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ヒーラー奏の立位置は?前衛です!  作者: 梅花 零度
魔王選抜編
99/118

女神スクルド

遅くなってすみません。

ー奏ー


 周囲の空気は異質だ。空気に色はないし、急に黒くなったりしていない。ここにいるのは僕とおやじだけだから、二人の空気は関係ない。しかし、背筋が寒くなる。視界が狭くなる。そんな気がするほどの何かがある。十中八九女神スクルドのせいだろう。エメリアに取りついた状態でエメリアの意識事奪って自由に動くことができる女神・・・。しかも、その能力が、自分の都合のいい未来にたどり着く答えと、ある程度の因果を操作することが出来るというもの。強力すぎる。


 今、扉一枚を隔てている。



「く、女神がここまでの邪悪な魔力を放出しているのか・・・。奏!逃げろ!捕まらないように・・・おい!何をしているんだ!」




 親父がまくしたてるが、僕は意に介さずドアを開ける。司に時間を巻き戻してもらって、それをエメリアに触れられたら奏が死、あるいは死にかけの未来に戻るという意味なのだから。しかし、そこに立っているエメリアは・・・いや、スクルドはきょとんとしている。魔力を放出して、窓から出たら空中で襲う予定をしていたのだろう。廊下の窓を開けて飛び立つ準備をしていた。



「エメリア。いや、スクルド。話がある。」

「『おねーちゃんは元の未来に戻れれば話はないんだけれど?』」



 そう言って捕まえようと襲ってくるが、ギリギリのところで回避する。バックステップに小手ではじいたり、して徐々に後ろへと逃げる。



「今戻っても意味ないよ?元々シャムとの契約をしていなかった事が原因で犯罪者になって、そのうえで、エメリアが傷ついたからあの感情が爆発した。けれどその原因であるシャムとの契約はした。つまり、同じ未来には戻れないのは分かるんじゃない?」


「『・・・・・・・・・』」




 それが回避方法。過去と違う行動をすることで元の未来は回避できるのだ。しかし、今別の未来に戻ることはしたくない。問題が解決できない可能性があるから。

 まあ、それは置いておいて、スクルドの様子が変化した。きゅっと唇を結び、こちらをにらみ付けてくる。やっと話ができそうだ。



「まず、聞こうか。スクルドの目的は何?」

「『・・・・・・・・・』」



 ふいっと他所見してしまう。その仕草が可愛くて思わず笑いそうになるけどぐっと我慢。我慢。


「『ちょっと・・・何笑っているのよー。』」

「あ、堪えれなかった・・・・。可愛くて思わず・・・・。」




 かわいいという単語に反応したようで顔を少し赤らめるスクルド。容姿はそのまま惚れたエメリアそのままなのだから、考えるまでもない。あまりエメリアの怒って無視する姿は少ないからかなりレアだった。大抵怒ると抗議するからその当たり別人だとはっきり意識させられる。




「『目的は教えない。』」

「ゲーム。」




 びくりと肩を震わせる。どうやらビンゴのようだ。



「ただの遊び。勇者と魔王のどちらかを女神三人で奪い合い、誰が勝つかを競っていた。しかし、他の二人は遊びに乗ってこないか、女神が覚醒していないかで、全然遊びにならなかった。だからつまらなくなって勇者と魔王候補・・・・。つまり輝と僕を殺し合いさせた。」

「『・・・・・・・・』」

「そしてそんなことを平気でやる理由は親父だろう?」

「『そうよ!あいつは!私を殺そうとしたのよ!一時はすっごく苦しくって苦しくって大変だったんだから!あんなことするならこの世に魔王なんていらない。そしてあいつの息子だからあいつにやり返すための意趣返しよ。私は・・・・私は・・・・・。え?』」



 泣きそうになっているスクルドをぎゅっと抱く。ふわりといい匂いがする。



「ごめんね。親父も何か理由があってそうしたんだと思っている。けれど、君は大変だった。親父がスクルドは死んだと思うほど衰弱していたんだよね。僕がいる間はもう誰にもそんなことさせない。だから・・・・。」

「『ふふふ、どっちがおねえちゃんかわからないじゃない・・・・。まあいいわ。あなたなら何となくだけれど、安心できるし様子を見ててあげる。けれどこれは覚えておいて。私たち女神を害すれば痛い目をみるということを。』」

「えっと、もう痛い目みています。」



 殺されたり、告白をあしらわれたり、振られたり・・・・・・・・。ああ、自分はこうも未練たらたらですね。はい、情けない自分は置いておこう。



「そこでこれからなんだけれど・・・・。」

次回更新も急ぎます。次回からは通常運転になります。

ちなみに選択として、親父の指示に従っていたら、獣魔大会で勢い余って人が死んで、ヒールも間に合わず、同じ展開に・・・・。司の能力は使えず(一日に一回、使用したらその日を抜けるまで使用不可)詰んでいました。

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