来襲
どこかでまたキャラ紹介します。
ー奏ー
はい、今拳いただきました。恐らく回りから僕をみると、綺麗に吹き飛んで錐揉みしていると思います。胸倉をつかんで揺すられております。
「てめええええええー!」
「や、やめてー!」
助けを呼ぼうが、ここはスラム街のしかも裏路地。どうしても人は騒ぎから遠ざかる。頼みのエメリアも、ヘクトールもいない。
相手はかなりの筋力値みたいだ。僕みたいにやっと100行った雑魚ではかなわない。ちなみにこの世界のステータスは元々の世界の力や魔力を入れない数値らしい。だから、筋力のステータスが同じでも、力が違うということもある。まあ、魔力は0だから数値通りなんだけれど。
けれど、今僕の胸倉をつかむ鬼はどうやら元々も数値が高い。絶対に負ける。というか、その辺の子供にすら腕相撲で勝てない・・・・。この前も家の病院の子供に殴られて吹き飛んで壁に激突した。
向こうはどうやら説得?を諦めて僕を袋に入れてしまう。
鬼と幼女という訳のわからない組み合わせが僕を拉致る。
このわけの分からないまま、僕は暗闇の中で暫く身動きができないまま時を過ごしていた。
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ーエメリアー
「うーん、奏帰り遅いなー。」
私はレストランを設営する準備を終えて帰ってきたら、普段は帰ってきている奏がまだ帰ってきていなかった。ちなみに時々遅いこともあるけれど、必ず連絡があった。
「お嬢!どうかしましたか?」
ヘクトールさんが家の中から声をかけてくる。どうやらとっくに日が沈んだのに私が家の外で周囲を見ていたから気にかけてくれたんだと思う。でも、私はヘクトールさんを振り向くけれど、サーチはそのまま行っていた。
「奏がまだ帰ってきて無いの。もう、友達がいるのに・・・・。」
「ああ、でも旦那は時期に帰ってくるんじゃないか?」
ヘクトールさんはあっけらかんとしているけれど、どうも首の後ろがちりちりするわ。
「やっぱり私気になるわ。ちょっとお城までの道のりを見てくる。」
「お、おい。気を付けて行って来いよ。何かあったら連絡を!」
「うん!」
私は声の出る通信魔石をヘクトールさんに見せる。これでヘクトールさんには直ぐに連絡がつく。逆に入れ違いになっても直ぐに分かるわ!
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城、城下町、美鈴やふぇりちゃんの家、ロドスの修練場、街はずれの教会、奴隷商の店、飲み屋さん、洞窟のダンジョン(温泉)、探検者ギルド、近くのダンジョンを回ったけれど、ついに見つけることができなかった。
必死に探したけれど、どこにもいなかった。誰かに拉致されたのかもしれない。
私は家に一旦帰ろうと家から近いところに降りる。空を飛ぶのは夜になると危険だからなるべく歩いた方がいいの。するとふと目に家に帰ろうとしている親子が移った。紫の髪に緑色の線が入ったお母さんと、これまた紫色の髪をした女の子だった。そういえばシャムを追跡したときにいたわ。あの女の子怖がっていたわね・・・・。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
なぜだろう?何か見落としている?首の後ろがチリチリする・・・・。
首を摩っていると、その親子がこちらを見ている。それに気が付くと何となくバックステップをする。
すると、石畳からうねうねと蔓のようなものが飛び出してくる。けれど、植物のような感じじゃなくって・・・・・。そう、鉄で出来ているように真っ黒な不気味な蔓・・・・。
「な、なにをするの?」
「あら、あなた。確か新魔王の側近よねー?」
「おかあさん。この子を人質にしようよ。そうしたら新魔王なんて簡単に動くよ?」
「あら、賢いのねー。じゃあ、この子をとらえなきゃー。シェイド魔王様の為に」
しぇ、シェイド魔王様?
「なんなのよ!あなた達!奏をどこやったのよ?」
こんなに怪しい奴がいるなら、犯人に違いないわ。とっちめてあげる。どうやらこの親子は外見とは年齢が違うみたい。あの小さい女の子に見える人はどうやら私よりずっと年上・・・だと思う。
私は刀を抜いて切りかかる。それをお母さん?の方が細剣で防いで来る。すると、その細剣がうねり出して鞭のように刀を縛ろうとするから私は全力で下がる。相手の能力が分からないから迂闊に攻撃を食らうのはまずいわ。
しかし、お母さん?は気が付くといつの間にかその細見のような鞭のような物で私を縛っていた。
「え?」
その鞭のような物に触れた瞬間に体から自由を奪われる。刀で弾いてもダメ?どうやら刀でつばぜり合いをした後、バックステップしている時に暫く意識が飛んでいたんだと思う・・・。それを示すようにバックステップをしていなかったら、地面から出てきた蔓で縛られていたわ。
「ぐっ。」
「無駄よ。私のスキルは触れた者、またわその所有者の物に触れば何かしらを封印するアビリティーよ。」
どうやらここまでのようね。全然抵抗が出来ない・・・・・。
「私はここまでね。」
「私は?」
抵抗出来ない私は地面に倒れ伏しながらにやりと笑う。だって・・・・。
「閃光剣!」
轟音と共に光の奔流が迸る。そうして鞭?が消える。
「大丈夫?エメリア!」
「めりちゃん、何があったの?」
そう、奏の友人が遊びに来ている。その友人は輝と司ちゃん。
「よくもエメリアを!ん?」
「私の友達に手を出した罪はおも・・・・え?」
急に二人は微妙な声を出す。そうして二人とも信じられない物を見るような顔をした後、司ちゃんと輝はお互いの顔を見る。
「「先生!」」
おそらくお母さん?の方だろう。その人は急に不機嫌が顔をしだす。
「あなた達まで私を先生と呼びますか。私は天から魔王様に呼ばれた聖なる存在ですよ?先生ではありません。」
「な、なにをいっているんですか?由利子先生!俺ですよ!高枝輝です!」
「輝ハウス!」
由利子先生に近づこうとした輝を司ちゃんが止める。すると、地面からまた黒い蔦が飛び出る。ワンパターンだけれど、分かりずらい。それにあれは奇襲という隙を作る為の攻撃。本命は・・・・。
「輝!右右左、右ターン」
輝はその通りに避ける。どうやら私の第二のアビリティーが発動する。奏によると女神?が関係する力らしい。私は魔王か勇者を他の女神から独占するために色々したらしいわ。なんとなくしか覚えてないけれど。でもそのお陰で、私に都合のいい未来を得るために取るべき選択肢が分かる。
「ち、めんどくさいなー。ぶー。お母さん一旦引くよ。奏もいないし・・・。」
「ええ、分かったわ。転移。」
すると一瞬で魔法陣が組みあがり、消えてしまう。
「ちょおっと待て!」
幻影魔法で背後に回った司ちゃんの蹴りが空を切り、転移魔法を無効にする魔法が失敗に終わる。
「一体なんだったんだ?」
「由利子先生・・・・・。」
二人がちょっと落ち込んでいるようだ。どう声を掛けたらいいんだろう?
「「こっちで子供出来たってことは、こっちで誰かと結婚した!?なんで呼んでくれないの!!?」」
二人は急に夫のドメス何とかバイオ?とか子供作りしすぎたとか、卑猥な話はやめろとかわいわい騒ぎだす。二人に追いつけない私って・・・・。
なかなか時間取れなくて申し訳ございません。四月までこんな感じです。
ご容赦ください。