ロドス戦5
話の変更等を行っている関係上更新が遅れるかもしれません。なるべく早く更新するよう努力します。
ー奏ー
未だにロドスの攻撃の連撃を喰らい、防御している。一応この聖絶の盾を解除すれば自分は何回でも生き返る事自体は可能だ。しかし、反撃は不可能だ。痛いくて反撃出来ないのと、痛くないけど何かの隙さえ有れば反撃出来るのではどちらを選ぶかは明白だ。まあ、爆撃を縫って回避してみるというのもありだけれど、聖絶は移動できません。つまり、この場から聖絶を移動する方に生成してそこへ移動する事になる。
はい。無理です。
そっちに余力を回していたら、今展開している聖絶が持たない。次に移動する前に粉々に爆砕されてしまう。一応動かないから爆風もほぼ防ぐ事が出来ているので、何とかなっているけれど・・・・・。
当然隙なんてみせてくれない。ロドス・・・・強い!
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ーヘクトールー
着いた瞬間に轟音、爆音が鳴り響く。
「また、ロドス様は派手にやっているなー。」
「カナデ様はいかがかしら?」
隣にミーリャが立つ。黒いメイド服が風で靡く。爆風によって周囲には強風が吹き荒れているはずなのにそこまで風を受けていない様に思える。端から見ると、ただの華憐な少女なのに、とても頼もしく、そして酷く懐かしく思う。そう、5年も前まではミーリャも一緒に戦場を駆け巡っていた。戦争が終結してからミーリャが病気で動けなくなってしまってから、もう5年も経つのだ。長かった。
「あら、この高揚感懐かしいですわね。ロドス様の援護を引き受けていた時は良い思い出ですわ。絶対戻りたくないですが。」
「そりゃーな。カナデ様やお嬢達との生活もかなり楽しいし。」
「わたくしは戦争が嫌いなのです。」
「そりゃあ、長い付き合いだ。知ってる。」
病気を患った時は戦争・・・というか、主であるロドス様の傍に居れない事を悔やんでいたのに・・・・。まあ、いい。今はいい。とにかく・・・・だ。
「覚悟は決まったか?」
「ええ、とっくに。かつての主に未練は殆ど残っておりませんわ。」
「・・・そうか。」
殆ど・・・・ねぇ。手が震えている。今でも悪夢のような状況だろう。一人に一生お仕えすると心に決めておきながら、捨てられたとは言え元主を害するのは。
「さて、行くか。」
俺はミーリャの手を握る。すると震えが止まる。それが何とも愛らしかった。
「ええ、行きましょう。」
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ー奏ー
何とか爆撃の癖(爆撃の方向性や命中精度)を精査して、強引に隙を作る。銃で攻撃して爆撃を回避する。が、この方法だと、後、30分はこの状態だ。反撃は殆どできないだろう。それに時間を掛けられない。もし、兵士達が家に迫ったら、人質に取られる可能性がある。それはいけない。エメリアがここに来ない時点で、そっちのフォローをしてくれているのかもしれない。けれど、推測の域を出ない。せめて通信魔法があれば・・・・。
余計な事を考えていた為ら、急に背中に激痛が走る。
「痛!」
どうやら、強引に進もうとして、背後の聖絶の罅に気が付かなかった。それを皮切りに、修復不可能な所まで罅が入る。
「不味い!シャム!逃げれるか?」
「にゃー!(厳しいのでアール)。」
一応逃げる準備は出来ているらしい。確実に爆撃に巻き込まれるだろうが。仕方ない。
クラウチングスタートの恰好を取る。水魔術でざっと濡らす。爆発は高温だから、少なくとも火傷を軽減しようと思う。治せるけど治す余裕がないからだ。そして直ぐにその時が来た。
ガラスが割れる甲高い音が鳴り響く。その瞬間に走り出す。爆撃の中を必死にロドスに向かって走る。行けた!行けた!
隕鉄浮遊で鉄を足場に空中を飛ぶ。闘技場の屋根に立つロドスに肉薄する。しかし・・・・。
「があ!」
「馬鹿か、魔物が逃げられない様にバリアーが張られている。お前に逃げ場はない。」
思わず落下中に銃をぶっ放す。ロドスに1発、悪魔達に5発。悪魔達は眉間に銃弾を受けて消滅した。それでも一部。まだ100匹程いる。爆撃の恰好の的。つまりこれは・・・・・。爆発を集中的に受け、右腕が粉々になり、爆風で全身吹き飛ばされ、体がバラバラになった感覚がする。いや、良くみたら左腕も半分無くなっているし、足も右足がない。
「が、があああぁぁぁぁあああああいだあああああ!」
絶叫しながらも焦ってヒール。しかし、ヒールをしても次から次へと爆発魔法は飛んでくる。小さな聖絶を使って1~2個防ぐも、焼石に水。激痛で目がチカチカしてきた。
そして今は落下途中。勿論地面は近づくわけで・・・・・・。
腕にヒールをして復活させ、何とかアビリティーの”隕鉄浮遊”で落下の衝撃を消し、その勢いでロドスの方へ飛ぶ。足も左手も無い状態でバク転の様に回転する。が、ここで急に目の前が・・・・・暗く・・・・。不味い。このままでは殺される。けど、激痛に意識が・・・・・・・・・・。
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病院四階 ~死合いの部屋~
『奏ー。ちょっと強いよー。』
『エメリアは集中力無さすぎだって。』
『だって奏すっごく動くの早いもん。しかもその『ジュウ』?っていう武器強いし。』
『いや、これはそこまで強いというものでもないよ。弓に比べて命中と連射性能は上だけれど、威力は魔力を乗せにくいから物理障壁に弱いし、エメリアの風にも効果は薄いんだ。しかも、弓の様に同時撃ち、矢の飛ぶ方向の操作、矢に仕込む魔法糸とかのトラップ等々弓でないと出来ないトリッキーな事は銃では出来ないしね。』
不満そうだったエメリアに答えたが、今度はミルが不満そうに答える。
『もう・・・・嫌。ジュウってこっちが構える間に私腕千切れて抵抗すら出来ずに殺されるじゃない。もう嫌・・・・。いーーーーやーーーーーー!誰よ!秘密の部屋に入ろうって言ったの!!!」
『『ミルだったはず。』』
『エメリアの裏切り者~~~~~。』
ミルはまたいつもの様に発作のように泣き叫ぶ。まあ、死ぬ前までやって事切れたら、ヒールで復活できるようになっているこの部屋で、負けまくる=死にまくるミルは相当精神的に来るだろう。ヘクトールさんにもあまり勝てていない。というかヘクトールさんはヘクトールさんで結構強い。まあ、今の所20戦14勝、6敗だ。嵌め技さえなければ対処出来る。そう、嵌め技でなければ。6回とも嵌め技で負けました。串刺しです。うん。めっちゃくちゃ痛い。
『そういえばヘクトールさんってロドスと面識あるんですよね?』
『ええ、カナデ様の前に仕えておりましたから。まあ、今戦えって言われたら、勿論カナデ様に付いていくのでご安心ください。』
『え、あ、うん。ありがとう。』
思わず照れ臭くなってしまった。こんな風に言われるの殆どないから。今まで全て表に出る事は輝に擦りつけてきた。自分が矢面に立つのは経験が少ない。堂々とする方法が分からない。
『あれれーーー?カナデまさか照れてるのーー?魔王候補なのに、堂々としていなさいよ。私助けてくれた時は堂々としてたのに。』
『ちょっとミルー。これは奏の可愛い所なんだから、治さしちゃだめー!』
『お嬢、ミルお嬢様が言っている事の方が正しいと思います。それにお嬢が可愛いなんて言うから、カナデ様が本気で落ち込んでいるので、フォローが必要かと。』
『ヘクトールさん!そんなフォローはいらないよ!!』
全くもうー。ヘクトールさんは変な所鋭いから・・・・・・・。
『それで、ロドスってどんな戦闘するの?』
『あ、奏話題逸らした!』
『カナデ、愛しのエメリアちゃんに慰めてもらわなくてもいいのー?(ニヨニヨ)』
『ちょっとミルさんやー。本気で怒っちゃったぞー。構えろよ。』
『え、いや、ご、ごめんなさい。』
ミルのお父さんが失脚したのが、こういった能天気な所があったからだと言われている。うん。ミルさんの未来が心配になってきた。という事でミルさんを昇天させておいて、話を進める。
『ふぅ。んで、話の続きなんだけれど・・・。どうです?』
僕はヘクトールさんにどうなのか再び聞く。
『基本はデーモン系の魔物を召喚して攻撃します。状態異常は基本効きません。』
『それは元の耐性が高いから?』
『いえ、アビリティーらしい・・・・。です。』
『そうか・・・・・。シャムの呪いも効かないかな?』
『けれど、精神攻撃は効くかもしれません。』
『え?どうして?』
精神攻撃も状態異常の一環だ。つまりそっちも耐性があるって事だろう。しかし、精神攻撃に弱いとはどうしてだろう?
『どうやら、ロドス様が扱う魔王候補の能力は、魔物をただ召喚し、自分の状態を魔物に掛けるらしいという事だそうです。ロドス様のアビリティーが状態異常耐性を付与する物なのですが、精神状態異常耐性を与えると、どうも魔物達の制御が出来ないらしいのです・・・。』
『つまり、魔物を操っている事自体がどうも精神操作系の能力という事なの?』
急にエメリアが要約しだしたので、僕とヘクトールさんは驚く。
『お嬢、熱でもあるんじゃないでしょうか?』
『いや、これは世界の異常だ。明日は大嵐でも来るんじゃないかな?』
『ちょ、ちょっとー、ヘクトールさんと奏は私の事なんだと思っているのよー。』
『『頭が弱い。』』
『そう。よーく分かったわ。二人共そこに直りなさい!』
この日は二人してエメリアから逃げ回って三回くらい首刎ねられたっけ・・・・・。
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気が付くと、闘技場の壁に叩き付けられた所だった。肺から空気が漏れ、爆風により空気が吸えない。熱された空気を何とか吸い込めたと思っても、また爆風で飛ばされる。後少し、後少し。
「そろそろ諦めたらどうだ?」
急にロドスが言葉を掛けてくる。しかし、答える余裕が無い。爆風を受けて隕鉄浮遊で飛ばされていく。全身はもうヒールで治した。まだロドスは気が付いていないのだろうか?
「ん?さっきから何故当たっていない。爆風で吹き飛んではいるが、命中率が下がっている?おい、何した。」
答えられるはずも無く、爆音もかなり大きい。シャムのサポートも段々生きてきた。そう、精神攻撃で相手の狙いをずらしている。要は狙おうという気を削いでしまっている。そしてロドスの見ている風景と魔物が見ている風景の違いを利用した。魔物達が見ている風景を微妙にずらし、ロドスや仲間との視覚情報の違いから錯覚を起こさせ、本当の位置を微妙にずらしている。
相手からは、上手く逃れている・・・ように見えるわけだ。微妙に違うだけだから殆ど違和感は無いはずだったんだけれど・・・・。
「てめえ、まさか精神攻撃を?」
くつ!気が付くのが早すぎる。シャムが失敗したのではなく、ロドスが常に相手を観察し自分の弱点を理解しているのが原因だと思われる。だが、時間稼ぎは終わった!時間稼ぎの為と、仕掛ける前準備で攻撃に出たけれど、上手くいった様だ。ロドスに打ったのはカモフラージュ。デーモン達に打ったのは精神耐性破壊の魔術を銃弾に付与しており、ロドス達の目を僕に集中させたのだ。その間に、闘技場上空に銃弾で開けた小さな穴をシャムが広げて通り抜け、精神攻撃を2重で掛ける。ロドスの命令を聞くが、僕とロドスの位置を間違えるようにした。つまり、デーモン達は今、僕の事をロドス。ロドスの事を僕だと思っている。思い込むようにした。
一斉にデーモン達はロドスの方を向く。今の内に・・・・。だけれど、そう簡単にいくものでも無かった。デーモン達は思い思いに暴れだす。勿論こっちにも魔法が打たれる。やばい。これはやばい。まさか精神状態異常耐性をデーモン達に与えた?
「てめぇ、俺の弱点を突いたつもりかもしれねぇが、そんなのどぉって事ねぇよ。」
相変わらずデーモンは爆撃魔法を撃ってくる。が、その精度と数は激減していた。ロドスの所まで遠い。遠いのだ。また上に上っても闘技場のバリアを破壊しないと何ともならな・・・・・。
その時、凄まじい音が鳴り響く。ガラスが割れたような、引き裂かれたような音が鳴り響く。後ろを見ると、そこに、ヘクトールさんとメイドのミーさんが立っていた。
「カナデ様。助太刀にきたぜ。」
「ご主人様、病院はエメリア様に行って貰っております。」
「ありがとう!でも、あのバリアーを破壊してくれただけで、充分。ロドスと倒して魔王代理に直接文句を言ってやる!」
「ふふふ、あはははははははは!今まで手も足も出なかった奴が何を言っているのか。」
「そうでもないさ。今まで、病院が心配で、攻撃自体したら不味いと思って何とか逃げる事だけを考えていたけれど、あっちが無事なら後は僕だけの問題だ。」
「ふん、ヒーラーに何が出来るんだ。」
「ん?言ってなかったっけ?僕の立ち位置は・・・・。」
ロドスはとっさに背後をバスターソードで防ぐ。ロドスの背後に回った僕の蹴りを防ぐ。
「な!?」
「ちっ。」
今ので仕留められなかったのは痛かった。最初で最後の油断だったのに。
「そうか。得体のしれねぇ奴だと思ってたが、想像以上だ。ならこっちも本気で相手してやるよ。」
ぞわりと背筋が寒くなる。どうやらロドスはここからが本番のようだ。
現在エメリアを絵で書き中。イメージと違う所もあり、色々相談しております。




