勇者VS魔王候補
ー司ー
輝と奏は向かいあう。幼馴染である二人がこうやって向かい合う。
平和な日本ではありえない、物騒な世界で二人は殺し合う為に向かいあう。
「これは、どうしようも無いの?」
「・・・・・どうしてこんなことに・・・。」
隣で布敷さんが苦しそうにしている。布敷さんは怪我をしていてお腹を押さえている。
「輝、ちょっとまった。『ヒール』」
布敷さんの傷が治る。それと同時に輝は閃光を剣に纏い、解き放つ。
「待ってっていったじゃないか。」
閃光に飲み込まれたはずの奏は光の奔流が消えた後、何事も無かったように立っている。
「ふーん。どうやってかは知らないが、俺の攻撃を無効化する方法があるのか・・・・。」
輝はちっと舌打ちして直接攻撃しだす。ステータスが高すぎる輝は残像を残して瞬きの間に奏の背後を取っていた。そして・・・。
「死ねー!あ?」
輝の剣が空中で静止する。剣が急に動かなくなる。剣が振れないなら攻撃は出来ず、無防備になる。輝の剣が急に波を打ち、三本の槍となって輝を襲う。
「く!離せ!」
その剣の柄は変形し、輝の腕を手錠のように捕まえ、その槍は輝を貫こうとする。輝は必死にその三本の槍を光で破壊しようとするけど、元々輝の纏わせる光の魔力に強い剣を使用している。つまり、光の攻撃に滅法強い。
「があ!!」
輝は槍に貫かれてしまう。鮮血は迸り、どう見ても急所を貫いていた。輝はその場で倒れ伏す。
「く、癒吉、何した?」
「僕のアビリティーである”浮遊隕鉄”は強化されて金属を操る事が出来るようになっている。つまり、僕に金属を持って攻撃するのは自殺行為だよ?」
奏に暫く会っていなかった間に、初見殺しを身に着けていたらしい。私はスキル『サーチ』を使った。輝のHPが徐々に減って残り2割切っていた。サーチにもレベルがあって私のサーチだと、HPまで見れるの。
「輝はそこで見てて。さーて早速本命の女神様イベントを初めよっか。」
「『ふふふ、やっぱりお姉ちゃんの存在に気が付いていたのね?でもー。私は前にも言ったかもしれないけれど、本物の魔王にしか興味ないのー。勇者を倒した事は褒めてあげるけど、私は貴方はもういらないわー。だって、いつの間にか私の支配から逃れているんですものー。』」
エメリアの中の女神が本領を発揮しだす。どうやら奏も輝もおかしくなったのはエメリアの精だったようね。
奏は悠々と歩く。しかも不敵に笑って。




