クラスに問題発生ー司
モブの一人
秋竹重光
ー重光ー(3バカトリオの財力、権力担当)
オレッチはたけお君が嫌いだった。苛めて来るし、金を巻き上げて来る。
オレッチはたけお君が好きだ。あのとき助けてくれたから。助けてくれた?から........。
オレッチの家は重工業の社長の息子。金持ちのボンボンとまでは行かないけれど、ある程度のランクの高級ホテル程度なら、買う位の金はあった。
将来は会社の社長を継ぐため、勉強も鮨詰め状態だった。日々が褪せていた。パパの口癖が『世の中には三つの力がある。1.財力、2.権力、3.暴力』だ。父曰く1と2さえ有れば、暴力は金で買えると。
高校に入るとオレッチはすぐさまたけお君に目を着けた。それが悪夢の始まり。
「そこの体格がいい人。ちょっとオレッチに雇われる気はないかな?」
「あ?」
周りの人達はやっちまったよあいつ...とか言っている。後で調べたら、中学で素行の悪さ(主に暴力)で評判だった。そんなこと知るわけがない。故にオレッチは一番声を掛けてはならない奴に声を掛けてしまった。
「なんだよ!おめー。」
「小遣いをオレッチがあんたにやるから、あんたはオレッチを守れ。」
「金くれるならやるぜ。」
よし、パパの言う通りだ。金の力が物を言う。が、それが失敗だった。
数日後迄は、虎の威を借る狐。つまりたけお君がオレッチについて来る。それだけでいい気になり、ついたけお君をパシリにしようとした。
「なあ、あそこの購買で焼きそばパン買ってこい。」
「............おい、てめぇ!何様だこら!」
いきなり殴られた。訳が分からなかった。
「な!オレッチが誰だと思っている!もう金を払わないふべ!」
また殴られた!なぜ?何が起きた?主人を殴るのは?何故何ゆえに?訳が分からない?
「俺の子分がデカイ面してんじゃねー!」
ナニイッテルンデスカ?コイツ!オレノコブン?俺の子分?誰が?何の話をしているんだ?
「何ボケー!ってしているんだ?」
「な!なにを言っているんだ?オレッチが金払っているんだから、オレッチが主であろう?」
「あっそ。そういう事か。分かった。あんたの有り金置いていきな。じゃなきゃ殴る。」
何言っているのか分からなかった。が、このままでは殴られる。どうにかしないと!
「わ!分かった!金はやるから、殴らないでくれ!」
「あ?」
「な、殴らないで下さい......。」
「よし、分かった。」
財布を取り上げられ、財布の10万を取られた。今日丁度財布の中身が少なくなって来たから、引き出す予定だった。まだ助かった。
たけおはクレジットカードを抜き取った。
あ、終わった..........。
たけお君とは帰らない。ぼーぜんとして歩いていると、前に人影が。
「おいおい坊っちゃん!叩けば金落とすって噂は本当かね?金だけに!くっははは!」
「「「ふふははは!」」」
三年の不良集団。それも筋金入りの。
たけお君の噂を聞いたらしい。
奴がオレッチを金の鴨にしようとしているんだ。
「同じクラスのたけおに全部取られたからないよ。」
「ん?なら家に取ってこいよ。今すぐ。」
アホか?コイツ?オレッチが何でそんなこと。
「何でオレッチがそんなことしなくちゃ.....。」
「.................ふ、ふはははは!これは体に刻まなきゃな!」
思わず思ったことを言ってしまった。僕のミス。逃げようにも周りを囲まれている。
「ふん!まずはそのむかつく顔から!」
思わずめをつむる。そしてその時が来た。ばしゅ!
変な音がした。痛くない。恐る恐る目を開けるとそこにはたけおがいた。
「おい、子分!カードの番号わかんねーから、てめぇに返すわ。それと、てめぇは俺の子分だ。俺から離れるな。」
オレッチは目を疑った。先輩複数をものの10秒ほどで四人倒してあっけらかんとしている。まさに3.暴力!
この出来事から常に一緒にいるようになった。
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ってぼくっちの過去編とか読み飛ばされてるよね?
でも回想しないとこの異常さは伝わらない。所変わって異世界にて。
今たけお君は虚ろな目で風呂場を掃除している。
あの女が何かしたに違いない。良く見ると他の男子の中にもちらほら虚ろな目になっている人達がいる。
「お風呂キレイになったー!?」
「ま、まだです!超特急でやってますのでもう少しお待ちくだせぇ!」
あの女が風呂場に来た。やらせている張本人である。掃除当番を有ろう事か、たけお君、ぼくっちにまかせて(やらせて)お風呂の用意。当番はそっちなのに....。
「は、や、く!頑張って!せーんぱい!」
「ふわぁ!頑張ります!」
可笑しい、おかしい!たけお君がこんなになるのは!女をきっ!と睨むと。
「あ!こっちの先輩はまだだっけ?」
「ぼくっちも頑張ってますよー!」
いけない!悟らせてはいけない。不可思議な能力で操られる!
「ほーんとー?」
「ええ!あなたの為に頑張っちゃってますよー!」
「えへへー!そっかー!君も私のスカートの中見たんだ。」
どうやらそれがトリガーらしかった。恐らく魅了する能力。そして操る能力。一見受けてみたい気もするが、たけお君を見ていると、そんな気も失せる。
早く伝え無くては。恐らく伝えれば何とかしてくれるのは.........。
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ー司ー
「ねぇ。輝!奏の事で落ち込むのは分かるけれど、元気出しなさいってば!奏は生きている。それだけで充分じゃない。」
「何でだよ!あのステータスじゃあ!」
「何度も言ってるでしょ?奏なら何とかなるって!あんた本当に奏好きよね?恋人同士?」
「ああ!」
「......即答...。わ、私そういう趣味とか無いんだからね!」
恋人同士に即答とかちょっと輝の奏依存症がヤバい。どうにかしないと!丁度いい機会だったかも。まさか奏は狙って失踪する事は無いと思うんだけれど。まさかね。後、私に発酵属性(腐女子)は無いんだからね!無いったらないのー!!
「ひ、輝!あんたにお願いしたい事があるんだけれど。」
「ん?なんだ?」
やっと奏からはなれたかー。
「俺に依頼って奏の捜索隊編成の....」
「奏から離れなさい!!」
ったくもう!世話が焼けるんだから!奏の事から早く切り替えさせなきゃ。今は。別の問題があるんだから!
「最近、南ちゃんが男子に襲われたの!今まで普通だった男子がおかしくなっちゃって!」
「ふーん。そっか。ちょっと調べてみる。」
「うん、お願いね!南ちゃん怖がっているから!」
これからトラブルが山積み!何とかしないと!
秋竹重光
魔法使い
アビリティ:土殻金也
過去:オレッチ
今:ぼくっち
たけお君のせいで心折られ、変化したように思われる。