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世界の動乱

ある日、世界に衝撃が走った。

凶暴な魔物が多く住み着いていて人類にとっても必要不可欠な資源が大量にある森、願望を叶える森、通称『ウィッシュフォレスト』。

その森に巨大な落雷が一筋落ちたのだ。

その落雷は、落ちた場所一帯の木々を吹き飛ばし、そこには平地が出来た。そのことは、瞬く間に世界に広がり、凄く驚かれた。

この出来事にいち早く反応した者がいる。それはバラガルという男。

「ガンザよ…周辺の国や村々に招集をかけろ。緊急の会議がしたい。」

「は‼︎よし、お前達。直ぐさま周辺の国や村々にこの事を伝えるのだ‼︎国王命令だと‼︎」

ここは、フラン帝国。ウィッシュフォレストに一番近く、この辺一帯で一番の権力を持っている大国である。そのフラン帝国の国王であるバラガルの招集により続々と国の権力者や、村の長がフラン帝国内の会議室に集った。

「皆様、集まりましたね?この会議は私ガンザが仕切らせてもらいます。では、早速…」

「ちょっと待てい…」

バラガルの側近であるガンザが会を進めようとした時、止めるものが現れた。

「なんです?ゲバル殿」

彼はゲバル。バルバナ王国の王である。バルバナ王国とは、フラン帝国と、一番遠くに位置する国であり、フラン帝国との繋がりがあまりない遠い国とも貿易している、フラン帝国に続く権力国家である。

「話の内容は、大体検討が付いとる。森に落ちた落雷の事やろ?だから先に言わしてもらいますが、それによって貿易などに支障が出るようなら、あんた所の貿易は危険やで、もう貿易に関する繋がりを断たせてもらうで?」

ゲバルの発言に会議室にいた人は騒然とした。

「ゲバル殿。先走る発言はお控えください」

ガンザが忠告をした時、バラガルが口を開いた。

「ゲバル…その質問、私自らで返答しようではないか」

「な…国王⁉︎そんな、国王が直々に返答なさらなくてもよろしいではありませんか‼︎」

「ガンザよ…私が発言すると言ったはずだが…何か私が発言する事に文句でもあるのか?」

「い、いえ…そんな訳では…」

ガンザがバラガルの威圧に縮こまってしまっている間に、バラガルは話を進め始めた。

「その事は、今話そうとしていた事を決めてからちゃんとした場を設けて話そうではないか」

「ほう…?お前がその様な場を設けると発言するとは…それほどの事なのだろうな」

「うむ、だから少し話を聞いてくれ」

「そういう事なら、聞きましょうやないか」

「ありがとう。では、ガンザよ。進行を進めろ」

「あ、はい‼︎では、今回の会議内容は、ゲバル殿がおっしゃった通り、森の落雷についてです。では、王よ、お願いします」

「貴殿らに集まってもらったのには理由がある。それは、今回の落雷は昔、私の叔母であり、大予言者として名を馳せたデーバ様が、予言していたことであるということだ」

「ほう…デーバ様がもう予言してあったとは…で、どのような予言なのだ?」

「うむ…『富と害を与える森に、一筋の光が落ち、その一帯平地へと化すであろう』」

「あの落雷のことだろうな…完全に一致している。しかし、予言されていたとして、何かあるのか?」

「この予言には、まだ続きがある。『平地と化した場所、神の魔物を統べる神現る、その神、親睦深めれば、強大な力へとなる。しかし、一度、怒りに触れれば、災害となり牙を剥くであろう。』このような予言された…」

この予言に、また、皆騒然とした。

「神だと…?では、あの辺りに神がいるというのか⁉︎」

「予言が正しければ、それは凄いことやな。だが、怒りに触れれば、災害へと化すとは、危険な存在ちゅうわけやな?」

「左様、今回の会議は、この神をどうするのか、決める会議である」

「そんな事、決まっとる‼︎こちらに引き入れるにきまっとる‼︎」

「待て待て、あんさん話聞いてはりました?一歩間違えたら、危険な存在なんやで?そんな危険な奴近くにいたら、何があるかわかったもんじゃ無い…‼︎わいは反対やで?」

「私も反対だ。理由としては、引き入れるなにも危険が伴うことや、引き入れる事が成功して、何をする?戦争でもやるつもりか?」

バラガルの問いに対して皆、口を閉じてしまった。

「決まったな…。なら、ここで誓いを立てる。今この瞬間、森に生まれし神には手出しをしない事を受諾する者は席を立て‼︎」

この言葉に、次々と立ち上がった。一人を除いて…

「なんじゃ?お前は受諾出来ないのか?バナード氏」

この会議室の中にいた人の中で唯一、立たなかったのは、ガルナバーンの王、バナード。ガルナバーンは、鍛治の国と呼ばれるほど、鍛治師が多い国である。ガルナバーンには、頭が固い人が多く、その人達をまとめ上げるほど、頭が切れる人物である。

「そうだな。ここで誓いを立てたら、自由ができないでしょ?それは、ウチでは困るんだわ。こちとら、自由を維持していたいんでね」

「なら、お前はここにいる全員を敵に回す事になるが、それでも受諾しないという事でよろしいか?」

「いや、敵に回すほど俺もバカじゃない。それに、あんたの考えは大体分かってるから、あんたの邪魔はしないという事は伝えておくよ。じゃあね〜」

「ちょ…待たんかい‼︎神を引き込んでなにするつもりや⁉︎答えんかい‼︎」

出ていこうとするバナードを、ガバルが引き止める。

「何って…そんなん自己防衛に決まってますやん?あんた達の様に、ウチの国は強くは無いんやから。」

「そな事は口では簡単に言えるやろ‼︎口は災いの元って言うやろ?それに、触らぬ神に祟りなしって言いますやん?だからな」

なんとか考え直さないかと、必死になって説得するガバルに意外な言葉が飛んで来た。

「ガバル殿、本人が言っているのだから、引き止めるのは筋違いという物であろう…。それに、ガルナバーンの武力はほとんど無い。だから、歴史的に見ても、ガルナバーンは、勝ちをほぼ取れていない。鍛治師が多いのが幸いして、今を生きているが、何故国自体が残っているのか不思議なほどだ。これに関しては、個人の自由である。よって、引き止めるのはやめておけ」






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