表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ヒーラー奏の立位置は?前衛です!  作者: 梅花 零度
魔王選抜編
89/118

怒り

美鈴の回想の後、奏との戦闘に戻ります。

ー美鈴ー


 奏はまた激怒する。そう、10年前のあの時と同じ。奏と友達だった私はずっと一緒にいたかった。家族ぐるみの付き合いだった私は、奏と許嫁の関係でそれを嬉しいとも思っていた。



 保育園から一緒の奏はいつも私と行動していた。


「奏君。私と奏君っていいなずけなんだって!」

「みっちゃん、いいなづけって美味しいの?ご飯に掛けたら沢山食べて大きくなれる?」



 この時背が小さい奏はずっと大きくなることを目指していた。この可愛さがとっても好きだった。



「づけって漬物とかじゃないよ?」

「違うの?じゃあ、それなーに?」

「一緒にいるの。ずっと一緒にいるの。」




 そう。ずっと一緒にいるという事に何の疑問を抱く事が出来なかった。そう、あの時までは・・・・。

 小学校に当たり前のように奏の家に行く。すると、そこに知らない女の子がいた。


「みっちゃん。女の子拾った。」

「こ、こんにちは。始めまして。私は白儀司です。」

「は?あ、うん・・・はじめまして・・・・。」




 何かもやもやした感情を持ちながら、奏の後ろにもぞもぞと隠れながら動く司を嫌な予感がしながら見る。女の勘というやつか。おどおどと、奏がいないと生きていけないような態度でいる。


 そして奏は司がやることなすことに、助けている。それに頼りつつも頑張っている姿は・・・・。




 何かのアピールにしか思えなかった。




 それから3人で一緒に帰るようになった。と言っても小学校1年生の一学期。それも2か月まではなんとか我慢出来た。でも・・・・。




 ある日一緒に帰っていると、奏は忘れ物をしたから先に行っていてと言って、一時学校に戻った。そして話題も無く司と一緒に待っていると急に司がもじもじ話てきた。



「あう、その、みっちゃんは奏の事好き?」

「うん。好きだよ?」




 その時、(あ、司もやっぱり好きなんだ)と思いつつも、許嫁という事実で余裕をかましていた。というより、一緒にいられたのもこれが原因だ。絶対的優位があるからこそさりげないアピールだけで十分だと思っていた。そんな事思っている時期もありました。



「か、奏は私は・・・えっと。私は奏がいないと駄目なの。だからダメなの。」

「意味が分からない・・・・。奏は私の物。」




 急に言った事にドキリとする。つまり奏は私の物だと言いたいのだろう。だが、先制攻撃で言ってやると、急に泣き出す司。どうする事も出来ない私は、最近奏を独占されていた事を不満に思っていた。そのことも合わさり、ぼーっとみていた。見ていただけなのに・・・・。まだ行って帰って来るには時間があるはずの奏がそこにいた。



「みっちゃん!?泣かせたの?」

「ち、ちが!」

「うわーん!みっちゃんが!許嫁なのにダメって・・・。」



 はい?










「みっちゃん。僕と司はなんか許嫁ってやつらしい。だから守ってあげなきゃなんだ。良く分かってないけど・・・・。とにかく苛めはダメ!」




 この時、この二人が何を言っているのか分からなかった。




「私が許嫁なのに・・・・。私が!!!」



 ただ、分かった事がこの女が私の奏を奪ったという事だ。その事以外分からないし、知る必要もなかった。だから、暴力で追い払えば勝てるし、強い方が奏は味方してくれると思っていた。だが・・・・・。





「みっちゃん。苛めはダメ!」

「奏。どいて。排除できない。」



 奏がかばって攻撃出来ない。奏は必死に司をかばう。私は奏には危害を加えたくない為攻撃出来ない。

結局喧嘩のような別れ方をしてしまった。







 翌朝。事件が起きた。私が廊下でばったり司と会った事で喧嘩になってしまった。




「「私が奏のお嫁さんになるの!!」」



 そうして殴った。殴ってしまった。そして・・・・殴った後のちょっとした爽快感と、殴ってしまったちょっと後悔と・・・・・・・・。








 真後ろで烈火のごとく怒る奏への捨てられる恐怖で体が思うように動かなかった・・・・・。



*******************************************



 私は今、魔王城の近くで、あのドラゴン娘に危害を加えた事に怒り狂う奏の猛攻を躱していた。

奏の攻撃は銃による攻撃が主で、致命傷になる傷は今の所ない。ただ、かすり傷が多く、奏の近くにいるだけで何故か傷の治りがとっても悪かった。これは奏が何かしているのだろうと思う。回復と回避に全力を出しながら逃げる。魔王城を危険にさらせない為、違う方向に逃げる。




「待って!奏!お願い!話を聞いて!」

「待たない。」




 奏は銃から噴き出す爆発で推進力を得ているのか、風魔法で逃げる私と同等のスピードで逃げる。しかし、逃げる者と追いかける者のスピードが同じだと、追いつかれる。私は弾を避ける為に蛇行して逃げるのに対し、奏は銃で狙いを定めながら私が通った道を直線的に追いかける事が出来る。確実に距離を縮められる。



「痛!ま、まずい!」


 いちかばちか真っすぐそれも斜めに走る。すると微妙に距離を稼ぐ。ただ、右肩に大きく傷が出来、左足ふくらはぎからかすり傷で血が滲む。なんとかしなければ!射線を切るために森に逃げ込む事が出来れば・・・・・。



 土魔法で壁を作って足止めをする。炎魔法で攻撃する。風魔法で自分は追い風、奏に向かい風を起こす。


 土魔法はアビリティで穴をあけられ、水魔法で防がれ、風魔法で稼いだ距離はいつの間にか縮められていた。



 あれ?まさか。





 急に振り向いて爆発魔法を撃ってみる。勿論奏は避ける。そのまま直ぐに森に入る。



木で、岩で、射線が通らな・・・・。




『シュ』



足の健を撃ち抜かれる。奏は魔法探知の魔法が使え、何より私は魔王候補の能力で魔力が高すぎる。居場所はバレバレだ・・・・。どうしよう。でももう逃げられない。岩陰から影が伸びて来る。好きな人に思いも伝えられず、好きな人に殺されるの?その陰はぬっとこちらに顔を出す。目をつぶる。




「良かった無事か?奏の奴滅茶苦茶しやがって。間に合ってよかったぜ。」





 そこには・・・・・・・。


助けてくれたのはだれでしょうか?また、輝はどこにいるんでしょうか?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ