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ヒーラー奏の立位置は?前衛です!  作者: 梅花 零度
魔王選抜編
106/118

魔王

急ですみません。伏線回収を出来ない事もありましたけれど、今回の話で魔王が決まります。魔王の条件は5人の候補生が、人気、緊急時の対応力、力の三つを競い、一番強い者が魔王になる事が出来ます。

ーレイフォードー


 僕は姉さんと部屋で仕事をしていた。

姉さんと僕は同じ部屋で仕事をしている。同じ領地(二人分を同時に)を役割分担で管理している為、相互の情報は重要となる。つまり、直ぐに分からない事は聞き、間違いの訂正や部下の報告が一括で済むなど、とても効率的だ。



「姉さん。この書類だけれど・・・。」

「ああ、印鑑を押しておいてくれ。なーに、ミルは信用している。心配はないさ。」



 カナデの領地経営に行ってしまったミルという女の子だ。青色の髪の素朴な少女という印象なその子は、元々男爵家の令嬢で、悪行をしていた伯爵を弾劾したことでお家取り潰しになった。因みにこの事は後日報告されたのと、何故か姉さんが承認したという印鑑が押されていたため、反故に出来なかったのだ。



「あ、この子は姉さんが適当に印鑑押して捨ててしまった・・・。」

「な!違うと言っているであろう。あれは他の書類になっていたのだ!それがいつの間にかあの書類に中身がすり替わっていたんだ。」




 姉さんが本気で言っているのは分かる・・・・。僕も冗談で言っているのだ。勿論理由はある。僕の能力で心を読むには、実は頭で思い描いている事しか読めない。意識していない事は分からないのだ。しかし、例外もある。実は動揺している時のみ深層意識まで読み取れる為、時々こうやって何か不安は無いか探っているのだ。今はカナデの事で頭が一杯のようだけど・・・・。




 その時、ブザーが鳴って、執事が対応しに行った。双子の兄弟のようで、見た目そっくりな弟がお客対応しに行った。




「どうやらカナデ様のご訪問のようです。」

「そうか、通して。」

「承知いたしました。」




 その後、カナデと僕と姉さんは会談した。



・・・・・・・カナデはとんでもない事を考えて来る・・・・。




*******************************


ーロドスー



 今日も今日とて良い鍛錬日和だ。そんな俺の所にカナデが来た。また商売の話だろう。応接室に通して俺は今日の商談はどうする?って言ってやった。が、違った。商談じゃなかった。魔王候補戦に関する事だった。


********************************

ー布敷ー


 私は奏の家に行ったわ。・・・・・。いない・・・・・・。自分の屋敷に帰ると、奏が待っていた。取り合えず、奏をお姫様抱っこしてベッドに寝かしたわ。・・・・・・・さあ、愛し合いましょう!え?違う?奏がここに来た理由はやっと結婚してくれるからじゃ・・・・。



**********************************

**********************************


ーパルテノンー


 今、私の目の前にはカナデ達魔王候補が集まっている。けれど、いつもの・・・・私たちの候補戦とどうも雰囲気が違うのよねー。和やかというか、競い合う気が無いっていうのか・・・。




「あらー。皆とっても和やかねー。」

「これからちょっと仕掛けるので・・・。」



 カナデが意味の分からない事を云う。まあ、どうあがいても変わらないわよね。



「まあ、どうでもいいわ。現在の順位はカナデ10000pt、レイ8320、フェリド6705、ミスズ4325、ロドス200ねー。これから戦闘の候補選を行うわー。」


 すると急に全員が挙手しだす。


「「「「「いっせーのーで!降参します。」」」」」

「へ?」


 全員にポイントが入らない。これは完全に予想外だったわー?全員結託して試合放棄とか意味が分からないのよー。


「でもなんでー?」



 どうしても分からないのよねー。どうやらどうしても人気投票で決着を付けたいようねー。



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・。




「えっと・・・これは・・・・。」

「早く報告してください。」

「え、ええ、まず、


カナデ 0pt


レイフォード1680pt


フェリド3295pt


ミスズ5675pt


ロドス9800pt




・・・・・・・・これって。これってー。仕組んだのー?」


「何の事でしょう?」


 人口がこんなに少ない訳がない。それどころか選挙なんて参加率80%を超えているのよ?いつもなら・・・・。先ず、カナデに0ptってないわよね。全員足して丁度10000ptってあり得ない・・・。いや、そもそも私しかポイントを知らないのにどうやって操作・・・・。あ、レイフォード!私がレイフォードを見ると、可愛く首を傾げる。なるほどー。レイフォードに私から点数を引き出して、民衆を扇動して点数を調節する・・・・。



「してやられたわ・・・・。」

「悪いね。魔王代理。いえ、パルテノン大公殿。」

「で、延長戦に持ち込んで如何したいわけー?レイフォード君。君は心を読めるからその先を考えていないとは思わないのだけれどー・・・。」


 すると、カナデはしてやったりと笑って魔王城の窓に向かって歩く。そして扉を潜る。私もついていく。すると、民衆がひしめき合ってこちらを見ている。ガヤガヤ外がうるさかったのは知っていた。でも、ここで一体何を初める気なんだろう?



「皆さーん。ここに集まっていただきありがとうございました!今回の結果は5人が偶々同じ点数でした。」


 カナデは大声と風魔法で声を響き渡らせる。5人が前に出て、全員右手を上げる。


「僕は!」「僕はっ!」「私は!」「わたし・・・は!」「俺は!」


 カナデ、レイフォード、フェリド、ミスズ、ロドスはそれぞれ叫ぶ。



「「「「「魔王候補として選ばれ、ここに五人の魔王として降臨します。」」」」」


『「「「「「「わーーーーーーーーー!」」」」」」』



 大衆の大歓声。照らし合わせたようなこの出来事に私は目が点になった。いや、そんなこと出来るのかしらー?

 すると、5人全員が輝きだす。どうやら、本当に全員が魔王として就任する事になりそうねー・・・・。





 手を振るカナデ達はしばらくの間歓声に祝福されている。すると風が吹いて髪を撫でる。私は新しい風が魔族に吹き渡るのを感じていた・・・・。


 一番強い者って一人とは一言も言っておりません。という事で魔王候補全員が一番になればそれでお仕舞でした。

さて、次回からはやっと他の転生者たちが出てきます。少し時間が開くかもですがご了承ください。

この章では実は戦闘シーンをやるはずだったのですが、輝の立ち位置が難しい為、断念しました。輝VSファントム(輝)をやろうと思ったのですが・・・・・。

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