不良から逃げた結果
なにこれ…………
『……………』
ゲームや漫画でよく見るいかにも魔物ですって人達が僕を囲むようにして見てくる
そして僕の目の前には
「成る程………これが異界の者か………」
凄く強そうな魔物が僕を見下していた
なんで？さっきまで僕は街中に居たのに………
・・・・・
二時間前
「うーん………うーん………」
僕、黒井流星は放課後の教室で自分の机にあるプリントを眺めていた
"進路調査表"
進学か就職か、どこにいくつもりなのかを提出するプリント………まあ中学生の僕達は基本高校に進学するんだけど
「僕の学力で行けそうな高校かぁ………」
テストの結果もギリギリ平均点………成績表も3だけ、どうやってるのか自分が知りたいくらい平均な成績
「なんでかな………」
勉強をしてない訳じゃない、授業もマトモに受けてるし、予習復習もちゃんとしてるんだ
体育も真面目に受けてるし、手伝いもちゃんとしてる
先生からの評価も僕は優等生……らしいんだけど
「はぁ…………」
僕の学力で行けそうな高校を何校か先生に紹介してもらったけど
「少し遠いな………」
電車を使えば行けなくもないけど………家はそこまで裕福じゃない
「………………バイト」
受験して合格したらすぐに近くでアルバイトを見つけて働きながら通う？
両立出来るのかな？
「はぁ…………」
いっそ中卒で就職するかな………選べる仕事はかなり少ないけど無い訳じゃないし………でも………
「あああ………なんで近くの高校は全部進学校なんだよ………」
5ヵ所も高校があるのにどれも僕の学力じゃどんなに勉強しても無理なレベルだし！！
簡単に入れる所謂馬鹿高校もあるけどそこは学費がかなり高いし！
「…………こんな風に凹んでても駄目だよね………」
帰って母さんに相談しよう………
僕１人の問題じゃないし………うん！
僕は鞄を持って教室を出た
・・・・・
「……………」
僕は帰り道を歩いていた
「ギャハハハ!」
「うわ………」
途中にあるコンビニの前で不良5人が地べたに座り込んでいた
地面が汚いとか思わないのかな？
「おい！てめぇなに見てんだよ！！」
「えっ？」
不良の１人が僕に叫ぶ
ゾロゾロ
そしてすぐに立ち上がると不良達が僕の前に立つ
「な、なんですか？」
「お前今俺らを見てたよなぁ？」
「見てませんよ？」
関わりたくないよ
「見てたろうがぁ！！ああんこらぁ！！」
うわぁ、めんどくさいタイプだぁ………
「見てませんって！」
「見てたろうがぁ！ああんこらぁ！！」
それしか言えないの？
「はぁ………」
無視して別の道から帰ろう
「逃げんのかぁ！？ああん！？」
別の不良が叫ぶ
無視無視、相手は高校生だし5人だし、相手するだけ無駄無駄
「待てやこら！」
不良が僕の肩を掴む
「触らないでください！」
僕は手を振り払う
「うわいってー！おい見たか？今こいつ俺手殴ったよな？」
「見た見た、うわ折れてんじゃね？」
「いしゃ料もらわねえとな！」
あ、これは逃げた方がいい、こいつら人間の形してるだけの獣だ
そんな奴等の相手をしてたらこっちが損するだけ
ダッ!
僕は走る
「待てや！！」
「逃げんじゃね！うらぁぁぁ！！」
ああ！めんどくさい！！
・・・・・・・
「っ！」
「追い詰めたぜぇ！」
「もう逃げれねえぞ！」
右に左と道を曲がったり路地裏を通ったりしたけど後ろから追い掛けてきてた不良を撒けずに走り続けていたら前からも不良が来て挟み撃ちにされた
「………………」
どうする？後ろに3人、前から2人………一か八か前に突っ込む？
悩んでいたとき
「！？おい！なんだそれ！」
「えっ？」
前の不良2人が止まる
「訳わかんねえ事してんじゃねえぞ！」
「えっ？」
後ろの不良3人も止まる
不良達が見ている………僕の足下を
「？……………なにこれ！？」
足下を見るとなんか魔方陣って言うのかな？それが光っていた。
カッ！
光がドンドン強くなる
「うわ！うわぁ！？」
何かわからないけど、この魔方陣の上にいたらマズイ！
僕は前に走る
「こっち来てんじゃねえ！」
ドン!
そんな僕を前に居た不良の１人が突き飛ばした。
「うわぁ！」
ドサ!
突き飛ばされた僕は魔方陣の上に倒れる
そして………
カッ！
シュウウウウ！
・・・・・・・・・
そして眼を開いたらこの状況…………なんだよこれ………
いしゃ料って書いているのはわざとです
