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ヒーラー奏の立位置は?前衛です!  作者: 梅花 零度
異世界転移
30/118

戦闘準備(仮)

ーエメリアー


私の知る限り、闇竜族の攻撃に間違いないわ。

あの黒い靄。そして奏がいなかったら大変な事になっていた、黄色い『麻痺の霧』。


竜人族には集落で暮らす。その集落の数は3箇所。


聖竜族:主に属性のブレス・魔法を得意とする竜人族が住んでるの。

闇竜族:主に状態異常のブレス・魔法を得意とする竜人族が住んでるの。

スラム:どちらかからの村からなんらかの事情で追い出された竜人が住んでるの。悪い人たちじゃないん    だけどね?


とにかく今回攻めてきているのは、闇竜族の竜人。闇竜族の村からなのか、スラム村の闇竜族なのかは、分からないけれど、あの状態異常攻撃は厄介ね。


今回状態異常を村の皆が受けてしまったけれど、本当はおかしいのよ。だって竜人は状態異常も属性攻撃にも耐性が大きいの。だから聖竜族と闇竜族のパワーバランスが取れている。


でも、今回それが仇となった。

状態異常が効かないから、効き始めた時点での対処法や対策を練っていなかったのよ。だから村の皆は動けなくなってしまったわ。


「奏。私あの人達のこと許せない。村の人達にあんな事して・・・。」


「エメリア、心はホットに頭はクールにだよ!」


「え?なにそれ?」


「要は相手を倒そうという気概はそのままで、行動するときは良く相手の悪い行動に対してどう対処するかを考えて、分析して、自分ならこうするだろうという事を予測して行動しよう。」


「え?難しいわ。」


「だったら、あの靄になんの意味がある?」


「え?皆を毒にするためじゃないの?」


「いや、麻痺の霧が効かない時点で、向こうはこちらが状態異常に対して、有効なのを知っている。つまり、目的は別。目くらましとか。」


「目くらまし?」


「エメリア上!」


「きゃ!」


奏が上と言った瞬間、霧から槍が飛んできた。


なかなか警戒して入ってこないのを焦れたのか、槍で攻撃してきている。

確かにこれならどこから攻撃が来るのか分からないし、攻撃したら直ぐ移動されては攻撃を当てられないから、とっても有効いやらしい攻撃ね。


そして周りをみると・・・・。


風使いの竜人は私以外ほぼ槍にやられていた。あの霧の中に入っていった竜人も皆やられてしまっている。


「風で吹き飛ばされるのを嫌って、先に!」


「エメリア、・・左!」


キン!という音が鳴り響く。


「なんで奏はどこから攻撃がくるか分かるの?」


「もちろん探知魔法を使っているからね。」


探知魔法?

後でしっかり教えてもらわなきゃ!


「とにかく風で吹き飛ばしたいんだけれど。私一人の風じゃあ、飛ばせれない。」


「じゃあ言ったとおり風を送りこんで!」


すると奏は耳打ちをする。少しドキドキしたけれど、内容を聞いて分からなくなる。


「え?そんな方法じゃあこの靄はほとんど・・・・・」


「大丈夫!とりあえずやってみて。集中している間、君は僕が守るから。」


飛んできた槍を三つ弾きながら言う。あのラスプラスを倒した時から思っていた。

この人は異常なんだと。だって、人族に・・・それもとんでもなく低いステータスで、飛んでくる槍を弾き飛ばすのは、本当は不可能よ。膂力が違いすぎる。


「大丈夫!君は必ず俺が守る!奴らはおれから目を逸らせない。」


「まさか!」


また奏は前衛にでるつもりなの?



「俺がいる限り!全ての状態異常は!効かん!竜人よ!安心してくれ!」


敵の目が一斉にこちらを向く。いいえ、私の前に立つ奏に注目が集まる。だって、相手からしたら毒の霧が充満しているこの場所で奏が死んだら、私達は再び抵抗も出来ずに殺す事が出来る。

見るからに弱い。

直ぐに排除できる雑魚。


注目を浴びないわけが無い。


そして、何本も槍を弾き返している為、一斉に襲い掛からなければならない。


けれどここで私が躊躇してなんになるの?


私は魔力を練る。

この町一体を渦まく様に。上から下へ。

右回転・・・上空の風を下に吹き降ろして村の中心から外へ。

吹き降ろされた風が地面に当たり外へ散って行くように。


私一人の力では時間がかかる。

速く。でも少しでも集中が途切れると失敗してしまうから、慎重に。


そんな簡単に竜巻は起きない。

けれど・・・。やるしか無い!

奏を信じて集中する。大丈夫!ラスプラスの時も大丈夫だった。

なら今回も信じてみよう。


一縷の希望に掛けて魔法を発動する。早く!速く!




****************************


ー奏ー


エメリアが魔力を高めている。


エメリアに教えたのは、高気圧の真似事。

水の流れ、風の流れで、大よそ日本と風の回る方向が同じなのは分かっていた。

南半島だと、風の渦巻き方向が逆になるからね。


それと、毒の霧は空気より重い。

だから高気圧の様に回転させながら風を吹き飛ばす。


エメリアの慕っているおばさんが洗濯物を干していた。

つまり元々晴れていたってことになる。高気圧が近くに居た証拠じゃないだろうか?


上手くいくかは分からないけれど、とにかく自然の力を借りて、風魔法を使用すれば・・・。



「魔法発動!『サイクロン』」


エメリアは風魔法を発動させる。


すると毒の霧が晴れていく。


「あ、あれ?思ったより風の威力が・・・強い?」


どうやら成功したみたい。


そして毒の霧が晴れて・・・・・そこには。三体の竜がいた。


明らかに槍を投げてた竜は3体程度ではなかった。


探知してみると、後ろの方に後退したようだ。


雑魚は後ろに下がって、強い個体が前に出て来る。


なるほど。相当に強さに自信があるという事か。


「我が名わベルモーティー。猛毒の竜。翼竜種なり!」

「我が名はモルモカルラ。麻痺竜の蛇竜種なり!」

「我が名はベルモレ―ティー。弱体の竜。翼竜種なり。」


突然の方向に皆たじろいでいる。


こちらに絡めては効かないと分かって出てきたようだ。

まだ戦闘が続くのか・・・・。エメリアは魔力の使い過ぎで動けない。


他の聖竜人は疲労、負傷している。

対してあちらは、戦力がまだまだ温存されている。

これはとてもじゃないけど、戦力が不足している。どうにかしなくちゃ。


なにか手はないか?プレートを見ると・・・・。

スキルが変化していた。


『m』というスキルがなくなり・・・・・。


代わりに出来た能力が・・・・・・。





「・・・・・・・・・・・・・・。」


「奏?プレート?見てどうしたの?」


「『魔王候補者』」


「へ?」


「『m』とかいうスキルが、『魔王候補者』ってスキルになっている!!!!!!!候補者ってなに?」


「さ、さあ?」


「あのー、そこの人間。そろそろ初めてもよいかの?」


なにか聞こえたが、気にしない。


「「なにこれーーーーーー!」」


次も1週間後になります。

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