魔装を修得しよう
魔装の訓練は順調に進んだ
「そう、そうやって全身に拡げたまま維持をして」
「………………」
「………………」
「はぁ!」
僕の全身を黒いオーラが包んだ
「へぇ!黒か!」
「これは縁起がいい」
フブキさんとヒョウガさんが僕の魔装を見て言った
「このまま……このまま………」
僕は魔装を維持する………最終的には寝てる間も魔装をうっすらと展開する状態にまでならないと厳しいらしい………フブキさんは慣れてきたら自然に出来ると言ってたけど
「ところで、黒が縁起がいいって何です?」
「魔装の色は人の得意な属性によって違うんだ」
ヒョウガさんが指を立てる
「火属性なら赤、水属性なら水色、土属性なら黄色って感じでな」
「黒は………闇ですか?」
「その通り!」
魔族的には闇がいいのかな?
「闇属性の者は魔族でも少ない…某が知る限り貴殿以外では3人しか知らないな」
「誰ですか?」
「先ずは魔王様だな、あの人は他の属性も使いこなすが本気の時は闇だ」
僕は黒いオーラを纏う魔王様を思い浮かべる………成る程似合ってる
「他の2人は?」
「四天王の2人だな……」
四天王………あのフレイさんみたいな?
でもフレイさんは灼熱って名乗ってたし火属性っぽいんだけど
「鬼の仮面を付けた方と鎖を巻いた方が居ただろ?」
あ、確かに居た!
「そのお二方だ……仮面の方は『シュラ』様、鎖の方は『シーファ』様だ」
「シュラ様とシーファ様………」
「良かったな黒騎士♪お前も頑張れば大物になれるぞ~♪」
「う、うん………」
・・・・・・・
自室
魔装を維持する訓練を続ける僕
「えっとルサ?その棒は?」
「魔装の訓練の為です」
ルサは棍棒を構えている
えっと、僕はこれから寝るとこなんだけど
「黒井様が就寝の間に魔装が解除された時に殴りますので魔装を解除しないようにしてください」
「は、はい………」
怖い……なんか凄く怖い
僕は恐怖を感じながら寝る
…………………
バキッ!
「いっだぁ!?」
「魔装が解けましたよ」
「~~~っ!」
「魔装を展開されるまで殴りますよ?」
「ちょ!?待って………がふっ!」
ルサって僕の事嫌いなの?
違うこれは心配だからやってくれてるんだ!そうに違いない!
そう思わないと凄く悲しいよ!!
バキッ
「ぐぁっ!?」
そんな風に訓練をして1ヶ月経った
・・・・・・
「……………………すぅ」
「…………」
ヒュ!
ボキッ!
「………どうやらもう大丈夫の様ですね」
ルサが振り下ろした棍棒は寝ている流星に当たると折れた
流星の展開している魔装が流星の身体を棍棒より硬くしたのだ
「無意識での魔装の展開………これさえ出来るのならもう修得したと言っても良いでしょう」
ルサは役目を終えたと判断して流星の部屋から出る
「ん………むぅ………」
流星はそんな事も知らずに眠っていた
流星は『魔装(闇属性)』を修得した!




