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初任務1

青い空、白い雲、輝く太陽!!



『久し振りの太陽……』


どれくらい久し振りかな?3ヶ月くらい?

こんなに……暖かいものだったんだね


ってなわけで、今僕は地上界にいます

僕のすぐ後ろにはブルム

更に後ろには第6師団の団員達が20人ついてきている

残りの団員はお留守番だよ


さて、なんで地上界にいるのか、任務とは何かを話そうか



・・・・・・・


『オーブ?』


「そうだ、それを手にいれてくるのが今回の任務だ」


魔王様は玉座に座りながら言う


『その、オーブとはいったい?』


聞いたことないけど


「私が説明しよう」


バルトさんが前に出る


「先ずは我々魔族が地上界に出たら弱体化するのは話したよね?」

『ええ』

「それは魔王様も例外ではない、勿論簡単にやられるような極端な弱体化はしないが、万全な状態で戦えないのは危険だ」

『理屈はわかります』


勇者がどれくらい強いかはわからないけど、弱ってる状態で戦おうとは思えないな


『それとオーブの関係はどのように?』

「この魔界と地上界を繋ぐ巨大な門がある、今は閉じられているが、オーブを使うことで開くことができる」

巨大な門が?

「火、風、水、土、氷、雷、光、闇、八種類のオーブが必要だがな」


魔界様が呟く


「その門を開くことで、地上界を魔界と同じ状態にするのだ」


そして魔王様は1つの玉を取り出した

黒い、禍々しい玉


「これが闇のオーブだ」


『そのオーブを集めて門を開けば、魔王様や他の戦士達も全力で戦える訳ですか……』


「そして君には火のオーブを回収してもらいたい、どうやら地上界にあるフソレという村にそのオーブがあるらしい」


『成る程、任務はそのフソレ村に向かい、火のオーブを手にいれる事と』


「うむ……」


『わかりました、直ちに向かいます』

「いや、今日は遅いから明日出発してくれ、こっちも準備しておくから」

『準備?』

「君達を地上界に送る準備だ」


あ、そうか、何かしらの手段があるよね……気にしてなかった

そういえばさっき魔王様が言ったことも気になるな


『申し訳ありませんが、1つお聞きしても?』

「なんだ……?」


魔王様が僕を見る


『先ほど、門を開けば地上界を魔界と同じ状態になるとおっしゃいましたが……それはつまり地上界も今の魔界の様な天気になったりするのでしょうか?』


僕は魔王様の後ろを見る

そこはバルコニーになってるみたいで外が見える

さっきから雷が落ちてるんだけど……こんな荒れた天気になるの?


「同じ状態になるのは空気だ……魔界の空気と同様のものとなる」

『地上界の生物への影響はありませんか?』

「あるのならこの魔界に住む人間達は今も生きてはいまい」


そういえばそうだ、街の人達は元気だったし

僕もピンピンしてる

なら大丈夫かな?

うん、魔王様を信じよう


『わかりました、では、明日出発します』

「期待しておるぞ、黒騎士」


・・・・・・・・


てなわけで僕は部下達を連れて地上界に来ました!

何か転移門って言う門をくぐったら着いていたよ

なんかあっさり来れたから拍子抜けしたというか


『………』


僕は後ろを振り返る

ブルムは


「あっ?」


普通だな


でも団員達は


「やっぱり慣れないな」

「気持ちわりぃ」

「ふらふらします」


具合悪そうだね

少し休むべきかな?


『ブルム、ここからフソレまではどれくらいの距離だ?』


「ここからなら歩いて5時間くらいです」


敬語がぎこちない……

5時間か……今が朝だから昼過ぎくらいには着くかな?

歩いてたら皆も少しはマシになるかな?

最悪、僕とブルムだけでやるかな


『皆、行くぞ』


僕はフソレを目指して歩く

ブルムもついてくる

団員達も歩き出した


倒れそうな人とかいないよね?

よく見とかないとね



・・・・・・・


3時間程歩いた頃か


「はぁ、はぁ」

「ふぅ……」


『……………』


団員達から疲労を感じる

少し休憩するかな?


因みに僕達は今、森を歩いていた

地上界の人達に見つかって大騒ぎにならないようにするためだ

フソレの人達に僕達が近付いてるのがバレたらなんか面倒なことになりそうだし

あまり警戒されてないうちにフソレに入りたい

だから森を歩く、道よりは目立たないからね



『むっ?』


ふと、視線を感じた

僕は周りを見渡す

あ、見つけた

なんか小さいのがこっち見てる……尖った耳や鼻

あれは……


『ブルム』

「はい?」

『あれはなんの種族だ?』

「?……あぁ、ゴブリンですね」


ブルムは僕の視線を追って相手に気付く

そっか、あれがゴブリンか


『敵ではないのだな?』

「ゴブリンなんて雑魚だから敵にもなんないですよ」


酷い言い方!?


『…………』


僕はゴブリンに近付く


「うわぁ!?」


ゴブリンは近付く僕に怯えて尻餅をついた

えっ?僕そんなに怖い?


『………何のようだ?』


「え、えっと、おっさん達魔王様の兵だよな?」


おっさん……いや僕は甲冑で素顔が見えないからね、年齢とかわからないよね


『そうだが?』


そう答えたら


「うぉぉぉ!!」


ゴブリンが目を輝かせて見上げてきた


・・・・・・


ゴブリンはボブという少年だった

まだ5歳なんだと

それで森を散歩していたら僕達を見つけた

団員達の鎧を見て、魔王軍だとわかったボブは僕達を見物していたそうだ

んで、僕が気付いて声をかけられて、魔王軍だと確定したらゴブリンの村に案内してくれた

なんでも魔王様はゴブリン達に色々と支援してくれたらしい

その恩があるから休むならゴブリンの村を利用してほしいという事だ



「ようこそ、魔王軍の皆様」


白い髭を生やした年寄りのゴブリンが頭を下げてくる


『あ~、魔王軍、第6師団長の黒騎士だ、村を利用させてもらっても構わないと聞いたのだが?』

「はいもちろん、魔王様には昔から色々とお世話になっておりますので、ゆっくりとおくつろぎして下さい」

『感謝する』


偉そうだって?僕もそう思うよ

でも黒騎士はこんな風にしないといけないんだって……

うっかり素で話したらまた鞭が飛んできそうで怖いんだよ


『諸君!暫くこの村で休息をとる!自由に過ごせ!しかし!村の者達に迷惑をかけるな!以上だ!』


そう言って僕は近くにあった岩に腰かけた

団員達は村のあちこちに移動した


「黒騎士様!」


僕にボブが駆け寄る


『なんだ?』

「どうぞ!」


ボブは木の実を差し出す


『……ありがとう』


僕は木の実を受け取り

冑を少しずらして口元を露出して木の実を食べた

あ、甘い……


『美味いな……』

「でしょう!!」


ボブは嬉しそうにしている

こうやって見ていたらゴブリンって結構愛嬌あるよね

ブルムは雑魚とか言ってたけど、村のゴブリン達は農業とかしっかりしてるし

狩りもしてるみたいだね、鹿を解体してる

戦闘は苦手だけど生きるために必要な事は優れてるって感じだね

あ、だから魔王様は支援したのかな?


「なあなあ!黒騎士様!」

『なんだ?』

「俺も魔王軍に入れるかな?」

『……何故そんなことをきく?』

「だって俺は強くなりたいんだ!」

『何故だ?』

「たまに人間に遭遇した仲間が殺されるんだよ!だから俺は!」

『仲間の仇を討ちたいのか?』

「違うよ!仲間を守りたいんだ!」

『ほぅ……』


仲間の復讐じゃなくて仲間を守るためにかぁ

立派な心構えだね!

でもボブはまだ子供だよ?だから簡単に入れるなんて言えないよね


『ボブ、君はまだ幼い……もう少し成長したら志願すればいい』

「うん!!」


よし、納得してくれた。


・・・・・・・・


30分くらいかな?時計がないからわからないけど

それくらい時間が経ってから団員を集めて僕達はゴブリンの村を後にした















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