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城の中と役職

…………………


「んっ………」


僕は眼を覚ます………部屋は暗い………まだ夜なのかな?


「……………んっ?」


なんか気配が………


僕は横を見る


「お目覚めですか?」


ベッドの横にはルサが立っていた………うっすらとルサの姿が見えた


「…………いつから居たの?」


「黒井様が眼を覚ます30分前からです」


「そ、そんな前から?」


起こしてくれてもよかったのに



僕はベッドから出る

するとルサがランプを灯して部屋を明るくする


「外は暗いけど朝とか無いの?」


「魔界にはそのようなものはありません、太陽の光は魔界と冥界には届きませんから。」


つまりずっと夜って事か


「時間の感覚とか狂いそう……」


「そうならないための仕掛けはあります」


「仕掛け?」


僕が首をかしげると


『ピンポンパンポーン♪ヒョウガ君が起床時間をお知らせするぞー♪休日の奴と昨日からずっと働きまくってる奴以外は起きろー♪ピンポンパンポーン♪』


「…………なにいまの」


「毎日決まった時間にこのように魔法で放送するんです」


学校のチャイムみたいな?


「それでは朝食を用意します…………その前に」


「んっ?」


ギュゥ……


「へっ!?」


ルサが僕に抱き付く


「えっ!?えっ!!?」


「動かないでください」


ルサが離れる

そして次はしゃがんで僕の腰に抱き付く


こ、これは絵的に危ない!!


「………成る程」


「なに!?本当になに!?」


僕はテンパる


「失礼しました、朝食を用意します」


そう言ってルサは部屋を出た

本当になんだったの!?



・・・・・・・


「…………」


ルサの用意した朝食はパンとサラダとコーンスープだ

………肉が無いのは昨日の事を気にしてくれたのかな?


「い、いただきます!」


ここまでしてくれてるんだ、食べないのは申し訳ない………お腹もすいてるし……


パク


「美味しい!」


えっ!?このパンなに!?今まで食べたパンで1番美味しい


「紅茶をどうぞ」


「ありがとう!」


本当に美味しい………なんだろう涙が出てきた………


・・・・・・


「そう言えば僕の荷物………」


朝食を食べ終えた僕は思い出す、召喚された時に持っていたカバンの事を………あの部屋に置きっぱなしだよね?


「黒井様の荷物でしたらそちらに。」


ルサが指した場所には僕のカバンが有った


「あ、うんこれこれ、ありがとう。」


僕はカバンを開く


教科書とノートと………


「…………」


白紙の進路調査票


「…………………うーん」


僕は全てをカバンに仕舞う


「よろしいのですか?」


「あ、うん、大丈夫」


元の世界に帰るまで使わないし


・・・・・・・・


「…………………」


さて、どうしようか………


「………………」

「………………」


窓から外を見てる僕の後ろにはルサとゴーレム


正直逃げ出すのは無理だから諦めよう


でもこのまま部屋にいるのも………


「せめて部屋から出れたら………」


「?、城を見学されますか?」


「…………えっ?…………えっ!?いいの!?」


「はい、魔王様からは黒井様の自由にせよと命じられています。」


………気前いいな魔王………


「じゃあちょっと見学させてもらおうかな」


元の世界に帰る方法が見つかればいいけど…………そう簡単には見つからないよね?



「では着替えをどうぞ」


そう言ってルサは何着か服を取り出した………この世界の服みたい


「あ、僕寝間着のままだね………」


「はい、ですので着替えを…………手伝います」


「自分で出来ます!!」


ルサに部屋から出てもらって着替える………ちょっと解らないところがあったからゴーレムにジェスチャーで教えてもらってなんとか着替えた………


「サイズピッタリだ…………あ、ひょっとしてさっき抱き付いたのって」


サイズを調べるためだったのかな?


・・・・・

・・・・

・・・

・・


『ふん!せや!』


「まだだ!もっと気合いをいれろぉ!」


「………ここは?」


「兵達の修練場です、丁度訓練の時間ですね。」


ルサに最初に案内された場所はここだ


「むっ?貴殿は異世界の者だな、名は……………(りゅう)だったか?」


「流星です」


りゅうの部分しか聞いてなかったのかな?


「これは失礼した流星殿、某はフブキ、18師団長に任命されている。」


「は、はあ………あの、昨日からたまに聞いてますけどその師団長ってなんですか?結構多いみたいですけど………」


確かバルトが24師団でブルムって豚の魔物が6師団とか


「そうか、先ずはそこを説明しないといけないな………そこの!」

「はい!」

「紙と筆を持ってこい!」

「はっ!!」


フブキさんが紙と筆を兵士に持ってこさせる


「よいか流星殿?先ずこの魔界の軍………つまり魔王軍だが魔王様を頂点としている」


フブキさんは紙に大きく魔王の顔をデフォルメして描く

文字が読めない僕に対する配慮で絵にしたのかな?


「そしてその下に"四天王"の4人」


魔王の下に四天王


「そしてその下に"魔獣将(まじゅうしょう)"の10人」


四天王の下に魔獣将


「そして魔獣将の下に師団長が36人!」


魔獣将の下に師団長!


「そしてそれぞれの師団長には補佐として副師団長そして3つの部隊長、そして末端の兵士達、これが役職だな」


「師団長は上から4番目なんですね」


かなり偉いんじゃないのかな?


「そうだな、どの師団長も強者ばかりだ、魔獣将や四天王もとんでもない程の実力者達だ」


「…………ブルムって人を倒してしまったんですけど………」


一撃で………


「あやつはまだ未熟者だったからな………数日前に前師団長が寿命を迎えてな、副師団長だったあやつが第6師団長になったのだよ」


「その第6とかなんですか?今の言い方だと強さで決めてる訳じゃなさそうですけど………」


「ふむ、師団はそれぞれ役割がある、第1師団から第12師団は戦闘、第13師団から第20師団は支援、第21師団から第30師団は内政、第31師団から第36師団は諜報を主にしている」


「フブキさんは支援なんですか?」


「そうだ、某の主な仕事はこうして兵士達を鍛えること、他の師団は傷を癒す者や物資を運ぶ者などがおる、先日流星殿の腕を治した者みたいにな。」


「はぁ…………」


「しかし支援舞台だからと侮ってはいけないぞ?魔界では実力が全て、強者でないと師団長などは勤まらん」


つまり師団長は皆強いと


・・・・・・・・



「気が向いたら共に訓練に励もうぞ!!」


そう言ってフブキさんは僕達を見送ってくれた


「…………」


「どうしましたか?」


「いや、昨日は敵意しか感じてなかったのに今は凄く親切だったなぁって」


「昨日は状況が状況でしたので幹部達も警戒していたのでしょう、しかし黒井様は魔王様の足下にも及ばないのがわかりましたので。」


つまり雑魚だから警戒する必要無しって判断したんだね!!


「悲しくなってきた…………」


でも………あんな風に親切にされたら嫌な気はしないな………



「では次に行きましょう」


「うん!」



次は何処に行くのかな?




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