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やるべきこと、その1

黒騎士という二つ名を貰って第6師団長に任命された


翌日の朝(………朝?)


「うん………」


「お早うございます黒井様」


「あ、おはよう……」


ルサがベッドの側に立っていた……ここにいるってことは今は朝って事だよね?


「朝食の用意が出来ています。」


「ありがとう」


僕は朝食を食べる


「うーん」


食べながら僕は考える


「どうされましたか?」


「………昨日、師団長に任命されたけどさ…………何をしたらいいの?」


師団長の仕事なんて把握してないよ?


「あぁ、その事ですか………そうですね、基本第1師団から第12師団の戦闘部隊は平時の時は訓練と見廻りをしていますね」


「ということは僕も訓練と見廻りをすればいいの?」


「あくまで部隊の話です、基本部隊長が指示を出していますからね、師団長は報告を聞くだけです」


「………なにもしないの?」


「平時の時は結構自由ですよ、そのかわり戦いでは前線で戦いますがね」


「へぇ………」


じゃあ今日の僕は報告を聞くだけってことかな?


「あっでも、僕まだ第6師団の皆の顔知らないや………自己紹介もしてないし」


「そうですね、多分第6師団の兵達も師団長が変わったことを知らないでしょうね。」


「じゃあやっぱり自己紹介しないと!」


僕は朝食を食べ終える


「どちらに?」


「どちらに?………あっ」


そういえば兵達が今、何処にいるのか知らないや………知らないことばかりだな


「どこ行こう?」


「…………」


『ピンポンパンポーン!!はいはい!起床じゃあああ!!仕事のやつは起きろよぉ!あ、あと黒騎士は修練場にカモン!!鎧を来てこいよ!以上!ヒョウガ君でした!ピンポンパンポーン!!』



「……………」

「……………」


多分、僕とルサが今思ってることは一緒だろうなぁ



・・・・・・・


鎧を着て、ルサを部屋に残して僕は修練場に向かった


途中でチラチラと兵士が僕を見るが僕は気にせず修練場に向かい、到着した


「おお、黒騎士殿!来たか!」


修練場に着くとフブキさんが僕に近寄る


「これからは共に励むとしよう!黒騎士殿!」


そう言って手を差し出した


「は、はい!」


僕はその手を握り、握手した


「それで、僕が呼ばれた理由はなんですか?」


「それはもう少し待っててもらおうか、あと3人程師団長が参る」


「3人?ヒョウガさんと?」


「ヒョウガ殿、バルト殿、そしてカールス殿だな!」


「カールス?」


「第4師団団長を務めている御仁だ!」


「第4師団………」


いったいどんな人なんだ?

てか僕バルトさん苦手なんだけど………


「やっほーい♪」


そうしていたらヒョウガさんがやって来た


「黒騎士~♪師団長就任おめっとう~♪」


「あ、はい……………うーん?」


「どうされた?黒騎士殿?」


「いや、なんで二人とも黒騎士って呼ぶの?僕の名前を知ってるのに?」


「あちゃ、そうか…名前の重要性がわかってないか。」


ヒョウガさんが額に手を当てる


「なんかあるんですか?」


「ふむ、黒騎士殿、貴殿は魔法などを理解しているか?」


「魔法?いえ………そういえばまだ見たことないような………」


「えっ?俺の放送は聞いてたよな?」


「あれですか?」


「あれも魔法だから!通信魔法だから!」


「へぇ、あれも………」


「まあ一応理解しているって事にして話を続けよう、この世界には魔法があるのだが種類が多々ある」


「今言ってた通信魔法とかですね?」


「そうだ、通信魔法の様な補助魔法に回復魔法の様な支援魔法………そして攻撃魔法等々」


「三種類ですか?」


「本当はもっと細かくあるが、某は専門ではないのでね、いつか第17師団長のリューシーという者に聞いてみればいい」


また知れない名前だ………第6師団の兵達もだけど他の師団長も名前とか覚えないと………


「ちょっと話がズレてきてない?」


「そうだな、少し戻そう、名前が重要なのはこの魔法の一つである呪術魔法があるからだ」


「呪術魔法?」


「例えば相手の体調を悪くしたり殺したりする魔法ね」


ヒョウガさんが言う


「その呪術魔法がなんで名前に?」


「発動条件の1つが相手の名前なんだよね~」


「名前………」


「勿論フルネームね、そして強力だ、だから師団長以上の奴等は名前を隠しているんだよ」


「お二人も?」


「ええ、某は"修練(しゅうれん)のフブキ"と名乗っている」


「俺は"旋律(せんりつ)のヒョウガ"ね♪」


「じゃあ僕は"黒騎士(くろきし)の流星"って名乗るの?」


「うーん………本当はそうなんだけどね~君の場合は流星って名前も名乗らない方がいいかもね」


「えっ?なんで?」


「理由は2つある」


フブキさんが指を2本立てる


「1つは貴殿の種族だ」


「僕の種族……人間?」


「そうだ、貴殿が人間であることで我々は1つの策を使えるようになる」


「策?」


「人間の街とか都への侵入だよ」


ヒョウガさんが言う


「侵入ですか?」


「地上界の街はね、結界ってのが張ってるんだよね、その結界に俺達魔族が侵入したら弱体化するし最悪死ぬ」


「死ぬ!?」


「最悪な、でも君は人間だから結界の影響を受けない、だから街とかに侵入して結界の解除をしてもらう、そうしたら俺達も入れるからね」


「それで僕が人間だとバレないようにしろって事?」


「そうそう、人間達の前で流星って名乗ってたら侵入するときも大変だろ?仮の名前とか考えてもボロが出る」


「だから貴殿は普段は『流星』を………その鎧を纏っている時は『黒騎士』を名乗るようにすればいい」


「今は鎧を着ているから黒騎士と名乗ればいいんですね」


「その通り!まあ、すぐに慣れるさ!」


ヒョウガさんが親指を立てる


「それでもう1つの理由は?」


「……………」


フブキさんが黙る………どう話すか悩んでいる?


「あー黒騎士は恋とかしたことある?」


ヒョウガさんがきく


「恋?………………………………………一応初恋なら」


小学生の時に近所のお姉さんが好きだったな~


「その相手を好きになる理由はなんだった?」


「えっ?………その、優しいところとかが好きでしたね………」


なんか恥ずかしいな


「そう、人間はそうやって印象とかが理由になるよな、他には顔が好みとか、性格が合うとか」


「?………魔族は違うんですか?」


「魔族の異性への好みはな………強いやつだ」


「……?」


ピンとこない


「つまりな、強い子孫を残したいってのが……こう、刻まれてるのよ、身体って言うか魂にって言うか……そりゃあ見た目や性格の好みも一応あるが………基本強いやつなんだ」


「つまり?」


「師団長はモテるぞ♪」


「はぁ?」


モテるぞって………


「それが僕が名乗らないようにする理由になるんですか?」


「あのな………魔族は惚れた相手を堕とすのに手段を選ばない奴もいるんだよ………無理矢理押し倒したりとか、魅了してきたりとか」


「はぁ………」


「お前、対応できるか?」


「…………………………………」


うーん………無理矢理って言われても


「例えば数人に押し倒されたりとか、魅了して惚れさせたりとか」


「犯罪ですよね?」


「そうだ、だが魔族の目的は強い子孫を産むことだからな………女の場合は産まなければいいが、男の場合はな、無理矢理子孫を残させられたりとかあるからな」


「………あったんですか!?」


「確か200年前くらいにあったらしいぞ」


「まあ基本抵抗できるしな…だが油断は出来ない、だから貴殿も気を付けるんだ」


「な、成る程………」


魔界………恐ろしい所だ………


「…………そろそろ話しかけても問題ないかい?」


「うぉ!バルトの爺さん居たのかよ!?」


ヒョウガさんが驚く


「いつからいらしたので?」


「師団長はモテるって時から居たが?」


ついさっきですか


「カールスはまだ来ておらんのか?」


「カールス殿はまだですな!」


フブキさんが答える


「ふむ、まあいい、時間もあまりないからさっさと済ませるか…」


バルトさんがそう呟くと僕を見る


「黒騎士……何故ここに呼ばれたかわかるか?」


「いいえ、何故です?」


「君は昨日師団長に任命されたがまだ何もわからないだろう?それゆえ、これから君には色々と覚えてもらう。」


色々?


「先ずは文字の習得だ、この世界の文字は読めないだろ?」


「読めないですね………」


ドアになんか書いてあったりしてたけど全く読めなかったし


「だから私が君に文字を教える」


「よ、よろしくお願いします………」


時間かかりそうだな………


「では頭を出してもらおうか」


「えっ?」


バルトさんが僕の冑を左手で取る

そして頭を右手で押さえる


「いくぞ?」

「えっ?えっ!?」


バルトさんの右手が光る………僕にこの世界の事を教えたときと同じように………いや、あの時とは違う!

あの時は映像を見せるというか何て言うかな、映画を観てるような感覚だった

でも今回は違う、無理矢理脳みそに文字を刻み込まれてる感じ


「いだだだだだだ!?あばばばばばば!?」

「少し耐えなさい」

「なななななななな!?ぁぁぁぁぁぁ!?」


かなり痛い!てかこうしている間も文字ががががががが!!



「はい終わり」


そう言って右手を離す


「がっ!はぁ、はぁ…………いきなり何するんですか!?」


頭が痛い、割れてないよね?

僕は頭を擦る


「ほい黒騎士、これ何て読む?」


ヒョウガさんが紙に書いた文字を見せる


「えっ?"黒騎士"?」

「これは?」

「"魔族"」

「これは?」

「"馬鹿"ってなんだよ!!」

「よしよし読めてるね」

「……あ、本当だ」


文字が普通に読めてる


「では私はこれで」


そう言ってバルトさんは転移魔法を使ったのか目の前から消えた


「消えた!?」


「あーバルトの爺さんは忙しいからな~」


「まあ文字の習得は終わったから問題はないな」


ヒョウガさんとフブキさんが言う

僕に文字を刻み込む為だけに来たのか………取り敢えず文字を読めるようになったし、次に会ったらお礼を言っておこう









キャラ設定


名前 バルト


性別 男


種族 獣人(梟)


年齢 785歳


第24師団団長

主に記憶や精神を攻撃する魔法が得意

その魔法で主に敵の洗脳や記憶の解析などをする

今回のように対象に必要な情報を無理矢理覚えさせることも可能

魔王が魔王になる前から従っている最古参

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