夜が開けて二日目
ダンジョン攻略参加前迄です。
アマリリス クルシュを途中迄別人の名前で書いていた赤っ恥!サハルとか名前見つけたら、完全ミスなのでお願いします。
ー奏ー
朝起きると僕はボーッとしてしまう。眠い!ダルイ!
隣を見ると輝が寝ている。
昨日は輝のイタズラで大変だった。南さんは飛び込んで来るわ、黒木先輩はわんわん泣き叫ぶわ(ギャップ萌えとかわしていない、してないったらしてない!)もう大変だった。司の怒りが収まったのが、夜中の2時位。怒りの炎を消火して、寝たのが2時半。今が6時なので....えっと計算めんどくさい!
ノロノロと起き抜け、布団から出ると部屋をノックする音が聞こえた。
開けるとクルシュが立っていた。
「おはよう!奏!ちょっといいかのう?」
「あ、はい!ちょっと待ってて下さい!直ぐ準備します!」
そう言って準備して戻ると図書館に連れてこられた。勉強の約束が8時からなのでどうした物かと思っていると....。
「やはり奏よ。お主我が屋敷の執事をやる気はないかの?無論強制はせぬ!」
「はい!誠に光栄の極み!丁重にお断り致します!」
「ふむ!よい返事を聴けて...文脈無視!?言葉の前半と後半違う気が....。」
「俺は輝や司を支えて行きたいのです。輝はひとりでも何でも出来ますが、周りの事となると爪が甘い
し、司は自己犠牲が過ぎるのと、後先考えず突っ込むので...。」
そこでクルシュは一度考えてから首を捻る。
「しかし、自分のステータスは知っておるのだろう?」
「ええ!それが何か?ステータスが低いだけですよね?」
「そ、それが重要なのじゃ!お主はそんなこと分からないアホゥでは無いと思っておったのじゃが...。」
確かに一理有る。有るがそれが全てではない。この世界のシステムに限っては。
「僕はステータスが低いです。ですが、戦闘とはそれだけではないですよ?」
「知った風に言うのじゃなぁ!なら今日は奏!お主もダンジョン探索に出てはどうかの?由利子先生には言っておくからのぉ!」
「分かりました。どっち道どこかのタイミングでダンジョンに潜入するつもりだったので....。」
そう言うとやっぱりかという顔をしている。それを阻止するために執事という戦闘から離れた仕事をくれようとしたのだろう。昨日の事も有るには有るだろうけど。
「お気持ち感謝します!ダンジョンに行くならそろそろ準備しなくちゃいけないので。失礼します!」
「付き添いの冒険者一人監視につけるから必ず帰って来るのじゃぞ!まだケーキなるものも食べておらぬのだからな!」
「そ、そっちですか...。」
お互い笑いあってから、部屋を出た。
そのまま自分の部屋に戻ると、輝が起きており、司も部屋に来ていた。
「おはよう!」
「お、おはよー...」
「あ、奏!おはよ!」
僕が挨拶すれば輝と司が返してくれた。
何か話ていたようだけれど....まあ、いいや。こっちの用事を済まそう!
「二人ともいきなりで悪いんだけど。俺ダンジ....」
「奏!今日はダンジョン来なさい!」
「由利子先生の説得は俺に任せてくれ!」
なんだ。二人とも俺がダンジョンに行けるように画策しててくれたのか。
「あ、ああ!今さっきクルシュにもダンジョン探索の許可貰ってきた。」
「!ほんと!?じゃあ後は、由利子先生だけね?」
「流石手が早い奏!疾手の奏だな!」
「な、なんじゃそりゃ!」
司が輝をにらみつつひっぱたいた。昨日の今日なのによくやるなぁ....。
準備しつつ三人は広間に着いた。朝食を食べようと朝食のお盆を持って席に付くと、由利子先生が入って来た。
「癒吉くん!隣失礼するわね!あなた今日領主様にダンジョンに出ると言ったそうですね?」
由利子先生は怒涛の勢いで隣に座る。ちょっと怖いんだけど。あ、でもちょっと良い臭い...。
「は、はい...な、何か問題でも?」
「大有りよ!ステータスがどうとかあまり分からないけれど、あなたは戦えるような力は無いのでしょ?ならあなたはここに残るべきです!」
やはりそう来たか。それと敢えて先生が勢いで捲し立てている。その方が押しきれると思ったらしい。
「嫌です!僕はダンジョンに行きますよ。先生がなんと言おうと...。」
「な!駄目よ!とても危険なのよ?何人か昨日の時点でダンジョンに入らないように禁止していますから。指示に従って下さい!」
由利子先生が言うのも当たり前だ。だって生計を立てるべくダンジョンに行くのに、死んだら意味がない。でもまさかいきなりダンジョン攻略参加禁止メンバーを二日目で篩にかけて来るとは思わなかった。
「せめて今日は行かせて下さい!それで足手まといだと言うのなら、出入り禁止にしてもらっても構いません。」
「....わかったわ。その代わり危険だと思ったら直ぐに止めますから!」
「分かりました。それとクルシュさんには監視を付けると言われたので恐らく安心でしょう?」
監視を付けると言っていたので、こういう状況に陥る時の為の布石なのかもしれなかった。やはり人の上に立つ人だ。由利子先生の行動迄見越しているとは。
「わ、かりました。そこまで...言われたら、仕方有りませんね。失礼しました。」
「先生よかったら一緒に食べませんか?」
輝よ!お前の方が手早くないか?と思って由利子先生を誘った輝を見れば、由利子先生を落とせば行きやすくなるかもよ?なんて顔をしてくる。足の脛を蹴ろうとしたが、澄まし顔で避けやがる。
「そ、そうですね!そうしましょう!」
あのーせんせい?ちょっと顔赤いよ?輝に脈有り?
すると輝はそんな訳ないだろー?という顔をしている。男女問わず結構人気の高い先生だ。
先生が席に付いて食べていると南さんと黒木先輩が入って来た。
「おっはようございます!先輩達!先生も!」
「おはようございます....。」
南さんは気にしてなさそうだけれども、黒木先輩は気まずそうにしている。
あれだけはしゃいだのだ。ばれてなくとも気まずいだろう。ただ、実は先生は生徒の出禁リスト作成に頭を唸らせていたし、輝の防音により気がついていなかったりする。
「おはようございます!黒木さん、南さん!」
「私達も一緒に良いですか?」
「勿論よ!」
「早く料理持ってきなさい!あ、今日は魚美味しいよ!」
「私もそれにする!」
「じゃあ...私も。」
二人とも料理を取りに行く。しかし司が勧めた魚は自分にはもうちょっと味薄めが良かったなぁ!と思いた。
皆席に着いた所で、南さんと黒木先輩に僕もダンジョン攻略参加する事を伝えた。
「ええー!昨日奏パイセンのステータスそれなのに出るんですか?」
「ですよねー!そう思いますよね?」
「先生そんなこと...ない。」
南ちゃん・・・・パイセンって。意外にも黒木先輩が擁護してくれた。
「黒木さんどういう...。」
「奏くんはヒーラー。前に出ない。」
「そっか、確かに何の攻撃を受けなければ!」
「「「え?」」」
黒木先輩の説明に由利子先生が納得仕掛けた時に、俺、輝、司が思わず声を上げた。
「い、いや、先生。分かりますけど、そう簡単でも無いんですよ?」
「ヒーラーって回復魔法使うと、魔物から優先的に狙われてしまうんです。」
司が否定し、輝が解説する。何故だかそうなる。ヒーラーとは防御を上げまくってからか、タンク(盾役)が固く、且上手く立ち回らなければならない。またヒーラーの回復が間に合わなければならない。それだけではなく、敵が複数の場合特にヒーラーはタンクより狙われてはいけない。これをオンラインゲームだとヘイトを稼ぐ、とか言うんだけど。
その辺りを由利子先生に説明してみた。
「つ、つまり誰かが盾役で、その回復を諭吉君がやるんですね?」
「そんな感じですね。」
「因みに盾と攻撃は俺がやります!安心してくれ。奏!お前は俺が守る。」
「......」
うーん何か釈然としない。何か勘違いしてるようだが。輝よ。
「ん?勘違い?何か違うのか?」
「ん?な、何でもない。ボーッとしてた。」
「もう奏はいつも考え事してるよね。ダンジョンでも大丈夫?」
「え?ああ!大丈夫だって!」
皆がジト目で見てくる。大丈夫だってば。
「ま、そろそろ時間ですし、お手並み拝見ね!」
由利子先生はさしも期待していないようだった。
そのまま食器を片付けに行く。
「何?あの先生の態度。」
「司!落ち着いて。確かだけど先に先生の好意をはね除けたのはこっちなんだから。」
「確かに...。さて時間だし行こっか!奏は装備揃える為に一回武器庫に行くんだろ?」
「あ!急がないと!」
俺は急いで武器庫に行くと、そこには誰も居なかった。どの武器使って良いのか分からなかったけれど、鉄製の武器が置いてある。クラスの皆はそれぞれこの鉄製の武器を使って魔物の素材を売りつつ、装備を揃えて行くんだとか。俺はその辺にあった杖を持った。が....。
「何かしっくり来ないよなー!」
鉄製の武器をしっくりしたのを探していたら、籠手のような物があった。何故かそれに引かれて填めてみたらぴったりだった。
「これ良いなぁ!よし!これにしよう!」
後は杖だな。....っと時間無かった!急がないと!
今は手に持っているこれで行こう!
この選択が、死ぬかもしれない出来事になるとは知らず。
ハアハアはあー!
まっ間に合った!
「おっそーい!パイセン何やってたんですか?」
「ご、ごめん。ぶ、武器選んでたんだよ!」
南さんに怒られながらも列に並ぶ。全速力で来たのに。ちょっと理不尽だが、これ以上反抗は辞めておく。それより全速力で走ったので気持ち悪い。
「皆集まったようだな!昨日より人数が制限されておるが、今日は10層迄行こうと思う。」
僕、司、輝、黒木先輩、南さん、由利子先生、3バカトリオ、南さんの同室の三日月さん。
「よーし、今日は皆一人一人違う固有能力が有るはず。
これは個々に見つけなければならない。確か昨日固有能力を見つけたのは二人だけだったな!」
二人とは輝と司だった。何かこの二人。別格らしい。由利子先生は少し悔しそうにしている。
さて、俺の固有能力何かな?
「でわ、皆並びなさい。昨日見つけられなかった者達が多かったので、用意した。これからこの筆に固有能力という文字を書くと、各々の固有能力の名称が分かるのだ。但しあまり他言はしない方が良い。これは個人の戦いに置いて有利に立ち回る為だな!」
来た来た来た!ここからが挽回のチャンスでしょ。
ステータス低い代わりに何か強力なの着いてるんじゃなにの!神様そうでしょ?そうなんだよね?
『陰鉄浮遊』
きたー!何?陰鉄って何?浮遊?
「ぱ、パイセン!浮いてます!浮いてます!」
「え?」
確かに少し浮いてた。魔力も何も無しに浮いてた。
ええ?これだけ?
「おお、能力名見た瞬間に出来るとはな。ただ、ちょっと空中に浮くだけの能力か。」
「「「「奏...。」」」」
輝と司と黒木先輩は残念そうな目で見てきた。
「よっしゃー!!」
「「「え?」」」
俺はもう大はしゃぎ!だって浮遊だぜ?空飛ぶ能力って強くない?しかも見た感じ何も消費無し。
「空とべるんだよ?強いでしょ?そら!」
30センチ浮いた状態から上に上がら無かった。
「あれ?浮遊!」
...何も変わらなかった。
「ま、まさか!これ以上飛べない?」
「ど、ドンマイ奏。きっと空も飛べるはず。そんな歌あったろ?」
「輝!それ言いたいだけだよね?」
どうやら、期待外れのようだった。
次は暫く更新空くかもです。スミマセン