………」

「ひぇ………」


ヒョウガさんの股間をルサがおもいっきり踏みつけた


ていうかナイスバディって


「な、なんですか?」

「いえ………」


うーん?わからない………フィルユさんはフード付きのコートを着てるんだけど凄く分厚いみたいでどんな体つきかわからないし、声を聞くまで女性ってこともわかりそうにない


「あ、なんでフードを被ってるんです?室内ですよ?」


「そ、それは………その………ひ、人見知りで………」


「そうなんですか?」


まあさっきから緊張してるみたいだし…嘘じゃなさそうだね


「それだけじゃないでしょ~♪」


ヒョウガさんが立ち上がる………復活早いですね


「それ!君の魅力で流星君を悩殺だぁ♪」

「きゃあ!」


バサッ!


ヒョウガさんがフィルユさんのフードを捲った


「…………ああ、そういう。」

「っ!!」


ドゴ!


僕がフィルユさんの顔を見て、フードを被っていた理由に納得する

因みに今のドゴ!って音はルサがヒョウガさんをぶん殴った音…………さっきから師団長にそんなことしてるけど大丈夫なの?


「あ、あの…こ、これはその……」


フィルユさんが顔を手で隠しながら言い訳しようとする


「僕は別に気にしませんよ?」


「えっ?」


フィルユさんが僕を見る


「ほ、本当に?こ、怖くない?」


「怖くないですよ」


フィルユさんの顔…………目もあるし鼻も口もある人間である僕と同じ感じだね………まあ目が大きくて1つしかないけど


「えっと種族は?」


「ひ、一つ目族です………あ、あまり居なくて………その、皆初めて会うときは驚いて………その」


「大丈夫です!全く怖くないです!」


むしろさっきからチラチラ視界に入る明らかに魔物って人達の方がインパクトあるし

というか昨日の魔王の方が怖いし

それに


「凄く綺麗な瞳だと思いますよ?キラキラしてて!」


宝石って言ってもおかしくないくらいキラキラしてる紅い瞳を見て僕は笑いながら言った


「あ、ありがとう………」


あれ?また顔を隠しちゃった………


「………………」


ルサが無言で僕を見てる


「~♪」


ヒョウガさんが僕に笑顔で近付く


そして


「流星君♪君意外と攻めるね♪」


「はい?」


何言ってるんだろこの人


「ヒョウガ師団長!!」

「!?」


ヒョウガさんを呼ぶ声


「あれ~♪ムル君?どうしたの?」


ムル君と呼ばれた魔物がヒョウガさんに近付く


「仕事さぼって何やってるんですか!!書類たまってるんですよ!!」

「えっ?いや~♪君達なら終わらせてくれるかな~って♪」

「終わるわけないでしょ!!」


ヒョウガさんの部下かな?


「仕事さぼってたんですか?」

「さ、さぼってないよ~♪」

「穀潰しが」

「ルサちゃん辛辣!!」

「だ、駄目ですよ仕事はちゃんとしないと?」

「フィルユちゃんの真っ直ぐな視線が痛い!!」


「ふざけてないでいきますよ!!」

「わかったよ!行くから!行くから引っ張らないでよ~♪」


『…………………』


何だったんだあの人




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